TECHNO-FRONTIER 2020 技術シンポジウム

第28回 バッテリー技術シンポジウム

※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
4月8日(水) 10:00 - 12:45 E1 自動車の電動化 ~戦略と電池開発~
14:15 - 17:00 E2 車載用電池の進展
4月9日(木) 10:00 - 12:45 E3 市場動向
14:15 - 17:00 E4 【特別セッション】電池産業の将来展望
4月10日(金) 10:00 - 12:45 E5 拡がる蓄電技術 ~蓄電池そしてその活用~
14:15 - 17:00 E6 全固体電池 ~開発から実用化まで~
 
 コーディネータ  (敬称略)
4月8日(水)
10:00~12:45
E1
自動車の電動化 ~戦略と電池開発~
永峰 政幸
㈱村田製作所 デバイスセンター バッテリ開発部 チーフマテリアルリサーチャー
1
電動車両の普及とバッテリー技術への期待
  • Hondaの電動化取り組み
  • 電動車普及の課題
  • 電動化技術における車載電池への期待
大澤  充
㈱本田技術研究所 先進技術研究所 主任研究員
2
自動車の電動化への取り組み
  • 日産における電動車の開発
  • 電動車用バッテリーの開発コンセプト
  • 将来バッテリーへの期待
新田 芳明
日産自動車㈱ 総合研究所 エキスパートリーダー
3
自動車の電動化に伴う電池開発と今後の展望
  • 自動車の電動化を加速した環境規制
  • 自動車業界における電池開発および調達戦略
  • 車載電池の安全性評価と認証ビジネス
  • 次世代革新電池の課題と展望
佐藤  登
名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授 / エスペック㈱ 役員室 上席顧問
 大衆車の登場から100年を超え、いまやヒトやモノの移動手段として車のない生活は想像できません。一方、持続可能な社会の実現や維持は人類にとって重要課題であり、化石燃料を使用して地球環境に有害な化学物質を排出する装置の変革は不可欠です。各国は燃費規制や排出ガス規制の強化で電動車の早期普及を推進しており、自動車メーカーは自動運転との親和性も高いことから、積極的な電動車の開発や導入計画を発表しています。
 本セッションでは、電池やキャパシタなど高容量電力貯蔵デバイスを用いた電動車開発に早くから取組んできた本田技術研究所、日産自動車より、電動化に関する取組みや車載用蓄電池への期待をお話しいただきます。また、自動車と電池双方の企業経験を持つ講師には、電動車の普及における課題や展望、車両性能に直結する次世代電池の開発状況を解説いただきます。
 2020年を迎え、これからの10年で自動車に期待することや、社会における自動車の役割は大きく変わっていきます。そして、この変化を実現する原動力は電動化というパワートレインの刷新です。電池を含む技術動向の把握にぜひ活用下さい。
※自動車技術関連セッションE1セッションとの共通プログラムです。
 
4月8日(水)
14:15~17:00
E2
車載用電池の進展
岡田 重人
九州大学 先導物質化学研究所 先端素子材料部門 大学院総合理工学府 量子プロセス理工学専攻 / 京都大学 触媒・電池元素戦略研究拠点 教授
1
東芝製リチウムイオン二次電池SCiBTMの特徴と車載用電池としての展望
  • 東芝における電池事業概要とSCiBTMの特徴について
  • 車載xEVシステムへの展開事例とその特徴
  • SCiBTMの技術開発動向と将来展望
山本  大
㈱東芝 電池事業部 電池提携・戦略部 商品企画担当 主務
2
車載用次世代リチウムイオン二次電池の開発トレンド
  • モビリティー電動化の社会的背景について
  • 車載用LiBの要求性能
  • 技術戦略と開発ロードマップ
  • 次世代LiB開発の最新状況
明石 寛之
㈱Envision AESC ジャパン 常務執行役員
3
金属資源再生化への取り組み ーLiBリサイクルの実現に向けてー
  • 日本の資源事情と金属リサイクルの必要性
  • JX金属のリサイクル事業
  • LiBリサイクルの実現に向けて
安田  豊
JX金属㈱ 環境リサイクル事業部 執行役員 事業部長
 持続可能な開発のための国際目標SDGsの世界的機運の高まりを受け、EVのブレーク前夜の段階にある我が国において、全固体電池の実用化まで待てない状況の今、現実解として、安全性や経済性、環境負荷に考慮した車載用リチウムイオン電池の開発が各社の急務になっています。東芝 山本大様には、酸化物負極採用で安全性に定評のあるSCIBの次世代負極について解説いただきます。また、日産、NECとEnvisionの合弁企業として2019年に設立されたばかりの新生 Envision AESC ジャパン 明石寛之様には、同社のターゲットと次世代LiBに向けた技術戦略をご説明いただきます。さらにJX金属 安田豊様には、EVの本格普及によって顕在化が避けられない資源枯渇、リサイクル問題について同社の取り組み状況を紹介いただきます。
※自動車技術関連セッションE2セッションとの共通プログラムです。
 
4月9日(木)
10:00~12:45
E3
市場動向
石和 浩次
㈱東芝 電池事業部 セル応用技術部 担当部長
1
LiB用部材市場の現状と今後の展望 ~アプリケーション市場をベースに~
  • LiB用部材市場、特に主要四部材である正極材、負極材、電解液、セパレータについて現状と今後の展望をお話します
  • 現状と展望についてはセル市場、アプリケーション市場動向を説明した上で行います
  • メインは市場動向、今後の事業展望となります
稲垣 佐知也
㈱矢野経済研究所 インダストリアルテクノロジーユニット 事業部長
2
xEVの市場動向と電池業界への示唆
  • 転換期を迎えつつある「EVシフト」
  • EV社会とビジネスモデル
  • 車載電池の業界構造変化と課題
風間 智英
㈱野村総合研究所 グローバル製造業コンサルティング部 プリンシパル
3
中国におけるLiB事業環境の変化と今後の課題
  • 中国のLiB及びEV車普及の事業環境の変化
  • 中国におけるLiB事業の現状
  • 中国におけるEV及びLiB事業の今後の課題
  • LiB及びEV事業の将来性について
CO2削減など地球環境改善の視点からEV車普及が世界的に注目される中、政府主導の国策をベースに世界的にEV車普及を牽引してきた中国EV事業の事業環境に大きな変化がみられるようになった。普及台数に関する政府方針に大きな変化はないが段階的な助成金の減額により電気自動車に関する事業採算性に陰りが見える。この事業性の悪化は何に起因するものでありその原因は中国特有のものなのか。今後の中国EV車普及の市場動向とLiB事業全体の見通しについて考察する。
堀尾 博英
森田化学工業㈱ 森田新能源材料有限公司 専務取締役 中国代表
 昨年度の電池市場も電動車両の動きに大きく影響を受けた年となりました。中国では補助金打ち切りを目前にNEVの販売台数が遂に前年比マイナス成長となり、米国ではZEV法を巡り連邦政府と加州政府が激しいバトルを繰り広げています。欧州ではディーゼル車比率の減少が却ってCO2排出量を増大させていることが新たな課題で、さらなる電動化に向けてEV用セル生産拠点の建設を進めていますが、材料などのサプライチェーンの確立や、EVからHEVへの回帰の動きなど、電池を巡る状況は日々目まぐるしく変化しています。
 本セッションでは過去高い評価を頂いている2名に加えて、中国のスペシャリストからなる3名の経験豊富な講師陣が材料、電池、市場などの分野の状況を、多角的な視点から分析し、将来展望と共に解説いたします。
 最新の情報、知見を得ることのできるまたとない機会ですので、ぜひご参加ください。
 
4月9日(木)
14:15~17:00
E4
【特別セッション】電池産業の将来展望
佐藤  登
名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授 / エスペック㈱ 役員室 上席顧問
1
電子デバイスと電池のシナジー
  • 次世代通信・自動車市場と電子デバイス
  • 村田製作所が目指す電池ソリューション
  • 今後の展望
川平 博一
㈱村田製作所 技術・事業開発本部 デバイスセンター 執行役員 / デバイスセンター長
2
パナソニックにおける車載用電池開発について
  • BEV、PHEV等の電動化車両は今後大きな市場成長が期待され、そこで用いられるリチウムイオン電池は開発が活発になっており注目されている。
    このような中で当社が進めてきた車載用リチウムイオン電池の開発について紹介させて頂く。
宇賀治 正弥
パナソニック㈱ エナジーテクノロジーセンター 所長
3
マクセルグループの電池技術開発と幅広い電池事業展開、次世代社会を支えるリチウムイオン電池のさらなる探求
  • マクセルグループの電池事業展開
  • ビークルエナジージャパン㈱の設立(HEV用LiB事業)
  • 次世代LiB技術確立と事業展開(次世代LiB、全固体電池)
千歳 喜弘
マクセルホールディングス㈱ 取締役会長
ビークルエナジージャパン㈱ 取締役会長
 これまでのシンポジウムでは市場動向や技術内容に焦点を当てた企画を進めてきましたが、今回の特別セッションでは新たに電池事業各社の経営陣による講演として電池事業への思いを語っていただきます。バッテリー技術の上位概念には企業経営戦略があるので、日本の電池産業を一層興隆させるための経営方針はグローバルビジネスを拡大する上で極めて重要です。
 村田製作所の川平様には電子デバイスとモバイル用電池事業とのシナジー効果を中心に、パナソニックの宇賀治様には車載用リチウムイオン電池の変遷とトヨタ自動車との合弁事業を含めた今後の展開について、マクセルホールディングスの千歳様にはグループ全体の電池事業と共に、HEV用リチウムイオン電池事業、さらには全固体電池を中心にした次世代電池の取り組みについても触れていただきます。
 経営側から見たバッテリー事業戦略と技術戦略について直接聴講できる絶好の機会です。
 
4月10日(金)
10:00~12:45
E5
拡がる蓄電技術 ~蓄電池そしてその活用~
林  克也
㈱NTTファシリティーズ総合研究所 エネルギー技術本部 バッテリー技術部 担当部長
1
高安全・長寿命な大型リチウムイオン電池の開発とその技術展開
  • 高安全・長寿命の大型リチウムイオン電池の開発
  • 蓄電システムの開発とご紹介
  • さらなる技術展開
河上 清源
エリーパワー㈱ 代表取締役 副社長執行役員 兼 CTO
2
定置用蓄電池の普及がもたらす分散型電源社会と当社の事業戦略について
  • 世界的に進む脱炭素化の潮流により、国や地方自治体、産業界と様々なレイヤーでの取り組みが進み、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーに注目が集まっている。分散型電源である再生可能エネルギーの普及と共にエネルギー業界では需要と供給の在り方も変容しつつあり、その中で定置型蓄電池が大きく拡大していくことが予測される。定置型蓄電池がもたらす社会的な影響と、それを見据えた当社の取り組みについて紹介する。
伊藤  敦
ネクストエナジー・アンド・リソース㈱ 代表取締役社長
3
需要家蓄電池の付加価値向上に向けた取り組み
  • 東北電力におけるデジタルイノベーションの取り組み
  • 東北電力VPP実証プロジェクトの概要
  • 自治体様の蓄電池を活用した実証
浜口 智洋
東北電力㈱ 企画部 デジタルイノベーション推進室 VPP実証タスクフォース 課長
 エネルギー蓄積技術、特に蓄電技術を、広く制限なく気軽に使用することが可能になれば、現在の電力関係の多くのソリューションを真に実現することができます。
例えば、
・変動する電力使用に対する平準化(ピークシフト・ピークカット)
・災害などによる停電時の事業継続計画(BCP)での電力供給
・発電量が不安定となる再生エネルギーの平準化
更には、昨今、話題にのぼる
・バーチャルパワープラント(VPP)
・ディマンドリスポンス(DR)
・アンシラリーサービス
などにおいても蓄電技術は重要な役割を果たすと期待されています。
 本セッションでは、上記サービスを含め蓄電関係の開発に関わっておられる講師の方々にご講演いただけることになりました。電力・エネルギーの効率的な使用を可能とする世界に向けて、現状を把握するのにお役に立てれば幸いです。
 
4月10日(金)
14:15~17:00
E6
全固体電池 ~開発から実用化まで~
小林 弘典
産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 電池技術研究部門 総括研究主幹 兼 蓄電デバイス研究グループ 研究グループ長
1
全固体電池 -その特徴と実用化までの道のり-
  • 全固体電池の定義/特徴・実状と期待される市場について
  • 全固体電池への期待:'80年代における金属リチウム二次電池開発からのブレークスルー
  • ペレット素子~容量バランスを取った電池設計まで:実用化までの道のり
相原 雄一
㈱サムスン日本研究所 MD-3 Head of MD-3 / Director
2
三井金属の全固体電池用材料開発
  • 全固体電池の特徴と期待されること
  • アルジロダイト型硫化物固体電解質の特徴
  • 全固体電池実現に向けた取り組み
高橋  司
三井金属鉱業㈱ 機能材料事業本部 機能材料研究所 電池材料開発センター 固体電解質グループリーダー
3
硫化物系固体電解質の特徴と抵抗低減に向けた取組み
  • 硫化物系固体電解質の特徴
  • モルフォロジーや結晶構造制御による抵抗低減
  • 出光固体電解質のご紹介
樋口 弘幸
出光興産㈱ 次世代技術研究所 固体電池材料研究室 室長
 近年、次世代車載用蓄電池として硫化物系全固体電池が注目されており、自動車・電池メーカでの取り組みに加え、国家プロジェクトが開始されるなど国内外を問わず研究開発が活発化してきています。また、コインセルのサンプル出荷が開始されるなど、IoTデバイス用途での実用化が間近となっています。本セッションでは、「硫化物系全固体電池開発の現状と課題」並びに「硫化物系固体電解質の最新の開発状況」について、企業で開発の最前線で活躍されている担当者から全固体電池の電池設計から固体電解質の材料設計まで幅広い情報を得ることができます。
 これらの講演から、硫化物系全固体電池の最新の技術動向を理解することができ、聴講者の方の今後の技術開発の役に立つと確信しております。
 


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