第40回 モータ技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。

コーディネータ (敬称略)
B1可変磁束モータ
赤津 観横浜国立大学 工学研究院 知的構造の創生部門 教授
1可変磁束モータの技術動向
- 可変特性モータの技術動向
- 可変モータの研究例
- まとめ
加藤 崇
日産自動車㈱ 総合研究所 EVシステム研究所 主任研究員
2
永久磁石と巻線界磁を併用したハイブリッド界磁FSMの開発現状と課題
- 動作原理と固定子磁石配置位置別の特徴
- 高占積率平角巻線を採用した固定子中央磁石配置HEFSMの設計と試験結果
- 更なる高効率化ヘ向けた課題と対策
小坂 卓
名古屋工業大学 大学院 工学研究科 電気・機械工学専攻 教授
3Δ型の磁石配置及び拡張フラックスバリアを採用した自動車駆動用可変磁力メモリーモータ
- 可変磁力メモリーモータの特長及び改善課題
- 着磁性能向上のための回転子形状の提案
- 提案構造を備えた可変磁力メモリーモータの無負荷・負荷特性
竹本 真紹
北海道大学 大学院 情報科学研究院 准教授
永久磁石同期モータの界磁調節機能をもつ可変磁束モータは高速回転時の効率向上など様々な利点があります。また可変磁束を実現する手法も、永久磁石の強さを直接制御するメモリーモータ、界磁巻線による起磁力を利用した方法やロータ磁気回路設計による磁路可変モータ、伝統的な巻線切替手法など多岐に渡ります。本セッションでは可変磁束モータの第一人者である三研究者を一同に集め、特に自動車主機用モータに焦点をあてて、わかりやすい技術動向から最新の実験結果、設計技術についてご講演いただきます。
※自動車技術関連セッションB1セッションとの共通プログラムです。
C1身近な製品のモータシステム高度化
関原 聡一㈱東芝 研究開発本部 生産技術センター 制御技術研究部 部長
1圧縮機用永久磁石同期モータの損失低減技術
- 圧縮機用モータの概要
- 高インダクタンス化による損失低減事例
- アモルファス合金薄帯による損失低減事例
高畑 良一
㈱日立製作所 研究開発グループ 材料イノベーションセンタ 電動機材料研究部 主任研究員
2
空調機を支える高機能・高効率インバータ技術
- 空調機の概要と動向
- 空調用インバータ装置の特徴
- 空調用インバータの高効率技術
清水 慎也
東芝キヤリア㈱ 技術統括部 エレクトロニクス設計部 制御器設計第一担当 グループ長
3空調用ブラシレスファンモータへの市場要望とモータおよび駆動制御の対応
- 空調業界/空調機器について
- 空調用ファンモータに求められる基本性能
- モータおよび駆動制御の対応
杉浦 賢治
ローム㈱ LSI開発本部 モータLSI商品開発部 次席技術員
様々な製品に搭載されているモータシステムには、低消費電力(省エネ)や低騒音・低振動といった高性能化、低コスト化などが求められており、これらのニーズに適した技術の高度化が進んでいます。本セッションでは、身近な製品の一つである空調機を取り上げました。空調機に搭載されているコンプレッサやファンのモータシステムには、他の製品に先駆けて新しい技術が組み込まれており、今回はその最新技術について講演いただきます。講演内容は、空調機に限らず、様々な製品開発の参考になると思います。また、モータシステムを構成する『モータ』、『制御・回路』、『部品(半導体LSI)』全てを一度に聴講できるプログラムとしました。それぞれの専門の方は勿論、システム開発されている方、システムを使用して製品開発されている方など、幅広い方々の参考になると思います。本セッションが、一人でも多くの方々の開発の一助になれば幸いです。
B2用途別モータ構造
1
一回転方向に高性能な非対称モータ
- アプリケーションの紹介
- 非対称モータの事例
- 最新動向
北尾 純士
三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 電機システム技術部 動力推進モータ技術グループ 担当
2産業機械の性能向上に寄与するモータ技術
- 工作機械の送り軸用サーボモータの動向と駆動技術
- 工作機械の主軸用スピンドルモータの動向と駆動技術
- 大型産業機械用のモータおよび駆動技術
鴻上 弘
ファナック㈱ FA事業本部 サーボ研究所 技師長
3
空調機用アウターロータ型ファンモータ
- 空調機用ファンモータ概要
- フェライトボンド磁石を用いた低振動・低騒音設計事例
- 熱流体解析を活用した放熱構造設計事例
高山 佳典
ダイキン工業㈱ 空調生産本部 モータグループ チーフ
近年、PMモータは多くの分野で適用されています。その背景には、高効率であると同時に、小型・軽量化などが期待できるためです。しかし、各分野の最適なモータは、それらの用途に対応したモータ構造となります。このセッションでは、自動車分野から自動車駆動用、産業分野から工作機械用、民生分野からは空調機用を対象として、それらのモータに必要な技術について紹介します。
自動車分野では、自動車は大半が前進であるために、その一方向駆動に着目して効率を向上させる非対称モータ構造を、産業分野からは主に工作機械の性能向上させるモータおよび駆動技術、民生分野からは静音化の空調機用ファンモータを取り上げて紹介します。
以上、本セッションが、今後のモータの性能向上を目指す開発の一助となれば幸いです。
C2革新的パワーデバイス
西岡 圭大阪大学 大学院 工学研究科 SiC応用技術共同研究講座 特任研究員
1ワイドバンドギャップ(WBG)パワーデバイスのモジュール化技術
- 最新ワイドバンドギャップ(WBG)パワーデバイスの特長
- 各種WBGデバイスの最適駆動のための受動部品、ゲート回路などの重要性
- WBGデバイスの性能を引き出すためのモジュール化技術とパワエレ装置への適用例
高橋 良和
東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター 教授
2
GaNパワーデバイス(縦型/横型)の車載応用の適材適所と最新技術動向
- 縦型GaNパワーデバイスの車載応用への可能性
- 横型GaNパワーデバイスの車載用OBCへの適用効果
- テスラ・モデル3分解から読み解くGaNパワーデバイスの車載可能性
山本 真義
名古屋大学 未来材料・システム研究所 大学院 工学研究科 電気工学専攻 教授
3α-Ga2O3パワーデバイス最新技術動向
- Ga2O3パワーデバイスの位置付け
- ミストCVD法によるα-Ga2O3エピ成長
- SBDおよびMOSFETの最新動向
四戸 孝
㈱FLOSFIA 取締役CTO
パワーデバイス分野ではまだまだシリコン半導体が大きな役割を果たしていますが、その性能の限界が見え始めてきているのも事実です。
更なる性能の向上を目指して、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)が実用化され、その次のパワーデバイス新材料として期待されている酸化ガリウム(Ga2O3)などの開発も進んでいます。
このセッションではこれら革新的パワーデバイスを最適に駆動させるための技術やモジュール化技術とその適用例、そして早期開発を期待されている縦型窒化ガリウム、ならびに、酸化ガリウムの技術動向を取り上げます。
本セッションが各位の新世代パワーデバイスを用いた商品の開発スピードアップに繋がれば幸いです。
B3電磁材料の高効率利用
山際 昭雄
ダイキン工業㈱ テクノロジー・イノベーションセンター グループリーダー 主席技師
1超小型高効率モータの設計と評価
- 宇宙用アクチュエータに要求される性能
- 超小型高効率モータ設計のポイント
- 超小型高効率モータの評価と将来
矢野 智昭
宇宙航空研究開発機構 宇宙探査イノベーションハブ 参与
2インバータ励磁時のモータ用電磁鋼板の鉄損評価技術
- 鉄損の評価技術
- Hコイルを用いた鉄損の測定原理
- インバータ励磁時のモータ用電磁鋼板の鉄損評価
浅野 能成
ダイキン工業㈱ テクノロジー・イノベーションセンター 主任技師
3高効率モーター用磁性材料の技術動向
- 高効率モーター用磁石材料の技術動向
- 高効率モーター用軟磁性材料の技術動向
- 高性能磁石の市場動向、高性能磁石材料の資源動向
豊田 俊介
(一財)金属系材料研究開発センター(JRCM) 磁性材料研究部 部長
モータ技術の進歩には、モータ構造や制御の進歩と同時にモータ材料の進歩が大きく寄与してきました。特に電磁材料の進化に伴いモータ形式へも大きなインパクトを与えきたと同時に、その電磁材料を用いた設計手法や評価方法が重要となってきています。本セッションでは、薄板電磁材料を用いた超小型高効率モータ設計の実例や、モータ駆動時時の電磁材料の評価方法をご講演いただき、モータの高効率化への新しい技術を紹介いただきます。また、モータのキー材料である電磁鋼板と永久磁石のグローバルでの最新動向をご講演いただきます。
C3振動・騒音
野田 伸一
日本電産ASIジャパン㈱ シニア・テクニカル・アドバイザ
1
トラクションモータ向けリラクタンスモータの低振動化に向けた取組み
- トラクションモータ向けリラクタンスモータの特性紹介
- 駆動方法による振動比較
- 振動低減に向けた取組み紹介
新口 昇
大阪大学 大学院 工学研究科 助教
2
サーボモータの高性能化技術
- サーボ市場の動向
- サーボシステムへの要求
- 最新HKシリーズにおける性能向上
- モータの低トルク脈動化技術
中村 雄一朗
三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 担当
3
自動車用モータ駆動システムにおける電磁加振力と振動・騒音の対策事例
- 自動車用モータ駆動システムにおける振動騒音の課題
- 電磁加振力による振動と低減手法
- 自動車用モータシステムにおける振動対策事例(モータ・制御)
原 崇文
㈱日立製作所 研究開発グループ ドライブシステム制御研究部 研究員
4
高調波電流制御によるラジアル振動の低減
- ラジアル力のモデル化
- 高調波電流制御
- ラジアル振動の低減
綿引 正倫
日本電産㈱ 中央モーター基礎技術研究所 研究第1部 主任研究員
モータは、洗濯機、エアコンなど家電製品、一般産業用、工作機械や医療機器、さらには最近では電気自動車(EV)が注目され、幅広く使用されています。モータの歴史は古く、その間に小型、軽量、高速、高効率などの幾多の技術改良がなされてきました。しかし、今日でも技術上の困難な課題はいくつか残されており、その一つとして、振動・騒音の問題があります。
本セッションでは、振動発生源である「モータの振動・騒音の発生メカニズムから対策まで」事例を交えて発表していただきます。今年度は特にハード(構造)とソフト(制御)の両面からの取り組みによる振動・騒音の低減技術がポイントとなります。モータ単体だけでなく装置システムの振動・騒音低減についても事例を紹介いただきます。本セッションは、「モータ振動騒音問題を解決する手掛かりとなる」ノウハウが多く詰まった有益な情報を大学やメーカで活躍している第一線の専門家の方々より得られる内容となっております。
B4ロボティクス
長竹 和夫
(公財)NSKメカトロニクス技術高度化財団 評議員
1ロボット分野の研究動向・課題
岩田 浩康
早稲田大学 理工学術院 / 創造理工学部 総合機械工学科 教授
2
産業用ロボット開発 「高速・高精度ロボット~人協働ロボットCOBOTTA」
- 産業用ロボットの基本構造
- 小型・高速・高精度ロボットとサーボモータ
- 人協働ロボットCOBOTTAのアクチュエータのはたらき
産業用ロボットにとってモータは必要不可欠な重要アイテムであり、モータの性能を最大限生かすための技術開発、モータ制御による付加価値創出の一例をご紹介いたします。
澤田 洋祐
㈱デンソーウェーブ FA・ロボット事業部 製品企画室 室長
3波動歯車減速機「FLEXWAVE」一体型アクチュエータと減速機から見たモータへの要求事項
- 産業用ロボット向け精密減速機に求められる要求の変遷
- それに応じたモータへの要求事項
- 超偏平アクチュエータの紹介
前口 裕二
日本電産シンポ㈱ 減速機カンパニー ロボットビジネスギヤユニット 執行役員 ビジネスユニット長
人間を支援するロボットは少子高齢化による労働人口の減少や、作業負荷増大への対応、製品・サービスの質や生産性向上の必要性から、ここ数年、全世界で技術の向上、使用現場での活用が活発化しています。
本セッションでは、ロボット分野の先端で研究・開発されている大学、産業用ロボットを実用化・事業化を進めているメーカ、ロボットに特化したアクチュエータ、減速機を事業化されているメーカの先生方から各々業界の動向、モータ・ドライブ等への要求等、ご講演戴きます。
聴講される方々が、よりロボット分野の現状、課題を理解戴けると信じます。
C4特長あるモータの技術および成果
三木 一郎明治大学 理工学部 電気電子生命学科 専任教授
1トルク向上と交流銅損低減が可能な埋込巻線形同期モータ
- 埋込巻線形同期モータの提案
モータの適用範囲が広がる中、超高速、高出力パワー密度のモータが求められている。コアレスモータはインダクタンスが低いために超高速化に適するが、トルクが小さく、高出力化や、永久磁石からの磁束が巻線に鎖交することによる交流銅損の増加が課題となる。
上記課題の解決のため、巻線を磁性コンポジット材料でモールドした、埋込巻線形同期モータ(Interior Winding Synchronous Motor:IWSM)を提案した。磁束を磁性コンポジット材料に誘導することで、トルクの向上、交流損失の低減ができる。
- 埋込巻線形同期モータの特性
巻線を磁性コンポジット材料でモールドすることで、10万rpmにおいてトルク定数は43%増加し、銅損は58%減少した。
IWSMは固定子巻線のみを変更するものであり、SPMのみならずIPMなどの回転子にも適用可能であるために、非常に汎用性が高い。
水野 勉
信州大学 工学部 電子情報システム工学科 教授
2
円弧ラジアル配向熱間加工磁石を用いた自動車主機用IPMSM
- 自動車駆動用分布巻IPMSM
- 円弧ラジアル配向熱間加工磁石の適用による高トルク・高出力密度化
- 実機試作検証結果
加納 善明
大同大学 工学部 電気電子工学科 准教授
3
アモルファスを用いた80kW自動車主機用SRモータ
- アモルファス鋼板の特徴と使い方
- SRモータの高速特性と鉄損
- 風損低減と絶縁性向上策
赤津 観
横浜国立大学 工学研究院 知的構造の創生部門 教授
新しい考え方や材料を用いたモータに関する発表が行われています。その理由は用途などによりさまざまですが、モータの種類や容量などにかかわらず環境問題の解決策とも関連して、小形・高効率・高出力などが重要なキーワードになっています。本セッションでは、特長ある3種類のモータに焦点を当て、上記のキーワードにも関連した各々の課題を解決するための技術を紹介し、その成果について明らかにします。
まず、コアレスモータ特有の課題解決のために、巻線を磁性コンポジット材料でモールドした新提案の埋込巻線形同期モータについて紹介していただきます。次に、HEV主機モータとしていくつかの特徴を持つ磁石を分割した、円弧ラジアル配向金属磁石を用いた新ロータ構造のIPMSMについて試作機による実験結果を含めて発表していただきます。そして最後に、小型化を目的としたEV用高速SRモータを取り上げ、鉄心材料にアモルファス鋼板を使用し、最適なロータ分割を行うことで渦電流損が低減可能になることなどについて講演していただきます。
本セッションが今後のモータ開発や新展開の一助となれば幸いです。
B5デジタルツインへ向けて ~モータモデルの作成とその活用法~
1電磁界解析を用いたモータのビヘイビアモデル作成と実駆動時の性能評価
- MBDにおけるビヘイビアモデルに求められる精度
- 高精度電磁界解析によるビヘイビアモデルの生成
- MIL/HILによる実駆動時の性能評価
山田 隆
㈱JSOL JMAGビジネスカンパニー CTO
2電磁界・熱流体解析を用いたモータシステムモデルのデジタルツイン活用事例
- モータの3Dマルチフィジクス解析による内部温度推定
- システム解析のためのモデル次元縮約による計算高速化
- デジタルツインによるリアルタイム寿命予測とメンテナンス最適化
石川 学
アンシス・ジャパン㈱ システムビジネスユニット リードアプリケーションエンジニア
3
FPGA専用演算器によるHILS上でリアルタイムに実行されるモータモデル作成と適用事例の報告
- インバータおよびモータのモデリングに必要なHIL実行環境、~150MHサンプリング、500nsシミュレーションタイムステップを実現するFPGAベースの演算アーキテクチャーの解説
- モータドライブシステムのモデリング、HIL実行までのツールチェーン解説
- 各種モータモデルおよびHIL実行環境とリアルタイムシミュレーション実行結果の報告
松野 知愛
MYWAYプラス㈱ PE開発ツール部 執行役員
IoTやAIの技術革新と共に、ものづくりのデジタル化を牽引する技術として注目されているデジタルツインには、物理的な製品をサイバー空間上にモデリングする必要があり、モータやモータドライブシステムも同様である。
本セッションでは、電磁界解析を用いたモータモデル作成だけではなく、駆動回路を含めた損失や熱による影響の考慮、他のシミュレータとの連成やハードウェアを取り込んだHILSへの適用など、様々な先進解析技術と共に、モータのモデリング技術について、3名の講師に具体的な事例をご紹介頂く。
C5プレス(巻線)
貝塚 正明㈱本田技術研究所 オートモービルセンター 第4技術開発室 第1ブロック 主任研究員
1
自動車駆動モータ用巻線のための次世代技術開発
- 自動車駆動モータの絶縁の考え方と課題
- 皮膜材料が及ぼす各種電気特性への影響
- 次世代に向けた巻線構成の提案
冨澤 恵一
古河電気工業㈱ 自動車・エレクトロニクス研究所 樹脂製品開発部 課長
2自動車駆動用モータコアに要求されるプレス技術の現状と今後の課題
- 金型・プレス技術の現状
- 高精度金型への要求
- 高精度プレス加工と今後の課題
松永 尚
㈱三井ハイテック 金型事業本部 金型事業部 金型技術推進部 部長
3電動車の駆動モータ接着積層コア技術GlueFASTEC®
- 電動車の市場動向と課題
- 型内接着積層技術GlueFASTEC®の特徴
- バッテリー消費電力低減に向けてGlueFASTEC®コアの提案
福山 修
黒田精工㈱ 技術本部 プロセス開発推進室 室長
地球規模の温暖化抑制の為、自動車の燃費規制は年々厳しくなり各国の環境規制を背景としてハイブリッド自動車や電気自動車など自動車の電動化が加速しています。これら環境車に搭載される駆動用のモータは高効率化、小型化、高回転化、高出力化が進んでおりモータ構成要素の巻線と電磁鋼板コアは常に高いレベルの技術が要求されています。
本セッションではモータ用巻線については高電圧に対する絶縁の考え方や次世代へ向けた巻線構成の提案を、電磁鋼板プレスにおいては高精度な金型技術やプレス加工技術の現状と課題、モータ高効率化に有効な手段である電磁鋼板の薄板化時に必要とされる型内接着積層コア技術について、それぞれ第一線で活躍する技術者の方から講演していただきます。モータ開発に関係する方々にとって大変有意義な内容です。多くの方の参加をお待ちしています。
※自動車技術関連セッションC5セッションとの共通プログラムです。
B6大容量高速モータ
山際 昭雄
ダイキン工業㈱ テクノロジー・イノベーションセンター グループリーダー 主席技師
1
航空機電動化における大容量高速モータへの期待
- 航空機電動化の背景について
- 大容量高速モータの必要性について
- 技術開発動向について
大依 仁
㈱IHI 航空・宇宙・防衛事業領域 技術開発センター エンジン技術部 将来技術プロジェクトグループ 部長
2
大型空調用磁気軸受ターボ圧縮機とドライブシステム
- セントラル空調と空調用チラー市場について
- 磁気軸受ターボ圧縮機の特徴
- 開発した磁気軸受ドライブシステムについて
- 磁気軸受の高軸支持力化について
- 磁気軸受ターボチラーの製品紹介と導入事例
中澤 勇二
ダイキン工業㈱ テクノロジー・イノベーションセンター 主任技師
3大容量コンプレッサ駆動用高速モータとドライブシステム
- Oil&Gas等の産業分野で用いられるMW級の大容量コンプレッサの機械的特徴
- MW級の大容量コンプレッサを高速駆動するシステムに要求される特性
- 高速モータとドライブシステムの開発事例
塚越 昌彦
東芝三菱電機産業システム㈱ パワーエレクトロニクスシステム事業部 パワエレ開発センター センター長
環境負荷が少なく、小型で高効率を目的に、乗り物や大型産業機器の電動化が加速していいる。自動車ではHEVやEVなどで電動化がすでに進んでいるが、さらに大容量の出力が求められる航空機や大型産業機器においては軽量・小型化のための高速化や特殊環境下における技術課題が問題になる。本セッションでは、具体的な機器として、航空機用大容量高速モータ、大型空調用ターボ圧縮機やOil&Gas等の産業用大容量コンプレッサを事例として、モータ技術だけでなく製品システムから見た複合的な技術についてご講演いただきますので、 大容量モータの開発者だけではなく、今後、製品搭載を目指す全てのモータ技術者の一助となれば幸いです。
C6自動車用駆動モータ
梅田 敦司㈱デンソー モータ先行開発部 開発1室 担当部長
1
マルチステージハイブリッドトランスミッションの開発
- マルチステージハイブリッドトランスミッション概要
- モータ小型低損失技術
- モータ冷却技術
今井 恵太
トヨタ自動車㈱ パワートレーン先行開発部 主任
2DAYZに搭載されるスマートシンプルハイブリッドについて
- 車両電動化の底上げを図るアフォーダブルなスマートシンプルハイブリッドシステムに関して、モータジェネレータを核とした主要コンポーネントの紹介とその効果、今後の進化の可能性ついて解説します。
池田 貞文
日産自動車㈱ 電子アーキテクチャ開発部 ボディエレクトロニクス開発グループ 主管
3新型 FIT e:HEV用 低損失モータの開発
- i-MMDシステムモータの小型化
- 低損失モータ技術
- NVH低減技術
梶野 大樹
㈱本田技術研究所 オートモービルセンター 第4技術開発室 第3ブロック 研究員
地球環境問題が叫ばれ、電動化車両の重要性が益々増加してきています。その様な中、エンジンとモータを併用するHVシステムでは、エンジン車からの展開性を重視したアフォータブルなシステムから、駆動、燃費を重視した2モータジェネレータシステムなど多様な形態が提案され、エンジンとモータの融合に様々な工夫、チャレンジが行われています。
本セッションでは、HVシステムで日本の電動化車両を牽引する自動車メーカの皆様に、各システムとモータを核とした主要コンポーネントの紹介と今後の進化の可能性などについてご講演いただきます。
2モータジェネレータシステムとして、トヨタ自動車の今井様にマルチステージHVトランスミッション、アフォータブルな形態としてのスマートシンプルHVについて、日産自動車の池田様、本田技術研究所の梶野様に新型FIT用の低損失モータについてご講演いただきます。
システムとモータ開発とを連動させたノウハウ、最先端技術のご紹介を聞くことができる興味深いセッションです。
※自動車技術関連セッションC6セッションとの共通プログラムです。