TECHNO-FRONTIER 2020 技術シンポジウム

第35回 電源システム技術シンポジウム

※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
4月8日(水) 10:00 - 12:45 D1 先進パワエレから見る「くるまの未来」
14:15 - 17:00 D2 トヨタ・日産・ホンダが集結 ~xEVパワエレ技術の最新動向と将来展望~
4月9日(木) 10:00 - 12:45 D3 実践インバータ設計 ~最新のパワエレ技術と未来を拓く制御技術~
14:15 - 17:00 D4 王道スイッチング電源の実践設計 ―製品開発の苦労話とノウハウ伝授―
4月10日(金) 10:00 - 12:45 D5 xEV用(向け)パワエレ受動素子の挑戦
14:15 - 17:00 D6 本格採用が始まった次世代パワー半導体 ~モビリティー分野へのSiC適用最新事例~
 コーディネータ  (敬称略)
4月8日(水)
10:00~12:45
D1
先進パワエレから見る「くるまの未来」
細谷 達也
㈱村田製作所 技術・事業開発本部 デバイスセンター 応用技術開発部 プリンシパルリサーチャー / 名古屋大学 客員教授
1
テスラ モデルS、モデル3の分解から見るクルマの未来 ~車体から電池まで~
  • 日経BPが2019年に分解・分析したテスラモデルSとモデル3の全体像
  • モデルSからモデル3へのパワートレインの進化
  • 搭載ECUやインテリアの変化から考えるEVの未来
中道  理
日経BP 上席研究員
2
次世代エレクトロモビリティに向けたGaNプロジェクトの取り組み
  • 世界各国が地球温暖化対策に取り組み脱炭素社会を構築することを合意した「パリ協定」。今、低炭素モビリティ社会実現に向けた新たなイノベーションが求められています。本講演では、イノベーション創造プロジェクト、次世代パワーエレクトロニクスとして期待される窒化ガリウム(GaN)の可能性、次世代エレクトロモビリティへの提案などをご紹介します。
塩崎 宏司
名古屋大学 未来材料・システム研究所 特任教授
3
第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモータの開発
  • すべてをタイヤのなかに:モータ・インバータと走行中ワイヤレス給電の受電回路のすべてをホイール内の空間に収納
  • 充電からの解放:走行中ワイヤレス給電の能力を1輪あたり20kWに向上。これにより交差点手前の充電だけで十分に。
  • 産学オープンイノベーション:当プロジェクトに関わる基本特許をオープン化
藤本 博志
東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 准教授 
 1.自動車の電動化、2.脱炭素エネルギー、3.情報化(AI、5G、IoT、ADAS)などの社会変化は電源システムの技術革新を導き、未来社会はパワーエレクトロニクスが支えます。35年目の記念すべきオープニングでは、1件目に、分解したテスラモデルSとモデル3からパワートレインの進化とEVの未来を洞察し、2件目に、低炭素モビリティ社会実現に向けた次世代エレクトロモビリティのオールGaNヴィークルを紹介し、3件目に、ホイールにインバータ、ワイヤレス給電、モータの全てを格納する第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモータを解説して頂きます。現場のエンジニアから未来を考える方々に有益な機会になります。
※自動車技術関連セッションD1セッションとの共通プログラムです。
 
4月8日(水)
14:15~17:00
D2
トヨタ・日産・ホンダが集結 ~xEVパワエレ技術の最新動向と将来展望~
藤本 博志
東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 准教授 
1
トヨタのxEVパワートレーン技術
  • 自動車を取り巻く環境
  • これまでの電動化技術の取り組み
  • これからの課題と方向性
岡村 賢樹
トヨタ自動車㈱ パワートレーン先行企画室 主査
2
日産の電動車システムと制御技術
  • 日産の電動車システム戦略
  • 駆動用モータの制御技術
  • e-POWERシステムの電力マネジメント
伊藤 知広
日産自動車㈱ パワートレイン・EV性能開発部 PT・EVシステム設計グループ 主担
3
プラグインハイブリッド車向け電動パワートレインと高出力密度昇圧器の開発
  • プラグインハイブリッド車パワートレインシステムと昇圧器の役割
  • 昇圧器の高出力密度を実現する磁気結合型インターリーブ回路
  • 新構造磁気結合型インダクタ
山岸 倫也
㈱本田技術研究所 オートモービルセンター EV開発室 第1ブロック 研究員
 世界中の自動車メーカが電動化を急速に進める中、ハイブリッド車・電気自動車の量産化をそれぞれ約20年前・10年前に開始していた我が国のカーメーカの技術は、世界をリードし続けている。本セッションでは、トヨタ・日産・ホンダの研究開発をリードするキーパーソンに集結をして頂き、xEVパワエレ技術の最新動向と将来展望を語って頂く。
 トヨタ自動車・岡村様からはPRIUSに代表されるトヨタハイブリッドシステムの技術的進化を俯瞰して頂き、その中でパワエレ技術がいかに重要な役割を果たしていたか、また苦労してきたかを熱く語って頂く。また今後将来的に期待される新技術開発の方向性を語って頂けるであろう。
 また日産自動車・伊藤様からは世界市場を牽引している電気自動車LEAFと、NOTE等で最近大好評のe-POWERシステムの技術動向やシステム戦略をご説明頂き、駆動用モータの制御技術・電力マネジメント技術がいかにその商品性を上げることに寄与してきたかを解説して頂く。EV時代には制御技術者が、縁の下の力持ちから一躍脚光を浴びる存在となるサクセスストーリーをお楽しみ頂きたい。
 最後に本田技術研究所・山岸様からはPHEV車向けの昇圧回路(DC/DC変換回路)の技術的要求を概説していただき、CLARITYで実用化された磁気結合型インターリーブ回路の最新技術をご紹介いただく。新構造インダクタにより高出力密度を実現した回路技術者の熱き戦いや活躍を目の当たりにして頂きたい。
 このように本セッションは日本を代表する三社が単に集結するだけではなく、パワエレ(回路)・モータ・制御というxEV時代の三大キーテクノロジーの進化を肌で感じられるものになるであろう。
※自動車技術関連セッションD2セッションとの共通プログラムです。
 
4月9日(木)
10:00~12:45
D3
実践インバータ設計 ~最新のパワエレ技術と未来を拓く制御技術~
城山 博伸
富士電機㈱ 電子デバイス事業本部 営業統括部 応用技術部 応用技術一課 課長
1
電力変換装置のノイズ低減対策事例 ~電鉄用変換器を例として~
  • 交流受電車両の共振フィルタによる高周波帰線電流ノイズ低減
  • 直流受電車両のAMラジオノイズ低減およびノイズ電流シミュレーションモデル
  • 直流受電車両のアクティブ制御による帰線電流ノイズ低減
  • まとめ
東  聖
三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 電力変換システム技術部 部長
2
蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステム制御技術
  • エネルギーマネジメントの必要性について
  • 蓄電池付PCSの受電電力可変制御を用いたDR対応技術
  • 将来展望(EV社会への展開)
遠藤 浩輝
㈱GSユアサ 産業電池電源事業部 電源システム生産本部 開発部第一グループ グループマネージャー
3
ハードスイッチング動作におけるSiC MOSFET駆動の勘どころ
  • インバータ回路などのハードスイッチング動作をする回路方式
  • SiC MOSFETを使用し高速スイッチングさせた場合に生じるゲート・ソース電圧
  • 発生するサージのメカニズムと対策回路
xEVに搭載されるインバータ回路などのスイッチング素子を上下に接続するブリッジ構成において、ハードスイッチング動作となるスイッチング側と非スイッチング側の各素子のゲート端子へ流出入する電流に着目し、ゲートーソース間電圧の振る舞いをひも解き、SiC MOSFETを使用した実測波形を示しながら、ゲートーソース間電圧に発生する課題について対策方法を紹介します。
喜多川 聖也
ローム㈱ アプリケーションエンジニア部 ハイパワーアプリケーション開発課 技術主幹
 環境問題という観点において、エネルギーを有効活用するためのパワエレ技術は非常に重要な役割を担っており、日々その技術は進歩しています。本セッションでは、これら技術について各分野で適用されている最新の事例を盛り込みながら講演いただきます。
 最初に、環境負荷低減の観点で鉄道が見直されておりますが、電気鉄道に適用した事例を取り上げ、その中でもパワエレとは切っても切り離せないノイズ対策の最新技術を講演いただきます。次にエネルギーの有効活用という面で、蓄電池を活用した最新のエネルギーマネジメントシステムについて、さらに将来のEV社会への展望について講演いただきます。最後に、これら技術を支えるSiCデバイスについて、駆動回路に関する最新の情報を講演いただきます。いずれも先端技術の実践に関わる講演であり、これらがさらなる技術の発展に役立つことを期待します。
 
4月9日(木)
14:15~17:00
D4
王道スイッチング電源の実践設計 ―製品開発の苦労話とノウハウ伝授―
関屋 大雄
千葉大学 大学院 工学研究院 教授
1
スイッチング電源製品開発のノウハウ集~電源開発の現場から市場まで~
  • 電源種類別開発ノウハウ集
  • 双方向コンバータ開発苦労話
  • 問題対策事例紹介
柳  洋成
TDKラムダ㈱ 技術統括部 システム電源開発部 新エネルギー技術グループ エンジニア
2
コーセルにおける最新スイッチング電源の実践設計
~デジタル制御を使いこなすためのエッセンス~
  • デジタルとアナログの長所を引き出すデジタルアシスト制御電源の設計思想
  • デジタルアシスト制御電源の実践設計
  • 通信機能を実現するための実践設計
水原  崇
コーセル㈱ US開発部 US開発二課 グループリーダー
3
スイッチング電源の開発トレンドの変遷 ~成功と失敗の記録~
  • フライバックからLLCコンバータに続く開発トレンドの変遷
  • 多様化する形態、片面基板からシートトランスとモールド電源まで
  • 時代とともに変化する市場要求とその対応事例
臼井  浩
サンケン電気㈱ パワーシステム本部 パワー技術統括部 開発課長
 スイッチング電源は高効率・小型化の要求が強く、他の電力変換器に比べても高周波化・高電力密度化が進んでおり、技術ノウハウのかたまりと言っても過言ではありません。本セッションでは、「王道スイッチング電源の実践設計」としてスイッチング電源メーカ3社から、製品に適用されている最新技術動向のみならず、学会や他講演会では聞くことのできない各メーカの技術ノウハウや開発苦労話についてご講演いただきます。
 最初に、各種AC/DC,DC/DC電源開発のノウハウ、ノイズや発熱に対する対策事例を現場の苦労話を交えてご紹介いただきます。次にデジタルアシスト電源の設計思想と実践設計法について解説いただきます。そして最後にスイッチング電源を知り尽くしたベテランエンジニアから開発トレンドの変遷と開発における失敗と成功の記録について講演いただきます。現場経験からくる生の声を聞くことで、スイッチング電源の技術の高さを再認識いただき、そして、「王道スイッチング電源論」を感じていただければと思います。
 本セッションが、スイッチング電源技術の更なる発展に繋がることを期待します。
 
4月10日(金)
10:00~12:45
D5
xEV用(向け)パワエレ受動素子の挑戦
財津 俊行
オムロン㈱ 技術・知財本部 組込システム研究開発センタ 技術専門職
1
テスラ・モデル3のパワエレシステム分解から読み解く次世代EV用受動素子と求められる技術仕様
  • テスラ・モデルS/モデル3用インバータにおける受動素子とその技術解説
  • テスラ・モデルS/モデル3用バッテリ充電器(OBC)における受動素子とその分解解説
  • SiC/GaNパワー半導体応用に対する車載用各受動素子応用の開発方向性
山本 真義
名古屋大学 未来材料・システム研究所 大学院 工学研究科 電気工学専攻 教授
2
EPS多機能化電源システムと高耐熱リチウムイオンキャパシタ
  • 「CASE」実現に向けた当社のEPS戦略
  • EPS多機能化電源システム・量産への技術課題
  • 高耐熱リチウムイオンキャパシタ開発
  • まとめと今後の予定
三尾 巧美
㈱ジェイテクト BR蓄電デバイス事業室 主任
3
車載対応高信頼性パワーインダクター
  • 車載用DCDCコンバータの動向について
  • 高信頼性への取り組み
  • 製品化事例
下蔵 良信
TDK㈱ 電子部品ビジネスカンパニー 製品戦略推進統括部 Passive application Center 副センター長
 くるまの電動化、情報化、自動運転は社会変革の大きな原動力であり、「移動」は新しい価値を生み出していくでしょう。それを快適に、信頼をもって支えるのがパワーエレクトロニクスの使命です。過酷な条件や、わがままな条件でも「しなやかに」しかも「強く」あるために、特に、パワエレ受動部品にはより重要な使命が課せられています。
 本セッションで、EVをパワエレシステム観点で俯瞰し、キャパシタとインダクタという部品の最新技術・動向の構成になっています。1件目は、テスラ・モデル3の分解からパワエレのシステム、特に受動部品に着目して技術の進化や課題を俯瞰的に講演して頂きます。2件目は、高温などの非常に過酷な状況でもEVに安定した電力を供給する高耐熱リチウムキャパシタとその電源システムをご講演して頂きます。3件目はEVの快適な空間を演出するために必要な超薄型大電力のインダクタについてご講演頂きます。受動部品の凄さ、難しさ、面白さと、あくなき挑戦への情熱を肌で感じて頂けると確信しています。
※自動車技術関連セッションD5セッションとの共通プログラムです。
 
4月10日(金)
14:15~17:00
D6
本格採用が始まった次世代パワー半導体 ~モビリティー分野へのSiC適用最新事例~
岡本 光央
産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター SiCデバイスプロセスチーム 主任研究員
1
次世代パワー半導体の技術課題とその対策
  • SiCやGaN半導体を用いたパワーデバイスが電源回路に使用されるようになってきた。
    これらの次世代パワー半導体デバイスを従来のSi半導体デバイスと同じように使っていてはコストに見合った性能を出すことができない。すなわちその性能を活かそうとすると、回路実装や制御で対応する必要がある。本講演では、次世代パワー半導体デバイスの特性に応じたと回路側での対策について口述する。
舟木  剛
大阪大学 大学院 工学研究科 電気電子情報工学専攻 システム・制御工学講座 パワーシステム領域
2
自動車の電動化の進展とSiCパワー半導体の適用に向けて
  • 自動車の電動化と戦略
  • プリウスの進化とパワー半導体
  • SiCパワー半導体の適用に向けて
原  雅史
トヨタ自動車㈱ EHV電子設計部 第37電子設計室 室長
3
SiCの性能を引き出すEV/HEV用インバータ技術
  • 小型チップ冷却性能を改善するパワーモジュール技術
  • 高速スイッチング性能を活かす駆動回路技術
  • 高速スイッチングに適したノイズ低減技術
沼倉 啓一郎
日産自動車㈱ 総合研究所 EVシステム研究所 主任研究員
4
電動化を加速する車載用SiCパワーMOSFETの最新トレンド
  • 高効率・高信頼性を可能にする車載用SiCパワーMOSFET製品の特徴
  • トラクション・インバータ用のパッケージ技術
  • SiCパワーMOSFETの特性を引き出す駆動技術
山田 康博
STマイクロエレクトロニクス㈱ システム・ソリューション技術部 マネージャー
 シリコンカーバイド(SiC)やガリウムナイトライド(GaN)といった次世代パワー半導体の実用化が、いよいよ本格的に始まっています。特に、SiCを採用した電気自動車が販売開始されたことから、SiCの車載応用は今後ますます進むと考えられます。
 本セッションでは、1件目で次世代パワー半導体を活かすために必要となる回路・実装技術や制御技術について俯瞰的に解説いたします。その後に、SiCの車載応用にフォーカスした適用事例を3件ご紹介いたします。SiCのメリットを引き出す新しい駆動技術や実装技術といった最新の開発動向、さらには電気自動車の将来展望等について示します。
 これらの講演を通じて、次世代パワー半導体に関する実践的で最新の情報が得られるものと確信します。
※自動車技術関連セッションD6セッションとの共通プログラムです。
 


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