第20回 熱設計・対策技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。

コーディネータ (敬称略)
F1トコトンやさしい熱設計Ⅱ
1
熱にまつわる基本のキホン ~理系じゃない人も歓迎!の超基本講座~
- そもそも熱とは?温度とは?:エネルギー保存則からおさらい
- 冷却機構ってなに?:熱を運ぶ、ただ3通りの方法
- 熱設計ってどうやるの?:「熱設計」と「熱対策」の違い
鳳 康宏
㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント HW設計部門 メカ設計部 部長
2
定式化の基本のキホン
- 熱設計における定式化とは ~伝熱の機能モデルをつくる~
- 機能モデル構築と熱設計応用のためのV字プロセス
- モデルベースデザインと電子機器の熱設計
福江 高志
金沢工業大学 工学部 機械工学科 講師
3
熱設計の基本のキホン:知っておきたい熱設計の手順とポイント
- 熱流束で厳しさを知り、熱抵抗で対策難易度を考えるのがキホン
- 密閉ファンレス機器は筐体放熱がキホン
- 強制空冷機器は風量と風速の両立がキホン
国峯 尚樹
㈱サーマルデザインラボ 代表取締役
電子機器の熱設計と言っても、そのもとになる媒体の熱や流体は見えないので、曖昧模糊としている感がある。また、熱設計は厳密な理論はなく、設計現場では経験が重要となっている。しかし、それなりの設計理論と設計経験値がうまく混ざり合えば、設計の切り口や手順などが見えやすくなる。
本セッションでは、理論も経験も豊富な第一線の技術者をお招きして、熱設計の切り口や手順などを具体的に解説してもらうことにした。
F2先端シミュレーション技術と設計への展開
末光 吾郎NECプラットフォームズ㈱ 開発事業本部 基盤技術本部 本部長
1
モータの熱・電磁界・構造連成解析とロボットの熱シミュレーションへの展開
- モータ開発の課題と連成解析の重要性
- モータの熱、電磁界、構造、振動・騒音の連成解析技術
- モータをコンポーネントとしたロボットの熱シミュレーション
村上 敦
㈱安川電機 技術開発本部 開発研究所 モータ・アクチュエータ技術部
2トロイダル型チョークコイルの熱シミュレーションモデル
- 放熱シートを介して筐体へ放熱するコイルの熱抵抗測定
- コイルの詳細なモデル化による熱シミュレーション
- トロイダルコイルの簡易モデル化手法
立松 昌
名古屋市工業研究所 システム技術部 電子技術研究室 研究員
3熱流体シミュレータを用いた設計者CAE推進活動
- 電子機器(プリンター、プロジェクター、スキャナ等)の高機能化・小型化に伴い、放熱設計が不可欠となり、熱現象を可視化し、原理を明確にした理論設計が必要である。製品の品質向上及び設計効率化のために、開発・設計者自身の熱流体シミュレーション活用を推進している。その推進活動を紹介する。
伊原 有希
セイコーエプソン㈱ 技術開発本部 ソフトウェア技術開発部 シニアスタッフ
自働車、ロボットの進化を見据え、シミュレーション技術も先行して進化をしています。最近では、熱解析、振動解析、騒音解析といった単独の解析から、連成解析として進めていく解析技術が定着を始めています。今回は、最先端の連成解析の取組みと熱解析技術のさらなる進化をご紹介するととともに、設計者のおけるCAEの定着化への活動といった幅広い観点でのセッションとさせていただきました。
F3車載電子部品の熱設計
三輪 誠㈱豊田自動織機 エレクトロニクス事業部 技術部 開発統括室 室長
1機電一体型・電動ウォーターポンプの熱シミュレーションのモデル構築
- セットメーカの電子部品のモデル化
- ECUのモデル化と精度検証
- 機電一体のモデル化と精度検証
青山 泰崇
アイシン精機㈱ デジタルエンジニアリング部 チームリーダ
21D-Simを用いた熱設計
- 1D-CAEを用いる理由
- 熱設計の精度を上げるには
- 部品の温度勾配を考慮した熱設計
有本 志峰
㈱ケーヒン 開発本部 電動技術統括部 PCU開発部
3車載半導体の熱設計・EMCのフロントローディング
- 車載用パワー半導体・ICの熱シミュレーション技術
- MBDでの熱シミュレーションとは
- EMCのフロントローディングの取り組み
江上 孝夫
東芝デバイス&ストレージ㈱ 車載戦略部
4
車載応用におけるパワー半導体の熱設計・信頼性技術最前線
~テスラ・モデル3分解から読み解くパワー半導体パッケージ(汎用/カスタム)戦略~
- パワー半導体パッケージ技術最前線
- SiCパワー半導体のパッケージ(モジュール)戦略
- テスラ・モデル3に搭載されたSiCパッケージの分解解説と今後のEVへのSiC搭載可能性
山本 真義
名古屋大学 未来材料・システム研究所 大学院 工学研究科 電気工学専攻 教授
自動車の電子化は電動化や自動運転の時代に突入し、益々加速していますが、限られたスペースに収納することを要求される自動車用電子部品は更なる小型化が要求されており、「車載電子部品の熱設計」の重要性が一段と高まっているのではないでしょうか。
このセッションでは、自動車部品メーカの視点で様々な車載電子部品の製品設計時の熱設計事例を3つほど紹介し、最後に研究者の視点から見た車載パワー半導体パッケージの現状と今後について語って頂きます。
※自動車技術関連セッションF3セッションとの共通プログラムです。
F45G時代の高発熱・デバイス冷却
柴田 博一華為技術日本(ファーウェイ ジャパン) 横浜研究所 顧問
15G通信における熱設計
- 第5世代(5G)モバイル通信技術の概要
- モバイル基地局装置の歴史と冷却技術
- スパコン、基地局の最新冷却技術動向
- 5G基地局の熱設計技術
発表内容要旨:
5G通信の実用化は、高速/大規模/低遅延を実現するハードウェア/ソフトウェア両面での技術革新が支えています。モバイル通信技術は第3第4第5世代と性能向上を続けていますが、技術革新にはハードウェアデバイスの飛躍的な性能向上が不可欠であり、同時に発熱量や発熱密度といった熱設計難易度も大幅に向上します。
5G通信機器の熱設計ターゲットとなったのは、屋内CU(Central Unit)装置の強制空冷流量アップと屋外DU(Distributed Unit)装置の強制空冷における低騒音高冷却性能の実現でした。新たな冷却技術を開発する上で重要なのは、基礎的な熱設計や騒音設計の知見に基づく、フィジビリティスタディと最適化です。本講演では、NECの5G基地局装置に使われている冷却技術を紹介し、ターゲットとなる冷却性能を実現するための熱設計プロセスを解説します。
黒木 擁祐
NECプラットフォームズ㈱ 開発事業本部 基盤技術本部 シニアエキスパート
2ポータブル液浸冷却技術の適用検討
- 電子機器に向けた液浸技術の特徴
- 小型液浸装置への適用課題
- 性能/信頼性検証の事例紹介
青木 亨匡
富士通アドバンストテクノロジ㈱ 実装技術統括部 先行技術開発部
3
高熱流束・微小部品の温度管理と熱設計手法
- 大気放熱型部品/熱設計と基板放熱型部品/熱設計
- 合理的熱設計には合理的部品仕様が必須
- 微小部品の温度確認
平沢 浩一
KOA㈱ 技術イニシアティブ 技創りセンター 職人(上伝)
高速・大容量化を目指す次世代移動体通信システム「5G」がいよいよ実用化を迎えようとしています。5Gに関する技術は主としてモバイル端末と基地局に分けられますが、熱設計に関しては従来の技術の延長で対応するのか、全く新規の技術を開発する必要があるのかは適切な判断が求められるでしょう。このセッションは将来の5G向け機器やデバイスの放熱技術を検討する上で、貴重な指針になると考えます。
F5最先端ヒートパイプの開発
本郷 卓也㈱東芝 研究開発センター 機械・システムラボラトリー 主任研究員
1自励振動ヒートパイプ冷却技術の開発
- 自励振動ヒートパイプ(PHP)冷却技術の概要
- PHPの利点と課題
- PHPの実用化に向けた取り組み
鍋島 史花
㈱日立製作所 研究開発グループ 熱流体システム研究部 総合職企画員
2JEST型ループヒートパイプの開発と電子機器への適用
- JEST型ループヒートパイプの動作原理
- これまでの開発経緯
- 電子機器への適用
鈴木 彩加
パナソニック㈱ コネクティッドソリューションズ社 イノベーションセンター アクチュエーション事業統括部 設計ソリューション開発部 主務
3薄型ベーパーチャンバー
山本 勝彦
東芝ホームテクノ㈱ 機器事業部 副事業部長
電子機器などでは高発熱密度化に加え、密閉・ファンレスの要求も増えており、冷却問題はますます深刻化しています。高信頼・高性能な冷却デバイスであるヒートパイプは、ここ数年で技術・応用ともに大きな進展がありました。
本セッションでは第一線の技術者・研究者に3例の最先端の動向を紹介して頂きます。自励振動ヒートパイプ・ループヒートパイプ・超薄型ベーパーチャンバーについて原理・特性・使用法・開発情報を知ることは、参加者には貴重な知見になると思います。
F6最先端放熱材料の開発と物性評価
1
界面熱抵抗を下げる設計手法 -液状サーマルインターフェース材料の活用と実績-
- サーマルインターフェースマテリアル(TIM)の概要説明
- TIMの熱抵抗化への動き
- 液状TIM材の活用と実績
田端 裕弘
ヘンケルジャパン㈱ オートモーティブコンポーネンツ事業部 サーマルディベロップメント マネジャー
2高熱伝導樹脂を実現するAlNフィラーとAI活用
- 樹脂の特性を活かしたまま高熱伝導化させる高アスペクト比AlNフィラー
- 実際の適用例
- 素材プロセス開発におけるAI活用
宇治原 徹
名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授
3サーマルマネジメント材料と熱特性評価
- サーマルマネジメント材料の開発
- 放熱材料と過渡熱測定例
- 信頼性評価例
須鎌 千絵
日立化成㈱ イノベーション推進本部 先端技術研究開発センタ 専任研究員
4熱伝導率分布および界面熱抵抗の可視化計測技術
- ロックインサーモグラフィを用いた3次元熱拡散率分布計測法の紹介
- 界面熱抵抗の可視計測への発展
- 計測事例の紹介
長野 方星
名古屋大学 大学院 工学研究科 教授
実装部品の熱を空気に伝えて輸送する「通風空冷型機器」に対し、部品や基板を筐体に接触させて熱を逃がす「筐体伝導放熱型機器」が増えています。スマホ、デジカメ、ECUなどを代表例とするこれらの機器は、多様な高熱伝導材料を使用します。材料の選定が熱設計の成否を握っているといってもいいでしょう。
ここでは新しいタイプの放熱材料(ギャップフィラー)、材料の高熱伝導化を支える新しいフィラー(AlNウイスカ)、これら材料の過渡熱評価法、そして基礎的な特性である熱伝導率や界面熱抵抗の計測・分析手法について、各分野のエキスパートの皆様に多角的に解説して頂きます。
サーマルマネジメント材料について総合的に理解する上で最適なセッションとなっています。