第22回 熱設計・対策技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。

コーディネータ (敬称略)
7月22日(金)
10:00~12:45

F1
薄型ヒートパイプとベーパーチャンバー
1
超薄型ループヒートパイプの研究開発
- 論文から読み解く世界の薄型放熱デバイス研究開発動向
- ループヒートパイプの基礎および研究開発事例
- ループヒートパイプの超薄型化への挑戦
2
積層型ベーパーチャンバーによる半導体熱問題の解決
- 積層型ベーパーチャンバーの特長
- 積層型ベーパーチャンバーによる超高密度実装の実現
- 積層型ベーパーチャンバーによるカーボンニュートラルへの貢献
- 水田 敬
- クルーシャル・クーリング・パフォーマンス(鹿児島大学認定ベンチャー(第8号))
3
超薄型ベイパーチャンバーの商品開発と事業展開
- 超薄型ベイパーチャンバーの開発背景および開発ポイント
- 超薄型ベイパーチャンバーの熱設計事例紹介
- 超薄型ベイパーチャンバーの適用・応用展開
- 元木 章博
- ㈱村田製作所 技術・事業開発本部 事業インキュベーションセンター 新商品事業化推進部 シニアマネージャー
近年、携帯端末向けのヒートパイプおよびベーパーチャンバーの市場が急速に拡大しています。従来はコストや薄さの制約から限られた機種での採用に留まっていましたが、数年前の極薄型ベーパーチャンバーの登場に伴い、半数近い機種で採用されるようになってきました。本セッションでは現在第一線でご活躍中の研究者・技術者の方々にループヒートパイプや積層型ベーパーチャンバー、極薄型ベーパーチャンバーの技術をご紹介いただきます。ヒートパイプやベーパーチャンバーに関する課題や今後の展開について、幅広くご理解いただける貴重な機会になると考えます。
7月22日(金)
14:15~17:00

F2
放熱・蓄熱材料
1
最新の携帯端末における放熱デバイスのトレンドとその使われ方
- 現在どのような携帯端末が市場で流通しているのか
- 携帯端末向けの放熱デバイスとしては何が主流なのか
- 携帯端末向けの放熱デバイスはどのような使われ方をしているのか
2
シリコーン放熱材料(ギャップフィラー)の技術・開発動向
- シリコーン放熱材料の概要
- シリコーン放熱材料の高性能化アプローチ
- シリコーン放熱材料の技術・開発動向
- 秋場 翔太
- 信越化学工業㈱ シリコーン電子材料技術研究所
3
革新的蓄熱技術と超熱伝導デバイスによるサーマルコントロール
- 超熱伝導を可能にした革新的ヒートパイプによるサーマルソリューション
- 機能性を有する潜熱蓄熱輸送技樹
- 熱輸送・熱交換技術の新展開
- 麓 耕二
- 青山学院大学 理工学部 機械創造工学科 教授
携帯端末は現在、電子デバイスの花形ですが、すでに高性能化と薄型・小型化で熱問題が顕在化しています。また種々の熱の課題にも直面しています。その問題を克服する手段として、放熱性の良い材料の開発と利用、的確に熱輸送する技術がキーと考えられます。本セッションでは携帯端末向けの放熱デバイスの課題のほか放熱性材料、蓄熱輸送について、その第一線で活躍している研究者・技術者に講演してもらいます。
9月14日(水)
9:30~12:20

F3とことんやさしい熱設計
- 国峯 尚樹
- ㈱サーマル デザイン ラボ 代表取締役
1
熱にまつわる基本のキホン ~理系じゃない人も歓迎!の超基本講座~
- そもそも熱とは?温度とは?:エネルギー保存則からおさらい
- 冷却機構ってなに?:熱を運ぶ、ただ3通りの方法
- 熱設計ってどうやるの?:「熱設計」と「熱対策」の違い
- 鳳 康宏
- ㈱ソニー・インタラクティブ エンタテインメント HW設計部門 メカ設計部 部長
2
Excelではじめるトコトンやさしい熱計算
- 1DCAEと3DCAEの違い ~できることできないこと~
- 電子機器の熱回路モデルの組み立て ~機器/基板/部品のモデル~
- 過渡熱計算 ~タイムチャート/温度制御/相変化~
- 国峯 尚樹
- ㈱サーマル デザイン ラボ 代表取締役
3
自動車エレクトロニクス「伝熱設計」の基礎知識
- CASE時代に突入した自動車エレクトロニクスの伝熱技術
- ECUにおける伝熱の基礎、発熱側のプリント基板、放熱側のきょう体の設計留意点
- 温度計測実験の注意点
- 伝熱解析のモデリングのコツ
- 篠田 卓也
- ㈱デンソー エレクトロニクス製品基盤技術
電子機器の熱設計を行うには伝熱工学の知識が必要ですが、伝熱基礎式を複雑な電子機器に適用しようとすると、大きな隔たりがあります。設計が固まれば熱流体シミュレーションで検証できますが、初期段階で構造や指針を決めるためには、①熱のふるまいを正しく理解しておくこと、②設計パラメータと温度の関係を予測できること ③熱対策の定石・常套手段を知ってておくこと が必要です。
本セッションではやさしい熱設計の解説で定評のある3名の講師を招き、ビギナー向けのチュートリアルを企画しました。はじめて熱設計に取り組まれる方、伝熱計算式を熱設計に適用する方法を知りたい方、車載機器の熱設計ノウハウや計測・解析手法について興味をお持ちの方に是非ご参加いただきたいと思います。
9月14日(水)
13:30~16:20

F4やさしい伝熱計測
1
熱電対とサーモグラフィーの基本
- 熱電対とサーモグラフィーの原理と特徴
- 熱電対で正しい温度を測定するには
- サーモグラフィーで正しい温度を測定するには
- 中村 元
- 防衛大学校 システム工学群 機械工学科 教授
2
熱電対の作成と高精度測定の基本
- これほどまでに違う!取り付け方法で熱電対の測定誤差は10℃以上
- なぜ測定誤差が大きくなるのか?熱電対の作製~取り付けまで
- 正しい知識と技術でキチンと測定する方法
3
空気流の温度場と流動範囲の簡易かつ低コスト計測法の基本
- メッシュスクリーンとサーモグラフィーを組み合わせた測定法の考え方
- 測定系の具体例と結果の紹介
- 測定に及ぼす主要パラメータと今後の課題
伝熱計測において最も重要とも言える温度の計測技術は、様々な技術開発の現場においてなくてはならないものでありながら、正直なところ今ひとつ自信がない、と感じられる方も少なくないのではと思われます。
このセッションでは大学関係者の中でも企業技術者との接点の多い講師に登壇いただいて、温度計測手法の代表例とも言える熱電対やサーモグラフィーの扱いに関する講演をいただくとともに、気流の温度と流動状況とを一緒に測る手法についてもご紹介いただきます。
多くの方にとって実用的な手法やヒントを得られる貴重な機会となることを期待しています。
9月15日(木)
9:30~12:20

F5車載部品
- 熊野 豊
- パナソニックオートモーティブシステムズ㈱ HMIシステムズ事業部 ディスプレイビジネスユニット シニアエンジニア
1
車載用パワー半導体の高速・高精度な熱・ノイズシミュレーション技術
- 当社のMBD活動紹介と活用方向性
- 高速・高精度を実現するモデル縮退技術
- 熱&EMI検証への応用
- 岡野 資睦
-
東芝デバイス&ストレージ㈱ デバイス&ストレージ研究開発センター パッケージソリューション技術開発部 フェロー
2
車載電子製品の熱設計の考え方 ~インバータを事例に~
- 車載電子製品における熱設計のポイントは、放熱設計(熱伝達)と熱分離(熱絶縁・耐熱)
- 熱設計は、製品信頼性と直結、具体的には熱ー実装信頼性技術
- 熱設計は、あくまで車両の付加価値を高めるのが目的
- 神谷 有弘
- ㈱デンソー 電子PFハードウェア開発部
3
パワーエレクトロニクスシステムにおける損失と熱のシミュレーション
- 自動車・航空機の電動化におけるパワエレの重要性
- 高いスイッチング周波数駆動におけるシステムシミュレーションの考え方
- パワエレシステムにおけるコア、スイッチングデバイス損失と熱の推定
昨今、半導体の高発熱密度化、筐体の小型化、ファンレス化等々により、電子機器の熱設計の難易度が飛躍的に向上し、熱シミュレーションを活用した熱設計が一般的となってきました。しかしながら熱シミュレーションの導入だけでは、熱設計の支援にはなり得ず、その使い方が非常に重要となっています。
本セッションでは、近年のトレンドとなっているMBD(モデルベース開発)、また熱だけでなく電気との連成解析、さらには熱と品質との関係について、業界のスペシャリストにご講演いただきます。
今後の熱設計業務の参考になれば幸いです。
※自動車技術関連セッションF5セッションとの共通プログラムです。
9月15日(木)
13:30~16:20

F6EVシステム
- 三輪 誠
- ㈱豊田自動織機 エレクトロニクス事業部 技術部 開発統括室 人材育成グループ 主査
1
電気自動車の熱マネージメント技術と普及へ向けた課題
- 空調暖房に使える排熱源をもたない駆動源車両での空調システムとは
- 低温環境対応技術や効率改善技術とは
- 将来の電池での空調システムとは
2
発熱量の高精度見積りに必要となるパワーデバイスの実践的モデリング
- 高電圧/大電流を制御するEV環境では熱問題が顕在化し、開発の初期段階から熱対策設計が求められています。本セミナーでは、EVシステム内における発熱量の高精度見積りに必要となるパワーデバイスの実践的モデリングについて解説します。
3
ガソリンエンジンECU技術を電動製品への応用
- 自動車の長期信頼性技術
- 制御とアクチュエータの組み合わせノウハウ
- ECU内部、素子配置による熱放熱効率化
- 近江 慶太
- ㈱デンソー エレクトロニクス技術1部 第1設計室 室長
EV化は既定路線となり、加速するばかりですが、EVにおいて熱問題は今後も注目されることと思われます。本セッションでは、EVの熱問題に焦点を当て、EVにおける熱マネージメントやEVに必須であるパワーデバイスの高精度発熱予測、ガソリンエンジンECUのEVへの応用の3テーマについてご講演して頂きます。
※自動車技術関連セッションF6セッションとの共通プログラムです。
9月16日(金)
9:30~12:20

F7AIを使ったシミュレーション&センシング技術
- 山本 泰寛
- 日本アイ・ビー・エム㈱ IBM東京ラボラトリー クライアント・ケア 部長
1
機械学習×伝熱工学による温度予測式の自動生成技術
- 時間のかかる詳細シミュレーションを代替する低次元化モデル(ROM)
- 強制空冷機器と自然空冷機器の事例を紹介
- インフラ機器の予知保全への貢献にも期待
- 鈴木 智之
- ㈱東芝 研究開発センター 知能化システム研究所 機械・システムラボラトリー 研究主務
2
サーマルダイオード赤外線センサ技術
- 非冷却赤外線センサ概説
- サーマルダイオード赤外線センサ技術
- 赤外線センサ高性能化開発と今後の展開
- 藤澤 大介
- 三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 先進機能デバイス技術部 画像デバイス技術グループ グループマネージャー
3
電子機器の熱流体シミュレーションにおける最適化技術の活用
- 電子機器の熱設計における熱流体シミュレーション
- ICパッケージの熱回路網モデル化
- 最適化技術を活用したDelphiモデル構築
- 芝 優希知
-
パナソニック コネクト㈱ 技術研究開発本部 先進技術研究所 シミュレーション研究部 主任技師
熱流体シミュレーションに機械学習や最適化技術を組み合わせたモデル化技術の確立による設計革新や、センシング技術における新たな技術開発がおこなわれています。本セッションでは「機械学習×伝熱工学による温度予測式の自動生成技術」「サーマルダイオード赤外線センサ技術」「電子機器の熱流体シミュレーションにおける最適化技術の活用」についてご紹介いただきます。技術者や研究者の創意工夫に満ちた取り組みを知る貴重な機会であり、課題解決の一助や知見の蓄積、今後の活動指針の参考などにご活用ください。
9月16日(金)
13:30~16:20

F8キーコンポーネントの熱技術
- 松木 隆一
- 新光電気工業㈱ 開発統括部 設計技術開発部 部長
1
深紫外LED製品の熱設計技術
- 深紫外製品の概要
- 紫外線LED水処理装置の熱設計プロセス
- 熱回路網法のモデル化と精度検証
- 松本 尚子
- スタンレー電気㈱ 研究開発統括部 主任技師
2
半導体パッケージの熱抵抗測定技術
- 熱抵抗測定の重要性
- 熱抵抗の測定方法
- 測定条件の違いによる熱抵抗実測事例
- 東条 三秋
- シーマ電子㈱ 設計・試作・評価センター 執行役員
3
大電流基板・高放熱基板による冷却
- 大電流・高放熱基板開発の背景
- 大電流基板によるジュール発熱の抑制
- 高放熱基板による効率的な部品冷却
- 秦 恵子
- 大陽工業㈱ プリント回路カンパニー 開発営業部 マーケティング課 マネージャー