テクノフロンティア2022 第43回 モータ技術シンポジウム
テクノフロンティア2022 技術シンポジウム

第42回 モータ技術シンポジウム

※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
【会場開催:会場 東京ビックサイト 会議棟  【オンライン開催:Zoom Zoomウェビナー
7月20日(水)
会場
10:00~12:45 B1 自動車の電動化システム技術
B2 新材料
14:15~17:00 B3 E-Axle
B4 AIおよびトポロジー最適化
7月21日(木)
会場
10:00~12:45 B5 巻線界磁モータ
B6 電動航空機用モータ
14:15~17:00 B7 高回転モータ
B8 高出力密度化に向けた最新技術
8月2日(火)
Zoom
9:30~12:20 B9 振動・騒音
13:30~16:20 B10 鉄道用モータ
8月3日(水)
Zoom
9:30~12:20 B11 アキシャルギャップモータ
13:30~16:20 B12 低トルクリプル
8月4日(木)
Zoom
9:00~11:50 B13 人と街と電動マイクロモビリティ
12:15~15:15 B14 発電機システム
15:30~18:20 B15 革新的パワーデバイス
8月5日(金)
Zoom
9:30~12:20 B16 可変磁束モータ
13:30~16:20 B17 磁気ギアモータ
 コーディネータ  (敬称略)
7月20日(水)
10:00~12:45
会場
B1
自動車の電動化システム技術
本間  正
オリエンタルモーター㈱ 鶴岡カンパニー AC・BLモーター事業部 開発部 モーター開発担当課長
1
電動車用駆動モータ技術
  • トヨタのこれまでの電動車用駆動モータ技術の紹介
  • CNに向けたモータ技術
滝澤 敬次
トヨタ自動車㈱ CN先行開発センター CN開発部 CN駆動・EHV開発室 室長
2
プラグインハイブリッドシステムの進化
  • カーボンニュートラルへ向けた社会動向とPHEVの技術的な価値
  • プラグインハイブリッドシステムの進化
  • 電動化による新たな価値
半田 和功
三菱自動車工業㈱ 第一EV・パワートレイン技術開発本部 チーフ・パワートレイン・エキスパート
3
エレクトリック G-ベクタリング コントロールプラスの開発
  • G-Vectoring Controlの概要紹介
  • 最初に適用したエンジン車への効果
  • EV(MX-30)に適用した際の効果
小川 大策
マツダ㈱ 統合制御システム開発本部 電子基盤開発部 社員
 地球温暖化を防止するためにCO2排出低減の必要性がより一層高まっていますが、その対応策として自動車の分野では電動化がますます進行しています。
 電動化システムには多くの取り組みがありますが、その中で今回は最前線の自動車メーカーの方々よりEV/HEV/PHEVといった様々な方法についてご講演をいただくことになりました。
 燃費・電費向上に関する技術や、電動化を有効利用した操縦安定性向上技術など興味深い内容をご説明いただきます。多分野のモータ関係者にとりまして有意義な内容となっておりますので、この機会をご活用いただけたら幸いです。
※自動車技術関連セッションB1セッションとの共通プログラムです。
 
7月20日(水)
10:00~12:45
会場
B2
新材料
有田 秀哲
三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 電機システム技術部 グループマネージャー
1
NANOMET® 積層コアを用いて製作したモータの実機評価
  • NANOMET®の特徴
  • NANOMET®積層コアを適用したSRモータ
  • NANOMET®積層コアを適用したPMモータ
中村 健二
東北大学 大学院工学研究科 教授
2
高効率モータ用アモルファスコアの開発
  • アモルファスの特長
  • アモルファスコアを組み込んだモータの特性
  • アモルファスリボンコア加工の課題と対策
高島  洋
日立金属㈱ 機能部材事業本部 機能部材研究所 パワーエレクトロニクス研究部 部長
3
MagHEMプロジェクトの新規磁性材料開発
  • 高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)における磁性材料開発を紹介
  • 永久磁石の希土類問題を発端とする10年にわたる国家プロジェクトでの成果
  • 今後の展望
尾崎 公洋
(国研)産業技術総合研究所 磁性粉末冶金研究センター 研究センター長
 HEVやEVの進化に伴い、高効率化や高出力化がモータ設計の重要な競争軸となっている。その技術の進歩は、材料、設計、生産技術の3つが、重要な開発要素として挙げられ、共に協調しながら進歩をしている状況である。その中でも磁石や電磁鋼板といった磁性材料の革新には注目が集められており、各所で開発が進められている。さらに、それらの材料の評価方法やモータ適用事例など使いこなし技術も進化している状況であり、これらの開発動向も着目されている。
 本セッションでは、各研究機関での貴重な研究成果として、革新的な新材料におけるモータの適用事例、加工法やその課題等をご講演いただきます。新材料の特徴からその使いこなし技術まで含まれており、今後のモータ設計開発における一助になるものと思います。
 
7月20日(水)
14:15~17:00
会場
B3
E-Axle
赤津  観
横浜国立大学 工学研究院 教授
1
高性能E-Axleの開発
  • 車両要求事項とE-Axle最新市場動向
  • 高性能E-Axleを実現するモータ・インバータ・ギヤBOX
  • 出力密度改良モデル
上村  清
㈱明電舎 EVグループ EV営業・技術本部 開発第一部 ドライブ開発第二課 課長
2
EV/PHEV向けトラクションモータの開発
  • モータの小型化技術
  • モータの軽量化技術
  • モータの冷却技術
上田 智哉
日本電産㈱ 中央モーター基礎技術研究所 先進駆動システム開発グループ 上級研究員(グループリーダー)
3
汎用電動駆動ユニットの開発 E3-Drive Technology®
  • 汎用電動駆動ユニットの開発
  • 適用事例のご紹介
  • 商品化に向けての取組と課題
桂  斉士
㈱エクセディ 電動商品開発部 次長
 EVの普及拡大に向けてパワートレインの開発競争が激化しております。本セッションで取り上げるE-Axleは、モータ・インバータ・ギアをユニットとして一体化した構成で、モータそのものの技術はもちろんですが、モータ・インバータ配置方法や冷却方法に特徴が出る技術です。ぜひ各社の考え方を聞いていただき、今後のEV普及拡大に役立てていただければ幸いです。
※自動車技術関連セッションB3セッションとの共通プログラムです。
 
7月20日(水)
14:15~17:00
会場
B4
AIおよびトポロジー最適化
関原 聡一
㈱東芝 生産技術センター 制御技術研究部 シニアマネジャー
1
トポロジー最適化・機械学習を用いた最適設計
  • 永久磁石モータのトポロジー最適化
  • 機械学習を用いた最適設計の効率化
  • モンテカルロ木探索を用いたモータの総合最適設計
五十嵐 一
北海道大学 大学院 情報科学研究院 教授
2
モータを設計するAI ―AIはモータ設計者の仕事を奪うか?―
  • AIとは
  • AIを活用したモータ自動設計の分類
  • モータ設計分野のAI活用事例
清水 悠生
立命館大学 理工学部 助教
3
トポロジー最適化によるモータの最適設計の実用化
  • モータにおけるトポロジー最適化の実用化への課題
  • 各種最適化手法によって得られた最適デザインの評価
  • 分散処理技術と速度向上比
成田 一行
㈱JSOL JMAGビジネスカンパニー ITプロフェッショナル
 カーボンニュートラルやSDGsなどに向けて、様々な製品に搭載されているモータには高性能化が求められており、これに対応すべくモータ設計の技術高度化が進んでいます。モータ設計において、現在主流の寸法や形状の最適化に対し、形態の変化も可能とする『トポロジー最適化』は設計自由度が高く近年注目を集めています。また、機械学習や深層学習などに代表される『AI』は急速に進歩発展しており、モータ設計に活用されはじめています。本セッションでは、この『トポロジー最適化』と『AI』にフォーカスして、技術動向や最新技術、実用化事例についてご講演いただきます。本セッションが、一人でも多くの方々のモータ開発の一助になれば幸いです。
 
7月21日(木)
10:00~12:45
会場
B5
巻線界磁モータ
阿部 貴志
長崎大学 大学院 工学研究科 電気・情報科学部門 電気電子工学分野 教授
1
新型ARIYAの電動パワートレイン
  • 新型電気自動車 NISSAN ARIYAの紹介
  • 搭載される電動パワートレイン概要
  • 駆動用巻線界磁モータの紹介
大木 俊治
日産自動車㈱ パワートレイン・EV技術開発本部 エキスパートリーダ
2
自動車駆動用巻線界磁モータ
  • 巻線界磁モータの特徴
  • PMモータとの性能比較
  • 自動車用途課題への取り組み
桜井 茂夫
㈱明電舎 研究開発本部 製品技術研究所 コアテクノロジ開発部 EV先行開発課 主任
3
自動車・産業用途の巻線界磁モータの構造、制御における技術動向
  • 自動車用途の巻線界磁モータの構造、制御
  • 産業用途の巻線界磁モータの構造、制御
  • 巻線界磁モータの可能性
青山 真大
静岡大学 工学部電気電子工学科 助教
 2050年カーボンニュートラルに向け、自動車駆動用モータにはコストと資材の問題や制御性能までも考慮した上で、効率の最大化が要求されています。現状の埋込型永久磁石モータに迫る、もしくはそれ以上の性能を持ち、資材問題をクリアできる様々なモータが研究、開発されています。本セッションでは、巻線界磁モータに焦点を当て、日産自動車株式会社の大木俊治様、株式会社明電舎の桜井茂夫様、静岡大学の青山真大様に講師をお願いし、新型ARIYAの電動パワートレインのご紹介、巻線界磁モータの特徴や永久磁石モータとの性能比較や課題への取り組み、巻線界磁モータの構造と制御そして可能性についてご講演頂きます。
※自動車技術関連セッションB5セッションとの共通プログラムです。
 
7月21日(木)
10:00~12:45
会場
B6
電動航空機用モータ
梅野 孝治
㈱豊田中央研究所 電動化・モデルベースデザイン研究領域 研究領域リーダ
1
航空推進系用モータと運転技術
  • 航空機用推進系電動化の動きと推進系用電動モータの運転技術について
小林  宙
(国研)宇宙航空研究開発機構 航空技術部門 主任研究開発員
野口 俊介
(国研)宇宙航空研究開発機構 航空技術部門 研究開発員
2
航空機電動化の動向とモータ技術開発への取り組み
  • 航空機電動化の動向
  • 航空機電動化に必要となる関連技術
  • 航空機用モータの開発取り組み紹介
桑田  厳
㈱IHI 技術開発本部 技術企画部 企画推進グループ 主幹
3
電動航空機へ搭載する推進用超電導モータとその周辺システム
  • 電動航空機用モータ及びシステムの研究動向
  • 超電導技術の概要と導入のメリット
  • 電動航空機向けの推進用超電導モータの研究動向
  • 超電導技術を搭載した分散型推進システム
寺尾  悠
東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 助教
 昨今のカーボンニュートラルの動きに合わせて、モビリティの電動化が加速しています。その流れはハイブリッド車や電気自動車に代表される自動車のみならず、航空機業界にも及んでおり、推進システムの電動化を中心に様々な取り組み、技術開発がなされています。本セッションでは、航空機の電動化の最新動向を第1線で活躍されている講師の方々にご講演いただきます。まず、世の中の動きとして、電動航空機に関する産学官連携の取り組みや航空機用モータの特徴、運転技術について紹介いただき、ついで、航空機用モータの技術動向や実用化に向けた取り組みを紹介いただきます。最後に推進用モータとして有効な超電導モータとそのシステム技術についてご講演いただきます。
 本セッションが、モータの更なる高性能化、高信頼化に向けた技術開発の一助となれば幸いです。
 
7月21日(木)
14:15~17:00
会場
B7
高回転モータ
山際 昭雄
ダイキン工業㈱ テクノジー・イノベーションセンター グループリーダー 主席技師
1
ハルバッハ配列を用いた高速回転機
  • 会社概要
  • ハルバッハの特徴
  • 高速回転機としてのハルバッハモータ
鈴木 寛章
㈱大洋電機エンジニアリング 技術部 設計開発担当
2
省資源型次世代電動アクスルの開発 ~ 素材技術をベースに高速回転・高減速化による電動化社会への貢献 ~
  • 電動化急拡大に伴う資源課題への対応
  • 素材技術活用によるモータの高速回転化と減速機の小型・高減速化の開発コンセプト
  • 省資源型次世代電動アクスルの開発と技術実証結果、今後の展望
度會 亜起
愛知製鋼㈱ 未来創生開発部 EVモータ開発グループ グループ長
3
高速回転モータ用軸受の技術動向
  • 玉軸受の高速化技術
  • 小型モータ用玉軸受保持器の高速化技術
  • 電動車駆動モータ用高速回転玉軸受保持器の開発
安瀬 大樹
日本精工㈱ 産業機械事業本部 産業機械技術総合開発センター E&E軸受技術センター 副主務
 カーボンニュートラルが加速する中で、動力源の電動化が推進されているが、同時により高パワー密度で省資源を実現することも重要となっています。
 そのため、モータの高速化による小型化、省資源化が注目されており、自動車用を初め、家電・産業機器、最近ではドローン用で開発事例が発表さています。本セッションでは高速モータならではのモータ構造技術やギア、軸受など重要な技術についてご紹介頂きます。
 
7月21日(木)
14:15~17:00
会場
B8
高出力密度化に向けた最新技術
榎本 裕治
㈱日立製作所 研究開発グループ サステナビリティ研究統括本部 電動化イノベーションセンタ モビリティドライブ研究部 主管研究員
1
今、求められるモータ性能
  • ASTERMOTORについて
  • モータの現状
  • モータの未来
本郷 武延
㈱アスター 代表取締役
2
巻き線を超える高占積率コイルを搭載した小型モータの開発
  • モータ開発の背景
  • イビデンによるコイルの高占積率化技術
  • プリントコイルモータ「ecoTORQUE」の性能評価
平澤 貴久
イビデン㈱ 技術開発本部 ミドルマネージャー
3
インホイールEV向けダイレクト駆動システム
  • インホイールモータの技術動向
  • 高出力密度インホイールモータの磁気特性設計
  • 高出力密度インホイールモータの冷却技術
伊藤  誠
㈱日立製作所 研究開発グループ 電動化イノベーションセンタ モビリティドライブ研究部 研究員
須藤 哲也
㈱日立製作所 研究開発グループ 電動化イノベーションセンタ モビリティドライブ研究部 研究員
 モータは古くから存在し、その基本原理は変わっていませんが、現在もなおその用途は様々な分野へと拡大を続けています。近年、カーボンニュートラルをめざして自動車や航空機などへモータ駆動システムの適用が進んでいます。これらモビリティ用途では小形・軽量、かつ、高出力が必須となっています。
 本セッションでは、モータコイルの軽量化・高占積率化、磁気回路設計、冷却技術など、モータの高出力密度化を実現するアプローチについてそれぞれの研究開発成果をご講演いただきます。モータの高出力密度化に対する新たな知見を得る機会として、本セッションをご活用いただければ幸いです。
 
8月2日(火)
9:30~12:20
Zoom
B9
振動・騒音
野田 伸一
日本電産㈱ ASIジャパン 上席主幹技師
1
円環零次モード加振力低減によるスイッチトリラクタンスモータの低振動・低騒音化
  • スイッチトリラクタンスモータ
  • 円環零次モード
  • 低振動・低騒音
千葉  明
東京工業大学 工学院 教授
2
バイラテラルギヤを用いた関節アクチュエータの研究開発
  • 逆駆動性に優れるバイラテラルドライブギヤとそのロボットへの応用について紹介する。
藤本 康孝
横浜国立大学 工学研究院 教授
3
接触面剛性を考慮したステータコアの振動特性予測と応用
  • ステータコア振動特性予測の現状と課題
  • 鋼板間の接触状態に基づく接触面剛性を考慮した振動特性予測
  • モータアセンブリの特性予測への応用と展望
田尻 聡太郎
ニュートンワークス㈱ CAE総合開発センター 主任
 モータは、洗濯機、エアコンなど家電製品、一般産業用、工作機械や医療機器、さらには最近では電気自動車(EV)が注目され、幅広く使用されています。モータの歴史は古く、その間に小型、軽量、高速、高効率などの幾多の技術改良がなされてきました。しかし、今日でも技術上の困難な課題はいくつか残されており、その一つとして、振動・騒音の問題があります。
 モータ音や振動を発生しないようにするにはどうしたらいいですか?どのような発生メカニズムでモータ音がでるのですか?モータにCAE予測を適用する境界条件は、どのように設定するのですか? 本セッションでは「円環モードの電磁加振力低減」「モータと減速機組合せの振動低減法」「振動予測シミュレーションでの積層鉄心モデルとその特性」について発表していただきます。
 「振動・騒音セッション」は「モータ振動騒音問題を解決する手掛かりとなる」ノウハウが多く詰まった有益な情報を大学やメーカで活躍している第一線の専門家の方々より得られる内容となっております。
 
8月2日(火)
13:30~16:20
Zoom
B10
鉄道用モータ
近藤  稔
(公財)鉄道総合技術研究所 車両技術研究部 駆動システム研究室 研究室長
1
様々な車両に合わせた駆動用電動機と最新技術
  • 鉄道車両駆動用電動機の特徴
  • 様々な車両に合わせた駆動用電動機
  • 最新の駆動用電動機
山口 敏弘
東洋電機製造㈱ 交通事業部 交通技術統括部 交通技術部 係長
2
鉄道車両用PMSM駆動システムの動向
  • 鉄道車両駆動モータの要求性能
  • PMSM駆動システムとIM駆動システムの比較
  • 最新適用事例と動向
小番 拓也
東芝インフラシステムズ㈱ 交通システム部 開発設計第二担当 スペシャリスト
3
車両用誘導電動機回転子構造の変遷 ~アルミダイキャストロータの鉄道車両用電動機への適用について~
  • 車両用誘導電動機回転子構造の変遷について
  • アルミダイキャストロータ技術について
  • アルミダイキャストロータの鉄道車両用電動機への適用について
小林 耕平
㈱日立インダストリアルプロダクツ 電機システム事業部 ドライブシステム本部 電機プロダクト設計部 電動機第二設計グループ 技師
 鉄道車両はレールに沿って走行するため架線からの給電が可能であり、電池技術等が発達する前から車両駆動用にモーターが使用されてきました。また、インバータ駆動、希土類磁石を用いた永久磁石同期機、SiC半導体等、新しい技術を常に取り入れて進化してきました。しかし、その技術は意外に知られていないかと思います。本セッションでは、独特な鉄道用モーター技術の特徴や、駆動用に使用されている様々な方式のモーターについて3名の講師にご紹介して頂きます。現在、様々な分野で行われている電動化への取り組みに対し、大いに参考になる内容となると思います。多くの方の参加をお待ちしています。
 
8月3日(水)
9:30~12:20
Zoom
B11
アキシャルギャップモータ
小坂  卓
名古屋工業大学 大学院 工学研究科 工学専攻 電気・機械工学系プログラム 教授
1
コアレス回転子構造を備えたアキシャルギャップモータの開発の進展状況
  • コアレス回転子構造を備えたアキシャルギャップモータの構造の説明
  • 高効率化するためのSMC材料の開発方針の検討と実機評価
  • 提案構造の更なる高出力化の検討事例
竹本 真紹
岡山大学 大学院 自然科学研究科 教授
2
超薄型アクチュエータの開発
  • 超薄型アクチュエータの開発について
  • 薄型化のための減速機およびモータの方式
  • 超薄型アクチュエータの設計と試作検証結果
石塚 一男
㈱リケン 技術統括本部 新製品開発部 主任技師
3
純鉄系磁性細線を用いたアキシャルギャップモータ
  • 純鉄系磁性細線について
  • 細線を適用したアキシャルギャップモータ
  • 今後の展開
笠井 信吾
㈱神戸製鋼所 鉄鋼アルミ事業部門 線材条鋼ユニット 磁性材マーケティング開発室 主任研究員
 モータ設計開発において小型・軽量化は永遠の課題である。これに対し、例えばインホイールモータなど扁平狭小な搭載スペースに併せたモータ設計開発要求に対し、従来のラジアルギャップ構造に対してトルク密度・出力密度の点で優れるアキシャルギャップ構造のモータの実用化例、設計開発事例が近年、数多く報告されている。
 本セッションでは、アキシャルギャップモータの研究開発に長年取り組んでおられる岡山大学の竹本先生に、 コアレス回転子構造を備えたアキシャルギャップモータの開発の進展状況を、また企業からお二方の講師をお招きし、超薄型アクチュエータ、新たな材料として純鉄系磁性細線を用いたアキシャルギャップモータの開発事例についてご講演いただき、その最新技術動向を概観する。聴講者各位が開発中のモータに関する創意工夫のヒント、あるいは今後開発を進めようとしているモータコンセプトの発想につながれば幸いである。
 
8月3日(水)
13:30~16:20
Zoom
B12
低トルクリプル
小林 誠一
日本精工㈱ 技術開発本部 新領域商品開発センター 所長
1
ワイドエアギャップと不均一巻線構造に基づく超低トルクリプルPMモータの開発
  • 超精密ロボットなどに要求される平均トルクの増大とトルクリプルの低減
  • ワイドエアギャップと不均一巻線構造に基づくトルクリプルの抑制
  • モータ構造の偏心に由来するトルクリプルとその低減法
野口 季彦
静岡大学 総合科学技術研究科 工学専攻 教授
2
モータのトルク脈動および振動抑制手法の紹介
  • 磁石磁束とコイル磁束を分離して計算、数式モデルで抑制電流を算出するトルク脈動抑制手法の紹介
  • ステータコア突極に作用する加振力に基づく振動予測手法と、これを用いた制御およびメカ適正化事例の紹介
北村 英樹
日本精工㈱ コア技術研究開発センター 第三研究室 副主務
新田  勇
日本精工㈱ コア技術研究開発センター 第三研究室 主幹
3
集中巻PMモータの低トルクリプル技術
  • トルクリプル発生原理
  • 一般的なトルクリプル低減手法の概説
  • 集中巻PMモータの新巻線方式によるトルクリプル低減
十時 詠吾
三菱電機㈱ コンポーネント製造技術センター 専任
 モータのトルクリプルは、振動や騒音や人間の不快感の原因となる上、ロボットや製造設備では位置決め精度、加工精度を劣化させます。また、近年のモータ高出力密度要求とのトレードオフにより、低減の重要性が増しています。
 そこで本セッションでは、特徴の持ったモータ方式として巻線方式やロータ、ステータによる低トルクリプル化、及び、モータに電流を制御する電流高調波重畳による振動を含めた低減方法についてご紹介して頂きます。
 低トルクリプルの新たな知見を得る機会として、本セッションをご活用いただければ幸いです。
 
8月4日(木)
9:00~11:50
Zoom
B13
人と街と電動マイクロモビリティ
森田 賢治
一般財団法人日本自動車研究所 環境研究部 電動技術グループ 主任研究員
1
Town eMotion ~ヤマハ発動機が描く未来のまちとモビリティ~
  • 乗り物というハードウェアだけでなく、まちづくりも含めたアプローチで、人と社会のWell-being向上に向け、ヤマハらしい価値の創造・検証・社会実装に取り組んでいます。
  • 移動や滞留のあり方などのテーマを設定し、住民・自治体・専門家・企業・大学といったステークホルダーとの共創を通じた実証を進めています。
榊原 瑞穂
ヤマハ発動機㈱ クリエイティブ本部 フロンティアデザイン部 フロンティアハブグループ グループリーダー
2
NNCコンセプト ~超高齢時代の社会を持続させる新しい移動手段~
  • 超小型モビリティの意義
  • NNCコンセプトとは
  • NNCコンセプトの社会実装
久保  登
東京大学 生産技術研究所 特任研究員
3
歩行領域での新たなモビリティ「C+walk T」
  • 開発経緯と狙いについて
  • C+walkT 製品仕様について
  • お客様の声と今後の計画
山田 雅司
トヨタ自動車㈱ トヨタZEVファクトリー ZEV B&D Lab 主幹
 日本政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」を引き合いに出すまでもなく、温室効果ガスの排出量削減は喫緊の課題となっています。また、日本をはじめ多くの国々で高齢化の進行が予測されており、持続可能な移動手段が求められています。その中、自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われ、自動車単体では未来を語れない時代を迎えています。エネルギー源やインフラをどうするのかと言った議論に加えて、自動車が如何にひとの幸せに貢献できるのか、ひと中心の街を創る上で自動車はどうあるべきか考える時代になっています。その解としては、単に電動化するだけでなく、超小型化・ヒューマンスケール化が考えられます。本セッションでは、それら電動マイクロモビリティとそれがもたらす社会についてご紹介頂きます。
 
8月4日(木)
12:15~15:15
Zoom
B14
発電機システム
山際 昭雄
ダイキン工業㈱ テクノジー・イノベーションセンター グループリーダー 主席技師
1
IPMモータを用いたマイクロ水力発電システム
  • 開発したマイクロ水力発電システムについて
  • 22kWシステムにおける発電機の開発取組
  • 実証事業例と導入事例
安田 善紀
ダイキン工業㈱ テクノロジー・イノベーションセンター 主任技師
2
波力発電システムにおける変換効率向上のための発電機構造
  • ダイレクトリンク式波力発電システム
  • モータ動作期間を設けた発電機トルクパターン
  • 銅損と鉄損の比率に着目した発電機検討
真田 雅之
大阪公立大学 大学院工学研究科 電気電子系専攻 准教授
3
可変磁束モータを用いたHEV用ダイレクトドライブiSG
  • ダイレクトドライブiSGの構造と特徴
  • 最新の開発状況
  • 課題と今後の展望
村田 康介
㈱エクセディ 開発本部 電動商品開発部 チームリーダー
4
レアアースレスSRGによる可変速風力発電システム
  • 可変速風力発電システムの技術動向
  • SRGとキャパシタレスAC-AC変換器による可変速風力発電システム
  • 今後の展望
大山 和宏
福岡工業大学 工学部 教授
 カーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギーを最大限の導入を促すことや徹底した省エネの更なる追求が第6次エネルギー基本計画に明記されました。太陽光発電以外にも、回転機を用いた発電機が多種用いられており注目されています。そこで今回、水力、風力、波力発電機とそのシステム、また、電動化が進む自動車用のスタータジェネレーターについても紹介して頂きます。
 
8月4日(木)
15:30~18:20
Zoom
B15
革新的パワーデバイス
西岡  圭
大阪大学 大学院 工学研究科 SiC応用技術共同研究講座 招聘研究員
1
革新的パワーデバイスの超高電圧機器への応用
  • SiCパワーデバイスはその物性特性から、MOSFETを作製した際に、既存デバイスと比較して低損失・高速スイッチング・高耐圧・高温動作などの優位性を持つ。その中で、我々は高速スイッチングと高耐圧の優位性に着眼した。
    SiCパワーデバイスの優れた特性を利用することにより超高電圧機器のこれまでなかった高速動作を可能にする手法を提案し実証を行った。これにより、これまでの半導体では成し得なかった分野への半導体応用が期待できる。
中村  孝
大阪大学 大学院 工学研究科 招聘教授
2
β-Ga2O3パワーデバイス技術動向
  • β-Ga2O3パワーデバイスの魅力
  • パワーデバイス応用の最新動向
  • β-Ga2O3の固有の課題とその解決手法
  • 今後の展望
佐々木 公平
㈱ノベルクリスタルテクノロジー 第一研究部 取締役CTO / 部長
3
α-Ga2O3パワーデバイス技術動向
  • α-Ga2O3パワーデバイスの位置付け
  • ミストCVD法によるα-Ga2O3エピ成長
  • SBDおよびMOSFETの最新動向
四戸  孝
㈱FLOSFIA 取締役CSO
 待ったなしのカーボンニュートラル。この取り組みに、パワー半導体がキーデバイスとなり世界の脱炭素社会への貢献が進んでいます。これまでのシリコン半導体、そしてシリコン半導体に比べて飛躍的な性能改善を果たした炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)。これらそれぞれが得意とする分野で応用され、互いをカバーし進化を続けています。そして新たに酸化ガリウム(Ga2O3)が加わろうとしています。このセッションではこれら革新的パワーデバイスを得意分野で発展させた応用事例や、酸化ガリウムの技術動向について取り上げます。本セッションが各位の新世代パワーデバイスを用いた商品の開発スピードアップに繋がれば幸いです。
 
8月5日(金)
9:30~12:20
Zoom
B16
可変磁束モータ
阿部 貴志
長崎大学 大学院 工学研究科 電気・情報科学部門 電気電子工学分野 教授
1
小型・高効率を両立する機械式巻線切替モータ駆動システム
  • 機械式巻線切替のコンセプト
  • 小型化検討事例
  • 高効率化検討事例
高橋 暁史
㈱日立製作所 研究開発グループ 部長
2
磁束変調コンシクエント極モータ
  • 永久磁石(PM)モータは、高トルク・高出力を要求される用途に幅広く使われている。一方、PMの磁束は一定であるため、高速回転時において、鉄損の増加や、弱め電流による銅損のため効率が悪化する。本論文では、これを解決する一方策として、可変磁束特性を持つ磁束変調(FM)モータとコンシクエント極のPMモータを一体化させた複合モータを提案する。
満田 宇宙
三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 電機システム技術部 モーター基盤技術G
3
機械式固定子移動機構による可変磁束SPMSM
  • 構造と動作原理
  • 基本設計と詳細設計
  • 実験による性能試験評価結果
小坂  卓
名古屋工業大学 大学院 工学研究科 工学専攻 電気・機械工学系プログラム 教授
 自動車駆動用モータには高トルク密度と高効率を理由に埋込型永久磁石モータが利用されていますが、一定で大きな永久磁石の磁束が自動車の運転場面によっては損失を増加させ効率の低下を引き起こしています。本セッションでは、自動車の運転場面によって磁束の大きさを変更できる可変磁束モータについて、その構造や原理、検討事例や評価結果について、株式会社日立製作所の高橋暁史様、三菱電機株式会社の満田宇宙様、名古屋工業大学の小坂卓様に講師をお願いし、それぞれ特長のある可変磁束モータを詳細にご説明頂きます。
 
8月5日(金)
13:30~16:20
Zoom
B17
磁気ギアモータ
榎本 裕治
㈱日立製作所 研究開発グループ サステナビリティ研究統括本部 電動化イノベーションセンタ モビリティドライブ研究部 主管研究員
1
磁気ギアと複数台の高速モータを用いたEV用インホイールモータシステムの開発
  • 磁気ギアと複数台高速モータを用いたEV用インホイールモータシステムの提案
  • 提案システムのシミュレーションと実機実験による性能評価
相曽 浩平
芝浦工業大学 工学部 電気工学科 助教
2
ベアリングレスモータと磁気ギヤのハイブリッド化
  • ベアリングレスモータの原理
  • 磁気ギヤの基本構成とベアリングレスモータのハイブリッド化の基礎
  • 設計例とその特性
千葉  明
東京工業大学 工学院 教授
3
磁気ギヤ・磁気ギヤードモータの最新の研究紹介
  • 磁気ギヤ・磁気ギヤードモータの基礎
  • 磁気ギヤの最新の研究紹介(超高速磁気ギヤ、誘導同期磁気ギヤなど)
  • 磁気ギヤードモータの最新の研究紹介
中村 健二
東北大学 大学院工学研究科 教授
 出力軸の速度を磁気的な力を用いて変換する磁気ギアは、非接触、無潤滑、低騒音動作が可能とされ、機械式の歯車に替わるシステムとして実用化が期待されています。特に、高速化によって出力密度を向上させようとするシステムにおいて、小形で低損失、メンテナンスフリーをめざす研究開発が推進されています。
 本セッションでは、2017年「磁気ギヤードモータ」セッションで取り上げてから以降の5年間で、著しい技術開発成果が得られた内容を紹介するセッションとして構成いたしました。特に、かなり高速の用途で高効率駆動できるギアや、ベアリングレスモータとのハイブリッド化、誘導同期型等の新たな構造など、いずれも大きな進歩を遂げた研究成果をご講演いただきます。
 


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