第30回 磁気応用技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。

コーディネータ (敬称略)
7月22日(金)
10:00~12:45

A1電磁界数値解析技術の基礎と応用
1
有限要素法を用いた大規模磁界解析の基礎と応用 ~空間分割と時間分割を併用した並列計算の原理~
- 空間分割型並列計算法の原理と応用事例
- 時間分割型並列計算法の原理と応用事例
- 空間分割・時間分割併用型並列有限要素法による電気機器の大規模磁界解析
- 髙橋 康人
- 同志社大学 理工学部 電気工学科 教授
2
磁気ヒステリシスを考慮した磁気回路法の基礎と応用
- 磁気回路における鉄損算定の基礎
- 磁気回路によるヒステリシスモデリング技術
- 最新事例の紹介
3
高周波用磁気素子の等価回路による損失計算への応用
- 磁気素子のCauer梯子型回路による表現法
- ヒステリシス損失などの磁気損失の考慮方法
- 直流重畳電流下における回路解析例
- 佐藤 佑樹
- 青山学院大学 理工学部 電気電子工学科
磁気応用におけるシミュレーション技術は、近年飛躍的に高速化、高精度化、高機能化しつつあります。そこで本セッションでは、まず有限要素法を用いた大規模磁界解析の基礎と応用として、空間分割型並列計算法の原理、時間分割型並列計算法の原理ならびに空間分割と時間分割を併用した並列計算の原理をわかりやすく解説していただくとともに、電気機器の応用事例などを具体的に紹介していただきます。次に、磁気ヒステリシスを考慮した磁気回路法の基礎と応用として、磁気回路法の基礎、鉄損算定の基礎、磁気ヒステリシスのモデリング技術をわかりやすく解説していただくとともに、最新の事例を具体的に紹介していただきます。最後に、等価回路による高周波用磁気素子の損失計算への応用として、磁気素子のCauer梯子型回路による表現法、ヒステリシス損失などの磁気損失の考慮方法をわかりやすく解説していただくとともに、直流重畳電流下における回路解析例を具体的に紹介していただきます。
8月23日(火)
9:30~12:20

A2ワイヤレス電力伝送の最新動向
1
ワイヤレス電力伝送の基礎と応用
- ワイヤレス電力伝送の概要
- ワイヤレス電力伝送の基礎技術紹介(電磁誘導と共振現象の動作原理など)
- ワイヤレス電力伝送の応用技術紹介(走行中ワイヤレス充電や互換性など)
- 居村 岳広
- 東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 准教授
2
EV走行中ワイヤレス給電の社会実装に向けた最新動向
- カーボンニュートラルにおける位置づけ
- EV走行中ワイヤレス給電の効果
- 諸外国の事例
- 国内の取り組み状況
- 高橋 香織
- ㈱三菱総合研究所 スマート・リージョン本部
3
無線充電規格Qi(チー)の最新動向
- 無線充電技術の標準化団体Wireless Power Consortium(WPC)が策定するQi(チー)規格はスマートフォンを中心に普及しはじめている。
本発表ではQiをはじめWPCで検討が進む無線充電規格の最新動向、および50ワットを超える無線充電規格に準拠した製品の国内販売を容易にするための日本における制度化動向について説明する。
- 七野 隆広
- キヤノン㈱ デジタルビジネスプラットフォーム開発本部 通信技術21開発室
益々、応用が拡大しているワイヤレス電力伝送に関して、基礎から応用までを学びたい方向けのセッションです。まず、ワイヤレス電力伝送の基礎と応用に関して、東京理科大学の居村先生から説明していただきます。次に、EV走行中ワイヤレス給電の社会実装に向けた最新動向に関して、株式会社三菱総合研究所の高橋様から紹介していただきます。最後に、キヤノン株式会社の七野様から、無線充電規格Qi(チー)の最新動向について説明していただきます。
ワイヤレス電力伝送に関する基礎から最新の動向までを得ることができますので、奮ってご参加ください。
8月23日(火)
13:30~16:20

A3次世代磁気センシング技術とその応用
- 山寺 秀哉
- ㈱豊田中央研究所 環境センシング研究領域 主任研究員
1
TMR磁気センサの高感度化技術と応用展開
- TMR磁気センサとは
- TMR磁気センサの高感度化
- TMR磁気センサの応用事例
2
ナノグラニュラー材料を用いた磁気センサとその応用
- ナノグラニュラー材料の構造と機能性
- ナノグラニュラー材料のTMRを利用した磁気センサ
- ナノグラニュラー材料の磁気光学効果を利用した磁気センサ
- 小林 伸聖
- (公財)電磁材料研究所 研究開発事業部 新機能材料創生部門 部門長 主席研究員
3
GMIセンサとその応用
- GMIセンサの原理
- 高感度GMIセンサシステム
- GMIセンサの応用
磁気現象を利用したセンシング技術は、他の方式と比べて非接触・高精度・高応答性・容易装着性の特徴を有しかつ低コストであるために、産業上で広く使用されています。最近では、上記の特徴を生かしかつ超高感度でセンシングができる次世代の磁気センシング技術が期待されています。
本セッションでは、次世代磁気センシング技術に焦点を当てて、①TMR磁気センサ ②ナノグラニュラー材料を用いた磁気センサ ③GMI センサ の順に、その基礎と応用の現状について紹介します。
8月24日(水)
9:30~12:20

A4
パワエレ・システムにおける軟磁性材料の選び方と活用法
1
パワーエレクトロニクスにおけるインダクタ・トランスの基本・応用技術
- パワーエレクトロニクスにおけるインダクタ・トランスの基本とその応用先
- 磁性材料の種類(フェライト・粉末・積層コア)
- 高効率化へ向けた磁気部品の応用技術
- 電気・磁気・熱の物理ドメインで連携するシミュレーション技術
- パワー半導体の高周波駆動による小型化を実現するための磁気部品の高放熱化技術
- 今岡 淳
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 准教授
2
パワーエレクトロニクス回路における高周波計測(SiC/GaNスイッチング損失解析)
- 高周波における3つの高精度電力測定法
- 高電圧・大電流プロービングの課題
- 瞬時の電力損失測定の課題
- 測定事例
- 長浜 竜
- 岩崎通信機㈱ 第二営業部 フィールドサポート
3
パワーエレクトロニクスに使われるフェライトコアの基礎と応用
- メイントランス向け低損失材料
- 高周波電源向け低損失材料
- その他 Mn系フェライトについて
- 森 健太郎
- TDK㈱ 電子部品ビジネスカンパニー マグネティクスビジネスグループ 材料技術開発センター Mn系フェライト材料技術課 課長
パワーエレクトロニクス技術は、今や電気エネルギー利用の中核となる技術となり、モータ駆動だけではなく、情報技術や電力系統にて幅広く応用展開されています。その回路では電気エネルギーを一時的に蓄積させたり電気絶縁を図ったりするための磁性材料は必須であるものの、電力用半導体の高周波化が進展しているわりに、それに適合した軟磁性材料および関連技術は少なく、システムとしての実用上のボトルネック技術となっています。
そこで、本シンポジウムでは、パワーエレクトロニクスにおける磁気デバイスであるインダクタやトランスの基本特性およびその高周波の計測技術について講演していただき、そのための磁性材料として幅広く使用されているフェライト材についてその基礎と応用について講義していただくことにいたしました。
これにより、パワエレ・システムにおける軟磁性材料の選び方と活用法についての概要を身につけ、今後の研究開発に大いに貢献できるものといえます。
8月24日(水)
13:30~16:30

A5希土類磁石/最新の磁性材料と評価技術
- 丸川 泰弘
- 日立金属㈱ グローバル技術革新センター 主任研究員
- 最近の高特性磁石の研究について
- 非平衡磁石とは
- 非平衡永久磁石化合物のプロセス開発
- ポストネオジム磁石としての非平衡磁石のポテンシャル
- 平山 悠介
- (国研)産業技術総合研究所 主任研究員
2
DyフリーNd-Fe-B系異方性ボンド磁石の開発と展望
- d-HDDR法による異方性磁石粉末の高性能化
- 磁石粉末の表面処理およびコンパウンド作製技術
- 低圧一体成形技術
- 堀川 高志
- 愛知製鋼㈱ 開発本部 未来創生開発部 EVモータ開発グループ 主任職
3
EV用ネオジム新積層磁石の開発とその展望
- EV主機モーターに搭載されるネオジム磁石の課題
- ネオジム新積層磁石実現に向けた開発経緯
- 今後のEV市場拡大期におけるネオジム新積層磁石への期待
4
電動化拡大を背景とした軟磁性材料と磁石の各種評価/観察技術動向
- 自動車駆動モータに求められる磁性材料の課題
- 温度、加工などが電磁特性に与える影響と測定解析技術
- 磁石、電磁鋼板の物理解析技術
- 村木 峰男
- JFEテクノリサーチ㈱ 営業本部 技術主席
2050年カーボンニュートラルンの目標に向けて、電動化の動きが加速されている反面、原材料の高騰や資源リスクなどモータを取り巻く環境は厳しさを増しており、設計段階での材料選択の重要性が高まっております。今回の講演では従来のネオジム焼結磁石系材料だけでなく、DyフリーNd-Fe-B系異方性ボンド磁石及び新たな磁石として注目されている非平衡希土類磁石材料など各種磁石材料と磁性材料の各種評価技術の動向に関して4名の講師の方にご講演頂きます。本セッションが皆様の今後の研究開発の一助になることを期待しており、御参加をお待ちしております。