第36回 EMC設計・対策技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。

コーディネータ (敬称略)
7月22日(金)
13:00~14:50

G1-1EMCの基礎から応用まで①
基礎から学ぶ最新のパワエレ技術とEMC
- パワーエレクトロニクスの進展と課題
- パワーエレクトロニクス装置のEMIメカニズム
- パワエレ機器と通信ネットワーク(CAN)とのEMC対策例
7月22日(金)
15:10~17:00

G1-2EMCの基礎から応用まで②
回路基板におけるコモンモード発生メカニズムとその低減設計法
- プリント回路基板の信号線・電源線におけるコモンモード発生メカニズム
- コモンモード低減のための平衡度制御法
- 松嶋 徹
- 九州工業大学 大学院 工学研究院 電気電子工学研究系 准教授
7月27日(水)
9:30~12:20

G2EMCにおける機械学習応用
- 白木 康博
- 三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 電機システム技術部 主席研究員
1
機械学習・深層学習を用いた車載ワイヤーハーネスの性能評価と最適化設計
- 機械学習・深層学習の基本
- 機械学習・深層学習のEMC設計への応用可能性
- 車載ワイヤーハーネスの性能評価と最適化設計への応用事例
2
画像解析と機械学習を用いたパワーエレクトロニクス回路を対象としたバスバー設計
- パワーエレクトロニクス回路を対象とした最適スイッチング波形設計
- 画像解析と機械学習を用いた寄生パラメータ推定
- SiCとGaNデバイスを対象としたスイッチング波形
3
EMC設計における機械学習の応用
- 機械学習の概要
- 機械学習のEMC設計、対策適用事例
- 機械学習を使った放射電界の予測
- 池田 浩昭
- 日本航空電子工業㈱ コネクタ事業部 製品企画部 マネージャー
機械学習は予測・画像認識・音声認識・データ分析・自然言語処理に対して非常に有効な手法であり、様々な応用分野で活用されつつある。しかし、電磁気現象が複雑になるEMC分野では、応用例が少なく、まだ研究段階である。本セッションでは、最初に機械学習の基本、EMC設計への応用可能性、および画像認識やCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いた応用例、次に機械学習を用いた低寄生インダクタンス実装を実現する次世代パワーエレクトロニクス回路への応用例、最後にPythonのモジュール(scikit-learn)を使った手軽な機械学習による遠方放射電界の予測について紹介する。
7月27日(水)
13:30~16:20

G3設計現場における最新のフロントローディング技術
- 櫻井 秋久
- ㈱システムデザイン研究所 社長直属 顧問
1
DXを用いたフロントローディングとEMC設計への応用
- EMC設計をフロントローディングするための課題
・課題例を紹介
・課題における問題点の抽出
- 課題を克服するための提案
・設計データの連係の重要性
・得られたデータの共有化
・客観的な判断をサポート
- 今後の展望として、目指すべきフロントローディングの姿
- 大森 寛康
- ダッソー・システムズ㈱ 技術部 SIMULIA
2
応答曲面法と機械学習を用いたEMC解析の可能性
- 近年、EMCの評価において3D CAEの活用が広まってきている。EMC対策で3D CAEを使用する場合、構造や部品のパラメータスタディを実施することがある。その際には3DCAEの計算処理が繰り返されるため、ハードウェアリソースと計算時間が必要となるハードウェアリソースと計算時間を短縮する方法の一つとして機械学習の活用が挙げられる。
このセッションでは機械学習の基礎の紹介を説明することをはじめとして、EMC解析における応答曲面法と機械学習を用いた解析の可能性を実例を交えて紹介する。
- 三ノ上 勝博
- アンシス・ジャパン㈱ アプリケーションエンジニア
3
EMI測定・設計対策におけるDX応用
- AIを用いたノイズ対策支援ソフトウェア「EMINT」概要
- EMINTが備える機能と利用技術の紹介
- EMINTが目指すDX像
- 東 直樹
- ㈱東陽テクニカ ワン・テクノロジーズ・カンパニー プロジェクトマネージャ
EMC対策からEMC設計に重心を移していく、いわゆるフロントローディング(FL)の必要性が唱えられて久しい。過去には電磁界数値シミュレーションなどを活用することで、その実現を目指したが、現在FLが十分に達成されたとは言い難い。本セッションでは、多くの分野で活用が著しいデジタルトランスフォーメーション(DX)、機械学習(ML)を応用することでFLを推進させるための最新の技術開発について、現場に責任をもつ技術者が議論する。
7月28日(木)
9:30~12:20

G4自動車&コンポーネント
1
IONIQ 5(ヒュンデ)・タイカン(ポルシェ)・e-tron(アウディ)分解から読み解く車載用パワーエレクトロニクスにおけるEMC問題とその対策技術
- SiCインバーターの実装応用状況(IONIQ 5)
- 超低インダクタンスパワー半導体モジュール実装応用状況(タイカン、e-tron)
- 次世代実装(SiC&超低L)インバーターにおける問題点とその最新対策技術
- 山本 真義
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 / 大学院 工学研究科 電気工学専攻 教授
2
自動車コンポーネント EMC国際規格の現状と今後の動向
- 自動車コンポーネントEMC国際規格の体系について
- 自動車コンポーネントEMC国際規格の概要
- 自動車コンポーネントEMC国際規格の今後の動向について
- 杉本 久憲
- (一社)KEC関西電子工業振興センター 試験事業部 EMC安全技術グループ EMC第2チーム 主事
3
電動化社会を支えるEMC技術 ~コンポーネントのEMC開発を実現するためのモデル化/解析手法~
- 車載インバータ開発におけるEMC課題と解析事例
- システム全体モデル化事例
- 今後のEMC計測・解析技術
- 船戸 裕樹
- ㈱日立製作所 研究開発グループ 生産・モノづくりイノベーションセインタ 回路システム研究部 部長
カーボンニュートラルにむけモビリティの電動化が急速に進められている。ドライブトレインの電動化は電磁ノイズの原因となり、これによる問題が生じないようにEMCの国際規格が定められており、コンポーネントや車両はそれに対応する必要がある。
本論では、自動車メーカで異なるEMCの設計概念を、実車の分解からひも解く。また自動車コンポーネントのEMC国際規格を概観し、EMC開発を実現するためのモデル化や解析手法について論じる。
※自動車技術関連セッションG4セッションとの共通プログラムです。
7月28日(木)
13:30~16:20

G5回路実装におけるESD
- 石上 忍
- 東北学院大学 工学部 情報基盤工学科 教授
1
帯電した人体からのESDとウェアラブル機器のEMC
- 帯電した人体からのESDの諸特性
- ウェアラブル機器におけるESDとEMCの関係
- ESDによりウェアラブル機器に加わるノイズ
2
ESD電流はプリント基板上のどこを走るのか
- プリント基板上でのEDS電流の振舞い
- ESD電流の第一波と第二波の挙動の違い
- 対策部品の効果の違い
- 矢口 貴宏
- NECソリューションイノベータ㈱ ソリューションビジネス事業部 シニアマネージャ
3
ESD静電気放電によって発生する電磁妨害波の特異性と対策のための特性把握
- ESDによる電磁妨害波の発生と伝播経路
- ESDによる電磁妨害波の過渡特性
- ESD対策のための特性把握と要因究明
- 川又 憲
- 東北学院大学 工学部 電気電子工学科 教授
静電気放電(ESD)は身近に頻発する現象であるにもかかわらず、その電磁界や電流のふるまいはよくわかっておりません。電気・電子機器及び通信機器が高速、低電力、広帯域化する中で、ESDによるものと思われる誤操作などが増大しうることが懸念されます。本セッションでは、帯電した人体で発生するESDが、通信機能を備えたウェアラブル機器に対しどのようなメカニズムで障害を発生させるのかご講演いただきます。また電子機器内のプリント基板内でのESD電流のふるまい、それに対する対策ノウハウについてご講演いただきます。さらに、ESD現象とその電磁界特性はそもそもどのようなものなのか、その「特異性」の謎に迫ります。本セッションは、ESDの現象論から機器への障害、さらに回路基板への対策と、ESDのEMC問題を幅広く学ぶことができるものと確信します。
7月29日(金)
9:30~12:20

G6パワエレシステムの先進EMC技術
- 折川 幸司
- 北海道大学 大学院情報科学研究院 助教
1
パワエレシステムにおけるEMCの考え方
- パワーエレクトロニクス機器が発生するEMI
- 伝導性EMIの発生メカニズムとその対策
- 放射性EMIの発生メカニズムとその対策
2
モータ駆動システムにおける実践的なEMI設計技術
- パワエレ機器(モータ/インバータ)と構成部品(パワーモジュール/ケーブル)のEMI課題
- 上記EMI課題の発生メカニズムとそれを基にしたEMI対策の考え方
- 実践的なEMI対策/設計事例
- 増澤 高志
-
三菱重工業㈱ 総合研究所 パワーエレクトロニクス研究部 主席研究員
3
パワーエレクトロニクス機器のEMI規格パスを製造後に全自動で行うデジタルゲート駆動システム
- 従来のEMI対策の課題(EMIフィルタやシールド部品を追加して試行錯誤でEMI対策を行うため開発期間が遅延しコストが上昇)
- 提案する「パワーエレクトロニクス機器のEMI規格パスを製造後に全自動で行うデジタルゲート駆動システム」
- DC-DCコンバータへの適用例
応用範囲が拡大しているパワエレシステムにおけるEMC技術は、受動部品の高性能化や制御装置の高速化によって、より一層注目されています。
本セッションでは、最前線の研究者・技術者から、①EMIの発生メカニズムとその対策を始めとするパワエレシステムにおけるEMCの考え方、②モータ駆動システムにおける実践的なEMI設計技術、③EMI規格パスを製造後に全自動で行うデジタルゲート駆動システムのDC-DCコンバータへの適用例、の順に、パワエレシステムの先進EMC技術を分かりやすく解説します。
7月29日(金)
13:30~16:20

G7鉄道におけるEMC技術
- 田中 三博
- ダイキン工業㈱ テクノロジー・イノベーションセンター プロフェッショナル・アソシエイト
1
鉄道車両におけるEMC
- 鉄道に関するEMCの事例
- 鉄道車両へのEMC対策と課題
- 廿日出 悟
- (公財)鉄道総合技術研究所 車両技術研究部(駆動システム) 主任研究員
2
パワーエレクトロニクス回路から生じる低周波EMCの発生原理と対策技術 ~空調機・鉄道の事例~
- 整流回路から発生する低周波EMC(高調波)とその対策法
- 空調機における低周波EMC対策事例
- 電気鉄道における低周波EMC対策事例
3
鉄道システムから見た高周波EMC対策技術
- 鉄道システムと高周波EMC
- 高周波EMC対策技術の事例
EMC対策技術は、パワエレ・インバータ化が進展する中で、従来の電気機器のみならず、鉄道自動車等のモビリティ機器においても必須の技術となってきております。
その中でも、鉄道は長い歴史の中でモータードライブおよび通信技術への障害の課題があり、EMC対策がなされてきています。本セッションでは、①鉄道に関するEMC対策技術の事例および対策、②鉄道や空調機における低周波EMC対策、鉄道システムにおけるSiCインバータの高周波EMCについて、講演していただきます。EMC対策技術の理解/実践する上で、一助となるものと期待しております。