第37回 電源システム技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
※D7、D8のパネルディスカッションは、各セッションのコーディネータと講演者が会場に集結し、セッションの振り返りと会場からの質問に直接回答いたします。

コーディネータ (敬称略)
7月13日(水)
9:00~12:40

D1次世代産業への注目のパワーエレクトロニクス
- 細谷 達也
- ㈱村田製作所 技術・事業開発本部 デバイスセンター プリンシパルリサーチャー 名古屋大学 客員教授
1
混迷するエネルギー情勢と脱炭素、日本の今とこれからを読み解く
- ロシアによるウクライナ侵攻で変わる国際エネルギー情勢
- 電力需給ひっ迫に資源高、日本が抱える課題
- 日本のエネルギー政策の現状と今後
- 山根 小雪
- ㈱日経BP 日経エネルギーNext 編集長
2
環境負荷ゼロに向けた新たなエネルギーネットワークシステム ~仮想エネルギー需給制御技術・直流技術~
- 再生可能エネルギーの有効活用
- ICT装置における情報処理の空間移動による需給制御技術
- 直流グリッドによるレジリエンス強化
- 田中 徹
- 日本電信電話㈱ NTT宇宙環境エネルギー研究所 環境負荷ゼロ研究プロジェクト プロジェクトマネージャー
3
実機分解から読み解く電気自動車の設計思想と技術動向
- 電気自動車の世界動向(主要国の政策や取り組み)
- トヨタ「プリウス」におけるハイブリッドシステムの進化
- テスラ「モデルS」「モデル3」のパワエレ設計と要素技術
- ジャガー I-Pace、ポルシェ タイカン、日産 リーフ、五菱 宏光MINI EVの先進技術
- 細谷 達也
- ㈱村田製作所 プリンシパルリサーチャー 名古屋大学 客員教授
4
航空機産業のゲームチェンジ到来、航空機電動化パワエレ関連の最新動向
- 航空機の電動化がもたらす国内航空機産業への大きな市場拡大とその可能性について
- 世界の電動航空機の開発状況と課題について
- 航空機電動化における電力変換器の課題と開発動向について
- 航空機電動化における機器・システムの信頼性の向上について
- 岩田 明彦
- 大阪産業大学 電子情報通信工学科 教授
未来社会は、パワーエレクトロニクスが支えると言われ、1.カーボンニュートラルの実現やエネルギー問題の解決、2.情報社会を支える情報通信ネットワークの電源システム、3.自動車や航空機の電動化など、電源システムの重要性は高まるばかりです。電源システムは、技術革新を導き、次世代産業の創出や産業の拡大を実現します。全ての技術シンポジウムのトップとなるオープニングセッションの1件目では、国際エネルギー情勢や日本のエネルギー政策を考察し、日本の今とこれからを読み解きます。2件目では、再生可能エネルギーの有効活用やエネルギーネットワークシステムについて解説して頂きます。3件目では、電気自動車の実機分解からパワーエレクトロニクスの設計思想や技術動向を読み解きます。4件目では、航空機の電動化について、パワーエレクトロニクスの課題や開発動向について解説して頂きます。次世代産業に関心のある方々から第一線の研究開発者まで、必ずや有益な機会になると確信します。是非、ご参加頂ければ幸いです。
7月13日(水)
13:30~16:20

D2
EVパワエレ技術
- 藤本 博志
- 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
1
トヨタ初のBEV専用P/F用パワートレーン技術
- 新開発BEVシステムの狙いと概要
- ユニットの新技術
- 今後の展開と課題
- 山本 雅哉
- トヨタ自動車㈱ 電動パワトレ開発統括部 主幹
2
日産アリアの新型パワートレインシステムの開発
- 上質な走行性能を実現する巻線界磁モータ
- 室内空間拡大に貢献するコンパクトパワートレイン
- フラットフロア、充電性能向上を実現するバッテリー
- 池田 伸
- 日産自動車㈱ パワートレイン・EVプロジェクトマネージメント部 主担
3
走行中非接触給電に向けたデンソーの取り組み
- 走行中非接触給電の課題と解決策
- タイヤ内へのコイル配置による電力伝送性能向上効果
- まとめと今後の課題
- 角谷 勇人
- ㈱デンソー まちづくりシステム開発部 担当係長
世界中の自動車メーカが電気自動車(EV)化へ急激に舵を切る中、ハイブリッド車・電気自動車の量産化をそれぞれ約20年・10年以上前に開始していた我が国のカーメーカの技術は、世界をリードし続けている。本セッションでは、トヨタ・日産・デンソーの研究開発をリードするキーパーソンに集結をして頂き、EVパワエレ技術の最新動向と将来展望を語って頂く。
トヨタ自動車・山本様からは今年の5月に発売されたばかりの新型SUV電気自動車bZ4Xで採用された、トヨタ初の電気自動車専用プラットフォーム用パワートレーン技術について熱くご解説頂く。まず、その新開発システムの狙いと概要を俯瞰して頂き、そのユニットで採用された新技術を大いに語って頂く。また現状の課題をご共有頂いた後に、今後将来的に期待される新技術開発の方向性を語って頂けるであろう。
また日産自動車・池田様からは、やはり今年の5月に発売されたばかりの新型EVアリアで採用された新型ワートレインシステムの開発をご説明頂く。世界市場を牽引してきたLEAFを始め殆どのEVはモータの回転子に永久磁石を埋め込んでいるが、なんと新型EVアリアでは、永久磁石を使わないモータを採用し我々専門家を驚かせた。なぜ「巻線界磁モータ」の採用に至ったのか、是非聴講してほしい。
このように国内メーカも次々と素晴らしいEVを発売しているが、EVの航続距離の問題を解決する解として、世界中がEVへの走行中給電の実証試験にしのぎを削っている。そこで最後に角谷様からは、デンソーが長年この夢の技術に対して挑戦してきた技術内容、その課題と解決策を惜しみなくご説明いただく。さらにその究極技術として、産学連携で開発を進めている「タイヤ内に受電コイルを配置した走行中給電システム」をご紹介いただく。この技術は夢ではなく、十分に実現可能であることを実感して頂けるであろう。
このように本セッションは日本を代表する三社が単に集結するだけではなく、パワエレ(電源)・モータ・制御というEV時代の三大キーテクノロジーが、上質な走りや快適な室内空間、無限の航続距離など、いかに商品性の向上に貢献できるかを肌で感じて頂きたい。7/13のオンライン講演で感銘を受けた皆様には、是非7/22に会場にお越し頂き、講演者と対面で議論を楽しんで頂きたい。
※自動車技術関連セッションD2セッションとの共通プログラムです。
7月14日(木)
9:30~12:50

D3最新EV用パワエレ受動素子(キャパシタ・インダクタ)搭載事例・研究開発最前線
- 山本 真義
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 大学院 工学研究科 電気工学専攻 教授
1
宏光MINI EV用バッテリ充電器ユニットの分解解析から見る、中国EVの車載電源設計動向
- 中国製のバッテリ充電器、DC-DCコンバーター、J/B一体ユニット
- 堅実ながらもコストダウンを意識した設計
- 作りやすさを考慮した構造
- 永吉 謙一
- ㈱豊田自動織機 エレクトロニクス事業部 技術部 先行開発室 グループ長
2
車載用パワーエレクトロニクスにおける磁性部品の高性能化とその応用事例
- 車載用磁気部品の応用事例
- インダクタ応用技術
- トランス応用技術
- 今岡 淳
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 准教授
3
車載用48V-DCリンクコンデンサモジュールと、その熱解析事例
- ハイブリッドコンデンサを使用した48V-DCリンクコンデンサモジュール
- 熱解析結果の確からしさの検証(シミュレーション v.s. 実測)
- コンデンサモジュールの寿命予測の一例
- 玉井 裕也
- 日本ケミコン㈱ 技術本部 技術開発部 技術開発二グループ 主管
4
アルミ電解コンデンサの電気・熱マルチドメインモデルについて
- アルミ電解コンデンサのマルチドメインモデルについて
- 燃料噴射装置システムシミュレーションへの実装とその評価結果
- 今後の課題について
本セッションでは宏光MINI EVに搭載されたバッテリー充電器(OBC)とDC-DCコンバータ(96V→12V)の分解解説を最初に行う。そしてそこに搭載されたパワー半導体、キャパシタ(平滑用・フィルタ用)・磁気部品(インダクタ・トランス・フィルタ用)の応用状況を確認する。その後、次世代小型EV並びに大きな市場を持つ中型以上EVに必要なOBC並びにDC-DCコンバータに要求される受動素子の性能指標を議論する。
さらに、磁気部品、キャパシタの双方の最新技術動向を紹介し、車載用としての次世代受動素子応用技術の応用・システム視点からの最前線技術の共有を行う。
※自動車技術関連セッションD3セッションとの共通プログラムです。
7月14日(木)
13:30~16:20

D4パワーエレクトロニクス設計におけるDX活用事例 ―フロントローディング設計への挑戦―
- 岩谷 一生
- TDKラムダ㈱ 技術統括部 システム電源開発部 新エネルギー技術グループ グループマネージャー
1
システムモデリングツールによる、電力供給/電源システム設計のDX推進
- 電源開発におけるモデルベースデザインの全体像とその効果
(基本的なMBDのおさらいとMBDによる効率化効果について)
- 電源”システム”と”コンポーネント” / 各領域での設計ポイントの違い
(近年リリースされた弊社システム領域のモデリングツールのご紹介と活用方法)
- システム・コンポーネント横断的に活用できる効率化・自動化ソリューション
(モデル上での検証、制御モデルのコード生成・HILとの連携など)
- 鎌谷 祐貴
- MathWorks Japan アプリケーションエンジニア
2
DXを活用したフロントローディング設計 ~計算機による効率化と、製品開発の理想と現実~
- 製品開発におけるDX活用のポイント
- 計算機を活用した製品開発の理想と現実
- DXを活用した製品開発事例の紹介
- 加藤 康司
- ㈱GSユアサ インフラシステムズ 技術本部 UPS開発課
3
どこまで計算機に任せる?DX活用のポイントと設計スキル
- 電源設計において:
何を計算機に任せるか?
どこまで計算機に任せるか?
DX活用において設計者に求められるスキルは?
以上のテーマについて、自身の研究開発を例にしながら解説していきます。
パワエレ設計にDX(Digital Transformation)を活用し、手戻りなしのフロントローディング設計を実現する・・これはパワエレ設計者の永遠のテーマではないでしょうか?
本セッションでは、DXとフロントローディング設計をキーワードに、3人の講師にご講演いただきます。MathWorks 鎌谷様には、最新のシミュレーション技術とその応用、GSユアサインフラシステムズ 加藤様には、企業での取り組みと実設計の理想と現実について、最後に千葉大学 関屋先生より全体の総括を含め、「どこまで計算機に任せるのか?」の議論を展開頂きます。シミュレーションツール開発、製品開発、大学研究者、それぞれのお立場から、DXを活用したフロントローディング設計への挑戦について熱く語っていただきます。
どうぞご期待ください。
7月15日(金)
9:30~12:20

D5環境負荷低減に貢献するパワエレ技術
- 遠藤 浩輝
- ㈱GSユアサ 産業電池電源事業部 電源システム生産本部 開発部 第一グループ グループマネージャー
1
再生可能エネルギーの大量導入を実現する仮想同期機制御インバータ
- 系統連系インバータによる電力系統の慣性サポートの必要性
- 系統連系インバータ制御の種類と仮想同期発電機制御
- 仮想同期発電機制御の適用分野と課題
- 三浦 友史
- 長岡技術科学大学 技学研究院 電気電子情報工学専攻 教授
2
家電分野のパワーエレクトロニクス技術 -過去現在未来
- 本物志向・省エネとオール電化-インバータ家電の台頭
- わが国で独自に進化した家電の高周波インバータとパワー半導体
- 創エネ蓄エネからワイヤレスローカルVPPへ
3
パワー半導体(IGBT SiC-MOSFET)インバータ適用にあたっての使いこなし技術
- 数多くあるパワー半導体の特徴と違い。アプリケーション(使い方)に適したパワー半導体の選び方。
- パワー半導体をインバータ適用する際の注意点、ノウハウ
a) 高性能を引き出すための技術 b)安定動作をさせるための技術 c) 壊さない、寿命を延ばすための技術
- 大月 正人
- 富士電機㈱ 半導体事業本部 営業統括部 応用技術部 部長
エネルギーを取り巻く環境は時代と共に刻々と変化しており、近年ではカーボンニュートラルの実現に向けた様々な研究開発が行われています。太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入や各種電源機器の省エネ・高効率化にはパワエレ技術が必要不可欠であり、環境負荷を低減する上でも重要な要素となっております。
本セッションでは、最初に産業分野で今注目の仮想同期発電機制御に関する基本技術とその適用分野、課題などについて解説いただきます。次に家電分野のパワエレ技術として、過去から現在、未来に至るまでの様々な実践的技術を紹介していただきます。最後にキーデバイスとなるSiCの使いこなし技術として、メーカーならではのノウハウも含めて詳しく解説いただきます。
本分野の最新技術を共有することで、今後のさらなる環境負荷低減の一助となることを期待します。
7月15日(金)
13:30~16:20

D6次世代パワー半導体の実力を引き出す先進駆動技術
- 中原 健
- ㈱ローム 研究開発センター センター長 フェロー
1
ディスクリートSiC-MOSFETのSPICEモデルの開発
- 本発表では、当社の新製品であるディスクリートSiC-MOSFETのSPICEモデルについて講演します。
- 椋木 康滋
- 三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 パワーモジュール技術部 モジュール応用技術グループ グループマネージャー
2
異次元電源のゲームチェンジへ!!! ~GaNデバイスと革新的制御技術が創り出すナノ秒テクノロジーの世界~
- 「使いやすさ」を追求したローム独自のGaNデバイス「EcoGaN™」のご紹介
- GaNデバイスの性能を最大化する革新的電源技術「Nano Series」のご紹介
- 「EcoGaN™」「Nano Series」で創造する未来のご紹介
- 山口 雄平
- ローム㈱ LSI事業本部 回路技術開発部 兼 パワーステージ事業プロジェクト 統括課長
3
パワーデバイスと駆動回路を集積化したSiCパワーICの開発
- 産総研のSiCデバイス開発
- SiCパワーIC開発の背景と成果
- 課題と将来展望
- 岡本 光央
- (国研)産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター 主任研究員
SiC、GaNといった次世代パワー半導体は、電源システム低損失化のキーコンポーネントとして注目されており、近年では市場導入も進みつつあります。
しかしながら、既存のSi半導体と異なる部分も多く、その性能を最大限に引き出して駆動させるには様々な技術が必要になります。
本講演では、①SiC-MOSFETの駆動回路を設計するうえで重要となる回路モデル、②GaNデバイスの革新的な制御技術、③未来技術としてパワーデバイスと駆動回路を集積したSiCパワーIC、についてご講演いただきます。
本講演をとおして、さらに次世代パワー半導体が発展することを期待いたします。

コーディネータ

スピーカ (敬称略)
7月22日(金)
10:00~12:45

D7
パネルディスカッション (D1、D2、D3参加者のみ参加可)
※D7のパネルディスカッションは、各セッションのコーディネータと講演者が会場に集結し、セッションの振り返りと会場からの質問に直接回答いたします。
7月22日(金)
14:15~17:00

D8
パネルディスカッション (D4、D5、D6参加者のみ参加可)
※D8のパネルディスカッションは、各セッションのコーディネータと講演者が会場に集結し、セッションの振り返りと会場からの質問に直接回答いたします。