第21回 熱設計・対策技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
コーディネータ (敬称略)
F1
とことんやさしい熱設計
1
熱にまつわる基本のキホン ~理系じゃない人も歓迎!の超基本講座~
- そもそも熱とは?温度とは?:エネルギー保存則からおさらい
- 冷却機構ってなに?:熱を運ぶ、ただ3通りの方法
- 熱設計ってどうやるの?:「熱設計」と「熱対策」の違い
- 鳳 康宏
- ㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント HW設計部門 メカ設計部 部長
2
定式化の基本のキホン:熱設計を支える熱流体現象の本質を紐解く
- 熱設計とは「伝熱(放熱)プロセスを設計する」ことである
- 伝熱プロセスの本質の理解
- ファンやポンプで冷やすための性能評価基礎
- 熱設計ツールを正しく活用するために必要な本質の理解
- 福江 高志
- 金沢工業大学 工学部 機械工学科 講師
3
熱設計の基本のキホン:知っておきたい熱設計の手順とポイント
- キホン1 熱抵抗を軸にして設計パラメータを導く
- キホン2 式や図表・指標を活用して骨太の対策を導く
- キホン3 定石を知り適切な手を打つ
実際に電気・電子機器内の温度を限界値如何に設計しようとすると、機器の複雑な形状から、熱の通り道も複雑多岐にわたるので、厳密な設計はむずかしい。しかし製品は造らなければならない。すると、熱の流れの根本を押さえ、熱設計とは何かを把握し、地道にノウハウを積み重ねるしかないのです。今回は企業と大学から講師に熱設計の実務的なエキスパートを選び、とことんまでわかりやすく熱設計の考え方を話していただきます。この機会に彼らの豊富な知識の少しでも自分のものにしてもらいたい。
F2とことんやさしい熱計測
- 飯田 明由
- 豊橋技術科学大学 大学院 工学研究科 機械工学系 教授
1
熱電対による小型部品の温度測定
- 小型電気部品の温度測定
- 熱電対による部品の温度低下
- 熱電対熱抵抗の見積もり
- 梶田 欣
- 名古屋市工業研究所 システム技術部 生産システム研究室 主任研究員
2
熱流センサを活用した接触熱抵抗の先端測定方法
- 接触熱抵抗の製品設計への影響
- 車載ECUでの接触熱抵抗低減適用事例
- 接触熱抵抗計測装置の開発動向
- 篠田 卓也
- ㈱デンソー エレクトロニクス製品基盤技術部 担当係長
3
基板冷却:サーマルビアと内層パターンの伝熱
- 基板の伝熱を利用した部品の冷却技術
- サーマルビアと内層パターンの伝熱
- 熱回路網法と熱伝導解析を用いた基板の熱抵抗の評価
- 畠山 友行
- 富山県立大学 工学部機械システム工学科 准教授
F3最新の製品における冷却活用事例
- 山本 勉
- 富士電機㈱ 技術開発本部 デジタルイノベーション研究所 デジタルエンジニアリング部 部長
1
PlayStation®5の冷却設計
- PS5の仕様と構造
- PS5の冷却設計
- モデル別 性能指標比較
- 鳳 康宏
- ㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント HW設計部門 メカ設計部 部長
2
車載用IGBTモジュールの冷却技術
- 車載用IGBTモジュールの概要と技術動向
- 直接水冷構造の特徴と適用技術
- 今後の課題と展開
- 郷原 広道
- 富士電機㈱ 半導体事業本部 開発統括部 パッケージ開発部 要素技術二課 課長
3
燃料電池自動車用サーマルマネジメントシステム
- FCスタック冷却の特徴
- FCスタックの温調技術
- FCVのサーマルマネジメント技術
- 坂上 祐一
- ㈱デンソー 熱マネシステム開発部 開発5室 室長
熱設計技術は、製品の小型化、高性能化や低コスト化の実現における最重要技術の一つとして位置付けられますが、実製品への適用に際しては、信頼性、寿命、静粛性などに関わる数多くの設計要件とのトレードオフを含めた評価が必要になります。
本セッションでは産業界における最新事例として、ゲーム機、車載用パワー半導体、燃料電池車における冷却技術について、第一線で活躍される技術者の方々より検討具体例、製品適用例を交えた紹介を実施いただきます。
実践的な技術を知る貴重な機会になりますので、各種製品の熱設計に携わる皆様に参加いただき、課題解決の参考にしていただければ幸いです。
※自動車技術関連セッションF3セッションとの共通プログラムです。
F4先端シミュレーション技術と設計への展開
- 末光 吾郎
- NECプラットフォームズ㈱ 経営企画部 エグゼクティブ エキスパート
1
モータの熱・電磁界・構造連成解析とロボットの熱シミュレーションへの展開
- モータ開発の課題と連成解析の重要性
- モータの熱、電磁界、構造、振動・音響の連成解析技術
- モータをコンポーネントとしたロボットの熱シミュレーションへ
- 村上 敦
- ㈱安川電機 技術開発本部 基礎技術開発統括部 モータ・アクチュエータ技術開発部
2
トロイダル型チョークコイルの熱シミュレーションモデル
- コイルの解析モデル構築及び評価
- コイルが製品に組み込まれた状態での詳細モデル、簡易モデル解析と実測の比較
- 放熱シートを介してコイルを冷却する場合の解析モデル評価
- 立松 昌
- 名古屋市工業研究所 システム技術部 生産システム研究室 研究員
3
電子制御と熱設計をつなぐ次世代の過渡熱解析
- 電子制御による熱設計の課題
- 過渡熱(RC)モデルの全貌
- 熱解析による電子機器設計の未来像
- 篠田 卓也
- ㈱デンソー エレクトロニクス製品基盤技術部 担当係長
熱設計におけるシミュレーション技術は日々進化しています。特に最近は、熱 電磁界構造との連成解析技術や電子制御と熱設計といった技術との連携が進んでいます。
今回、熱設計を中心として他の解析技術との連携を進めてきている事例を発表いただきます。
F5車載電子部品の熱設計
- 三輪 誠
- ㈱豊田自動織機 エレクトロニクス事業部 技術部 開発統括室 室長
1
機電一体型・電動ウォーターポンプの熱シミュレーションのモデル構築
- セットメーカの電子部品のモデル化
- ECUのモデル化と精度検証
- 機電一体のモデル化と精度検証
2
車載半導体の熱設計・EMCのフロントローディング
- 車載用パワーアナログICの熱シミュレーション技術
- MBDでの熱シミュレーションとは
- EMCのフロントローディングの取り組み
- 江上 孝夫
- 東芝デバイス&ストレージ㈱ ミックスドシグナル応用技術部 ミックスドシグナル応用技術部第一担当
3
I-PACE(ジャガー)・モデル3(テスラ)のインバータ分解から読み解く車載用熱対策技術最前線とその技術動向
- モデル3(テスラモーターズ社)用インバータの概要
- モデル3用インバータにおけるSiC実装状況とその冷却方式
- I-PACE(ジャガー)用インバータの概要とその冷却システム
- 山本 真義
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授
電動化が加速する車両開発において、搭載される電子機器の電動化対応も待った無しの状況となっています。
電子機器の電動化が進むと、アクチュエータの機電一体化による熱設計の重要性や、車載半導体の搭載量増加による熱・EMCの複合設計など、今まで以上に熱設計が重要となってきます。
本セッションでは、「機電一体型の電動ウォータポンプの熱設計」、「車載半導体素子の熱・EMCに関する設計」の2つの設計事例に加え、「EV用インバータの熱対策技術についての解説」を取り上げ、電動化車両の熱設計についてご講演いただきます。
※自動車技術関連セッションF5セッションとの共通プログラムです。
F6次世代の高発熱・デバイス・材料の冷却
1
5Gモバイル基地局における冷却技術
- 高性能冷却技術
- 5G通信について
- 5G基地局の熱設計課題
- 5G熱設計技術
- 黒木 擁祐
- NECプラットフォームズ㈱ 基盤技術本部 シニアエキスパート
2
固-固相転移蓄熱材料を用いた熱マネジメント技術
- 相転移材料を用いた電子機器の熱マネジメント技術の概要
- 固-固相転移蓄熱材料の紹介
- 固-固相転移蓄熱材料を用いた熱マネジメント技術および今後の展望
- 馬場 将亮
- 長岡技術科学大学 機械創造工学専攻 助教
3
小型化・高熱流束化が進むチップ部品の温度コントロール
- 電子部品の小型化・高電力化によって顕在化する熱問題
- チップ部品における基板放熱設計の重要性
- 高熱流束部品における熱対策の事例と簡易温度推定ツール紹介
- 有賀 善紀
- KOA㈱ 技術イニシアティブ 技創りセンター 職人(中伝)
次世代移動体通信システム「5G」の普及に伴い、端末だけではなく基地局における放熱技術にも注目が集まっています。まず最初に5G基地局の構築に際し新たに導入された放熱技術をご紹介いただきます。次に電子機器へ広く普及が期待される蓄熱材の開発、特に今回は一般的な固-液相ではなく固-固相転移蓄熱材料とそれを用いた熱マネジメント技術をお話しいただきます。最後に、今後も小型化が進む電子部品、特に今回はチップ部品にフォーカスして熱対策はどのようにすれば良いかをご説明いただきます。いずれも今後の熱設計における貴重な指針になると考えます。
F7最先端ヒートパイプの開発
1
自励振動ヒートパイプ冷却技術の開発
- 自励振動ヒートパイプ(PHP)冷却技術の概要
- PHPの利点と課題
- PHPの実用化に向けた取り組み
- 鍋島 史花
- ㈱日立製作所 研究開発グループ 総合職企画員
2
JEST型ループヒートパイプの開発と電子機器への適用
- JEST型ループヒートパイプの概要
- これまでの開発経緯
- 電子機器への適用
- 鈴木 彩加
- パナソニック㈱ コネクティッドソリューションズ社 イノベーションセンター シミュレーション技術開発部 主任技師
3
ベイパーチャンバーの最新技術動向
- 山本 勝彦
- 東芝ホームテクノ㈱ 取締役 機器事業部 機器技師長
電子機器などでは高発熱密度化に加え、密閉・ファンレスの要求も増えており、冷却問題はますます深刻化しています。
高信頼・高性能な冷却デバイスであるヒートパイプは、ここ数年で技術・応用ともに大きな進展がありました。
本セッションでは第一線の技術者・研究者に3例の最先端の動向を紹介していただきます。
自励振動ヒートパイプ・ループヒートパイプ・薄型ベーパーチャンバーについて原理・特性・使用法・開発情報を知ることは、参加者には貴重な知見になると思います。
F8最先端放熱材料の開発と物性評価
1
液状熱伝導材の活用と実績
- エレクトロニクスモジュールの設計では、”熱対策”がますます重要になっている
- ”熱対策”はサーマルインターフェースマテリアル(TIM材)の活用がポイント
- 液状TIM材の特徴
- 熱伝導シート、放熱グリースとの比較
- 液状TIM材の採用実績
- 田端 裕弘
- ヘンケルジャパン㈱ オートモーティブコンポーネンツ事業部 ビジネスディベロップメントマネージャー
2
高熱伝導窒化アルミニウム繊維状フィラーの開発とその応用
- 高熱伝導AlN繊維状フィラーについて
- AlNフィラーの応用例について(セラミックス、樹脂)
- 宇治原 徹
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授
3
熱伝導性複合材料の熱物性評価技術
- 定常-非定常法による複合材料の熱伝導率の違い
- 定常法を用いた接触熱抵抗測定
- シミュレーションを用いた複合材料の熱伝導解析
- 服部 真和
- 富士高分子工業㈱ 技術部 技術開発課 課長
高発熱デバイスの熱対策には放熱材料(TIMやヒートスプレッダ)が不可欠になっています。これら材料は年々高性能化が進み、新しい形態も普及しています。
本セッションではこうしたトレンドを踏まえ、3つの観点でテーマを集めました。1つめは新しいタイプの放熱材料(ギャップフィラー)、2つめは材料の高熱伝導化を支える新しいフィラー、3つめはこれら材料の熱物性評価手法です。サーマルマネジメント材料についての最新動向を総合的に知ることができるセッションとなっています。