第35回 EMC設計・対策技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
コーディネータ (敬称略)
G1基礎から応用まで、パワエレを進化させるEMC技術
- 中津 欣也
- ㈱日立製作所 研究開発グループ 電動化イノベーションセンタ 主管研究長
1
パワエレ機器とEMC対策技術
- パワエレ機器から発生するノイズとEMC対策技術の課題
- ノイズフィルタを構成する受動部品の役割や技術課題
- アクティブキャンセラなど新EMC対策技術への期待と課題
- 折川 幸司
- 北海道大学 大学院 情報科学研究院 助教
2
機器ノイズ抑制設計を実現するためのシステムレベルモデル化・解析手法
- 製品開発における EMC 課題
- 大型装置(自動車・鉄道)のモデル化・解析事例
- 今後のノイズ解析・設計技術
- 大前 彩
- ㈱日立製作所 生産・モノづくりイノベーションセンタ ユニットリーダ―/主任研究員
3
パワエレのEMCをとりまく環境の変化と測定手法
- パワエレ機器ノイズの特徴と電磁環境への考慮の移り変わり
- より正確なノイズ評価のための工夫
- 吉本 修
- ローデシュワルツジャパン㈱ T&M営業本部 EMCアプリケーションマネージャ
モビリティや電力デリバリーで益々重要度が増しているパワーエレクトロニクス技術では、その構成要素である部品や制御の進化と共にEMCの進化が起き始めています。
本論では、前半に総論としてパワエレの方向性や今後注意しなければならない技術課題を示し、EMCを取り巻く環境(デバイスや実装環境、使われ方等)の変化と最新のフィルタやそのコンポーネントの進化を紹介し、自動車や鉄道での事例を基にモデル化を含めた解析技術の現状やモデルの検証に必要となる実測技術について報告します。
G2
EVのEMC ~海外のEV事情~
- 塚原 仁
- (一財)日本品質保証機構 総合製品安全部門計画室 参与
1
中国における電気自動車の導電性充電に関するEMC試験要件と方法
- 中国における電気自動車の導電性充電に関するEMC規格の現状
- 試験方法と要件分析
- 重要な注意事項
- 総括
講演・・・・・英語(字幕)
テキスト・・・英語
- 柳 海明
- 中国自動車技術研究センター㈱ インテリジェントネットワーク試験研究部電磁両立性室 チーフエンジニア
2
モデル3(テスラ)用SiCバッテリ充電器における最新ノイズ対策技術とSiC/GaN時代のノイズ対策技術動向
- モデル3(テスラモーターズ社)用SiCバッテリ充電器の概要
- モデル3に採用されたトーテムポール型ブリッジレスPFCコンバータの概要とSiC/GaNとの親和性
- SiC/GaN時代におけるノイズ対策技術最前線(フィルタ、実装、受動素子)
- 山本 真義
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授
3
低周波から高周波まで意識したシールドケーブル等の取り扱い
- 車載電気電子システムを取り巻くEMC環境の動向
- 車載電子システムにおけるノーマルモードとコモンモードのノイズ対策
- シールドケーブルの端部配線処理と外部導体の接地が及ぼす影響
2010年頃と言われていた第3次EVブームから約10年が経つ。この10年間にハイブリッド車を含め電動化を支える技術は大きく進化しEMCの課題やその対応方法が見えてきた。
本セッションでは、①EV大国である中国でどのような試験評価が実際に行われているのか、②市販の電動車の分解から見える高電圧部品のEMCの特徴とは何か、③EMC対策の重要なポイントである大電力シールドケーブルの押さえるべきポイントとは何か、の3つの切り口から、現在の電気自動車のEMC評価の状況や対応策の実態を分かりやすく解説する。
※自動車技術関連セッションG2セッションとの共通プログラムです。
G3CASEのEMC
- 野島 昭彦
- トヨタ自動車㈱ 制御電子システム開発部 電子性能開発室 技範
1
CASEと自動車のEMC
- CASEによって革新するモビリティの世界観、EMC規制への影響
- 自動車のEMC性能開発へ及ぶ影響
- 自動車のEMC性能開発の実践事例から、企画/構想段階から設計開発における勘所の提案
- 内藤 隆之
- トヨタ自動車㈱ 制御電子システム開発部 電子性能開発室 室長
2
AD&ADASとEMC ~ミリ波レーダのEMC取り組み~
- デンソーの考えるAD&ADASのロードマップ
- ミリ波レーダにおけるEMC影響
- シミュレーションを用いたEMC設計のフロントローディング事例
- 小野田 裕充
- ㈱デンソー AD&ADAS技術2部 室長
3
1GHzオーバーで新たなフェーズに入った半導体のEMC
- 半導体EMCの動向
- 1GHzの壁
- 標準化活動におけるルネサスの取組み
- 大野 剛史
- ルネサス エレクトロニクス㈱ IoT・インフラ事業本部 コアIP開発統括部 基盤IP技術開発部 部長
※自動車技術関連セッションG3セッションとの共通プログラムです。
G4EV用ワイヤレス電力伝送(WPT)システムのEMC
- 常盤 豪
- ㈱東芝 生産技術センター 生産技術企画統括部 技術企画部 参事
1
EV用WPTに関する標準化動向および漏えい磁界低減化技術
- EV用WPTに関する標準化動向
- EV用WPTに関するEMC規格
- EV用WPTに関する漏えい磁界低減化技術
- 名雪 琢弥
- (一財)電力中央研究所 エネルギーイノベーション創発センター 上席研究員
2
ワイヤレス電力伝送における漏洩磁界抑制とクロスカップリングキャンセリング
- クロスカップリングキャンセリング
- 漏洩磁界抑制技術
- 居村 岳広
- 東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 准教授
3
超小型電動モビリティ向けワイヤレス給電の実証事例について
- 全体概要
- 十三事業所での実証試験
- 大阪城公園での実証試験について
- まとめとその他の取り組み紹介
- 鶴田 義範
- ㈱ダイヘン 充電システム事業部 事業部長
ワイヤレス電力伝送(WPT)システムは、家庭用電気機器・携帯端末等を簡便に充電する手段として、利用拡大が進んでおり、さらに、電気自動車(EV)向けにも今後の拡大が期待されています。一方で、WPTシステムは空間に漏えいする電磁エネルギーが他のシステムに影響を及ぼすリスクがあるため、EMC(電磁環境両立性)技術の確立が課題となります。
本セッションでは、最前線の研究者・技術者から、EV向けWPTシステムの標準化動向や、漏えい電磁界の低減化技術について、紹介していただきます。WPTシステムだけでなく、広くEMCの課題解決のヒントになる内容ですので、今後の製品開発にご活用いただければ幸いです。
G5
ツボを押さえる ~配線設計からシミュレーション~
- 飯田 直樹
- ㈱村田製作所 EMI事業部 商品開発1部 アプリケーション開発課
1
プリント基板設計段階で盛り込むべき基本とその考え方
- 開発フローのなかの基板設計の位置づけと問題点
- 信号、電源の電流がどの様に流れるかを考える
- グラウンドが重要、それでも出てしまうノイズへの対応
2
EMCシミュレーションの活用
- EMCシミュレーションの概要(FEM、Mom、FDTDの長所、短所)
- EMCシミュレーションのツボ(基本モデルの放射ノイズ解析)
- EMCシミュレーションの悪い事例、良い事例(意図しない配線からの放射ノイズ)
- 池田 浩昭
- 日本航空電子工業㈱ コネクタ事業部 製品企画部 マネージャー
3
システムLSI周辺配線のEMC設計の勘所
- 配線のEMC設計に必要な知識(ノイズ発生/放射の原理、ノイズの位相、誤動作の要因)とLSIの内部構造の解説
- LSI周辺の配線設計のノウハウ(良い例、悪い例)の解説
- ノイズ放射や誤動作の原因箇所特定に有効な評価方法の解説
- 久保 輝訓
- ルネサス エレクトロニクス㈱ オートモーティブソリューション本部 MCU開発統括部 MCU技術部 プリンシパル スペシャリスト
EMC問題を発生させない基板設計の重要度がますます高くなっています。電子回路の集積化、高速化に伴い、回路基板も複雑になり、開発終盤でのEMC問題の発生は、小手先の対策では問題を解決できず、開発を基板設計の初期段階まで後戻りさせてしまい、開発期間の延長など様々な問題が発生します。
本セッションでは、基板設計段階におけるEMC問題を発生させないための設計手法を、基板配線設計技術、シミュレーション技術、IC設計技術のそれぞれの視点から第一線の研究者、技術者より、EMC設計・対策の“ツボ”を良い事例、悪い事例を交えながら解説していきます。
皆様のEMCを考慮した基板設計を検討する良い機会となるセッションとなっています。
G6効率的ESD設計システム(SEED)に役立つ最新評価・対策技術
- 白木 康博
- 三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 電機システム技術部 主席研究員
1
EMCを考慮した半導体のESD保護回路設計
- 半導体レベルのESD試験におけるESD保護回路設計
- 機器レベルのESD試験を考慮した半導体のESD設計事例
- イミュニティー試験を考慮した半導体のESD設計事例
- 奥島 基嗣
- ルネサス エレクトロニクス㈱ コアIP開発統括部 主管技師
2
システムレベルESD試験の課題の理解と今後の改正トピックス
- 接触放電の放電波形は試験器によってこんなに違う!
- 気中放電の特性と製品に与える非常に厳しい影響
- 規格改正審議のトピックス
3
ESD対策部品を用いたセット機器のESD保護設計<SEED設計>
- ESD試験規格/波形に関して
- ESD対策部品及び周辺部品の特長・ESDに対する挙動
- ESD対策部品を用いた保護設計事例<SEED設計>
- 徳永 英晃
- パナソニック㈱ インダストリアルソリューションズ社 モノづくり革新センター 解析・サポート部 主任技師
電気・電子機器では小型軽量化、低電力化が進められている一方、ESD(静電気放電)をはじめとする外部の電磁界による回路の破壊、誤動作といった脅威が高まっている。その中で、ESDは高速で印加電圧も高いので、ESDを考慮した機器の実装設計が困難であり、従来からのノウハウにたよることが多く、理論的な対応が遅れている分野です。本セッションでは、半導体側、機器設計側、ESD試験機側でそれぞれESD対策に携わっている一線の技術者に、それぞれの視点で講演いただきます。また、講演者がすべてメーカの技術者であるので、定性的な話だけでなく、実験結果に基づいた具体的なこと、ノウハウ的なことが聞くことができ、初学者だけでなく、実際の設計現場でEMCを経験した技術者にも十分に満足している内容だと考えております。