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第29回 磁気応用技術シンポジウム

※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
6月14日(月) 9:00~11:45 A1 永久磁石の最新動向 ~レアアースから応用まで~
12:15~15:00 A2 道路から空まで拡大するワイヤレス電力伝送
15:30~18:15 A3 モーションコントロールのためのセンシング技術
6月15日(火) 9:00~11:45 A4 AI等を用いた高性能磁性材料開発手法と機能性磁牲材料の応用展開
12:15~15:00 A5 モータ駆動システムにおける軟磁性材料の選び方
15:30~18:15 A6 先端電磁界解析技術の現状と応用事例
 コーディネータ  (敬称略)
6月14日(月)
9:00~11:45
A1
永久磁石の最新動向 ~レアアースから応用まで~
藪見 崇生
大同特殊鋼㈱ 技術開発研究所 磁性材料応用研究室
1
環境対応車とレアアースへの影響
  • 環境対応車両生産見通し
  • RE(Nd/PrNd) 磁石必要量予測
  • 磁性原材料レアアースの現状と課題
  • 重希土(HRE)需給の懸念
  • 環境対応車伸長での磁石以外の課題
西郷 剛史
豊通マテリアル㈱ レアメタル事業部 部長
2
ネオジム焼結磁石の動向
  • ネオジム焼結磁石を取り巻く状況
  • Dyフリー化技術
  • 粒界拡散技術
大橋 徹也
信越化学工業㈱ 磁性材料研究所 主任研究員
3
ポストネオジム磁石開発の現状と展望
  • レジリエントな永久磁石材料とは
  • 磁石の性能発現原理の最新情報に基づく省/脱希少資源化の技術指針
  • ポストネオジム磁石開発の展望
広沢  哲
物質・材料研究機構 元素戦略磁性材料研究拠点 代表研究者
4
モータ等への応用を睨んだ磁石性能の評価
  •  磁石の磁気的性能を評価するための多くの物理量がある。物質の磁気特性を表す物理量である飽和磁気分極、結晶磁気異方性定数、キュリー温度、磁石としての特性を表す残留磁束密度、保磁力、最大エネルギー積は代表格である。モータ等への応用を睨めば、それぞれの温度係数、リコイル透磁率、減磁率なども重要である。近年の計算機解析技術の発展は、これらの物理量を入力することによりモータ等の特性を解析することを可能とする一方で、磁石特性とモータ等の特性の関係をブラックボックス化する傾向にある。しかしながら、新しい発想のモータを開発するには、前述の物理量がどのような物理現象によって決まり、モータ等への応用においてどのように効いてくるのかを知ることが極めて重要であると考えられる。
     本発表では、上記のような観点から、磁石の種類と磁石性能を表す磁気諸量を評価するうえで注意すべき事項を説明した上で、磁石性能を表す磁気諸量の背景にある物理現象を解説すると共に、それらの諸量とモータ等の特性の関係について考察する。
福永 博俊
長崎大学 理事
 モータ/発電機の小型化/軽量化/高効率化を支える永久磁石は、現代社会になくてはならないアイテムです。とくにネオジム焼結磁石は、すでに幅広く応用が進み、現在主流の永久磁石として飛躍的に生産量を伸ばしています。さらに、今後の電動化の拡大傾向から、さらなる伸長が想定されています。また、最近、材料面では、資源に関する課題を踏まえたポストネオジム磁石の研究開発が国内外で活発化しています。さらに、応用面では、計算機解析技術の発展によって、新構造モータの提案、適用シーンを睨んだ磁石性能評価技術が進展しています。本セッションでは、永久磁石の資源、材料から応用まで、最新の動向/技術について幅広くお話しいただきます。「レアアース磁石の資源の状況と問題点・ボトルネック」と合わせ、永久磁石の資源、材料から応用に関わる方々にとって、有益な情報が得られる機会になると考えます。
 
6月14日(月)
12:15~15:00
A2
道路から空まで拡大するワイヤレス電力伝送
水野  勉
信州大学 学術研究院(工学系) 教授
1
準静空洞共振器によるワイヤレス電力伝送
  • 磁界共振結合型ワイヤレス電力伝送技術の送電範囲の拡張について
  • 部屋全域へのワイヤレス電力伝送に向けたマルチモード準静空洞共振器の実証実験
  • Internet of Things(IoT)技術への応用
笹谷 拓也
東京大学 大学院 工学系研究科 特任助教
2
ドローン駐機時磁界結合方式ワイヤレス充電技術
  • 産業用中・大型ドローン向け駐機時ワイヤレス急速充電が望まれる背景
  • 85kHz帯ドローン駐機時ワイヤレス充電システムの概要
  • ワイヤレス充電対応ドローンと止まり木型充電ポートを用いた実証実験と今後の展開
尾林 秀一
㈱東芝 研究開発センター 情報通信プラットフォーム研究所 ワイヤレスシステムラボラトリー シニアエキスパート
3
埋込みに関する走行中ワイヤレス給電プロジェクト
  • 走行中給電のシステムに関する紹介
  • 国土交通省の道路局が設置する新道路技術会議の技術研究開発制度で実施中の「走行中ワイヤレス給電のコイル埋設についての研究」の紹介
居村 岳広
東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 准教授
 道路から空まで拡大するワイヤレス電力伝送に関して、基礎から応用までを学びたい方向けのセッションです。まず、準静空洞共振器を用いたワイヤレス電力伝送に関して、東京大学の笹谷先生から説明していただきます。次に、ドローンの磁界結合方式ワイヤレス充電技術に関して、東芝の尾林様から紹介していただきます。最後に、東京理科大学の居村先生から、伝送コイルを地中に埋め込んだ走行中ワイヤレス給電プロジェクトに関する最新技術について紹介していただきます。
 道路から空まで拡大するワイヤレス電力伝送に関する最新の知識を得ることができますので、奮ってご参加ください。
※自動車技術関連セッションA2セッションとの共通プログラムです。
 
6月14日(月)
15:30~18:15
A3
モーションコントロールのためのセンシング技術
山寺 秀哉
㈱豊田中央研究所 環境センシング研究領域
1
ロボット用センシング技術
  • 自動車用センサ技術について
  • これから期待されるロボット用センサ技術
  • 拡大するセンサ技術の課題と今後の展開
野々村 裕
元名城大学 メカトロニクス工学科 教授
2
磁気抵抗効果を用いた磁気センシング技術
  • 磁気抵抗効果の原理
  • 磁気抵抗効果を用いた磁気センシング技術の紹介
  • ALPS ALPINEにおける磁気センシング技術の紹介
斎藤 正路
アルプスアルパイン㈱ 技術本部 C4技術部 主幹技師
3
逆磁歪効果を利用した高感度ひずみセンシング技術
  • 磁気異方性と磁歪に関する基本原理
  • 逆磁歪効果とそれを利用したひずみセンサの紹介
  • 振動センサへの展開
石山 和志
東北大学 電気通信研究所 副所長・教授
 あらゆる産業分野では自動化と無人化が進むため、物体のモーションコントロールが重要になってきています。モーションコントロールには高性能なセンシング技術を必要としますが、非接触・高精度・高応答性・容易装着性の特徴を有する磁気利用センシング技術は、重要なアイテムとして期待されています。
 本セッションでは、最初に、ロボットの運動制御用センサとして、①ロボット用センシング技術、次に、IoT等で必要なセンサとして、②磁気抵抗効果を用いた磁気センシング技術、最後に、将来の高感度な力学量センサとして、③逆磁歪効果を利用した高感度ひずみセンサ技術、について紹介します。
 
6月15日(火)
9:00~11:45
A4
AI等を用いた高性能磁性材料開発手法と機能性磁性材料の応用展開
丸川 泰弘
日立金属㈱ グローバル技術革新センター 新事業革新部 主任研究員
1
シミュレーションとデータ駆動手法による永久磁石の探索と設計
  • 「富岳」を用いた磁性材料のシミュレーション
  • 計算と実験のデータ同化による磁性の定量評価
  • ネオジム磁石におけるレアメタルの有効活用
三宅  隆
産業技術総合研究所 機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター 研究チーム長
2
AIとコンビナトリアル技術を用いた新機能性材料・新磁歪材料の探索
  • AIを用いた材料探索とその課題
  • コンビナトリアル技術によるサンプルのビッグデータの取得
  • 新機能性材料・新磁歪材料の探索の実例
秦  誠一
名古屋大学 大学院 工学研究科 マイクロ・ナノ機械理工学専攻 教授
3
磁歪振動発電の事業化に向けた研究開発の現状と課題、可能性
  • 振動発電デバイスの構造と原理、特性、特徴
  • 振動発電デバイスを電源に動作する無線センサとその応用
  • 事業化に向けた研究開発の現状、課題、可能性
上野 敏幸
金沢大学 理工研究域電子情報通信学系 教授
 従来、材料開発は技術者の経験によるところが大きかったですが、近年エレクトロニクスの目覚ましい進化により、AI、機械学習等の活用が盛んに行われるようになり、開発期間の短縮や新しい組成等が発見されてきております。
 本セッションでは第一線でご活躍の先生方に永久磁石材料及び機能性材料・新磁歪材料の探索に関するこれらの手法の活用事例をご講演いただきます。また軟磁性材料の応用事例として昨今のカーボンニュートラルの一翼を担う可能性のある磁歪振動発電に関してご紹介していただきます。
 今回、材料探索から応用事例と幅広く有益な内容になっておりますので、皆様のご参加をお待ちしております。
 
6月15日(火)
12:15~15:00
A5
モータ駆動システムにおける軟磁性材料の選び方
藤﨑 敬介
豊田工業大学 工学部 教授
1
自動車モータ用電磁鋼板の最新動向
  • HEV/EV駆動モータ用電磁鋼板の種類と特徴
  • 高けい素鋼板(6.5%SI鋼、Si傾斜磁性材料、新しいSi傾斜磁性材料)の特徴
  • モータコア加工、締結による鉄損増加と高けい素鋼板の効果
尾田 善彦
JFEスチール㈱ スチール研究所 電磁鋼板研究部 部長
2
パーマロイ箔の部材を用いたモータドライブ装置への応用事例
  • 大同特殊鋼の軟磁性材料ライナップ
  • 磁気シールドに適したパーマロイ箔 STARPAS®の紹介
  • モータドライブ装置における軟磁性部材(巻きコア)の発熱設計における簡易手法
浅野 正克
大同特殊鋼㈱ 電子部材製品部 軟磁性チームリーダー
3
パワエレ用軟磁性材料の特性とその応用
  • パワエレと軟磁性材料の関係について
  • インダクタ用圧粉鉄芯
  • 高周波スイッチング用ソフトフェライト
  • ナノ結晶合金の用途と最新動向(中間周波トランス、コモンモードチョーク、今後の取り組み)
  • 低損失材料を用いた車載充電器
相牟田 京平
日立金属㈱ グローバル技術革新センター 新事業開発部 主任研究員
 モータ駆動システムは、今後急速な需要が見込まれる電気自動車や移動体の駆動装置として、現在幅広く展開されております。そこではモータおよび種々のパワーエレクトロニクス回路に磁束密度を大きくするために様々な軟磁性材料が使用されており、その磁気特性がモータ駆動システムの特性に大きな影響を与えており、特にパワーエレクトロニクス技術のでは、その高周波大電力化の展開により、高周波大電力の軟磁性材料が実用上の大きなボトルネック技術となっています。
 そこで本セッションでは、まずほとんどのモータで使用されている電磁鋼板の最近動向、またパーマロイ材について講演していただき、更にパワーエレクトロニクス用の高周波磁性材料の特性と応用について紹介していただきます。
 これにより、モータ駆動システムに必要な軟磁性材料の選定方法についての概要を身につけていただけるものといえます。
※自動車技術関連セッションA5セッションとの共通プログラムです。
 
6月15日(火)
15:30~18:15
A6
先端電磁界解析技術の現状と応用事例
中村 健二
東北大学 大学院 工学研究科 教授
1
スーパーコンピュータやPCクラスタによる大規模・高速磁界解析技術と応用事例
  • 電流・電圧入力計算のための基礎方程式
  • 大規模解析のための基礎技術
  • 「京」コンピュータを用いたEV非接触給電システムの解析例
  • PCクラスタを用いた各種モータ(高速回転モータ、IPMモータ、誘導電動機)の解析例
河瀬 順洋
岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 特任教授
2
永久磁石同期機における鉄心と巻線の損失低減を目的とした電磁界解析と応用事例
  • 巻線で発生する各損失の分離算出と低減
  • 鉄損とトルクリプルの低減両立
山崎 克巳
千葉工業大学 工学部 電気電子工学科 教授
3
電気電子機器のトポロジー最適化および人工知能を用いた自動設計
  • トポロジー最適化の原理
  • モータや非接触給電系、インダクタなど電気電子機器のトポロジー最適化
  • モンテカルロ木探索などAI技術を用いた電気電子機器の自動設計
五十嵐 一
北海道大学 大学院 情報科学研究院 教授
 電気自動車の普及やドローンやロボットの用途拡大にともない、モータやリアクトルのさらなる小型高効率化が求められ、電磁界解析の高精度化、高速化、高機能化への期待がますます高まっています。本セッションでは、最新の電磁界解析技術について、第一線で活躍されている先生方からわかりやすく解説していただきます。まず岐阜大学の河瀬先生からはスーパーコンピュータやPCクラスタを用いた大規模・高速磁界解析について、次いで千葉工業大学の山崎先生からは永久磁石同期機の鉄心と巻線の損失低減を目的とした高精度モータ解析について、最後に北海道大学の五十嵐先生からは電気電子機器のトポロジー最適化とAIを用いた自動設計について解説していただきます。本セッションは、電磁界解析を利用しておられる方は勿論、使ったことは無いが興味を持っていらっしゃる方にも有益な内容になっております。ぜひご聴講ください。
 


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