第36回 電源システム技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
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コーディネータ (敬称略)
D1先進パワエレから見る「くるまの未来」
- 細谷 達也
- ㈱村田製作所 技術・事業開発本部 デバイスセンター 応用技術開発部 プリンシパルリサーチャー/名古屋大学 客員教授
1
テスラモデル3/S分解に見るEVの未来
- テスラ モデルS/モデル3の分解から見える違い
- テスラ モデルSのOTA問題を起こしたデバイスについて
- テスラモデル3の執念とも思えるモジュール化戦略
- テスラ モデル3の12V電源系を集中化したボディコントローラーについて
- 中道 理
- ㈱日経BP 日経エレクトロニクス 編集長
2
中国の自動車電動化最前線
- 電動化が世界一進んでいる中国での、OEM、部品メーカーが取り組んでいる現状についてレポートします。現状のままでは日本の部品メーカーは生き残れないと考えられ、その理由について説明します
- 平井 敏郎
- ブルースカイテクノロジー㈱ 取締役 最高技術責任者
3
第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモータの開発
- すべてをタイヤのなかに:モータ・インバータと走行中ワイヤレス給電の受電回路のすべてをホイール内の空間に収納
- 充電からの解放:走行中ワイヤレス給電の能力を1輪あたり20kWに向上。これにより交差点手前の充電だけで十分に
- 産学オープンイノベーション:当プロジェクトに関わる基本特許をオープン化
- 藤本 博志
- 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授
パワーエレクトロニクスの活用は、現在の約2割から2030年には約8割になると言われ、1.電動化(自動車、航空機など)、2.情報社会(AI、ADAS、IoT、5Gなど)、3.脱炭素エネルギーなど、電源システムは技術革新を導き、未来社会はパワエレが支えます。オープニングセッションでは、1件目は、テスラモデルSとモデル3を実際に分解して、先進技術や設計思想を分析してEVの未来を洞察し、2件目は、電動化が世界一進む中国の電気自動車を分析して、危機感をもって革新の必要を理解し、3件目は、インバータと走行中ワイヤレス給電とモータの全てをホイール内に格納する第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモータの開発技術を解説して頂きます。第一線のエンジニアから未来を創る方々にとって、必ずや有益な機会になると確信します。
※自動車技術関連セッションD1セッションとの共通プログラムです。
D2
トヨタ・日産・ホンダが集結 ~xEVパワエレ技術の最新動向と将来展望~
- 藤本 博志
- 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授
1
トヨタのxEVパワートレーン技術
- 自動車を取り巻く環境
- これまでの電動化技術の取り組み
- これからの課題と方向性
- 岡村 賢樹
- トヨタ自動車㈱ パワートレーン先行統括部 主査
2
日産の電動車システムと制御技術
- 日産の電動車システム戦略
- 駆動用モータの制御技術
- e-POWERシステムの電力マネジメント
- 伊藤 知広
- 日産自動車㈱ パワートレイン・EV性能開発部 PT・EVシステム設計グループ 主担
3
プラグインハイブリッド車向け電動パワートレインと高出力密度昇圧器の開発
- プラグインハイブリッド車パワートレインシステムと昇圧器の役割
- 昇圧器の高出力密度を実現する磁気結合型インターリーブ回路
- 新構造磁気結合型インダクタ
- 山岸 倫也
- ㈱本田技術研究所 先進パワーユニット・エネルギー研究所 PUシステム開発室 第1ブロック アシスタントチーフエンジニア
世界中の自動車メーカが電動化を急速に進める中、ハイブリッド車・電気自動車の量産化をそれぞれ約20年前・10年前に開始していた我が国のカーメーカの技術は、世界をリードし続けている。本セッションでは、トヨタ・日産・ホンダの研究開発をリードするキーパーソンに集結をして頂き、xEVパワエレ技術の最新動向と将来展望を語っていただく。
トヨタ自動車・岡村様からはPRIUSに代表されるトヨタハイブリッドシステムの技術的進化を俯瞰していただき、その中でパワエレ技術がいかに重要な役割を果たしていたか、また苦労してきたかを熱く語っていただく。また今後将来的に期待される新技術開発の方向性を語っていただけるであろう。
また日産自動車・伊藤様からは世界市場を牽引している電気自動車LEAFと、NOTE等で最近大好評のe-POWERシステムの技術動向やシステム戦略をご説明いただき、駆動用モータの制御技術・電力マネジメント技術がいかにその商品性を上げることに寄与してきたかを解説していただく。EV時代には制御技術者が、縁の下の力持ちから一躍脚光を浴びる存在となるサクセスストーリーをお楽しみいただきたい。
最後に本田技術研究所・山岸様からはPHEV車向けの昇圧回路(DC/DC変換回路)の技術的要求を概説していただき、CLARITYで実用化された磁気結合型インターリーブ回路の最新技術をご紹介いただく。新構造インダクタにより高出力密度を実現した回路技術者の熱き戦いや活躍を目の当たりにしていただきたい。
このように本セッションは日本を代表する三社が単に集結するだけではなく、パワエレ(回路)・モータ・制御というxEV時代の三大キーテクノロジーの進化を肌で感じられるものになるであろう。
※自動車技術関連セッションD2セッションとの共通プログラムです。
D3炭素社会/カーボンニュートラル/ゼロエミッション
- 中道 理
- ㈱日経BP 日経エレクトロニクス 編集長
1
自動車の電動化に向けた経済産業省の取り組み
- 西野 智博
- 経済産業省 製造産業局自動車課 課長補佐
2
カーボンニュートラルに向けた直流利活用技術の最新動向
- 2050カーボンニュートラルへの現状と背景
- 創エネ・蓄エネ・省エネの統合とセクターカップリング
- 直流利活用に関する国内外動向
- 今後の課題と方向性
- 廣瀬 圭一
- 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
3
「EVを含む需要家側蓄電池を活用した周波数制御技術に関する取り組みについて」(仮)
- 2030年頃の将来像
- EVを含む蓄電池を活用した周波数制御技術の開発
- 2020年度VPP実証の取組み ほか
- 芦谷 武彦
- 関西電力送配電㈱ 企画部 担当部長(新規事業)
D4実践インバータ設計 ~最新のパワエレ技術と未来を拓く制御技術~
- 城山 博伸
- 富士電機㈱ 半導体事業本部 営業統括部 応用技術部 応用技術一課 課長
1
電力変換装置のノイズ低減対策事例 ~電鉄用変換器を例として~
- 交流受電車両の共振フィルタによる高周波帰線電流ノイズ低減
- 直流受電車両のAMラジオノイズ低減およびノイズ電流シミュレーションモデル
- 直流受電車両のアクティブ制御による帰線電流ノイズ低減
- 東 聖
- 三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 電力変換システム技術部 部長
2
蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステム制御技術
- 蓄電池付PCSの受電電力可変制御を用いたDR対応技術
- 太陽電池・蓄電池・EVを組み合わせたV2Xシステムの実証事例
- カーボンニュートラル実現に向けた取り組みと将来展望
- 遠藤 浩輝
- ㈱GSユアサ 産業電池電源事業部 電源システム生産本部 開発部 第1グループ グループマネージャー
3
ハードスイッチング動作におけるSiC MOSFET駆動の勘どころ
- xEVに搭載されるインバータ回路などのハードスイッチング素子を上下に接続するブリッジ構成において、ハードスイッチング動作となるスイッチング側と非スイッチング側の各素子のゲート端子へ流出入する電流に着目し、ゲート・ソース間電圧の振る舞いをひも解き、SiC MOSFETを使用した実測波形を示しながら、ゲート・ソース間電圧に発生する課題について対策方法を紹介します。
- 喜多川 聖也
- ローム㈱ システムソリューションエンジニアリング本部 FAE1部 技術主幹
環境問題という観点において、エネルギーを有効活用するためのパワエレ技術は非常に重要な役割を担っており、日々その技術は進歩しています。
本セッションでは、これら技術について各分野で適用されている最新の事例を盛り込みながら講演いただきます。
最初に、環境負荷低減の観点で鉄道が見直されておりますが、電気鉄道に適用した事例を取り上げ、その中でもパワエレとは切っても切り離せないノイズ対策の最新技術を講演いただきます。次にエネルギーの有効活用という面で、蓄電池を活用した最新のエネルギーマネジメントシステムについて、さらに将来のEV社会への展望について講演いただきます。最後に、これら技術を支えるSiCデバイスについて、駆動回路に関する最新の情報を講演いただきます。
いずれも先端技術の実践に関わる講演であり、これらがさらなる技術の発展に役立つことを期待します。
D5王道スイッチング電源の実践設計 -製品開発の苦労話とノウハウ伝授-
1
スイッチング電源製品開発のノウハウ集 ~電源開発の現場から市場まで~
- 電源種類別開発ノウハウ集
- 電源開発苦労話
- 問題対策事例紹介
- 柳 洋成
- TDKラムダ㈱ 技術統括部 システム電源開発部 新エネルギー技術グループ エンジニア
2
コーセルにおける最新スイッチング電源の実践設計 ~デジタルアシスト制御電源の設計事例~
- デジタルアシスト制御電源の設計思想
- デジタルアシスト制御電源の実践設計
- 通信機能を実現するための実践設計
- 水原 崇
- コーセル㈱ US開発部 US開発二課 グループリーダー
3
スイッチング電源の開発トレンドの変遷 ~成功と失敗の記録
- フライバックからLLCコンバータに続く開発トレンドの変遷
- 多様化する形態、片面基板からシートトランスとモールド電源まで
- 時代とともに変化する市場要求とその対応事例
これらに伴う失敗事例の紹介
- 臼井 浩
- ㈱GSユアサ インフラシステムズ 技術本部 開発部
スイッチング電源は高効率・小型化の要求が強く、他の電力変換器に比べても高周波化・高電力密度化が進んでおり、技術ノウハウのかたまりと言っても過言ではありません。本セッションでは、「王道スイッチング電源の実践設計」としてスイッチング電源メーカ3社から、製品に適用されている最新技術動向のみならず、学会や他講演会では聞くことのできない各メーカの技術ノウハウや開発苦労話についてご講演いただきます。
最初に、各種AC/DC,DC/DC電源開発のノウハウ、ノイズや発熱に対する対策事例を現場の苦労話を交えてご紹介いただきます。次にデジタルアシスト電源の設計思想と実践設計法について解説いただきます。最後にスイッチング電源を知り尽くしたベテランエンジニアから開発トレンドの変遷と開発における失敗と成功の記録について講演いただきます。現場経験からくる生の声を聞くことで、スイッチング電源の技術の高さを再認識いただき、そして、「王道スイッチング電源論」を感じていただければと思います。
本セッションが、スイッチング電源技術の更なる発展に繋がることを期待します。
D6xEV用(向け)パワエレ受動素子の挑戦
- 小澤 正
- 日本ケミコン㈱ 技術本部 第一製品開発部 部長
1
各自動車メーカ最新モデル分解から読み解く車載用パワーエレクトロニクス技術最前線 ~I-PACE(ジャガー)・モデル3(テスラ)・MIRAI(トヨタ)~
- モデル3(テスラモーターズ社)用フルSiCインバータとSiCバッテリ充電器の概要
- I-PACE(ジャガー)用インバータの概要と実装手法
- MIRAI(トヨタ)用昇圧コンバータの概要
- 山本 真義
- 名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授
2
高耐熱リチウムイオンキャパシタを活用した、電動パワーステアリング(EPS)用補助電源システム
- CASE実現に向けた当社のEPS戦略
- EPS用補助電源システム・量産への技術課題
- 高耐熱リチウムイオンキャパシタ開発
- まとめと今後の予定
- 三尾 巧美
- ㈱ジェイテクト トップ直轄 蓄電デバイス事業部 電源システム開発グループ グループ長
3
車載対応高信頼性パワーインダクター
- 車載用DCDCコンバータの動向について
- 高信頼性への取り組み
- 製品化事例
- 下蔵 良信
- TDK㈱ 電子部品ビジネスカンパニー 部長
カーボンニュートラル社会の実現に向けて世界中で様々な動きがあります。「省エネ」「創エネ」「ネガティブエミッション技術」などに欠かせない技術として直接的あるいは間接的にかかわっているのがパワエレ技術です。“受動部品”はこのパワエレシステムに欠かせない部品であり、文科省でも「革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術開発事業」というプロジェクトの中で「受動素子領域」として公募がかけられるなど注目されています。
本セッションでは、進みゆく自動車の電動化においてパワエレシステム観点でEVにfocusし、キャパシタとインダクタの最新技術動向についてご講演いただきます。1件目は、パワエレシステム目線で自動車メーカー3社の最新モデルの分解からパワエレ技術の最前線を読み解き、ご講演いただきます。2件目のご講演では、過酷な環境温度に曝される車載用部品において、高耐熱性のキャパシタを活用した電源システムについて、キャパシタの開発動向や技術的課題などについてお話いただきます。3件目として、過酷な使用環境の中で高い信頼性が必要とされる車載用パワーインダクターについて製品化の事例をおりまぜながら高信頼性への取り組みについてご講演いただきます。受動部品開発の最前線のお話をお聴きいただき、カーボンニュートラル社会の実現に向けてご活用いただけることを願っております。
※自動車技術関連セッションD6セッションとの共通プログラムです。
D7本格採用が始まった次世代パワー半導体 ~モビリティー分野へのSiC適用最新事例~
- 岡本 光央
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター 主任研究員
1
次世代パワー半導体の技術課題とその対策
- SiCやGaN半導体を用いたパワーデバイスが電源回路に使用されるようになってきた。
これらの次世代パワー半導体デバイスを従来のSi半導体デバイスと同じように使っていてはコストに見合った性能を出すことができない。すなわちその性能を活かそうとすると、回路実装や制御で対応する必要がある。本講演では、次世代パワー半導体デバイスの特性に応じたと回路側での対策について口述する。
2
電動化を加速する車載用SiCパワーMOSFETの最新トレンド
- グローバルな環境への対応が加速している。その鍵を握るのがxEVだ。自動車の電動化を加速させる主要コンポーネントは、電動用のモータおよび高電圧Li-IONバッテリである。そして、それら電動モータ駆動モジュールおよびバッテリ充電用オンボード・チャージャに半導体製品が使用される。従来より、モータ駆動モジュールにはIGBT、オンボード・チャージャには高耐圧パワーMOSFETが使われているが、より長い航続距離や短時間での充電といったニーズにより、高効率かつ小型のモジュールを実現できるSiCパワーMOSFETの需要が高まっている。本講演では、車載用トラクション・モータ向けのSiCパワーMOSFETの技術トレンドを解説すると共に、同製品に関するSTの製品戦略についても紹介する。
- 芳尾 桂
- STマイクロエレクトロニクス㈱ オートモーティブ&ディスクリート製品グループ パワー・トランジスタ製品部 マネージャー
3
SiCの性能を引き出すEV/HEV用インバータ技術
- 小型チップ冷却性能を改善するパワーモジュール技術
- 高速スイッチング性能を活かす駆動回路技術
- 高速スイッチングに適したノイズ低減技術
- 沼倉 啓一郎
- 日産自動車㈱ 総合研究所 EVシステム研究所 主任研究員
4
デバイスとEVシステム相互理解のための研究開発
- パワーデバイスとパワーシステムのギャップ
- デバイス側がシステム側視点を理解するためのモータ駆動
- 走行モード毎の電費とデバイスの相関
シリコンカーバイド(SiC)やガリウムナイトライド(GaN)といった次世代パワー半導体の実用化が、いよいよ本格的に始まっています。特に、SiCを採用した電気自動車が販売開始されたことから、SiCの車載応用は今後ますます進むと考えられます。
本セッションでは、1件目で次世代パワー半導体を活かすために必要となる回路・実装技術や制御技術について俯瞰的に解説いただきます。その後に、SiCの車載応用にフォーカスした適用事例を3件ご紹介いたします。車載用SiCデバイスの最新動向や、新しい駆動技術と実装技術、さらには車載時の電費とデバイスの相関といった実践的な内容を講演いただく予定です。
これら次世代パワー半導体に関する最新の情報が、皆様のお役にたつことを期待しております。
※自動車技術関連セッションD7セッションとの共通プログラムです。