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小会のさまざまな活動を紹介しながら、これからの経営課題を予見し、課題解決のヒントを探っていきます

INTERVIEW
理事
NIPPON EXPRESS
ホールディングス
株式会社

代表取締役会長
渡邉 健二

1972年、日本通運(株)入社。2009年、代表取締役副社長 副社長執行役員。2011年、代表取締役社長 社長執行役員。2017年、代表取締役会長。2022年より現職。

渡邉 健二氏

一人ひとりの力の結集が
企業の発展やさらに豊かな持続可能な社会につながる

―今のお立場やお役割、これまで担当してきたお仕事等について教えてください。

日本通運は今年1月に持株会社体制へ移行し、NIPPON EXPRESSホールディングスを設立しました。私はその会長職に就いています。新たにグループブランド「NX」を導入して「NXグループ」を形成し、長期ビジョンに掲げた「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」となることを目指して、グループの力を結集して牽引しています。

―経営者としてどのようなことを大切にされていますか。

1972年に入社して以来、モノを運ぶ物流の仕事に携わってきました。その中で、現場にいる「ヒトの力」が物流を支えていることをさまざまな場面で実感してきました。現場の一人ひとりが試行錯誤や創意工夫を繰り返しながら築き上げてきたものが結集して「現場の強み」となり、当社の財産となっています。物流はモノを単に移動させるだけではなく、違う場所へ運ぶことでモノの価値を高める機能を持ち、ビジネスとビジネス、人と人を結びつけ、経済や社会の発展を支えています。誰かがやらなければ経済も社会活動も回らなくなる大切な仕事です。物流の現場を動かすプロフェッショナルを大切に育てて、力強い現場を作ること、それが原点であるという思いを持っています。

―企業の永続的発展のためのお取り組みやお考えについてお聞かせください。

NXグループは「物流を通して社会に貢献し、豊かな未来を創る」ことを企業理念に定めています。先人たちから受け継がれた理念は、図らずもサスティナビリティやESGの理念にも沿ったものです。物流機能が止まれば経済や日常の社会活動が止まり深刻な影響を及ぼすことから、物流を止めてはならないという使命を負っています。一人ひとりの力を結集して最善の方法を見つけ出し、持続可能な物流を実現することが当社の発展につながり、さらには豊かで持続可能な社会の実現につながっていくと考えております。

カーボンニュートラルの実現に向けて、環境配慮車両の導入などに取り組んでおりますが、これまでの延長線上の取り組みでは我が国の温暖化ガス排出量削減の目標到達には届かないと認識しています。長期的な視野に立って正面から大胆に取り組むことが課題です。

企業の永続的発展に関しては、ダイバーシティの推進とワークスタイルのイノベーションにも取り組んでいます。働き方改革、現場力の強化、健康経営などに取り組みながら従業員満足度を高め、エンゲージメント向上に結び付けて多くの従業員に支持され、当社の持続的成長の基盤となるよう進めているところです。

―日本能率協会に期待することをお聞かせください。

一人ひとりの「ヒトの力」が企業の力になり、社会全体を支える力になることは当社に限ったことではありません。日本能率協会には、さまざまなヒトを育てる場があり、階層別教育、次世代リーダー育成、ものづくり分野の支援などで実績を積み重ねており、これからも産業界の発展を先導することを期待しています。特に、DXの推進、とりわけ「変革」(トランスフォーメーション)を推進する人材育成に期待します。