クラウド型 環境情報統合管理システム 企業・団体活動における各種環境データの管理を効率化

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導入事例

サービスの質を損なうことなく省エネに注力する日本ホテル〜クラウド型環境情報統合管理システムの導入でより効率化へ〜

JR東日本グループのフラッグシップホテル会社である日本ホテル。首都圏の「ホテルメトロポリタン」「ホテルメッツ」ブランドのホテルを運営し、2012年10月には東京駅舎内に東京ステーションホテルをオープン、幅広いニーズに応える多様なホテルを展開している。日本ホテルが提供する最上のサービスとともに事業に直結したCSRや省エネの取組みについて環境マネジメント室に聞いた。

日本ホテルのフラッグシップホテルホテルメトロポリタン
日本ホテルのフラッグシップホテル
ホテルメトロポリタン
再現された東京駅丸の内駅舎の中にある東京ステーションホテル
再現された東京駅丸の内駅舎の中にある東京ステーションホテル

ホテルならではの災害や環境への取組み

厨房の電力モニターで消費電力の「見える化 」を行っている 厨房の電力モニターで消費電力の「見える化 」を行っている

 東日本大震災が発生した2011年3月11日、震源から遠く離れた東京でも交通機関などが大きな影響を受け、多くの帰宅困難者が発生した。これを機に千代田区飯田橋に立地するホテルメトロポリタンエドモントでは、2013年1月25日に周辺の7事業所とともに東京都千代田区と「大規模災害時における帰宅困難者等被災者受け入れに関する協定」を締結した。首都直下型地震が起これば、さらに多くの帰宅困難者が発生することが見込ま れるため、災害発生時に帰宅困難者などを可能な範囲で受け入れるとともに、区からの支援物資を配布するなど、区と連携した迅速・機動的な対応がとれるよう体制整備を進めている。

 顧客への快適な空間とサービスの提供を最優先するホテルにおいても、地球環境保護へのさまざまな取組みを推進中だ。日本ホテルでは、エネルギー使用量の削減と食品廃棄物の資源循環に特に注力。また、全社的に進めるために、社員の環境への意識向上を働きかける「環境マネジメント室」や環境保全活動を推進する「プロジェクト分科会」を設置して推進体制を整備している。また、この分科会はホテルメトロポリタンをはじめとする各ホテルで、日常の設備の維持管理と現場における節電など環境対策を推進する役割を担っている。

 ホテルの使命としては快適性を損なわずにエネルギー使用量削減を実現していく必要がある。日本ホテルでは、いつでもお客さまを迎えられるようエントランスやロビーなどには24時間点灯している照明について、長時間点灯箇所を中心にLED照明の導入を進めている。

 東日本大震災に伴う電力使用制限令の実施を契機に、BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)を活用した節電対策にも取り組んでいる。ホテルメトロポリタンでは、宴会厨房に電力量の上限値を設定し、リアルタイムに電力使用量をモニターに表示させて、見える化を実現した。モニターが視界に入りやすく、意識せずに目がいくように時計の横にモニターを設置するなどの工夫を行い、日常業務のなかに省エネ意識を浸透させている。

データの一元管理と法令・条例への対応をスムーズにしたい

データの一元管理と法令・条例への対応をスムーズにしたい

 日本ホテルでは規模の異なるホテルを多数展開しているため、設備構成やエネルギーの種類が非常に多い。このため、管理すべきデータの種類も多く、エネルギーデータの収集、集計の仕組みが煩雑で複雑になっていた。これまでは各ホテルから紙ベースでデータを収集し、環境マネジメント室が集計を行ってきた。しかし、提出されるデータには、入力漏れや桁の間違いなどが散見され、締め切りまでにすべてのデータが集まらないことも多くあった。また、ホテルによっては何度もデータの差し替えが起こることがあった。環境マネジメント室の担当者は「本社や各ホ テルの担当者の異動を考えると、担当者の能力に左右されない、会社としてのデータ収集・集約の仕組みを構築することが必要だった」と言う。

 また、ホテルにはレストランや宴会場などがあり、日々多くの食品を扱うため、食品リサイクル法やマニフェスト制度など廃棄物に関する法令への対応も必要である。省エネ法では、温室効果ガス排出量の算定に用いる排出係数の変更があったり、行政報告用の様式が数年ごとに変更されたりすることがあり、法令や条例への対応に苦慮していた。

 こうしたさまざまな課題が山積するなか、限られた人員で効率的に業務を進める解決策として、クラウドシステムでのデータ管理が検討された。クラウド型のサービスは、自社での設備投資やソフトのインストールが不要で、インターネットに接続できる環境があれば短期間で容易に導入できる。安価な費用で運用できる点が評価され、検討が進められた。

業務効率化と「原因の見える化」を実現

業務効率化と「原因の見える化」を実現

 システム導入にあたって特に重視したのは、エネルギー使用量だけでなく、多様なデータを一元的に管理できること、対象となる法令や条例の様式が容易に作成できること、ホテルごとのさまざまなノウハウを集積する仕組みを構築することの3点だった。

 3点目の「ノウハウを集積する仕組み」とは、たとえば、数値データとテキストデータを関連づけて管理するということだ。環境マネジメント室の担当者は「これまではエネルギー使用量は定期的に把握できたが、エネルギー使用量が前年と比べて大きく増減した場合に、それが省エネの結果なのか、エレベーターの定期点検で1基停止していたのかといった『原因の見える化』はできていなかった」と振り返る。こうした場合、数値データとテキストデータが関連づけられていれば、原因は見える化できる。

 日本ホテルが導入したJMAクラウド型環境情報統合管理システムでは、各ホテルおよび各年度のエネルギー使用量の比較・対比が容易にでき、また、エネルギー使用や設備にかかわる特記事項をメモできる機能が搭載されている。そのため担当者の異動があっても、システム上で「データの見える化」とともに「原因の見える化」が実現されることとなった。

 設備面以外でも、客室や宴会場の稼働率データと「廃棄物量」や「肥料への再生利用量」などの煩雑で面倒なデータの入力が、誰もが容易にできるようになった。また、メモ機能を組み合わせることにより業務の効率化および一元管理の推進も図っている。

 これまで、LED照明の積極的な導入や高効率機器およびインバータ化などにより、ホテルメトロポリタンでは6%、ホテルメトロポリタンエドモントでは8%の温室効果ガスの削減が継続されている。また、生ごみの肥料・飼料化に加え、カット野菜の導入により、食品リサイクル率が2012年度には46.2%まで向上した。

 今後、各種法令などの遵守はもちろん、BEMSやシステムを活用した「見える化」とともに具体的な環境対策の整備を進めていく方針である。

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