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2026 GOOD FACTORY賞® Premium Steel Processing、花王、セイコーエプソン、関ケ原製作所、デンソー、トヨタ自動車、本田技研工業の8工場/事業所が受賞

2026 GOOD FACTORY賞 表彰式イメージ

2026年3月9日、「2026 GOOD FACTORY賞®」の表彰式が東京コンファレンスセンター品川で開催された。14回目となる今回は、過去の受賞工場がその後も活動を深化させ、企業文化として定着させた取り組みを総合評価する「GOOD FACTORY大賞」を新設。式典には、部門賞を受賞したPremium Steel Processing、花王、セイコーエプソン、関ケ原製作所、デンソー、トヨタ自動車、本田技研工業の7工場・事業所、大賞に輝いたトヨタ自動車(TOYOTA MOTOR THAILAND CO., LTD.)からそれぞれ代表者が出席し、各現場が積み上げてきた改善と創意工夫の成果が顕彰された。

表彰式では、主催者を代表して日本能率協会会長・中村正己の祝辞の後、審査員の紹介に続き、受賞した各社に中村から表彰状と記念の盾が贈られた。

受賞企業代表挨拶では、トヨタ自動車衣浦工場工場長の鎌田祐子氏が登壇。日本やアジアの製造業を取り巻く環境が大きく変化する中で「私たちは創業の原点である、誰かのために、人中心のものづくりを大切にしてきました」と語り、「今回の大賞は、継続してきた挑戦を認めていただいたものと受け止めています。この場がさらなる進化の決意を新たにする機会となり、製造業がより強靱で、より価値を創出する産業へと発展する契機となることを願っています」と謝辞を述べた。

続いて、柿崎隆夫審査委員長(日本大学理工学部シニアリサーチフェロー)が総評を行い、「受賞した8事業所には、それぞれに現場の執念、独自の輝きがありました。書類審査だけでは分からない、現地審査でこそ見える素晴らしい力があり、それが皆様の受賞に結びついたと思います」と結んだ。

各社の受賞理由の要旨は次の通り(社名50音順、敬称略)。

【ファクトリーマネジメント賞】
伊藤忠丸紅鉄鋼
Premium Steel Processing Co., Ltd.(タイ・チョンブリー)
コロナ禍においてコスト削減と業績回復に注力し、特に2021年から工場再生を目的とした「Reborn Project」を推進。ローカルメンバー主導で高付加価値製品への転換を実現し、2020年対比で高付加価値製品の製造販売の大幅増、市場シェアの拡大など、着実な成果を挙げている。現地調査でも、改革活動が現場全体に浸透していることが確認された。

【ものづくりプロセス革新賞】
花王株式会社
豊橋工場(日本・愛知県)
市場ニーズの多様化に対応した「市場連動型・多品種高頻度生産」への変革を目指し、KPI中心の管理に加え、自律的に成長する仕組みとして「OKR」を導入。ヒューマンエラー防止策や高度なSCMで品質と効率を両立させるとともに、ロス削減活動など全員参加型の改善が定着し、「褒める文化」による従業員の意欲向上も実現している。

【ファクトリーマネジメント賞】
セイコーエプソン
Epson Precision Philippines Incorporated(フィリピン・バタンガス)
2万人超の従業員を要する中核工場で、生産の複雑化に対応するスマートファクトリー化を推進。改革を支える基盤として、現地の文化特性を生かした一体感の醸成、教育・研修制度の充実を進め、現場主導の改善活動によって生産現場の競争力が高められている。地域製造業の発展にも寄与する「産業発展型生産拠点」として高く評価された。

【ものづくり人材育成貢献賞】
株式会社関ケ原製作所
本社(日本・岐阜県)
2018年、「第三の創業」を掲げ、長期視点の経営・工場改革に着手。自律的思考を育む「学び舎活動」、技能継承を図る「技術村活動」、職場文化を豊かにする「文化村活動」により「主体的に行動できる人財」を育成するほか、多面的な教育施策を展開し、定着率向上に繋がった。理念・人材・文化を統合した独自の工場運営が評価された。

【ものづくりプロセス革新賞】
デンソー
DENSO MANUFACTURING VIETNAM CO.,LTD.(ベトナム・ハノイ)
労務費上昇による優位性の縮小、生産体質の転換などの環境変化に対し、日系企業の「ものづくり力」に現地のDX・IT技術を融合したプロセス革新を実施。徹底したムダ取り、現場発信の実効性のあるDXなどにより次世代ものづくり体制への転換を図り、一人当たり売上高の向上、従業員のエンゲージメント向上という顕著な成果が現れた。

【ものづくり人材育成貢献賞】
トヨタ自動車
TOYOTA KIRLOSKAR AUTO PARTS PVT. LTD.(インド・ベンガルール)
従業員の半数以上を期間従業員が占める中、現地主導の運営体制を構築。トヨタ生産方式の浸透、人材開発、改善活動により、短期間で生産量を過去最高水準まで回復させた。さらにコスト競争力強化、新技術の手の内化も推進。雇用形態の壁を越えた全員参加型の育成文化、現場力向上の仕組みにより、持続的な成長と現地自立を実現した。

【ファクトリーマネジメント賞】
本田技研工業株式会社
鈴鹿製作所(日本・三重県)
営業から生産まで全機能が集結する統合型ものづくり拠点を構築。ワンフロア体制による近接配置、部門横断の連携を促す「SKI」体制、企画から市場投入まで一気通貫で推進できる点を強みとし、軽自動車生産において専用ラインの構築や主要サプライヤーとの共創体制などを実現。販売トップ維持やコスト低減といった成果に結びついた。

【GOOD FACTORY大賞】
トヨタ自動車
TOYOTA MOTOR THAILAND CO., LTD.(TMT Gateway Plant)タイ(チャチューンサオ)
2011年にGOOD FACTORY賞「ものづくり人材育成貢献賞」を受賞し、その後も順調に発展してきた。タイ市場でのさらなる競争力強化を図るため、従来の「引き算」型思考から脱却し、目標や前提を一旦ゼロに戻して再構築する「ゼロベース」のアプローチを採用して真の正味を追求。これをボトムアップで工場全体に浸透させ、一段高いリーンを実現した。