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2023 GOOD FACTORY賞にて、花王、ダイキン工業、東芝、トヨタ自動車、リコーの5工場が受賞!

2023 GOOD FACTORY賞 表彰式イメージ

2023年3月8日、「2023 GOOD FACTORY賞(https://goodfactory.jma.or.jp/program2023/)」の表彰式が帝国ホテルにて開催された。GOOD FACTORY賞とは、日本およびアジア地域に進出している製造業の生産性や品質向上、改善活動に成果をあげた工場を表彰する制度。第11回となる2023 GOOD FACTORY賞では、審査委員会による審査を経て、花王、ダイキン工業、東芝、トヨタ自動車、リコーの5工場が受賞した。

授賞式の冒頭、挨拶に立った日本能率協会会長・中村正己は「今年で80周年を迎える日本能率協会が最も大切にしてきたのは現場です。現場なくして、経営なし。現場なくして人材の成長なし。人材の育成、プロセス革新、ファクトリーマネジメントといった観点から優秀な工場を表彰し、模範としていただきたい、という思いで続けてきたGOOD FACTORY賞は今回で11年目を迎えることができました。審査委員の皆様の3度にわたる厳正な審査、そして現地審査により受賞工場を選定させていただきました。GOOD FACTORY受賞の5工場のみなさま、お喜び申しあげます」と述べた。審査委員の紹介に続き、受賞各社の代表者へ表彰状と楯が中村より贈られた。

続いて、受賞者を代表して、株式会社リコー代表取締役社長執行役員CEOの山下良則氏が「日本を代表するメーカーに当社が名を連ねられて本当にうれしく思います。ぜひ、今回の沼津事業所の受賞を機に、他の生産工場にもGOOD FACTORY賞への応募が広がっていくことを願っています。日本企業のものづくりの良さは、真摯に、真心をもってものづくりに取り組むことです。その姿勢がアジアの生産現場にも移管され、世界に高い品質の商品を届けられているのだと思います。GOOD FACTORY賞が、グローバルにおいて、そして日本国内において、“ものづくり日本”が輝く起爆剤になればと思います。本日はありがとございました」と謝辞を述べた。

最後に審査委員会委員長の伊藤健治氏(東京工業大学名誉教授・東京理科大学経営学部教授)が講評を行った。「GOOD FACTORY賞は、コロナ禍により、一昨年は中止、昨年は国内企業のリモート審査となりました。今年度は海外を含めて工場の現場で審査ができ、改めてたくさんのことを学ぶことができました。GOOD FACTORY賞は創設から12年目を迎えました。次世代に向け、単体の工場の優れた取り組みを評価することを加え、全社的な取り組み、そしてSDGsなどものづくり以外の部分も評価する必要性を感じています。これからもGOOD FACTORY賞は続いていきますので、受賞企業の皆様におかれましては、ぜひ、他の工場にも広げていっていただければと思います」と締めくくった。

なお、受賞した5工場の受賞理由の要旨は以下の通り。

[ものづくり人材育貢献賞]
花王株式会社
Kao Industrial(Thailand)Co., Ltd.(タイ・チョンブリー県)
同社では、リーダーやマネージャーの育成が急務となり、社内方針に沿ったオリジナルの人材育成体系と人材マネジメントの構築と実施が行われた。結果として、現在はローカル人材によるローカル人材のための工場が実現し、エリア3倍、生産量2倍、人員は10%増という状態で運用が継続できている。

[ものづくりプロセス革新賞]
ダイキン工業株式会社
DAIKIN COMPRESSOR INDUSTRIES Ltd.(タイ・ラヨーン県)
同社は、工場の体質強化と競争力向上を行うためのプロセス改革運動を推進。その活動の中心はIT化(DX化を含む)であり、生産部門から間接部門まで幅広く、かつ徹底した活動を実践した。ナショナルスタッフを中心としたIT専任チームの活躍によって、同社工場の幅広いプロセスで効果を上げている。

[ファクトリーマネジメント賞]
株式会社東芝
豊前東芝エレクトロニクス株式会社(日本・福岡県)
同社は、他社との熾烈な競争や派遣社員の定着率の課題に直面してきた。工場マネジメントの解決策として「ONE BUZEN」という活動ビジョンを掲げ、戦略マップに基づく施策を展開。従業員がモチベーションを高める施策を打ち出し、従業員自らが職場を変えていく改善活動を推進し、従業員の自主保全を可能としている。

[ファクトリーマネジメント賞]
トヨタ自動車株式会社
SIAM TOYOTA MANUFACTURING CO., LTD.(タイ・チョンブリー県)
同社はある時期にプロジェクトが重複して発生し、規模の拡大と従業員の増加を急速に進めたため、人財育成が追いつかない課題を抱えた。そこで、ものづくりの基盤強化と競争力を進めるべく強化運動を推進。その取り組みを通じて、ファクトリーマネジメントの骨格を構築し、高い水準の成果を出し続けることに成長している。

[ファクトリーマネジメント賞]
株式会社リコー
沼津事業所 CMC事業本部(日本・静岡県)
同事業所では、人財を最大限に活かすマネジメント方法を構築し、従業員の活性化(エンゲージメント率向上)、安全、品質、環境、DXで効果を上げている 。その特徴は、従業員自らチャレンジ出来る自律型人財育成の推進、安全に対する意識改革を促す安全文化の醸成、自律的に環境負荷低減活動を実践できる体制の構築である。