基調講演
伊東豊雄氏、石井幹子氏、松村秀一氏、永山祐子氏が登壇が決定!
(法人格・敬称略)
11月20日(水)13:00~13:50
美しい建築をつくるために
建築家
伊東 豊雄 伊東豊雄建築設計事務所 代表取締役私は若い頃から美しい建築をつくりたいと考えてきました。最近若い建築家達は美しい建築という言葉を使わなくなりました。建築は生活とかコミュニティのためにつくるものであり、美的な存在とは考えていないようなのです。
私にとって美しい建築とは、自然を感じさせる建築です。現代建築は、かつての日本建築のように自然と連続させることは出来ません。人工環境に頼らざるを得ないからです。しかし内に居ても自然の中に居るような建築をつくることは可能です。私がこれまでつくった建築を紹介しつつ、このテーマについて具体的にお話したいと思います。
11月20日(水)15:40~16:30
和室学-世界で日本にしかない空間-
建築学者
松村 秀一 神戸芸術工科大学 学長/JHBS実行委員会
日本には、固有の歴史の中で独自に育まれ洗練されてきた建築等の空間とそこでの文化的な営みのかたちがある。様々な生活文化が国境を超えて同質化へと向かう現代にあって、この国で独自に洗練されてきた空間文化は後退しつつあるようにも見えながら、その実、その可能性を大きく広げ世界で輝く時を、今か今かと待っている。今回の講演では、世界で輝く時を待つ日本独自の空間文化について、異なる専門家の様々な視点からのガイダンスを参考にしながら、現代日本の住生活関連産業の方々と共に考えてみたいと思う。
- プロフィール
- 神戸芸術工科大学学長(専門は建築構法・建築生産)。1957年神戸市生まれ。1980年東京大学建築学科卒業。1985年東京大学大学院博士課程修了。工学博士。1986年より東京大学講師、助教授、教授、特任教授を経て2023年より早稲田大学理工学術院総合研究所上級研究員・研究院教授。2024年4月から現職。日本建築学会元副会長。現在、HEAD研究会代表理事、建築技術支援協会代表理事、団地再生支援協会会長も務める。日本建築学会賞(論文、2005年)、都市住宅学会賞(著作、2008年、15年、16年)、日本建築学会著作賞(2015年)等受賞多数。主な著書に「新・建築職人論-オープンなものづくりコミュニティ」(学芸出版社)、「和室礼讃」(晶文社)、「建築の明日へ」(平凡社新書)、「和室学」(平凡社)、”Open Architecture for the People – Housing Development in Post-War Japan”(Routlede)、「空き家を活かす-空間資源大国ニッポンの知恵」(朝日新書)、「ひらかれる建築-『民主化』の作法」(ちくま新書)、「建築-新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ」(彰国社)、「箱の産業」(彰国社)、「『住宅』という考え方」(東京大学出版会)など。
11月21日(木)13:00~13:50
光は新しい価値を創る
照明デザイナー
石井 幹子 石井幹子デザイン事務所 代表取締役地球の 1 日は 24 時間。その半分は夜で、まだ未開拓の分野です。
光はものを可視化するだけではなく、新しい価値を生み出します。
- プロフィール
- 東京芸術大学美術学部卒業。フィンランド、ドイツの照明設計事務所勤務後、石井幹子デザイン事務所設立。都市照明から建築照明、ライトパフォーマンスまでと幅広い光の領域を開拓する照明デザイナー。日本のみならず海外でも活躍。主な作品は、東京タワー、レインボーブリッジ、東京ゲートブリッジ、函館市や倉敷市の景観照明、姫路城、白川郷合掌集落、創エネ・あかりパーク、銀座歌舞伎座、皇居外苑、日本武道館、隅田川橋梁群、福山城、駿府城公園(東御門・巽櫓)ほか。海外作品では、フランス・パリ、ドイツ・ベルリン、スイス・ベルン、イタリア・ローマ他、海外主要都市での周年事業記念光イベントや、ブダペスト・エリザベート橋ライトアップ、「パリ・MAISON&OBJET」特別展示ほか。国内外での受賞多数。2000 年 紫綬褒章を受章。2019年秋 文化功労者顕彰、2020年秋 東京都名誉都民顕彰。2023年秋 旭日中綬章受章。作品集 「MOTOKO ∞ LIGHTOPIA 石井幹子 光の軌跡」ほか。著書「光が照らす未来-照明デザインの仕事」、「新・陰翳礼讃」ほか。
11月22日(金)11:40~12:30
建築というきっかけ
建築家
永山 祐子 永山祐子建築設計 取締役建築は私たちの生活の営み全般に広く関わっています。だからこそ建築は様々な可能性を実現化する“きっかけ“となり得るのではないかと考えています。地域の新しいムーブメントを作り出したり、コミュニティを作ったり、訪れた人に新しい気づきを与えたり、人、場所、時間によってもその効果は多様に広がります。今まで作ってきた建築を通してどんな未来を想像したかをお話しできればと思います。
- プロフィール
- 1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998年青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」「豊島横尾館」「ドバイ国際博覧会日本館」「JINS PARK」「膜屋根のいえ」「東急歌舞伎町タワー」など。JIA新人賞(2014)、World Architecture Festival 2022 Highly Commended(2022)、iF Design Award 2023 Winner(2023)など。現在、2025年大阪・関西万博にて、パナソニックグループパビリオン「ノモの国」と「ウーマンズパビリオン in collaboration with Cartier」(2025)、東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」などの計画が進行中。