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JMAマネジメント講演会 開催レポート

テーマ:「新しい価値を生みだす人・組織とは
    ~KAIKA Awards受賞企業の取り組みからみる~」
講 師:田部 昌彦(たべ まさひこ) 氏
     日産自動車株式会社 先行車両開発部 先行車両開発グループ


     高橋 修一郎(たかはし しゅういちろう) 氏
     株式会社リバネス 代表取締役社長COO
コーディネーター:深代 達也(日本能率協会 KAIKAセンター 主管研究員)
日 時:2018年3月22日(木) 14:00~17:00

今回は、『新しい価値を生みだす人・組織とは』をテーマに、JMAが主催する『KAIKA Awards』(*1)に、見事受賞(2015年・2016年)された二社をお招きし、価値創造を促進するための視点や秘訣をお話いただきました。
*1:  http://kaika-management.com/awards/outline

日産自動車 田部昌彦講師

【日産自動車 田部昌彦講師】

日産自動車様の講演の主な内容は以下のとおりです
テーマ:『 奥会津・EV移動販売車プロジェクト 』 -2016年 KAIKA賞-

活動の概要・背景
・日産では将来を見据え、ゼロエミッションに向けた「電動化・電気自動車」と交通事故・交通渋滞ゼロに向けた「知能化・自動化」を推進している。
・EV(電気自動車)は、電気を「貯められる」「運べる」「取り出せる」、まさにモバイルバッテリー(動く電源)である。
・2015年から3カ年計画で、これまでの自動車では実現できない新たな価値(電気自動車の普及につながる新しい使い方)の創出は、自動車会社のエンジニアがやるべきこととの思いで、実証実験(EVビジネスモデル)をスタートした。
・地域の課題を解決することで、地域の方々の自発的な活動となっていくことを目指した。そのため、比較的短期間に地域の方がメリットを得られることが、継続的な活動には必要と考えた。
・3ヵ年計画を会社に提案し、過疎、高齢化地域である福島県奥会津発のEVビジネスモデル発信を目指した。
・電気自動車を知ってもらうために、会津大学の教員、学生、地元企業、近隣住民合計50余名でアイデアソンを開催し、EV利活用プランを策定した。
・イベントでの活用を通じてEVを知ってもらいながら、移動販売車など具現化していくことが必要と考えた。
活動の意義と社会への影響
・試行錯誤する過程を通じて、過疎化・高齢化が進む、給油に何十㎞も車を走らせなくてはいけない山間地域への対策が期待される中、EVを使った活動事例をつくり、ここから全国、アジア、全世界に広げていきたいと考えた。
・EVは、停電時の電源車として活用が可能であり、万が一の時にも安心かつ安全なモビリティであると認知していただけた。
・山間部の移動販売にエンジニア自ら同行し、生の声を聴き、従来は難しかったアイスクリームなど冷凍食品をお客様に届けることができ、とても喜んでいただいた。
現在・今後の取り組み
・他地域からも引き合いがあり、今後もEVを活用した第二、第三のモデルを提案していきたいと考えている。
・3年間運用して課題も見えてきた。住民の皆さんに更に喜んでいただけるように、多くの車種を用意し、改善を継続していきたい。
・地元の方による、移動販売車を使ったビジネスの立ち上げの計画も進んでおり、この活動が新しいビジネスにつながり、地元に貢献できた。
・次は農業にEVを活用したい。電源のとれない所で電動草刈り機の導入による農作業の軽減や、農業ロボットの導入などによる収穫効率化、またドローンを活用した防盗・鳥獣被害低減に取り組んで行きたい。

【リバネス 高橋修一郎講師】

【リバネス 高橋修一郎講師】

リバネス様の講演の主な内容は以下のとおりです。
テーマ:『 科学技術の発展と地球貢献を実現する
~知のプラットフォーム型ベンチャー企業リバネス 』 -2015年 KAIKA大賞-

活動の概要・背景
・大学院で研究生活を送っていた時代に、研究者として社会貢献したいと考え、仲間とアントレプレナーや研究者の方を招いて勉強会を開催していた。そこでは情報は入ってくるが、社会を動かす仕組みをつくるのは難しいことから、2002年に現在の会社を起ちあげた。当時の課題意識は「ポスドクの活躍」「アントレプレナーの排出」「子供の理科離れの解消」であった。
・現在スタッフ数は約70名で、関連会社は10社以上となり総勢で200名を超える規模になっている。国内拠点は4カ所、海外はアメリカ、シンガポール、マレーシア、イギリスに現地子会社を設け活動している。スタッフの半数が博士号取得者、残り半数は修士号取得者である。特に専門分野は絞っておらず、エッジの効いた専門性を持つ人材を幅広く採用している。
・創発的な研究や開発領域の課題解決に適した『QPMIサイクル*』*(質の高い課題に対して、個人が情熱を傾け、信頼できる仲間と共有できる目的に変え、解決に導く-革新や発明を起こすという考え方のサイクル)を提唱し、社員皆が研究者としてこの考え方を持ち、学校・大学・企業・自治体等の多様なパートナーと共に事業を生み出し課題解決を実践している。
*『QPMIサイクル*』:「 Q:Quality,Question」「P: Person,Passion」「M: Member,Mission」「I: Invention,Innovation」
・具体的な事例として、2011年に開始した養豚事業があげられる。それまで全く着手していなかった分野であったが、畜産分野を専門とする元インターン生が、「こだわった餌から考えて自分の豚を作りたい」という強い思いを持って当社に入社し、さらに、日本の養豚農家の衰退という重要な課題があったからこそ、周りのメンバーを巻き込んでプロジェクトを立ち上げるに至った。現在では事業化が出来、当社グループで経営する飲食店への納入や、エコフィード開発のビジネスモデル自体を飲食産業や養鶏事業に広く展開している。
活動の意義と社会への影響
・「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念のもと、科学技術を軸に世界の諸課題を解決することを目指して、研究開発支援やテクノロジーベンチャーの発掘育成、科学教育プログラム開発等を行っている。
・小中高生対象の理科実験教室を、企業と連携して年300回行っており、その活動を通じて研究者や技術者が持つ「専門性」や「技術」と「社会」をブリッジさせている(サイエンス・ブリッジ・コミュニケーション)。この活動は、CSR活動としての価値のみならず、子供にわかり易く自社の技術・現場を語れる人材の育成活動と組み合わせることによって、パートナー企業からみても持続可能な事業になっている。
現在・今後の取り組み
・今回の講演でふれたような、個人の課題意識や熱意を大切にしたイノベーション創出の仕組みQPMIサイクルや、科学技術と社会の橋渡しをするサイエンス・ブリッジ・コミュニケーターの人材育成の仕組みを、国内外の地域・大学・企業に導入し、社会変革につながる事業を継続していく。そして今後も、大学・地域に眠る経営資源や技術を組み合せて新事業のタネを生み出す「知識製造業」を営み、世界の知を集めるインフラ「知識プラットフォーム」を通じて、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念の遂行に邁進するのみである。

2社の事例発表のあと、グループ毎に気づきや疑問の共有など意見交流を行い、その後、講師との質疑応答を行いました。


【全体振返り 会場風景】

【全体振返り 会場風景】

最後に、コーディネーターのもと、「新しい価値を生みだす人・組織」の視点から、2つの事例に共通するポイントの振り返りを次のように行い、盛況のうちに講演会を終了しました。

・日産の例でも、リバネスの例でも、会社が決めた目的に従うという関係でなく、社会との関係で自分なりに「これが大切だ」「これが重要だ」といった社会的使命感・貢献意識をもち、会社を通じて実現しようとしている。これが、個人の成長と貢献のダイナミズムの源になっている。
・組織においては、一人ひとりが、会社に与えられた役割仕事というよりは、社会的使命感の共感を源として、仲間が広がり、自己組織化できるようなカルチャーがあり、管理者がそれを促進するマネジメントをしている。これが組織的な成長・活性化の源になっている。
・個人においても、組織においても、例えば大学、地域、NPOの声を聴き取り込むなど、常に社会との接点を重視しており、その接点を商品のありかた、事業のありかた、仕事の仕方、働き方などの創意工夫につなぐマネジメントができている。これが社会価値創造の契機となっている。
・これらの3つのことが相互作用し、プラスの循環をつくっている点がポイントとなる。

参加者の感想(一部抜粋)

・個人のやりたいと思う気持ちをいかに引き出すか、これが価値創造の第一歩になると感じました。
・個人の情熱、モチベーションを活かすことができれば、大きな成果を生みだせるとい う良い事例を知ることができました。
・大変参考になりました。弊社でも似たような取組みをしていますが、上手くいかな理 由が見えてきました。
・どちらもオリジナリティのある取り組みで、自社とは異なるものも多くあり、非常に参考になりました。
・「ブリッジコミュニケーション」「QPMI」の考え方は、企業の大小問わず応用できると思いました。

以上 

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