INCHEM TOKYO 2023 特別企画
「INCHEMから世界をこう変える ~カーボンニュートラル&DX~」
出展者座談会 (前回2023年開催時の情報を参考掲載中)

出展者座談会Discussion

ご出席者(順不同・敬称略)
白岩 淳二:住友化学株式会社 生産技術部 部長
片山 学:三菱ケミカル株式会社 オペレーション(日本)本部生産技術部企画セクション
油井 賢司:三井化学株式会社 グリーンケミカル事業推進室 ビジネスディベロップメントグループ リーダー
久保田 伸彦:株式会社IHI 技術開発本部 技術開発本部長
城戸 操介:千代田化工建設株式会社 フロンティアビジネス本部 統括部 部長
古藤田 輝昭:株式会社アスペンテックジャパン 主席ソリューションコンサルタント
松田 善之:東芝デジタルソリューションズ株式会社 スマートマニュファクチャリング事業部 フェロー
飯野 健人:株式会社グリッド 事業開発部 部長
川村 公人:公益社団法人化学工学会 地域連携カーボンニュートラル推進委員会 副委員長
(アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社)
百瀬 俊也:公益社団法人化学工学会 副会長 展示会委員会委員長
(千代田化工建設株式会社 技術本部 顧問)

本企画の開催にあたって

百瀬 氏 皆様お忙しいところ本日はありがとうございます。千代田化工建設の百瀬です。化学工学会の副会長と展示会委員会委員長を拝命しており、私のミッションは主催団体と関係者が力を合わせてINCHEM TOKYOを成功させることにあります。昨今、グローバル・ウォーミング(地球温暖化)というよりもグローバル・ボイリング(地球沸騰)に近いような異常気象が続いています。カーボンニュートラル(CN)社会の実現は明らかに待ったなしの状況です。世の中はCN社会の実現に向けて、また、そのためのDXの活用の流れができており、歴史あるINCHEM TOKYOもその潮流を捉えて変わっていこうと考えています。そのため、今回は新たな展示として「シン・インケム」と称してベンチャーや大学・研究機関が参画する企画と、展示会の目玉として特別企画「INCHEM から世界をこう変える~カーボンニュートラル&DX~」があります。この特別企画の実施を事前に広くお伝えすることを目的に、本企画参加の皆様による本座談会を行いたいと思います。
それでは、皆様の自己紹介からお願いいたします。

飯野 氏 私はグリッドにて事業開発部長を務めています。弊社は社会インフラにおける計画業務を最適化するためのAIエンジンを搭載したシステム開発を行っています。そのなかで私はお客様の業務課題やニーズのヒアリングを行い、お客様の業務改善に貢献できるような技術提案活動やプロジェクトマネージャーとして実際の計画業務の最適化プロジェクトの遂行を担当しています。

久保田 氏 IHIで技術開発本部を担当しています。カーボンニュートラルへ挑戦する方々へ技術で貢献したいと考えており、弊社は研究開発と事業化に日々取り組んでいます。

古藤田 氏 アスペンテックはプロセスシミュレータをはじめとするソフトウェアを販売している企業です。私の職務としてはソリューションコンサルタントとして、主にプロセスシミュレーションに関するエンジニアリング製品の技術営業を担当しています。弊社としてはソフトウェアを活用してカーボンニュートラルに適応した製品を開発したり、販売をするだけでなくコンサルタントも含めて、技術的な課題解決の支援をしているところです。

片山 氏 三菱ケミカル株式会社で生産技術部の企画セクションに所属しています。INCHEM TOKYO 2023でご紹介する技術は社内の各部門で取り組んでいますが、今回の出展についての窓口を担当しています。

油井 氏 私は三井化学のグリーンケミカル事業推進室 ビジネスディベロップメントグループに所属し、環境関係を切り口とした新たな事業開発に係るスキーム構築に従事し、日々お客様やステークホルダーの皆様と会話を重ねています。INCHEM TOKYOは私共の取り組みをアピールさせていただく良い機会と捉えており、この機会を有効に活用し様々なお客様との関係を深めていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

城戸 氏 千代田化工建設はプラントの建設をメインとした企業です。新規ビジネスの立ち上げを担うべく2019年に創設されたフロンティアビジネス本部にて、その全体を取りまとめる統括部の部長を務めています。この度の特別企画は我々が目指す方向と合致した内容の展示であり、参画させていただきます。

松田 氏 東芝デジタルソリューションズのスマートマニュファクチャリング事業部にて、製造業のDE、DX、GXを推進するソリューションを日々提案しています。展示会では、我々のソリューションを是非ご紹介できればと考えています。よろしくお願いいたします。

川村 氏 化学工学会 地域連携カーボンニュートラル推進委員会の川村です。私はアサヒグループホールディングスの研究開発子会社であるアサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社に勤務しています。今回はINCHEM TOKYO主催者側として化学工学会の取り組みなどをご紹介できればと考えています。企業単独ではCN達成は難しく、各企業の得意・不得意を踏まえた連携をすることで目指す結果を得られるよう、多くの先生方とともにシステムづくりに取り組んでいます。

百瀬 氏 INCHEM TOKYO 2023は、統一テーマ「カーボンニュートラル社会を目指すあなたに ~最新化学工学技術とポテンシャルパートナーとの出会い~」このテーマに2つの思いを込めています。“化学工学技術によるCN社会実現への貢献”が一つ。もう一つは、展示会と言っていますがこうしたカンファレンスはイノベーション創出のための出会いの場にしなければならない、という思いを込めています。川村さんから「企業単独ではなかなかCN社会実現は難しい」とお話しがありましたが、私たちも同じ考えです。異業種あるいはベンチャー企業と大企業など様々な出会いがある、INCHEM TOKYOを新たなイノベーション創出のきっかけの場にしたいと考えています。今回は11社・団体に特別企画に参加していただいて、CN社会実現やDX活用の方向性を示していただけると期待しています。また、シン・インケムにはベンチャー企業も参加していますので、ぜひ来場者・出展者と相互に交流され、ポテンシャルパートナーを得られる場になればと思います。

カーボンニュートラル社会実現・DX活用に関する取り組み・方向性について

百瀬 氏 それでは皆様から、カーボンニュートラル社会の実現やDXの活用に関してどのような取り組みや方向性を考えているのか。そして、今回の展示やプレゼンテーションにどのように盛り込むのかについてご説明願いたいと思います。それではグリッドの飯野さんからお願いします。

飯野 氏 弊社は社会インフラにおける計画業務を最適化するAIの開発を行っています。従来のオペレーションでは熟練者の経験や勘によって計画業務が行われ、知見が離散されていましたが、弊社のAIを活用することで、エネルギーコストを最小化した最適な運転計画を瞬時に立案することが可能です。既に電力会社様と発電計画の最適化や海運関連会社と配船計画の最適化を進めており、弊社には数多くの実績があります。今回は特にプラントの運転制御や蓄電池を用いたエネルギー運用計画、または空調最適化や配船計画など、化学産業の皆様に深く関わる計画業務に弊社のAI技術を活用いただくことで、エネルギーコストやCO₂の削減、さらには新たな収益の創出に貢献できると考えています。今回の展示ではこうした最新技術の紹介から実際の導入方法、具体的な効果について提示したいと思っています。

百瀬 氏 グリッドは様々な技術をお持ちです。今回、ユーザー側の企業も多く参画していますので、是非その方々の持つニーズと御社の技術がマッチングするよう願っています。次にIHIの久保田さん、お願いします。

久保田 氏 IHIグループは今年で創業170周年を迎えまして、技術をもって社会の発展に貢献することを目指して様々な事業を続けてきました。昨今の社会課題の一つはカーボンニュートラル社会への取組みがあります。国内外の事業者様の取組みに貢献したいと考えているところです。弊社の中期経営計画は新たに今年度から始まりましたが将来へ向けての育成事業としてクリーンエネルギーを定めています。これは大きく2つに分けると、アンモニアを燃料もしくは水素のキャリアとして活用する(アンモニアバリューチェーン)。もう一つはCO₂の有価物化です。今までは排ガスとして扱われていましたが、CO₂を原料として活用していきます。メタネーションでメタンにする、オレフィンにする、SAF(航空燃料)にする取組みです。当日はプレゼンテーションステージでも発表をいたします。INCHEM2023では現在の取組み紹介と他業種やアカデミアの方々と議論しながら、いかにカーボンニュートラルにつなげていくかについてお話しをしたいと思います。さらにDXの活用では、CN関連技術のお客様への導入のみならず、その後にCO₂の価値をいかにクレジット化するか、どのようにして認証するかについて、DXを使った仕組みを構築しつつありますのでINCHEMでご紹介したいと思います。

百瀬 氏 IHIは、主なCNの技術分野に関して、網羅されていますね。例えばCO₂削減やCN達成などの、目標の年度などは決められているのでしょうか。

久保田 氏 燃料アンモニアの利用は、来年3月からJERA様とともに20%燃焼、1000MWのボイラー(碧南火力発電所)での実証運転が始まります。小型ガスタービンで専焼がうまくいきましたので2027年くらいには広く使っていただきたいと思います。その先の大型は2030年くらいが目標です。メタネーションは、日本ガス協会様を中心に2030年には既存の導管の1%をe-methane(合成メタン)にする構想があります。弊社は技術で貢献したいと取り組んでいるところです。

百瀬 氏 ありがとうございます。アスペンテック・ジャパンの古藤田さん、お願いします。

古藤田 氏 弊社はプロセスシミュレーションから始まった創立から42年の企業です。ソフトウェアによってCN社会実現へ向けたソリューションを提供していく立場です。高度制御システム、サプライチェーン管理やデータ解析のソフトウェアを幅広く販売しています。現在はエマソン社の資本参加もありまして、傘下の会社も含めて、CNに対応するソフトウェア技術を集結して提供していくのが弊社の方向性です。CN実現にはいくつかテーマがありますが新規プロセス開発が必須になると考えています。CCUS、水素エネルギーへの転換、バイオマス原料の活用、ケミカルリサイクルなど、サスティナビリティに関連するプロセスシミュレーション技術の製品を開発しています。ユーザーであるお客様が新規プロセス開発に早期に取り掛かれるモデルを提供していきます。INCHEMではプロセスシミュレーション技術を中心にソフトウェアを通じてCNを実現する技術とお客様の事例をご紹介する予定です。

百瀬 氏 アスペンテックのシミュレーション技術は、ハイドロカーボンの分野では不可欠になっています。CN化へ向けての新しいプロセスに対するシミュレーション技術の対応はいかがでしょうか。

古藤田 氏 弊社は本国が米国ですが、欧米では取組みが迅速に進んでいます。お客様とは密接に連携して技術開発の方向性やソリューションを提供しています。新規プロセスのモデル化の相談を受けて既存の技術でできること、既存技術でできなければ対応モデルを開発しますが、本国のR&D、プロダクトマーケティング、プロダクトマネジメントとチームを組み、協力して対応しているところです。

百瀬 氏 ありがとうございます。三菱ケミカルの片山さん、お願いします。

片山 氏 三菱ケミカルでは2007年頃から企業の判断基準にサスティナビリティを取り入れています。現在のグループ理念に「私たちは、革新的なソリューションで、 人、社会、そして地球の心地よさが続いていく. KAITEKIの実現をリードしていきます。」を掲げています。今回の展示やプレゼンでは弊社がどのようなロードマップを描いているか、サーキュラーエコノミーの取組みの全体像と事例、プラスチックのケミカルリサイクル、樹脂 バイオマス原料への転換、炭素利用、人口光合成、グループ会社(三菱ケミカルエンジニアリング)の自己熱再生システム、化学業界の共同物流への取組み、さらにDXへの取組みも予定しています。このように網羅的な内容で、一部では事例のご紹介もする予定です。

百瀬 氏 三菱ケミカルグループ様のKAITEKIの理念は広く知られていますね。リニューアブルやカーボンニュートラル化との関連についてはいかがでしょうか。

片山 氏 カーボンニュートラル化など新しい技術の開発と導入にあたっては持続可能性も見据えつつ、その先のKAITEKIな社会を目指すことが大切と考えています。

百瀬 氏 ありがとうございます。三井化学の油井さん、お願いします。

油井 氏 弊社は2020年11月、業界に先駆けてカーボンニュートラル宣言を打ち出しました。以降、主に原燃料転換、例えば石化由来の燃料の転換としてアンモニアや水素、CO₂の利活用に向けた技術開発ならびに検討を行っています。こうした取り組みについてご紹介したいと考えています。また原料面で言うと、こちらも業界に先駆けてバイオマスナフサの導入を進めています。さらに先日、ケミカルリサイクル製品のマーケティング開始についてもプレス発表しました。石化原料の転換は非常に大きなテーマだと考えており、こうした取り組みにおける個々の案件についても紹介したいと思っています。
一方、DXについては、日本アイ・ビー・エム(株)様、(株)野村総合研究所様とともにブロックチェーン技術の開発およびサービスの展開も進めており、リサイクルのトレーサビリティ機能をサポートするサービスを提供しています。将来的にはこの技術を応用し、様々な機能を付加したサービスの展開も検討しています。今回の展示会のなかでこの取り組みについてもご紹介したいと考えています。

百瀬 氏 多面的に取り組まれている様子がよくわかります。INCHEM TOKYOでは展示とプレゼンテーションよろしくお願いいたします。千代田化工の城戸さん、お願いします。

城戸 氏 当社は「エネルギーと環境の調和」を経営理念に据えています。エンジニアリング会社として総合力をもってお客様の社会実装に貢献すべく、プラント建設の側面から、特にLNGなどのエネルギープラントや環境プラントの設計から建設までを主軸に事業を展開してきた歴史があります。昨今の社会の大きな変化のなか、さらなる発展を目指し、2019年にフロンティアビジネス本部を設立し、今後の社会課題であるクリーンエネルギーや脱炭素、ライフサイエンス、デジタルトランスフォーメーションを活用した新規ビジネスの収益化を目指しています。2030年までには、こうした新規ビジネスが既存分野と同等の収益を得られるような意気込みで取り組んでいます。INCHEM TOKYOの特別企画はまさに我々の目指すところと合致しており、3本の展示タワーをもって、当社が目指すサステナビリティとは何か、カーボンニュートラルについての取り組み、デジタルトランスファーに対する取り組みの3領域をそれぞれ細かく説明する機会としたいと思っています。

百瀬 氏 エンジニアリング会社としてDXにはどのように取り組んでいますか。

城戸 氏 プラントの運転の効率化を図るべく、蓄積された運転データにAI技術を駆使した従来の制御よりも精度の高いオペレーションをご提案しています。LNGや石油プラントで1%でも効率が上がれば全体的に大きなメリットがあり、すでにいくつかの実績もあげています。また、これまで様々なプラントを建設してきた実例から、オペレーションやメンテナンスの効率化に関するご提案も紹介させていただきます。

百瀬 氏 保全に対するデジタルのアプリケーションが一つのキーワードですね。それでは東芝デジタルソリューションズの松田さん、よろしくお願いします。

松田 氏 弊社は「人と、地球の、明日のために。」という理念の下、いかに人の暮らしを豊かにしつつ地球環境を維持するかに取り組み、デジタルを活用してカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーに貢献していくことを目指しています。まずは社会インフラに関するデジタル化に取り組みながら、その結果として従来不可能だったデジタルトランスフォーメーションを可能とし、さらに繋がっていくデジタルのプラットフォームにより従来なかった新たな価値を創ることを大きな考え方の礎とし、ソリューションの開発に取り組んでいます。
化学業界では、原燃料系のCO₂、エネルギーに関わるCO₂の排出が非常に多くなると思います。これらをいかにデジタル化によって削減し、カーボンニュートラルに貢献する事を弊社は検討しております。今回弊社は、工場全体のプロセスに対してテーマを3つに絞って展示します。原燃料に関してはご用意しておりませんが、エネルギー、生産効率においては、FEMS/製造現場最適化といったオペレーションに関するソリューション、現場の設備をいかに高度に運転しながら保全していくかというオペレーション&メンテナンスのソリューション、そして、こうした生産活動をScope1・2・3でCO₂を捉え、見える化するソリューション、この3つについてご紹介いたします。

百瀬 氏 カーボンニュートラルの実現には、プロセス系の新しい考え方のみならず、DXの活用が不可欠だと考えています。デジタル活用を加速させている背景には、御社の経営層のお考えもあるのでしょうか。

松田 氏 そうですね。社会インフラを支えるメーカーの姿から、デジタルの力を活用し社会インフラを支えるという考え方に会社全体が変わってきています。

百瀬 氏 ありがとうございます。それでは、住友化学の白岩さん お願いします。

白岩 氏 住友化学は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組み方針を「カーボンニュートラル実現に向けたグランドデザイン」として策定し、2021年12月に公表しました。当社グループが排出する温室効果ガス(GHG)をゼロに近づける「責務」と当社グループの製品・技術を通じて世界のGHGを削減する「貢献」の両面から気候変動の緩和への取り組みを進めております。当社グループは、各種プラスチックのリサイクル技術による炭素資源循環システムの構築、製品のカーボンフットプリント(CFP)計算ツールの開発・無償提供、微生物を利用するカーボンネガティブへの挑戦、各種の省エネルギー技術などを通じて、世界のGHG削減に「貢献」していきます。本展示会では、上記の「貢献」に関わる独自の技術・製品を数多く展示するほか、具体的な使用ケースをイメージできるよう、実演による“体感・体験”型コーナーも設けております。また、熱交換器の炭素鋼鋼管を高速かつ高精度で肉厚測定し、補修や更新時期を適切に判断できる独自開発の磁束抵抗法装置も併せてご紹介します。

百瀬 氏 ありがとうございます。化学工学会 地域連携カーボンニュートラル推進委員会の川村さんお願いします。

川村 氏 当委員会は2021年に発足し、学術知を活用し地球的課題を解決すべく地域発のカーボンニュートラル社会実装を加速させ、世界のカーボンニュートラルの実現に繋げることをミッションに掲げ活動しています。具体的には、これまで企業は世界最先端の省エネを進めてきましたが、カーボンニュートラルはその延長線上には無いという考えに基づき、我々の得意・不得意分野を明らかにしながらそれを連携して一つのサプライチェーンのように全体のチェーンを作っていく。そして地域連携する社会を作っていく。そのために各地方、例えば現在、山口県周南市で試験的に始めている活動や、カーボンニュートラルに繋がるような全体的な輪について多くの専門家が技術的なサポートをしていこうと考えています。今回の展示会ではこうしたお話しができればと思います。

百瀬 氏 カーボンニュートラルは大企業でも1社で実現できるものではありません。異業界の企業やアカデミアとの協力、またはベンチャーの技術の採用が必要であり、INCHEM TOKYO を出会いの場として是非活用いただきたいと考えています。

CN社会実現・DX活用にあたって、解決すべき課題

百瀬 氏 各社がカーボンニュートラル社会の実現やそのためのDXの活用を進めるなかで、今後の課題だと思っていること。あるいはこのような技術が活用できるのではないかと思っている。こうした点があれば、ざっくばらんにお聞かせ願いたいと思いますがいかがでしょうか。

久保田 氏 弊社も化学工学会にお世話になっていますが、一企業単独での取組みではなく、チームを作っていくことは重要です。今後は単にCO₂削減ができるかどうかでなく、具体的な取組み段階では経済性の課題に直面します。アンモニア・水素・メタネーション・SAFなど、経済的な影響が大といえば水素の製造で、水電解技術が必要です。製造コストが最適な生産地はどこかという検討もしていますが、水素の製造技術は水電解を中心に化学工学会の先生方におかれても研究が盛んです。新しい技術が出てくると一挙にブレークスルーするでしょう。現在のPEM型、アルカリ型、SOEC 型でも徐々に水素のコストは安くなると思いますが、それとは別に“ゲームチェンジ”になるような水素を安く作れる技術が出てくればと思います。

百瀬 氏 弊社もSPERA水素という技術がありますが、LNGのような既存エネルギーにコスト面で対抗できるような状況には至っておらず、より一層のブレークスルーが必要です。

片山 氏 個々の技術について詳細なコメントは難しいですが、例えば省エネ投資、炭素の活用、バイオプラスチックの提供、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルといったプラスチック循環のための技術、それぞれ特有の課題がありますが、全体としてコスト面の課題が付いて回る印象です。私は生産技術部の所属で、技術開発から生産化の過程に近い立場にいますが、CNやサーキュラーエコノミーにつながる技術や仕組みの実装には、一定の経済性や収益性が求められることが多いです。最適化のためにコスト抑制は課題の一つとして有ると思います。

百瀬 氏 重要なご指摘です。INCHEM TOKYO 2023 ではプレゼンテーションを通じて、ぜひ取組み事例や技術の方向性をお話しいただければと思います。

油井 氏 私共が一番課題を感じているのは販売面です。皆様ご存じのとおり、こうした環境製品は付加価値が認められていない、認めづらい状況に未だあります。一方、世界的な動きとしては環境対応は待ったなしの状況です。この大きなギャップの間にいる状態だと理解しています。そこを穴埋めするような役割で我々が立ち回らなければいけないと考えています。そのためには例えば生産の効率化という観点から皆様が今回発表されるような点を検討しつつ経済性も追求し、また同時に販売面で言えば消費者までを意識した販売施策をどのように構築していけるのか、この点も大きなテーマだと考えています。
昨今、化学業界ではマスバランスという考え方が徐々に広がってきております。クラッカーという設備に様々な由来の油(炭化水素)を入れると、出てくる多くの製品群のそれぞれに極微量ずつ由来の異なる原子(炭素や水素)が混ざることになり、それでは一つの製品の付加価値や物語性を訴求しづらい状況があります。これをクレジット化し、特定の製品に100%の環境価値を割り当てて提供するという考え方がマスバランスという方式です。こうしたまだ化学業界では馴染みのない新しいアプローチでもって販売展開していくうえでの課題感があります。こうした方式を社会に広めていくことは個社では成し得ない部分だと思いますので、化学業界全体、ひいては日本社会全体まで含めて取り組んでいかなければならないと考えています。販売的な施策や、DXの部分でもブロックチェーン技術の開発導入を進めるなど皆様から様々なお声をいただき形にしてきている状況があります。一つひとつのお声を拾い上げ、個々の案件に即した製品・サービスを提供すべく取り組んでいます。

百瀬 氏 新しいエネルギーに関しての経済性は各社ともに苦しんでいると理解しています。弊社も水素、アンモニアなどに取り組んでいますが、実証からその先に一気に進展・拡大というわけには行かないと感じています。ブロックチェーン技術をリサイクルの部分で活用されているとのことですが、実用化はどのくらいのスケジュール感でお考えですか。

油井 氏 実際に導入は進んできています。欧州ではこれが法規制化される動きもあります。消費者に対して環境付加価値をわかる形で製品提供しなければならないため、ステークホルダー各社が繋いでいき、付加価値が担保された状態のものがエンドユーザーにわたる状況にしなければなりません。これが欧州で2025年といったタイムスケジュールで進んでくると、それに倣って日本でも遅くとも2030年ぐらいには類似の法規制が進むのではないかと想定しています。

百瀬 氏 ありがとうございます。DXの活用の観点から、他にもいかがでしょうか。

古藤田 氏 カーボンニュートラルへ向けての新技術を実用化するにあたってはスケールアップやコスト面を含めた迅速なフィージビリティスタディやROIを素早く意思決定をすることが課題と捉えています。弊社のソフトウェア製品は新規技術のプロセスシミュレーションが主力ですが、次はいかに設計に活かすか。プラントのレイアウト設計、機器設計、従来から有るコスト積算技術を含めた基本設計までを範囲としたシミュレーションが可能です。コスト意識を持った迅速な意思決定に貢献できます。新規プラント建設の検討は日本国内では少なかったのですが、そのような機運が高まっています。プロセス設計だけでなく基本設計を含めたシミュレーションを幅広く使っていただきたいと思います。

百瀬 氏 ありがとうございます。さらにAIの活用についてはいかがでしょうか。

古藤田 氏 化学プラントの長年の運転で得られたプロセスデータがあると思います。プロセスシミュレータでは化学工学ベースは強みではあるものの、それだけでは表現できない領域にプラントのデータを使った機械学習モデルを組み合わせて、実際の現象を表現するハイブリッドモデルを2年前から提供しています。複雑な反応のモデルを作るのは難しかったところに活用してデジタルツインモデルとして最適化に役立てています。ほかの観点では、高度制御システムは過去の運転データからモデルを作るところもディープラーニングを使い、従来はサービスエンジニアの労力や手間がかかっていたのですが、迅速にお客様に提供できるようになっています。また、異常検知のシステムもデータ解析の一環として提供しています。パターン認識をはじめとする機械学習・AIモデルを活用して異常検知を行っています。新しいデータを使ったAI技術でソフトウェアも開発していますので、その意味でDX活用に貢献できると思います。

百瀬 氏 AIはデータがないと学習できませんね。例えば新しいプロセスを開発するときに、実運転データ、実験データ、シミュレーションデータを組み合わせることで、AIで結果を予測するようなことに使えるのでしょうか。

古藤田 氏 おっしゃるとおりで活用できると考えています。

百瀬 氏 ありがとうございます。

城戸 氏 解決すべき課題は山積していますが、提案できる技術も世の中に沢山あると思っています。そのマッチング、各々が欲しい技術、望んでいるものは何か、そこをうまく提供できるかがプラントエンジニア会社としての使命だと常々感じています。カーボンニュートラルにはお金がかかります。そこをいかにコストダウンしていくかがポイントであり、その一つの大きな手段としてDXがあると思っています。弊社が今、力を入れているのは、世界で唯一グローバルな水素サプライチェーン実証事業に成功した独自の水素貯蔵・輸送システム(SPERA水素システム)をうまく社会実装していく点です。水素価格を下げて、これを実現するよう提案にもっていきたい。ここが短期的に考えている点です。長期的には、カーボンニュートラルのようにお客様がご自身だけでは解決できない課題に一緒に取り組むことです。これまでは、我々も単独での開発が多かったように思います。今後は実際にプラントを操業するお客様と一緒にお客様が望むものを開発することが必要であり、その取り組みを進めています。今回の展示会ではこうした点も紹介できればと考えています。デジタルの面では、各社と同様に運転や保守の最適化を提供する我々の技術をご紹介できると思っています。

松田 氏 カーボンニュートラル(CN)に取り組むべくお客様へ訪問した際、再エネやCO₂回収、原燃料の転換等、取り組む技術そのものが非常に高額であるという経済合理性の話は我々も耳にしています。さらに深堀すると、CNに取り組む前に今の生産現場には非常に多くの課題がありました。戦前から使っているような設備をまだまだ使わなければならないし、生産現場を管理する手間・人の手間が非常にかかっているとの声もあり、こうした設備そのもの、または生産プロセス自体に、働き手が苦労している現状が浮かび上がってきます。そして、昨今は要求される品質や生産性も高くなり、コストを下げてほしい、短納期で納めてほしい、といった話も出てきており、ますます必要な生産技術のレベルは上がってきている。しかし人手を増やすことは簡単ではない。こうした部分の解決が求められるなかでCO₂削減、CNにも取り組まなければならない。このように非常に生産現場は苦労されており、すぐにCNに取り組めない現状も明らかになってきています。
我々としてまずやるべきは、皆さんがデジタルと言われているとおり、デジタルを活用しながら現状の生産現場を改善しようという側面です。そのデジタル化を礎に、1社だけではなく広く世の中で情報を共有しながらCNに取り組んでいくような流れが必要だと思います。CNへの取り組み推進だけを見てもなかなかうまくいかず、現状を見つつ、現状の解決をするその先にCNの実現も見えている。このようにいかなければ、非常に厳しい経営のなかでお客様が投資していくことは現実的に難しいと考えています。まずは現場の効率を上げ、効率化していけば投資の余力も出てくるのではないか、そこから最終的にその余力をグリーントランスフォーメーションに回していく。こうしたサイクルが絵に書いた餅にならないよう取り組めればと感じています。

百瀬 氏 完全に同意です。サステナビリティのためにはCNを目指さなければならない。一方でエナジーのセキュリティもやらなければならない。しかもアフォーダビリティも確保しなければならない。CNだけを目指すのではなくその残りの2つも当面やらなければならない点は全く賛成です。業界全体の課題であると思います。では川村さん、皆さんのお話を聞いたうえでのご意見でもコメントでも結構です。お願いします。

川村 氏 私も企業に所属していますので、コストの面で非常に苦しい中、頑張っていかざるを得ない状況は本当にそのとおりだと思います。化学工学会では社会産業システムとして捉え、システム全体でのモノとエネルギーの流れのなかで温室効果ガスの排出量をゼロにすべく、システムの最適化と新規プロセスの開発に注力しています。具体的に地域の方々と、地域の特性や課題を明確にしながらそのなかで新たな価値を生み出すような活動をしながら少しでも化学工学があったからここが解決できたという具体的なアクティビティに繋げるような形を狙っていきたいと思っています。多くのお声をいただきながら、INCHEM TOKYOが様々な視点で様々な研究に必要な技術、または不足している技術を学び、ともに取り組む場になればと期待しています。

INCHEM TOKYOに期待すること

百瀬 氏 INCHEM TOKYO 2023の統一テーマに込めた思いの一つに「イノベーション創出のための出会いの場としたい」があります。皆様のお話しのなかにも既に出ているとおり、カーボンニュートラルは1社だけではなかなか実現できません。300社以上の企業・団体の出展、15,000人超が期待される来場者があるINCHEM TOKYOにおいて何らかの出会いがあり、1つでも2つでもイノベーションが生まれるとよいと思っています。
そこで、少し抽象的な質問となりますが、このINCHEM TOKYOに期待すること、INCHEM TOKYOでこのような出会いがあると良いなと思っていることをお話しいただけますでしょうか。

油井 氏 展示会には同じような悩みを抱えている方が来場くださるでしょう。またそうした方が出展されているとも思います。このような貴重な機会を活用し、そうした方々のお声を聞かせていただきつつ、一方的なものではなく、双方向で互いの悩みや課題感を共有し、何かソリューションに導けるような場にしたいと期待しています。

百瀬 氏 「シン・インケム」という新企画も開催されます。そちらにはアカデミアやベンチャー企業の方も参画されます。是非こうした方とのコミュニケーションも図っていただけると、もしかすると何か良いシーズが見つかるかもしれません。

白岩 氏 顧客企業の参加が盛んとなり、化学メーカーの事業領域に直結した(新規)顧客の開拓機会に恵まれることがまず一つ期待としてあります。CNのソリューションのヒントを直接見出せる特別講演会にも期待しています。特別講演会と出展の一致を見いだせたらなお良いですね。INCHEM TOKYO のリアル展示会の長所を活かして、ヒト(開発者)・モノに触れる、体験できる等からハッとする瞬間の共有にも期待しています。

飯野 氏 我々はソリューションを提供している企業ですので、会社のエネルギーの最適化やDX化に向けてどのように進めていけばよいか悩まれている方、または既存の再エネ事業をはじめとして、あらゆる事業の新たな価値の創出を求めている方々との出会いを通して、化学産業の皆様にとってのDXに関するアイデアのきっかけになれたらと思っております。

城戸 氏 弊社が事業を進めるうえで、最近のテーマとして「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」という志があります。この言葉を今回のINCHEM TOKYOの展示テーマに挙げています。展示会は、弊社の取り組みを知っていただく機会でもありますが、それよりも見に来た方々がどのようなことを“かなえたい”と思っているのかを伺える場になると良いと思っています。そこから何かまさに“共創”できることが1つでも2つでも生まれてくればと強く感じています。

百瀬 氏 エンジニアリング会社は技術やシーズを提供する立場でありつつ、お客様のニーズも掴まなければなりません。今のお話しは非常によくわかります。

城戸 氏 様々なシーズも知りたいですし、ニーズも知りたい。この両方をうまく合わせていきたいと思っています。

松田 氏 今の日本の化学業界では、各社とも技術的には真摯にカーボンニュートラル(CN)に取り組んでおり、それに伴う経済合理性に対しての努力も重ねている状況はよくわかっています。しかし、欧州のように国や業界が協調してデータ流通のプラットフォームを用意して取り組むことによって、デジタルが広く活用でき、経済合理性やCNが実現できるのではないかと思います。化学業界を良くしていくためのプラットフォームを一緒に創っていこうという出会いがあればと期待します。我々1社でできるものではありません。こうした部分を一緒に考えていく出会いがあり、グローバル競争に打ち勝つために協力していこうという意識を共有できたら、非常に素晴らしいと思います。

川村 氏 先ほどからコスト面の課題のお話しもありましたが、企業であればやはり経済性は避けて通れません。そのような中、海外勢も活発な動きをしています。例えば水素製造でもペロブスカイトやSOECなど有力視される技術も出ている中でアカデミアがどこを向いて研究開発に取り組むべきかに関心を持っています。化学工学が持つ技術、最適化や新規プロセス開発をいかにして社会実装するか、もちろんコスト面も追求するのですが、その解をアカデミアに求める方々や地域連携を視野に展開していきたいというお客様とお会いしたいですね。技術開発の出口として産業や地域に根付かせたいというニーズを持つ方とお会いしたいと思います。次の段階では共同研究や国プロ(研究開発プロジェクト)かもしれません。さらにINCHEM TOKYOの出展企業約300社の技術や工夫が取り入れられていくことで、よりよい取組みにしていければと思います。

百瀬 氏 ニーズを持つ方が、それに合ったシーズをINCHEM TOKYO 2023で探していただいて、今後のお取組みのきっかけになればと思います。シン・インケム〜ベンチャー&アカデミア~の展示でもアカデミアの出展がございます。アカデミアが持つシーズを、普段から企業にアピールしたり紹介をする場は多く有るのでしょうか。

川村 氏 化学工学会の秋季大会や春の年会の前日にはフリーセッションを開いています。一般公開の形で、課題を持つお客様をお迎えし、各地域の大学の先生から支援も得ながら、今後進むべき方向を考えています。INCHEM TOKYO 2023 では委員長の辻先生もプレゼンテーションとともに展示ブースに入られる予定です。貴重な機会ですので、パネルやビデオを用いて分かりやすい説明をするとともに、連携のきっかけになるようにしたいです。

百瀬 氏 出会いの形は様々であると思います。技術のニーズとシーズ、企業同士の連携もありますが、INCHEM TOKYOには学生も多く来場していただけると期待しています。学生との出会いへの期待などはいかがでしょうか。

片山 氏 直面する課題解決へ共に取り組むパートナーとの出会いにも期待していますが、弊社の取組みに関心を持っていただいた学生さんや技術者など、将来一緒に技術を開発していただける方との出会いも期待して、展示やプレゼンテーションに臨みたいと思います。

久保田 氏 学生さんと議論したいという思いはあります。一つは将来ともにCN化で社会貢献したいという学生さんと出会いたい。また、これは私見かもしれませんがZ世代は地球環境問題への意識が高いと思います。若い世代の皆さんが持つフレッシュな意見にも接したいですね。そういった機会は貴重だと受けとめています。

城戸 氏 研究開発の分野を除くと、現業のなかで学生の皆さんの意見を聞く機会はなかなかありません。学生の意見も一つのニーズであり是非聞いてみたいと思います。そして、化学工学分野の学生が弊社に興味を持ち、将来的に我々とともに仕事をしてくれる人材がいればと期待します。弊社の方向性も是非ご紹介したいと考えています。

松田 氏 化学プラントの現場では若手人材が非常に不足しています。また当然、デジタルの分野では若手人材を多分に求めています。業界のカーボンニュートラルやデジタル化に興味を持つ学生の方が我々のような会社や、化学メーカー、エンジニアリング会社など、是非この業界に興味を持っていただき、日本の化学業界を支えていこうという思いを持った方が興味を持ってくれるようなお話しができたら非常に嬉しいと感じています。

川村 氏 我々は学生委員をメンバーに迎えています。それをより広げ、裾野を広げていこうとしています。我々も柔軟な姿勢・考えでなんとか日本がうまくいくように考えていこうと思っています。我々も精一杯努力しますので、企業の皆様も若い方が入りたくなるような会社となるように、お金だけではなく自分自身の自己実現が叶い、入社して良かったと思えるような活動を行うことで少しずつ前向きに進むのではないかと思います。

百瀬 氏 若い世代、Z世代のカーボンニュートラルに対する感度は高いですね。最後になりますが、その他でご意見等はございますか。

久保田 氏 私は化学工学会のCN委員会の委員でもあります。INCHEMでは各企業の展示ブースで最新の取組みや構想を知ることができると思います。次のステップとして、社会実装するときにどういったコンソーシアムなどを組むかという点があります。複数の企業が集まって地域と対話していますが、そこに化学工学会が入ることで地域がまとまったり社会性が増すというのは大きいと思います。化学工学会を中心として、ストーリーといいますか人の流れができるといいですね。

川村 氏 多くのメーカー企業さんに「困ったら化学工学会に相談」といった、相互に補完できるWin-Winの関係になれればと思います。

百瀬 氏 化学工学会として、アカデミアの先生方と企業をつなぐのは重要であり、課題です。もちろん既に共同研究の好事例も多くありますが、マッチングを偶然性に期待するのではなく、やはり産学の連携を深めるための仕組みは必要ですね。本日はありがとうございました。

(本座談会は2023年8月31日にオンライン会議で実施いたしました)

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