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アグリウーマノミクスフォーラムに塾生・大吉さん登壇!

2015.03.30

■企業によるニーズ調査からわかる「女性目線」の大切さ

3月5日、FOODEXステージにて「アグリウーマノミクスフォーラム」が行われました。


3部構成の第1部は、クックパッド㈱トレンド調査ラボの調査室長・たべみる事業責任者の中村耕史さんによる講演「女性目線を基調にした市場創造の可能性」。

中村さんによると、ネットから「バズって(話題になって)」商品開発される例が増えているのだとか。最近話題の「おにぎらず」などはその1例で、まずユニークなビジュアルをきっかけに実質的な便利さが受け、現在では関連書籍なども発売されるほどブームになっています。なるほど、ブームの裏には女性の切実なニーズがあるんですね…!


第2部の㈱ローソン 営業戦略本部部長の鈴木一十三さんによる講演は「小売業における女性・農業を軸にした市場創造の可能性」。

ナチュラルローソンを軸に“健康ステーション”としての展開を模索中のローソンでは、社内から200人超の女性社員モニターを募集。意識調査から「女性の健康」と「野菜」の深いつながりを掴み、女子栄養大学の学生とコラボして、塩分控えめで野菜たっぷりのメニューを開発するなど、女性目線を大切にした取り組みを重ねています。ほかにも、農産物を地域限定で商品化する取り組みや、生産者が企業や団体と連携する手助けをする「農業女子プロジェクト」が紹介されました。


■消費者のニーズと生産者の思いが合致する可能性を探る

第3部は有識者によるパネルディスカッション「食品事業者と女性農業者とのコラボレーションの可能性について」。

講演したお二人に加え、女性農業者を代表し、パプリカを生産する中條農園の中條綾子さんとともに、大吉さんが登場!

箱崎さんの司会で、「女性目線」というテーマから始まったディスカッションでは、違う現場からの意見が活発に飛び交い、中でも「商品開発」「農家の食卓・彩レシピ」のテーマでは、それぞれの現場のニーズを探る濃密な意見交換が行われました。


「生産者の思いや作業工程を大切にしている」というローソンでは、商品開発者は生産者を訪ねて話を聞いているそう。その中で規格外品の思わぬ活路が生まれることもあるのだとか。生産者の中條さんも、レストランや商社の方にまず畑まで来てもらい、おいしいパプリカができる工程を理解してもらった上で取引をするといいます。双方の現場で、消費者のニーズと生産者のこだわりのすり合わせが重要視されているんですね。


また、クックパッドでは、「若い人ほど旬のものを食べていない」というデータが出ているのだとか。旬のおいしさを実感すれば食卓に上がる機会も増えるし、農家からの情報はどんどん上げてほしいといいます。


それを受け、自身も子育て中という中條さんと大吉さんが、シーズンには大量にある自分たちの野菜の使い方を紹介。和食好きの中條さんは、パプリカをぬか漬けや塩麹あえ、味噌炒めや佃煮風など、ごはんと一緒に食べられるメニューに活用しているそう。大吉さん曰く「どう使ってもおいしい」キャベツは、ベーコンと炒めたり、ロールキャベツに、まるごとお好み焼きに…と、聞いているだけでおなかがすいてきます(笑)。


また、大吉さんは、ヒルズマルシェでの椎茸農家やトマト農家とのコラボ経験を引き合いに出し、「自分の生産物の持ち味と、他の方のいい食材が組み合わさると、化学反応のようにおいしいものができる」と、生産者同士の横の繋がりの面白さも伝えてくれました。「中條さんのパプリカと何ができるかを考えると、クックパッドに提案できることもありえると思います」と言われると、わくわくしてきますね!


■女性生産者ならではの「つながり」

10年間コツコツやってきた中で、全国の主なパプリカ生産者はほとんど知っているという中條さん。
自分の農園のオフシーズンには、違う季節の生産者に取引先を紹介している実例を踏まえ、生産者の連携の有効性を話します。それには「品質が高い方、生産が安定している方とつきあいたい」と、自身も含めての信用の大切さも語ります。


大吉さんも「ものづくりへのこだわりは、いちばん大切なこと」と話し、味、品質、作り方にこだわり、嫁に出す気持ちで出荷していると続けます。地道なスタンスが伝わる率直な意見は、多くの生産者の共感を得られたのではないでしょうか。


箱崎さんは「生産者の接点は点でしかなく、まだまだチャンスはあると感じている」とおっしゃいましたが、講演を聞きに来た商品開発者からの質問も飛び交って積極的な意見交換もなされ、箱崎さんのテーマ設定が見事に功を奏した模様です。


まさに生産者と企業のコラボレーションには無限の可能性があることを感じさせるディスカッションとなりました。

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