農女マップ

輝く農女新聞内で特集された情報を紹介しています。

平松真美/ひとりきりで農業を始めて9年目突入!

2017.03.27

平松真美(愛知県豊川市平井町)

愛知県で“一人農業”を営む平松さんは、4月で就農して9年目に突入します。一人で勉強を重ねて栽培技術を磨き、現在はルッコラ、レタス、空芯菜、モロヘイヤなどを育てています。育成塾で学んだことについて、そして今後の計画について伺いました。



栽培量を増やすことができた時、販売でつまづいた

−今の事業形態は?

事業的には「一人農業」です(笑)。祖父母がいるけどもう高齢なので、自分のところで食べるぐらいしか作っていなくて、私が出荷したりする分は基本的に1人でやっています。



−以前はまったく別の仕事をされていたそうですね。


スーパーの野菜・果物売り場でアルバイトをしていました。肉体労働に近くて、意外と楽しかったんですよ(笑)。ただ時給が安かったので、派遣会社に登録して東京都内の某有名IT企業に入って。ずっと都会に憧れてたんですけど、実際にやってみると「ああ、こんなものか」という感じもあって(笑)。事務より体を動かして働きたいなというのがあって、「あ、実家が農家だったな」と思い出して(笑)。

お祖父様(94歳!)

−それでお祖父様から引き継いで始めたんですね。


引き継いだんですけど、祖父のやり方は生活費を稼ぐ農業じゃないから、3年一緒にやってコレじゃダメだっていうのが分かって、それから自分で勉強して、分けてやるようになりました。



−利益を出す農業を、だんだん意識し始めたんですね。育成塾に申し込んだきっかけは何ですか?


私はずっと栽培がうまくいかなくて、勉強してようやく栽培量、出荷量を増やすことができたんです。でもそうなった時に、販売でちょっとつまづいたというか、自分が思っていた以上に厳しい現実があるんだと知って。その時、同じ市内に住んでいる1期生の先輩にこの育成塾を勧められました。



講義を受けて得た「経営者」としての目線

−育成塾の講義を受けてみて、役に立つことはありましたか?


すごくたくさんありました! まず、目線がすごく変わりました。「経営者」としての目線が持てたこともあるし、今まで自分がどういう農業をやっていたのかが具体的に分かって。これから変えていかなきゃいけないところと、このまま活かした方がいいこととかが、いろいろ分かりました。



−育成塾の講義の一環としてのヒルズマルシェの出店では、団結してチームワークを発揮していましたね。年齢も作っているものも違うのに、なぜうまくいったと思いますか?


なぜできたのかは分からないけど、いい仲間に巡り会えたなと思います。その中でも、白木さんの存在が大きいです。3期生全体をまとめてくれるようなリーダーシップもあって。あとは、一人ひとりが向上心を持っていて、真剣に先生から言われたことを頑張ろう、やろうという気持ちがあって、すごくやり取りも重ねました。



1回目の出店の時は酷評されたんですけど、頑張ったからこそ、ダメさが全面に出たので、労力をかけたぶんだけの学びが得られてよかったなと思います。



−その酷評された部分というのは?

商品を前に出さなきゃいけないのに、自分たちの顔や名前を全面に出しちゃってたから、せっかくいい生産物が豊富にあるのに、埋もれてしまってることを指摘されました。だから、もうその日にみんなでメールで反省会が始まって。次の日からもう次回へのやりとりを始めて、2回目はベースの色やPOPも全部変えてスッキリさせました。

第3期生 第一回ヒルズマルシェ出展レポート

第3期生 第二回ヒルズマルシェ出展レポート



−講義を受けて自信になったことはありますか?

今まで自分の中でくすぶっていたことで、「やっぱり間違ってなかったんだ」と気づけたことが、けっこうたくさんありました。たとえば、「6次化」にしても、それがいいことのようになっている雰囲気はあるけど、私は興味がなかったのでやろうと思ったことは一回もないんですけど、それ自体が儲けに繋がるわけじゃないし、必要じゃない人もいることとか。

あと「消費者を知る」意識みたいなこととかも、初めて自分がやってきたことを自覚できました。自分はずっとレシピを野菜に貼る提案とかをしてきていたんです。買いに来る人が台所に立つ人だから、それを想像して提案していたっていうのも、「ニーズを考えていた」ということだったのかと気づきました


10年後も農家でいられるように頑張りたい

−では最後に、今後の計画について教えてください。

販売の方では、今までは直売所中心だったのを小売中心にしていきたいです。今まではJAが半分ぐらいだったんですけど、仲卸さんを通すことで商圏がすごく広がったんです。今まで8割ぐらいは市内だったのが、名古屋とか静岡のイオンとかまで一気に拡がったので。自分は車で20分の集荷場に持って行くだけで一気にやってくれるので、今後は都市部のマーケットも使っていきたいです。



実はやろうと思ったわけじゃなくて、結果的にそうなったんです。たまたま畑に仲卸さんが来て、うちの規模や作っているものを見て「これなら都市部に出してもいい値段で売れる」と言ってもらえたんです。それが最初は仲卸業者だと気が付きもしなくて(笑)。でも授業で商圏のことを学ぶうちに仲卸の役割や意味に気づいて。もしここに来ていなければメリットも分からずに、適当な取引をしていたかもしれません(笑)。

栽培もまだまだこれからだと思っています。計画した量を安定供給できることがいちばん大事なので、計画に追いつけるようにしっかり栽培技術を磨きたいです。規模拡大ではなく、ある面積をいかに有効活用していくかのために、どの野菜をどの割合で作付けるかというバランスを考えているところです



−今持っている経営資源で、改善できることが多いと感じている?

そうですね。そういう意味では、以前は「手間」という考えが完全に抜けていたんです。野菜によって袋詰の作業はぜんぜん違うので、それが人気の野菜でも、手間をかける時間が長ければ続けられない。だったらこれは減らして、手間の少ないルッコラを増やして利益を増やそうとか、一週間に何袋だったらできそうかとか、労働時間を計算しているところです。

−育成塾を終えた今、今後の課題がたくさん見えてきているんですね。

実現できるかは分からないですけど、できるところからやっていきたいと思います。今はもう生きるか死ぬかぐらいのレベルで、でもそういう自覚もなかったので(笑)。そんな人、実は多いと思うんですよね。ちゃんと10年後も農家でいられるように頑張らないとって思っています(笑)。