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飯田敦己/土に触れることだけが農業じゃない

2015.01.14

■お仕事は、カフェ作り

飯田敦己 (千葉県香取市  株式会社和郷(和郷園))

年々増加する農業法人に比例して法人へ就職する方も増えています。
飯田さんもそのおひとり。
飯田さんがお勤めの会社/株式会社和郷(和郷園)は社員数約80名。
約90戸の農家からなる農事組合法人。
じつは、こちらの和郷園、テレビ東京系列で放送されている経済番組
「カンブリア宮殿」でも取り上げられたことがあるんです。
そんな農業法人で働く飯田さんの日常とはどんな様子なのでしょうか?
さっそく伺ってみましょう!


農女新聞
飯田さんのご実家は、佐賀県で農家(米・タマネギ等)をされているそうですが、
ご実家を継ごうとは考えなかったんですか?


飯田
大学院で地域経済学を学び、その時「地方の活性化には農業だ!」と思い、
農業の世界に携わっていきたいと考えるようになったんですが…
実家は生産だけで、卸しているところも長い間お付き合いのあるところだけ。
パッケージも自分のところで作るというようなこともなくて…。
父のやっていることをそのまま引き継ぐよりも、
そこからもっと先の販売とかもちゃんと見られるようになってからだなと思って…
なので、いきなり実家に就農するという選択肢はなかったですね。


農女新聞
なるほど。実際に農業法人に就職されてみて、いかがでしたか?
イメージしていた農業とのギャップとかありませんでしたか?


飯田

ギャップだらけです。

今の会社では、役割分担があるので、私はあまり土に触れる機会は無いんです。
土に触れることだけが農業じゃないということを身を持って体験させてもらっています。
実家でやっている生産もとても大切な仕事ですが、それだけにとどまっていたら、
それより先に行けないんだなということを実感しました。


農女新聞
これからは、「土に触れること」=「農業」という時代ではなくなってくるってことですね。


飯田
私が携わっている「和郷園」では、自分たちが作った農作物に、
いかに付加価値を付けて販売するかが、会社の使命なんですね。
その一環で、加工もするし、第六次化のサービスという部分でカフェを経営したり、
「ザ・ファーム」という農園リゾートを作ったりしています。


農女新聞
農園リゾート?


飯田
「ザ・ファーム」のメインは“貸し農園”で、施設内に、カフェや温泉があったり、
バーベキューができたり、コテージがあって宿泊もできたりする施設なんです。

<農女新聞メモ>
飯田さんのお話に出て来た「6次化」とは「6次産業化」のコト。
「6次産業化」って何?という方はこちらをご参照ください⇒(http://www.jma.or.jp/kagayaku-nj/news/report/article004.html


農女新聞
ちなみに、飯田さんの担当されている部署は?


飯田
メインは、「THE FARM CAFE」という、野菜を美味しく食べてもらって、
私たちのことを知ってもらうことを目的とした、ちょっと変わったカフェです。

農女新聞
こちらが、「THE FARM CAFE」で出されているお料理ですね。
新鮮な野菜がとても美味しそう・・・
でも、メニューを見る限り、普通のカフェと変わらない気がしますが・・・
「ちょっと変わった」というのは?


飯田
大型マンショに併設しているカフェで、住居とダイレクトに繋がっていて…
「生活の一部に」というコンセプトで作りました。
なので、店内にキッズスペースを設けたり…。
子供達がいつも楽しそうに遊んでいますよ。

飯田
さらに・・・
野菜料理をメインにしているんですが、
実はカフェよりも物販コーナーがメインなんです。
野菜を買ってもらったり…。お米も玄米で保管しているので、
その場で精米して、精米したてのお米を買って頂いています。なので、
精米したてのお米を1キロとか2キロずつ(小口で)購入する、
そういうスタイルが定着しています。
また、精米もお客さんの好みに応じた精米をするので、その辺も好評頂いております。


農女新聞
とても魅力的なシステムですね
やりがいもあるのでは?


飯田
そうなんですよ〜
ただ、それを一人でやるんで・・・全部やらないといけないんで(笑)


農女新聞
え〜!? それはたいへんですね・・・。
でも、責任は重いですが、自分の好きにできるという意味では魅力的ですよね。


飯田
そうですね。よく、お客様から自分がこのマンションに住んでいたら、
どれだけこのカフェを利用したいか、とか、自分が住んでいるところの近くに
あったらいいのになぁと、言って頂けるんですが、そんな声を聞くと、
本当にうれしいですし、やりがいを感じます。


農女新聞
ただ、あまりに農業と離れすぎていて、その辺を不満に思うことは?


飯田

いいえ、まったく!

(きっぱり)
販売するモノあってこそのサービスなので、決して遠いところにあるわけではないと
感じています。…楽しいです!!


ちなみにこちらが、お仕事中の飯田さんの様子…

農女新聞
最後に、後進のみなさんにメッセージを頂けますか…


飯田
生産だけが農業ではないので、農業界全体で考えると、
女性の方が活躍するフィールドはたくさんあると思います。
あまり農業が身近ではない人にとってはハードルが高く感じるかもしれませんが、
実際やってみると楽しく活躍できると思います。


編集後記
「今後、農業界で必要になるのは、作るより売る人」
「だからこそ、女性が活躍できるフィールドはたくさんある」という言葉は印象的でした。
これからの時代、日本の農業を担って行くのは女性農業者のみなさんだということを
あらためて実感する取材でした。