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生産量が少なくてもできるBtoBがある!

2016.03.28

3月8日から11日に開催されたFOODEX JAPAN 2016では、今年も「アグリ・ウーマノミクスフォーラム」が開催されました! 3部構成で、東京のマルシェについての講演、とくしまマルシェ(徳島県)についての講演に続き、パネルディスカッションが行われました。



「東京のマルシェ」と「とくしまマルシェ(徳島県)」の成功事例に学ぶ

第1部「東京のマルシェ」についての講演は、育成塾の講師・脇坂真吏さんが登壇。脇坂さんが主催するヒルズマルシェマルシェを切り口として、東京でマルシェが増えている背景やその特徴、目指す形などを分かりやすく説明したうえで、継続することで売上が2万円から15万円に増えたトマト農家、BtoBに発展したコメ農家や野菜農家の事例も紹介。出店側のメリットとしては販売だけでなく、マーケティングやプロモーションに使えるとの説明に、出店経験のある塾生も熱心にうなずきつつ耳を傾けます。


第2部は「とくしまマルシェ(徳島県)」について。株式会社サーブの代表取締役を務める金森直人さんが登壇(関連記事http://www.jma.or.jp/kagayaku-nj/news/report/article040.html)。「地方と東京のパイプへ! 徳島マルシェの取り組み」と題して、地方のマルシェの成功事例として名高いとくしまマルシェ(徳島県)について講演を行いました。平成22年12月に始まり5周年を迎えた「とくしまマルシェ」(徳島県)では、出展者は一般募集をしないこと、利益をしっかり取れる仕組みを作っていることなどが紹介され、熱心にメモを取りながら聴講される方の姿も…。




女性農業者ならではの説得力

第3部はパネルディスカッション。テーマは「女性農業者と語るマルシェでの出会いの広がり方」。講演を終えた脇坂さん、金森さんに加え、女性農業生産者のお二人がパネラーとして登壇されました。


お一人は、育成塾「事業経営者・リーダー育成コース」で学ぶ「濱田ファーム」の濱田律子さん。濱田さんは富山県黒部市でお米を生産していますが、2010年からヒルズマルシェを始め都内の複数のマルシェに出店しています。


そしてもうお一人は、いつも「とくしまマルシェ」(徳島県)に出店されている「小野農園」の入倉眞佐子さん。公務員をやめて有機農業の世界に足を踏み入れたそうで、有機野菜などを多品種、少量で手掛けるほか、小麦も生産されています。


ディスカッションでは、マルシェの主催者と生産者それぞれの立場からのリアルな話題が目白押し! 少しキズ物になるとすごく安売りしてしまう生産者と、それでも十分売り物になると考えるマルシェ主催者との「意識の差」についてや、マルシェらしいエコバッグの導入についてなど、それぞれの立場から具体例を出しつつ議論されました。


売り場では、入倉さんは、珍しい野菜はレシピを提供したり「葉っぱも食べられますよ」と声をかけたりと、細やかな対応をしています。それは濱田さんも同じで、「玄米を炊いてみたい」という方に炊き方を教えてあげたり、ちょっと変わった“イタリア米”なども丁寧に調理法を教えたりするそう。「主人より私が説明した方が買っていただける」(濱田さん)とのこと。やはり女性ならではの説得力があるようですね。


また「普段はお会いできないお客様に会える」(濱田さん)、「リピーターさんなどお金に変えられない出会いがある」(入倉さん)と、マルシェに出店し続けるお二人ならではのこだわりも聞けて納得!



マルシェから広がるBtoB

興味深かったのはマルシェにおけるBtoBのお話。BtoCの場であるマルシェですが、意外にビジネス関係者と繋がることも多いそう。


入倉さんは、自分の農場の小麦で、自家製粉の全粒粉を作っています。作り始めた頃は売れるどころかなかなか知名度上がらなかったそうですが、地道にサンプル配布などをした結果、ファンになってくれたマルシェのお客さんがパン屋さんを紹介してくれたそう。そこから発展して、今では来年度の作付分まで予約が入るほどに。今後は提携して拡大することも考えているそうです。


それを受けて、まさにそれは主催者の狙い通りだとうなずく脇坂さんと金森さん。「生産量がそれほどなくても取引できるBtoBはある!」(金森さん)、「小規模農家や新規就農の方でも、マルシェをBtoCからのステップアップに使ってほしいし、関係者にも来てほしいですね」(脇坂さん)と、マルシェの可能性を再確認!



金森さんが「入倉さんの小麦粉を仕入れているパン屋さんが実は大ヒットしていて、そこのお客さんがまた入倉さんのところで買うので、とてもいい流れができています」と言うと、入倉さんは「とくしまマルシェ(徳島県)が応援してくれなければ、軌道に乗せられませんでした。これからはマルシェを引っ張れる生産者になりたいです」と答え、その信頼関係に聴講者も心を動かされた模様。マルシェの相乗効果によりステップアップした好例ですね!


第1部の講演で脇坂さんは、マルシェは「お客さんと出展者がゆっくり話をできる場なので、お客さんも商品の情報を得られるし、生産者にとっても市場のリサーチや販路拡大ができる」と言っておられましたが、なるほど、マルシェの可能性は自分次第でいくらでも広がりそうですね!