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成功例となる先輩から学ぼう! 〜視察旅行in徳島〜

2016.03.02

農業を通じて地域を盛り上げる「コミュニティリーダー育成コース」では1/31(日)、2/1(月)の両日、徳島で現地視察を行いました。農女新聞は1/31の視察に同行取材!その模様をレポートします。

受講生は少数精鋭の3名とはいえ、それぞれが目指す着地点はまったく違います。そんな中で一緒に視察をするのは、大変じゃありませんか??

金子先生「大丈夫ですよ。どんな事業であれ、中心となってコミュニティを盛り上げているリーダーには皆さん共通点があります。それを3人に感じ取ってもらうのが狙いです」


なるほど! では、第1日目の視察先は徳島市内のリバーサイドで行われる「とくしまマルシェ」ですが、こちらをピックアップした理由は何なのでしょうか?

金子先生「『とくしまマルシェ』はやる気のあるリーダーが、農家さんや加工者さんを巻き込んでコミュニティを作ることにとても長けているんです。飲食店経営者やバイヤーたちも集まる“商談の場”にもなっていて、まさに今注目の場所と言えます」


それは学ぶことが多そうですね。では早速、マルシェを覗いてみましょう!



人を引き寄せる“場”を観察する
〜「とくしまマルシェ」現地見学〜

まずは、「とくしまマルシェ」発起人である公益財団法人徳島経済研究所・田村耕一さんが迎えてくださいました。このマルシェは、スタートから今年で6年目。毎月の最終日曜に開催しているのですが、集客はなんと毎回1万2000人を超えるとか!

船も行き交う美しい川の両サイドには、白いパラソルのお店が道のように続いています。確かに、人を集めるにはロケーションも大切な要素ですよね。まだ午前中だというのに、すでに売り切れの店も続出。気になったお店を見つけては、じっくり観察する竹岡さん。

「今日は良質なものを(安売りではなく)それに見合った価格で販売する方法や、協力者を集める仕組みを見つけたいです」と意気込みを語ってくれました。


いっぽう…屋台に仕掛けられたサプライズに、目を丸くする大曽根さん。

今日は「売れている産品の特徴や消費者のニーズをつかみたいです。あとは加工品のパック形態にも興味がありますね」とのこと。


一足早く四国に前乗りして、周辺のイベントなどを個人視察していたというアクティブな松田さんは・・・

「4月から温泉施設の指定管理者となりイベントが決まっているので、盛り上げるためのヒントが見つかれば」と話してくれました。


生鮮から加工品まで、どの商品も例外なく魅力的で生産者さんもユニーク。このような規模のイベントを毎月継続し、盛り上げていけるキモはどこにあるのか――。運営者さんに直接聞いてみましょう!



「社会貢献」と「利益獲得」の両立をどうするべきか?
〜達人に聞く〜

こちらは、イベントを生業としておりマルシェの運営も手掛ける「株式会社サーブ」の代表取締役・金森直人さん。この人なくして現在の盛り上がりはなかったとも言える、まさにコミュニティ作りの達人なのです。


お会いして早々、意外な一言が!

金森さん「私たちは、イベントをするのが“目的”ではないんです」

それはどういうことでしょうか??


金森さん「私が育った徳島の農業界に“新たなビジネスモデル”を生み出したいと思っています。徳島経済研究所の母体である阿波銀行さんや生産者の皆さんと力を合わせながら、良質な商品を適正価格で売り、販路を広げるのが私たちの役割です」

だからマルシェにも、単なる産直市にとどまらない、他から抜きん出るための差別化が必要だったとか。それは「商品自体の魅力」だと確信した金森さんは、出店者は一般募集せず、運営側がほれ込んだ生産者さんに一軒一軒お願いしに行くというスタンスを貫いたそうです。また、「売る」ことに慣れていない農家さんには、値段のつけ方からお客さんへの声のかけ方まで、粘り強くアドバイスを行っていったそう。

「農家さんにはマルシェを通じて、食べた人から“おいしいね”と言われる喜びを味わってほしいんです!」という金森さんの言葉に、深く頷く一同。

受講生からもたくさんの質問が投げかけられましたが、やはり気になるのは、収支の面。今はマルシェ以外の事業と併せて収支のバランスをとっている状態ですが、次のステップに進むためには、マルシェ単体での利益を上げることが課題だとか。今後は事業の別会社化なども視野に入れ準備中だそうです。


「社会貢献」と「利益」のバランス。これは事業としてコミュニティを作っていく上で、避けては通れないテーマなんですね。



自分のプランを現実に近づける 〜参加者会議〜

すっかり刺激を受けた受講生たち。鉄は熱いうちに打て!とばかりに、早速ホテルの会議室に移動して参加者会議のスタートです。

金子先生と箱崎先生による、簡単な振り返りと解説があった後は…受講生たちがそれぞれのコミュニティ作りの進捗を発表し、先生たちにアドバイスをもらいます。


ホワイトボードに書くように指示が出たのは、次の3点。

@取り組みの現状

Aこれから起こそうとしている(または起こした)アクション

B現在困っていること


ビジョンや計画を人に示して、わかりやすく説明することもリーダーには必要なスキルです。制限時間は15分、さぁ書いてみましょう!



内部のチーム体制は整いつつあるが、時間がない!
(松田さん)

トップバッターの発表者は、松田さんです!

松田さんは、現在すでにコミュニティーレストランを運営していますが、この春からは新たに温泉施設の指定管理者にもなる予定。そのため双方をうまく活かし、奈良県東部にさらに大きな地域交流のプラットフォームとなる場を作りたいと考えています。


@現状

・定例会議を月1回から月2回に増やし、人材の育成を目指している

Aアクション

・地域資源とアイデア出し、事業化できるものに担当者をつけた

B困っていること

・時間がない


経験豊富な人材や、地域起こし協力隊など心強いメンバー体制が整ってきましたが、金子先生からは、「資金を生み出すためにも、どこかで営利会社としての形を作っておかないと、その他の事業が成長しない」との厳しい指摘が。時間がないという悩みについては、各メンバーから挙げられる報告書のフォーマット統一などがアドバイスされ、次回までに細かい点を洗い出して解決していくことになりました。



学校給食への導入に向け、高いハードルをどうクリアするか?(大曽根さん)

続いては、地元つくば市の農業を活性化させるために加工場を新設したい大曽根さん。加工品の卸し先には、学校給食や病院、ホテルなどを考えています。

@現状

・各団体へのヒアリング(生産者、栄養士、市役所、学校給食部会など)

Aアクション

・営農指導

・一緒に取り組んでくれる仲間作り

B困っていること

・学校には給食センターがすでに入っている

・納品にまつわる基準をどうクリアするか


足を使って一生懸命情報収集に取り組んでいる大曽根さんですが、両先生からは「現状の把握がまだできていないのでは」という心配も。まずは公的機関に話を聞いてもらうためにもヒアリング記録をつけることや、個人として動かず公共施設などで勉強会を開いてみることなど、具体的な方法の指南があったので、次回はまた新しい展開があるかもしれません。



ヒアリングで“悩み”のカラクリが見えてきた!(竹岡さん)

ラストは…、地域産業を盛り上げるイベントを愛媛県大洲市で行うために、協力者のネットワークを作っている最中の竹岡さん。

質の高い野菜は都市部に出荷され、地元に残った野菜は安く取引されてしまっている状態を憂いていた竹岡さんでしたが…、各所にヒアリングを重ねるうちに、なんとその問題が流通の仕組みにあることが判明したそうです!

@現状

・地域を広い「面」として盛り上げられる体制の模索

・消費者にとって魅力ある産品探し

Aアクション

・生産者との座談会

・生産者と飲食店を繋げる「お見合い」(会合)

B困っていること

・JAとの関係


最初は四苦八苦したヒアリングでしたが、育成塾で場数を踏むことで、努力が実を結んできたようです! 「協力者が増えて活動が大きくなることはうれしいのですが、既存の組織と対立してしまうこともあるのでは…」と心配する竹岡さんに、箱崎先生からは「リーダーは何でもすべて正直に説明するのではなく、相手によって違った角度からのビジョンを示すことも大事」と大人のアドバイスが飛び出しました。今後が楽しみです!



――さて、怒涛の一日目でしたが、皆さんの感想は?

松田さん
地域事業として成功する仕組みが分かったので、それを今度は自分の地域に合うように組み直し、取り入れていきたいです。


大曽根さん
“売る人”と“作る人”双方を持ち上げていく視点の大切さを感じました。


竹岡さん
とくしまマルシェは自分が目指しているところと合致していたので、もやもやしていたビジョンが明確になりました!



二日目は、野山にある“葉っぱ”をビジネス資源としてヒットさせ、地域の高齢者たちに生きがいを与えた「株式会社 いろどり」を訪問。場所は、同じ徳島県の勝浦郡上勝町。生産者の現場や葉っぱの出荷場などを見学した後は、この町にJAの職員さんとして飛び込んで事業の立役者となった起業家の横石友二さんにもお話を伺いました。


たくさんのリーダーたちからエッセンスを吸収して、受講生の皆さんが今後どのような形で目標を成し遂げていくのか。これから目が離せません!