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女性農業コミュニティーリーダー塾 実践編
東京会場 第7回講義レポート

企画を実行したあとやるべきコトは?

 


2019.2.13



2月12日、13日に、育成塾(東京編)第7回研修が行われました。いよいよ3月の「受講生発表」に向けての準備!これまで各自が準備してきたアクションプランを、さらに煮詰めていきます。


■プランを実行したあとに必要なのは?


今回の講義は、「計画・実行の評価と継続的改善の仕組みづくり」について。

これまで学び続けてきた「コミュニティづくりの進め方」。下記の通り6つのプロセスに分け、ワークをしながら実践的に、かつ丁寧に学んできました。

1 現状を把握する
2 多様な関係者を巻き込む
3 組織化する
4 アクションプランを作る
5 実行する
6 評価・継続的改善の仕組みづくり

今日はついに、最後の工程。5の「実行」したあとには、何が必要なのかについて、学んでいきます。


■実行したら4つの尺度で評価する。

「マルシェや町おこし企画を計画・実行したあとは、かならず『評価』をしましょう」(金子先生)たとえばイベントで売上は伸びたか? 訪れる人は増えたか? 目標に対して達成できたことは、振り返って記録しておきましょう。


「しかし、人口が激増でもしないかぎり、交通量は増えない。そんな場合は、『若手の商工会役員が増えた』とか、別の尺度の評価軸でも考えてみよう」(金子先生)

自己評価を下す際「4つの尺度」で見ると良いと金子先生は説きます。その4つとは・・・
1)目標の達成度に対する評価(客観的評価)
2)意図せざる変化に対する評価(戦略的評価)

さらに(1)と(2)それぞれに対して・・・

3)結果に対する評価
4)プロセスに対する評価
を行います。

たとえば、「耕作放棄地が減らす」という目標を達成したという結果に対して、「イベントにたくさんの参加者があり盛り上がった」というプロセスがあります。また、「外部の方が来て思いもよらぬアイデアが生まれた」という結果には、「楽しいから続く」というプロセスがあります。このように4つの尺度から評価すると、イベントの果たした役割がよりしっかりと分析できます。マルシェをやったらアンケートなどでデータを収集して、分析することも大事です!


■コミュニティで共有できるように、情報は記録して公開!

お次は、情報公開について。

「いい話は保存しておくこと。記録しておけば、コミュニティで共有できます」(金子先生)

たとえば「かわら版」にするのも一例。会議の記録をきちんとつけたら、それを新聞にまとめて情報として公開し、コミュニティで共有しましょう。公民館などの公共施設は協力してくれそうですし、PDFにしてFacebookに上げるのも効果的です。

また、ビジョンを共有する「集会」や「発表会」をするのもおすすめ。集会が終わったらきちんとまとめて、フォローアップ。お礼の連絡を入れるなどし、また一緒にできる関係を作っておきましょう。

「みなさんが一生懸命やっても、地域の人は意外と知らないものです。知ってもらう努力も、やる努力と同じぐらい大事です」(金子先生)


■アクションプランと体制(メンバー)を見直す


実際にやってみると、やる前にはわからなかったことが見えてきます。そんな時は「見直し」が必要です。メンバーを選ぶ際、「普通の人の中から熱心なリーダーを探す」「批判的な人を味方につける」などの方法がありますが…そうして選んだメンバーが、果たして適任だったのか? 再考してみましょう。

また、価値観の多様化を確保した参加者を巻き込むことも意識しましょう。「従来の価値観だけだと、ネガティブな思考になりがち」と金子先生はいいます。「えがおつなげて」の曽根原さんのように、外部の力を利用するのも効果的。地域の人材や学校などの機関の協力を上手に得ていきましょう。セミナーやワークショップを開催する時は、国や外郭団体が派遣するアドバイザーをうまく使えば、沢山の人に感動を与えられます。

金子先生が実感するのは「普通の人の中にすごい人がいる」ということ。たとえば日本橋を活性化するプログラムの際は、ごく一般的な会社員の男性が大きな行動力と深い知識で、まちづくりに貢献したのだとか。

さまざまな視点から活動を振り返り、目標達成にどのくらい近づいたのか?を検証し、ビジョンが大きすぎたのなら、小さなプログラムに分割することも一案です。


■卒業に向けて…発表のためにさらなるワーク

さらに、協働の枠組みを「ルール化」することも大切です。会議の「場(プラットフォーム)」は、常に同じ公共施設や誰かの家など、安定していた方がいい。また、コーディネーター(進行役)が誰なのかをはっきりさせておくことも大切。ほか「構成メンバー」「合意のしかた」「財源(予算)」など、一緒に地域づくりをするための枠組みは、きちんと決めておきましょう!

これらをふまえたうえで、発表の準備のためのワーク。

自分たちの課題やビジョンをまとめて、メンバー同士で発表し、研鑽していきます。3月の発表に向けて、いよいよラストスパートです!