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地域交流会で家族に話すためのスキルを!

2018.02.26

  

■家族の参加も歓迎!「地域交流会」とは?

ほぼ毎月1回、2日間の日程で開催されている育成塾。塾生のみなさんは日本全国から、一緒に農業を営むご家族に休みをもらって参加されています。育成塾で学んだことを、実際の農業経営に活かして行くことが重要ですが、「聞く」と「やる」の間には大きな溝があるケースも! 理屈では分かっているのだけど、家族の理解を得られないと実施できない…ムダだと感じているけれど夫には言えない。


そこで! 今回、育成塾の講師が日本全国(※1)へ出張し、塾生の地元近くで「地域交流会」を開催しました。参加するのは育成塾四期生のみなさんと、そのご家族。「そうか、うちの妻は、この先生に、こういうことを教わっているのか」と理解するキッカケになるでしょうし…塾生のみなさんにとっては講師を媒介にして、日頃伝えきれない想いを伝える良い機会になりそうです。


『地域交流会』は農林水産省における9つの地域農政局等区分に準じて開催されています。以下の写真は各地で実施された交流会の模様です。


2017年11月22日/愛媛県・松山交流会


2017年12月15日/長崎県・諫早交流会


ふだん育成塾では「これから」の話がメインですが、交流会ではどちらかというと「いま」現状の話がメイン。それは「スタート地点をきちんと把握する」ことが、事業計画には必要だから。


育成塾の講義では「振り返り」「話し合い」をしっかり行いますが、それは、自分の頭を整理して、課題を見つめるため。その時、仲間の役割は率直に聞いてあげること。さらなる気づきをもらえたり、逆にあげられたりするのです! 地域交流会の話し合いには講師も入り、ふだんの講義よりもさらに突っ込んだ話をしていきます。


2017年12月21日:仙台交流会


2018年1月22日:大阪交流会


2018年1月29日:北海道交流会


2018年1月31日:東海交流会


ではさっそく、2017年11月29日に行われた関東ブロックの地域交流会(1回目)の模様を中心にレポート!


■「同じ軸」を持って話そう!


まずは、これまでの講義内容を駆け足でおさらいしてゆきます。「地図がないと山には登れない」という事業のビジョンの講義。「お金の判断ができるルーペ」を持ち、経費を絞るための講義などなど。


それらの講義内容は、家族やスタッフと共有して実践してこそ意味があるというもの。ところが、家族と「経営」について話そうとすると…夫や父などが不機嫌になってしまい、先へ進めなかった…という事例は、多くの塾生が経験している共通の悩み。


その悩みを解消すべく、高橋澄子先生からのアドバイスは「議論するときは、判断する軸が一緒であることが大切」…とのこと。感情ではなく、「儲かるか儲からないか」だけに着目し、経営者の目線を共有することが大切と説きます。「仕事場では丁寧語で話すようになった」という方もいるように、ビジネスとして“割り切って”話すことは建設的な議論をするためのポイント。


経営者の判断基準、目線を持てば、家族に話す時もケンカになりにくいのです。講義で使っている「事業モデルシート」を見ながら話すのも、「判断する軸」が可視化できるため話が進みやすいとのこと。


■同じ地域の仲間たちで「事業モデルシート」をチェック!

講義で考え講義の後は、みなさんの事業モデルをお互いに説明し、話し合う時間。いつもの育成塾と違い、少人数ならではの贅沢な時間を活用して、しっかりと意見を出し合っています。



千葉県でエダマメ、ホウレンソウ、サトイモ類を栽培している関根諭実さんが抱える課題は以下の通り。
*利益を出せる品目をどこにどう販売していくか?
*いつもの品目を栽培しない時、空いた畑で何を栽培するか?
*空いた畑で栽培した農作物の価格はどうなるのか?
*事務作業をどうするか?


藤原真弓さんは、長野県で雪中キャベツ、ミニトマト、水稲を栽培しています。



藤原さんは、自然災害や気候の変化で栽培品目に影響が出るなか、引き受けている地域の業務も含めて、どう回していくか? という点に悩みを抱えているとのこと。


山木暖子さんは千葉県で 落花生、人参、かぶなどを栽培しています。



育成塾の講義を通して、自分たちの作業の煩雑さに気づいたという山木さん。個人宅に届けるBtoC取り引きのため多品目栽培なのに加え、大量の事務作業と奮闘中で、効率化の大切さを実感しているそう。


栃木県でトマト、米を栽培している福田結美さんの課題は以下の通り。



*トマトの加工業務に多くの時間を割いている現状を変えたい
*取引先との価格交渉が必要
*家族との話し合いもしっかり持ちたい



こうした「課題」「お悩み」に対して、講師や同じ地域で農業を営むメンバーからアドバイスが飛び交います。いつもよりぐっと近い距離で話すことができ、地域が同じだけにさらに講義内容を深めることができた様子の「地域交流会」。実りのある議論ができたみなさんのお顔は、晴れやかでした!


※1
『地域交流会』は農林水産省における9つの地域農政局等区分に準じて開催されています。
【北海道ブロック】北海道
【東北ブロック】青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島
【北陸ブロック】新潟、富山、石川、福井
【関東ブロック】茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、長野、山梨、静岡
【東海ブロック】岐阜、愛知、三重
【近畿ブロック】滋賀、奈良、和歌山、京都、大阪、兵庫
【中国四国ブロック】鳥取、岡山、島根、広島、山口、香川、徳島、愛媛、高知
【九州ブロック】福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島
【沖縄ブロック】沖縄


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