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ヒルズマルシェで「利益」は出たのか?

2017.11.30

6月末に始まった育成塾。来年3月の卒業式から数えると、11月講義は「折り返し地点」にあたります。



今回は後半戦に向けて塾生に檄を飛ばす箱崎先生の講義を中心にお伝えします!


■ヒルズマルシェで「利益」は出たのか?

これまでの講義は「BtoC」に関する内容が中心。お客さまを知り、何を提供すればいいのか? 徹底的に考え抜くことが課せられました。折り返し地点を迎え、後半はもっとシビアに事業を捉えることが求められます。主な課題は「利益」。11月講義では、フィールドワークの場として出店した『ヒルズマルシェ』を題材にして「利益」の重要性と、捉え方を学びます。


『ヒルズマルシェ』では、お客さまを知り、コミュニケーションの大切さを実感するなど、得るものは大きかったはずですが、「利益」を考えるとどうだったのでしょうか?


■「利益」という視点から見えてきた現実


「販売員さんだったら、接客の仕方などを学べばそれでいい。でもみなさんは経営者です。出店した、つまり品物を店舗に収めたということは、お金が戻ってくることを期待して然るべき。マルシェ出店の“対価”はあったのかな?」(箱崎先生)


そこで、班に分かれてミーティング!



1回目、2回目について、次の経費をそれぞれ出していきます。

・交通費(自分の地域から東京まで来た金額)
・宿泊費(1万円を想定)
・運搬費、資材費
・人件費
これらの経費を出すのに加え、「売上がいくらあれば利益が出るか」を各班ごとに発表しました。


結果、すべての班が「赤字」だったことが明らかになりました。「あまりにかかる経費が多すぎて、言葉を失っているところ」「経費の2倍はないと出す意味がない…」などという発表もあり、厳しい現実が洗い出されました。


いっぽう「マルシェは宣伝と捉え、出店料と人件費がカバーできればいいと考えた」という班、「あまりに現実感がなさすぎたので、自分たちの近場でやったケースも試算した」という班もあり…「利益」という視点から、新たな課題や現実が見えてきた様子。



各班の発表を聞いて、箱崎先生はまとめます。


「売上の理想はこの金額として、みなさんの商品特性を思い出してみよう。単価はいくら? この売上のためには、1時間あたり何個売らなきゃいけないことになるかな?」(箱崎先生)


確かに、育成塾のみなさんが扱うのは、生鮮が中心。単価の高い商品ではありません。儲かるための売上に、自分たちの売り方だと届かないと考え込む塾生に、箱崎さんは次の助け舟を出します。


「“余計なPOPなどを作ってしまった”と言った班もあったけど、経費から下げるという考えもあるよね。利益を上げるために、売上は必要なのかな?」


なるほど、そこがあったか! 経費の削減という発想がなかった塾生は、耳が痛いといった様子で箱崎先生の言葉に聞き入ります。


「かかった経費をいつ回収するのかは、みなさんはいつも考えなければいけません。この講義で大切なポイントは『逃げないこと』。売上規模や経費のかけかたは、ここにいる人達はみんな違います。自分たちの事業の個人的なケースは、帰ってからじっくりと見つめ直してみてください」(箱崎先生)


「数字で検証することは、今後も忘れずやり続けてほしい」という箱崎先生の言葉に、後半の講義の大切なテーマが込められていました。



■FOODEXに出る理由は何ですか?

続いて、来年3月、幕張メッセで開催されるアジア最大級の食品飲料専門展示会『FOODEX JAPAN』についての講義が行われました。世界中から出展者とバイヤーが集まり、商談が行われる展示会で、育成塾からも毎年数名が出店しています。箱崎先生からは、出展するか否かを判断するにあたり、何をポイントに検討すべきか? アドバイスが語られました。以下、4つのポイントに絞ってご紹介しましょう。


「商談会は、さまざまな商圏の方とまとめて会える場所」

展示会にもBtoB向け、BtoC向け、プライベート向けと、いろいろあります。たとえばB向けは、出店するための経費も高く、しかし1つあたりの取引金額は大きくなります。そして、すぐに取引が決まるかは分からず、決まるまで待てるかどうかもポイント。人によって成果が異なる場所とのこと。


「開催時期により来る人も違う」

外食関係のバイヤーさん、スーパーのバイヤーさん、お惣菜関係など中食のバイヤーさんなど、来る人が異なります。そして、時期によりバイヤーさんの意識も違います。たとえば、3月には春夏の商談はもう終わっているので、バイヤーさんの意識は秋冬に向かっているのです。


「取引が成立しなくても、落ち込む必要はまったくありません」

商談においては、商品の良し悪しの話ではありません。バイヤーの後ろにいるお客さんに売れるかどうか、そしてお互いに経費がかからないかたちでどう納入できるかです。そのときに大切なのは、バイヤーさんが何を求めているのかきちんと聞くこと。価格に走りがちですが、利益が出るかどうかの相談も必要です。
それで取引成立しなくても、それは商品を否定されたわけではありません。それぞれの事業のかたちにより、合う先も合わない先もある。合う取引先と、合うことをやっていけばいいのです。


「そこまで運べますか?」

FOODEXに来るのは主に、関東圏のバイヤーさん。関東圏までの流通を持っているか?という点も考えなくてはいけません。流通の経費だけでなく、展示会に出るためにはホテルに2〜3泊するなど経費もかかります。みなさんの事業は、東京に出て来る必要はあるのでしょうか?


「利益が残る取引先なのか?という判断は忘れないように」と念を押す箱崎先生のお話は、流通構造を知ることにも話が広がり、後半の講義の内容の濃さも匂わせます。でも、不安になったり焦ったりせず、後半戦の講義を通してひとつひとつクリアしていきましょう!