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ゴールを明確にするところからスタートしよう!

2015.07.23

第二期「女性農業次世代リーダー育成塾」の第一回講義は6/31(火)・7/1(水)の日程で行われました。「事業経営者・リーダー育成コース」「コミュニティリーダー育成コース」に分かれた今回、まずは両コース合同でオリエンテーションが行われました。その後、各コースに分かれて講義が行われました。今回は、金子和夫先生が担当する「コミュニティリーダー育成コース」の第一回講義のレポートです。

このコースでは、農業を軸にした地域コミュニティづくりを学びます。ちなみに「事業経営者・リーダー育成コース」の受講者が31名なのに対して、こちらは3名という超少数精鋭。その機動力を活かして、それぞれの地元への視察も予定されています。…が、その前に…「自分達のゴールは何なのか?」「何のために視察をしに行くのか?」自らに問いかける、課題の洗い出し作業に時間が費やされました。(*ちなみに…3名の詳しい自己紹介は…近日『受講生インタビュー』内で随時更新いたします。おたのしみに!)


現地視察を有効に実施するために…〜発表編〜

現地視察に向けて…金子先生から、次のことをポストイットに書くように指示が出ました。
1:視察・ヒアリングしたい場所
2:コミュニティを作る上で自分が集めたい仲間
3:仲間と話し合う場所
4:話し合うテーマ
5:ゴール


書き込む時間は5分。皆さん、集中して書いています!

…はい、書いてます!!

…書いてますよ!

タイムアップ!ここから1人1人、ポストイットを紙に貼りながら発表に移ります。



地元の「JAの直売所」「土産物屋」などを視察したい!

1人目は…
茨城県・つくば市から、加工品生産を地元事業の軸にしたいと考えている大曽根京子さん。

@視察・ヒアリングしたい場所>
・地元で実際に加工品が売られている場所として「JAの直売所」「土産物屋」「ホテル」


Aコミュニティを作る上で自分が集めたい仲間
・加工所が欲しいと思っている生産者
・市役所の農政課


B仲間と話し合う場所
・自宅のギャラリー


C話し合うテーマ
・皆で使う加工所を、どこにどういうふうに作るか


Dゴール
・加工所を作る


地元で加工品を売っている先例を見てみたいという大曽根さん。そこで「何がどのくらい売っているのか?」を見て、消費者が今何を求めているのかというニーズを掴みたいとのこと。確かに、地元の人が地元の土産物屋に行く機会って逆にないですもんね。



求む!地域振興仲間!

発表2人目は…
奈良県東部にある宇陀市で、郵便局を改修したレストランを営んでいる松田麻由子さん。

松田さんは宇陀市を拠点に、広域の地域連携コミュニティを作りたいとのこと。そうした想いから書き出した5項目は以下の通り。

@視察・ヒアリングしたい場所
・地元で空き家再生事業などをしているところ「マルカツ」「うだ夢創の里」。
・商工会
・奈良県東部、南部の振興課


Aコミュニティを作る上で自分が集めたい仲間
・Iターン、Uターンなどで来た20、30代のメンバー


B仲間と話し合う場所
・各拠点となる場所


C話し合うテーマ
・地域ニーズは何なのか?
・地域が抱える課題整理と方向性の確認
・東部地域が連携するメリット


Dゴール
・ネットワークの強化と事務局機能の役割分担


視察先は、空き家再生事業など、自分がしている事業と近い人達。集めたい仲間は、地域振興を行っている人や地域協力隊などのメンバー。まずは仲間と共に、地域課題やニーズを話し合いながら、広域連携の方法を模索したいとのこと。地元に住んでいる人達のニーズを如何にくみ取れるかが鍵となりそうです。



大洲城の広場でマルシェを開催したい!

発表3人目は…
愛媛県大洲市で椎茸センターに勤める竹岡寿理さん(愛媛県・大洲市/木さん。大洲市は「伊予の小京都」とも呼ばれ、大洲城を中心に据えた旧城下町。そこで観光の目玉となるような事業をしたいとのこと。

@視察・ヒアリングしたい場所
・森林組合の選別所、事務所
・大洲城のイベントができそうな会場
・椎茸生産者のほだ場
・産直市でのイベント
・市役所、農林水産課、商工産業課
・大洲の若手農家さん


Aコミュニティを作る上で自分が集めたい仲間
・直販したい生産者
・農協の女性部会
・マスメディア・ケーブルテレビ
・地域発信のイベント運営者


B仲間と話し合う場所
・各場所


C話し合うテーマ
・対面販売できるイベントの中身


Dゴール
・地元でマルシェを開催


地元の若手生産者を仲間にしながら、大洲城の広場でマルシェを開きたいという竹岡さん。過去に地元でイベントを開催してきた先人たちのアドバイスもいろいろ聞いてみたいとのこと。どんなマルシェにするのか、そのプランニングが鍵となりそうです。


現地視察を有効に実施するために…〜議論編〜

3人の発表が終わったところで、金子先生から解説やアドバイスがありました。さらに発表を静かに見つめていた箱崎先生による分析も加わり、中身の濃い議論になりました。

まずは1人目の大曽根さんから…。

金子
大曽根さんは、加工所を作る上で参考にしたい成功モデルが、まだ情報不足なんですね。

大曽根
はい。まずはJAの直売所とか、地元の先例を見て、消費者がどんなニーズを持っているかを掴めたらと思っています。

箱崎
でも、消費者のニーズ(売れるモノ)は、東京じゃないと分からないよ。外から来る人達に売れるものを作るなら、そのニーズは東京で掴まないと。

金子
確かにそうですね。そこでくみ取ったニーズを元に、どんな販売モデル・商品を作って行くかを詰めていくのがポイントになりそうですね。

確かに地元の先例を見るのは大事ですが、人が呼べる商品がどんなものかは、外で(東京)で掴まないといけないんですね。あとは、地元のどんな素材を使うかもポイントになりそうです!

続いては松田さん…!

金子
松田さんは、コアメンバーに地域振興などで活動してる協力隊の人達を置きたいの?

松田
はい。それだけじゃないですけど、若くてキーパーソンになれる人達を集めたいです。その方が、柔軟に話が進むと思うので。

金子
なるほど。でも、地域ニーズを話し合うのに、元々住んでいる人たちを抜きにしていいのかな? 地域特性を活かしたモデルを作っていくなら、元々住んでいる人の意見は聞いた方がいいんじゃない?

箱崎
確かに我々も一緒に視察に行く上で、まずはいろんなニーズを吸い上げたいですよね。

松田
ただ、例えば、市町村とか商工会とかの方々を呼んで、小さなエリア内での話し合いになると、広域の連携の話にまでは広がらない気がするんです。

箱崎
でも、最終的に多くの人が参加する事業やコミュニティを作るには、皆がベネフィットを得られるという動機は必要になってきますよね。コミュニティの枠をどう囲っていくか考えるためにも、まずは自分の地域ニーズをしっかり把握することは大事だと思いますよ。

金子
広域の地域連携コミュニティを作るには、まずは小さなコミュニティから強固な協力関係にすることが重要で…松田さんならまず、小さなエリアにおける地域と空き家の繋がりを作る。それを順に、他の地域に横展開していく流れがいいんじゃないかな。


まずは自分達自身が、コミュニティ作りの成功例になれということでしょうか。確かに、他の地域を動かすにも、行政を動かすにも、“私達を見れば大丈夫ってわかるでしょ!”と言えれば、1番の説得力になりますよね。

続いて竹岡さん…!

金子
竹岡さんは、若い生産者の人達を仲間に集めたいと?

竹岡
はい、あと経験豊富な方もいると嬉しいです。農協の女性部の方とか。

金子
なるほど。でも、竹岡さんの場合、マルシェでどういう商品を売りたいかというコンセプト作りを先にした方がいいかもしれないですね。おそらく、農協の女性部とかを集めただけでは、普通のクッキーとか味噌とか、これまで見たことあるような商品が並ぶだけになってしまう気がします。

箱崎
確かに、出店する人達、やってくるお客さん達の、皆がいかにベネフィットを得るのか、動機づけとなるコンセプトは先に必要ですよね。

金子
例えば徳島では「とくしまマルシェ」っていうのがあるんだけど、そこは若手メンバーが中心にやってるんだけど、“優れたものだけを売る”っていうコンセプトでやっていて、人が集まる魅力があるんですよ。売る方もプライド持ってやってますしね。竹岡さんはまず、どんなマルシェをやるべきか、どんなコンセプトでやりたいかを話し合うことが大きなポイントになりそうですね。


なるほど〜、たしかに…長く愛されるマルシェを開くには、皆が毎回行きたくなるコンセプトが大事ですよね。大洲城という魅力ある場所で行う予定のマルシェ。せっかくなので、天下に名が轟くようなマルシェになって欲しいです。

地域コミュニティを作るため…周りをグイグイ引っ張る「リーダー」になったり、時には一歩引いた目線で流れを作る「ファシリテーター」になったり…様々な役割を担っていかなければならなりません。そのために、3人に共通している課題は「皆が1つになれる新しいコンセプト」を示せるかということ。9ヶ月間の育成塾を通して、それぞれどんなコンセプトを見出すのか? たのしみです。