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宮沢みえ/野菜苗って無駄がないんです

2016.01.07

宮沢 みえ(長野県長野市 宮沢農園)

今回お話を伺うのは、長野県長野市で野菜苗などの生産と直売、市場出荷を行っている宮沢さん。

農家のご主人との結婚を機に就農して10年。前職は機械メーカーで営業をされていたそうです。それまでは農業の勉強をしたことがなかったという宮沢さんの農活話、伺います!



施設農家なのでちょっと工業的なんです

農女新聞
改めて就農の経緯について教えてください。


宮沢
旦那と結婚したことがキッカケなので…結婚したから就農したという感じです。

農女新聞
農家に嫁ぐことに抵抗はなかったですか?


宮沢
大学在学中に長野県の山小屋でアルバイトをしていて長野の暮らしに憧れていたのと…祖父母も長野で兼業農家をやっていて土いじりとかも面白そうだなと思っていたので、主人が農家って聞いた時にちょっと食いついた感じです(笑)


農女新聞
付き合っている相手から「実家が農家なんだ」って言われるとひいちゃう女性もいるかと思うんですけど…宮沢さんにはハマったんですね!


宮沢
ええ。面白そうだなぁと思って…。


農女新聞
でも、実際に農家に入ってみると、イメージしていた農家とのギャップがあったりとか…


宮沢
農家って、もうちょっと時間がゆったりと流れていて、広大な土地で汗水流してみたいなイメージがあったんですけど…うちは施設農家だったので、ハウスの中でひたすら作物を並べて作業していく感じで、ちょっと工業的というか…なんか耕作しているというよりは、工場仕事みたいなところもあったりして…でも、それはそれで面白いので、よかったかなって思えるんですけど。


農女新聞
土まみれになるって感じではないんですね…


宮沢
ではないですね。こういう農家もあるんだなって、知りました。



野菜のためにビニールハウスのビニールを変更

農女新聞
女性の場合、どうしても紫外線が気になったりすると思うんですけど…ビニールハウスでも、その悩みは変わりませんか?


宮沢
ビニールハウスのビニールは光の透過率を調節できるんですね。最初は80パーセントくらい透過しないビニールを張っていたんですけど、そうすると野菜の色が悪くなってしまうんで、やっぱり90パーセント透過するビニールに張り替えて…そうすると紫外線が気になるんですけど、色々ガードすれば気にならないので…


農女新聞
自分より野菜ですよね(笑)


宮沢
自分はなんとか対応できるけど、野菜は自分で対応できませんからね(笑)



農女新聞
ビニールもいろいろ種類があるんですね


宮沢
そうですね。遮光率を調節しなきゃダメなものもあるので…。


農女新聞
そういう知識は、実際に作業しながらご主人に教えてもらうんですか、それとも自分で勉強するんですか?


宮沢
勉強する時間は、なかなかとれないんで…。主人に聞いたり、主人の花仲間の組合があって、そこの人のお宅にお邪魔して、「どうなんですか?」って聞いてみたり、上手なお宅を見つけたら「こういうの作りたいなぁ」って、そのお宅にお邪魔して作り方を聞いたりとか、そういう感じですね。


農女新聞
なるほど…


宮沢
主人も、私がやりたいことは、そのままやらせてくれて、それが跳ね返ってくると面白いです。思った通りのもが出来た時は、「やっぱりね」みたいな…(笑)



会社勤めのころよりプレッシャーを感じなくなりました

農女新聞
前は営業職だったそうですが、前職と比べてどうですか?


宮沢
営業職は売り上げのプレッシャーがあったのに比べて、今はそれほどプレッシャーがないですね。好きなようにやって…失敗しても「失敗はしょうがない」みたいな雰囲気でいてくれるので、すごく気が楽です。のびのびやらせてもらっています。


農女新聞
逆にプレッシャーがあるのかと思っていました。収穫できないとお金にならないというか…。そんなことはないんですか?


宮沢
まだ、そこまでの冒険はしていないですかね。これぐらいだったら、伸びるかなってところまでしかやってない感じです。


農女新聞
そういう話を東京で仕事をしている友達に話したりすると、羨ましがられますか? 「私も田舎暮らししたいなぁ」とか…


宮沢
いや〜、タイプが違うので、暮らしたいけど私には無理みたい…な人が多いですね。たまに行くのはいいけど、ずっと田舎は厳しいっていう人が多いですね。



「野菜苗」の直売は伸びしろがあっておもしろい!

農女新聞
宮沢さんのところでは、直売もされていますけど、直売はどうですか?


宮沢
立地がいいんですよ。長野市なので人口が30万人くらいで、他にそういう直売(苗の直売)をやっているところもないので、広告なんか入れると結構たくさんのお客さんが来てくださいますね。直売は伸びしろもあって面白いです。


農女新聞
どんな場所でやっているんですか?


宮沢
40メートル位の奥行きで、横幅は20メートルちょっと位のビニールハウスを繋げた連棟なんですけど…。生産している場所で、直接、お客さんに選んでもらっていって、商品がなくなったら、他のハウスから補充してみたいな…。


農女新聞
成長した野菜を作るのと苗を作る違いって、どんなところですか?


宮沢
食べ物だと消毒が何回とか、結構細かいじゃないですか…それで、形もよくないといけないとか。それをそろえて出さないといけないのに比べて野菜苗だと、そろえるにはそろえるんですけど、農薬もそんなにやらなくていい段階で出せてしまうし、見た目も食べ物よりは出しやすですかね…。規格がS、M、Lとか、そうゆう感じでもないので。


農女新聞
なるほど。ちょっと葉っぱが痛んでいるからとか、形がどうだとかそういうのをあまり気にしなくていいんですね…


宮沢
食べ物だと、廃棄しないと…というのがありますよね。野菜だったら、売れなかったら腐ってしまいすけど、苗だったら、老化苗にはなってしまうんですけど、その状態で売れなくもないし、必要な人に持っていってもらうことはできるから、無駄がないんです。最悪、余っちゃったら家庭菜園にも出来るし…。



企業も参入する「野菜苗」競合しないために…

農女新聞
「苗」って、いいところばっかりじゃあないですか…。今、やっている農家さんは増えているんですか?


宮沢
企業が入ってきていますね。機械化できちゃうので、大きい機械入れて何万鉢って感じでやっていますね。うちは地元の人たち向けの伝統野菜などの細かい品種をいろいろと揃えて、そこと競合しないようにやっていこうかなって感じですね。


農女新聞
種探しなんかもするんですか?


宮沢
やりますよ。みんなでコレやってみたい!アレやってみたい!みたいな…。面白いですよ。


農女新聞
種探しって、どこでやるんですか? 取り寄せたりするんですか?


宮沢
はい。インターネットだったりとか、種苗(しゅびょう)会社の方が営業に来た時に聞いてみたりとか、「サンプル品でもいいからちょうだい」って…。あと、「月刊現代農業」もチェックしますね(笑)


農女新聞
楽しそうですね…最後に、後進の方々にメッセージを頂けますか


宮沢
一人でやると苦しくなっちゃうので、みんなが協力して「失敗してもいいよ!」って雰囲気の中で、のびのびとやって欲しいなって…。ただ一人で「私コレやりたい!」って言っても、女性には多分風当たりが厳しいので、そこはみんなを巻き込んだ方が…やりやすいのかなっていう気はしますね。