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石丸亜理沙/背中を押してくれたガンジーの言葉

2015.02.17

■■新米農女、仕事は楽しいです!

石丸亜理沙  (千葉県香取市 株式会社 くりもと地球村)

今回は塾生のなかで就農キャリアがもっとも短い…
農業者として初めての「冬」を迎えている新米農女の登場です。


石丸さんは新卒で半導体関連会社に就職。2年半勤務されていました。そんな石丸さんは退職後、去年(2014年)4月千葉県にある「くりもと地球村」に就農されました。


その理由は2つ「食べるものが一番大事だ」と思ったから。そしてもうひとつは…「現代社会のシステムに依らない生き方がしたい!」というモノでした。


現代社会のシステムに依らない生き方がしたい…?? とても興味深い! 難しい話についていけるかどうか少し不安ではありますが・・・早速、就農にいたった経緯、伺っていきたいと思います。


農女新聞
早速ですが、就農された経緯について教えて頂けますか?


石丸
いろいろあるんですけど・・・
実は、私の2013年のテーマが「健康」だったんです。
何があったってわけではないんですが(笑)


農女新聞
毎年、年始にテーマを考えるんですか?


石丸
そうなんです。年始に今年は何にしようか考えるんですが…
今年は、『健康』だと!
その前の年までは、「どういう風に考えたらいいのか?」など、思考の仕方とか、
整理の仕方とか、そういう方面に興味があったんですが、
そういうものは二次的なものだなと思って・・・。


そもそも体がないと思考することもできないし、体を大切にしようと思って。
それで、ジムに行ったり、整体に行ったり、いろいろするなかで、
「食」にも行くんですが・・・。


おととし、中国のニュースで大手ファストフードチェーンのチキンが
抗生物質やら成長ホルモンを過剰に投与されていて、
それを食べた人間にも影響があるというのを見て、
衝撃を受け、改めて自分の知らないこと、まだまだたくさんあるんだなと思い
食について勉強を始めたんです。


農女新聞
なるほど。


石丸
それで、知人にマクロビの先生をやっている人がいて、ワークショップに参加して、
いろいろお話を聞いたんですが…、講師の方に
「普段食べているものが、自分の爪や皮膚になっている実感はありますか?」
と聞かれて、そんなこと考えたことなかった!!と…。
そこで、また衝撃を受けたんです。
さらに、その話の中でも農業の話もでてきて、最終的に
いろいろ勉強して“自分でやるしかないな!”ということになって・・・


農女新聞
すごい行動力ですね…


石丸
私、ガンジーの言葉が好きなんですよ。
「自分の見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい」という
言葉なんですけど・・・
これって、自分が当事者になれってことだなと思って。
じゃあ、農業だ!みたいな(笑)


■「社会システムに依らない生き方」とは?

農女新聞
なるほど、「食べるものが一番大事」とは、そういうことなんですね。
で、「現代の社会システムに依らない生き方がしたい」というのは?


石丸
これは、大学生の頃から思っていて・・・
大学時代、労働について勉強していたんですね。
「今の日本人の働き方ってどうなんだろう?」とか、
最近よく聞かれるようになった「ワークライフバランス」の勉強をしていて、
それが、社会システムに依らない生き方に繋がってくるんですが…


農女新聞
はい。


石丸
「社会システムに依らない生き方」とは、持続可能性を追求した生き方のことで、
現在の社会システム(資本主義社会)は、大量生産・大量消費がベースとなっていて…。
有限のものを消費し続けるだけでは、いずれ枯渇します。


そこで、持続可能性を追求した生き方を選びたいと思ったんです。


持続可能性とは循環が可能かということなんですが…
これと、食の大切さがリンクして、全部が一直線になった気がしたんです。


まわりから見たら突拍子もないことと思われるかもしれないんですが、私としては
バラバラだったパーツが全部きれいに合わさったみたいな・・・


農女新聞
なるほど。そういうことなんですね…(なんとなくわかりました)
塾生の皆さんに、就農の経緯について伺っているんですが、
ホント、いろいろありますね。


ということで、石丸さんは去年9月に半導体の会社を退社。
去年4月から農業法人の「くりもと地球村」に就農されました。


こちらが、その「くりもと地球村」です。


じつは石丸さん、就農先をここ「くりもと地球村」に決めるまで、20〜30軒の施設を、全国旅して見てまわったんだそうです。それでは、お話しの続き、お読みくださいませ。


農女新聞
去年、就農された「くりもと地球村」を選ばれた理由は?


石丸
考え方が、すごくニュートラルだなと思ったんですね。
いろいろ全国を旅して見てまわったんですが、
有機とか自然栽培をしているところは、割と考え方が偏ったりしていて
自分のところの農法以外は、すべて悪だ!ぐらいの・・・。


私は、そういうのがあまり好きではなかったので、
「くりもと地球村」に行った時、そういうのがなかったというところと、
今の農場長がもともと慣行農家(農薬や化学肥料を普通に使う農家)に
理解のある方で、バランスがいいなぁと思ったんです。
あとは、そこで働いている人達が好きで・・・


農女新聞
働いている達が好き?
ちなみに「くりもと地球村」では、どういう方々が働かれているんですか?


石丸
20代から30代の人が多いです。
ひとり、50代の方がいらっしゃるんですが、その方は、
これから自給自足をやっていくために来られています。


農女新聞
他の皆さんは、就農が目的で?


石丸
いろいろですね…。
一人、ヴァイオリニストの方がいて、
プロのヴァイオリニストなんですが、オファーがあればそこに行ってコンサートして、
それがない時は農業をやって。半分農業やって半分仕事をして、という人もいます。
カナダ人の方もいるんですが、その方はカナダにいる時から農業に興味があって、
世界中をまわりながら、各国の施設で研修に参加されています。
いろんな人がいて、楽しいですよ。



農女新聞
ちなみに、給料や休日は?


石丸
お休みは月に6日ほど。
月曜日と木曜日の出荷日以外は好きな時に取れるので良いと思っています。
お給料は、前の会社の方が良かったですが、
住み込みの為、家賃や光熱費、食費はかかりませんし、満足しています。


農女新聞
就農してもうすぐ1年ですが、農業に対するイメージで変わったこととかありますか?


石丸
農場を決めるまでにたくさんの農家さんに会ってお話をして
農家さんの数だけ世界があるなぁと感じていたので、
特に固定された「農業」のイメージというのは、ありませんでした。
しいていえば、もっと毎日クワを持って耕して肉体労働をして
筋肉質な体になるかと思っていましたが、
畑のパワー系の仕事はほぼ機械なので、腹筋が割れたりすることはなかったです。
むしろご飯がおいしいので体重が増えました(笑)。


農女新聞
仕事をされていて、幸せを感じる時ってどんな時ですか?


石丸

自分の信念や理想とする生き方を体現しているという意味で、
やりがいは非常に感じています。
幸せを感じる時は、
やはり天気のいい日に畑に出るとそれだけで気分がよくなりますし、
移ろいゆく季節の植物やできた作物を見るとそれだけで幸せです。
あとはなんといっても農場のメンバーと収穫した野菜を料理して
食べる時です。みんなで食べるとさらに美味しく感じ、
他愛ないことで笑いあったりして
食事をしているときは、他に何もいらないと思うほど幸せですね。


農女新聞
いいですね…
石丸さんが、充実した毎日を過ごしているのが、とても伝わってきました。
きょうは、素敵なお話ありがとうございました。