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育成塾講師・高橋澄子/塾生に感じた3つの弱点

2015.02.10

■いち事業家としての自覚、判断を大切に…

消費者向けマーケティング・事業モデル研修担当/株式会社MOMO代表/高橋澄子さん


育成塾も卒業間近!
そこで農女新聞では、育成塾の4人の講師のみなさんにインタビューを行いました。
まずは…マーケティング、事業家養成の専門家として、主に事業家としてのノウハウを指導している高橋澄子先生。常に全体を見据える先生のインタビューからは、塾生達の成長とともに、いま農業界全体が抱える課題まで見えてきました。


■塾生に感じた3つの弱点

農女新聞
最初の講義を始めてから約半年になりますが、塾生達に対して最初はどんな印象でした?

高橋
みんな明るくてエネルギーがありましたね。私はこれまで、農業の生産者の方々と触れ合う機会は少なかったんですけど、大人しい方が多いのかと思っていました。でも、さすが全国から選ばれた方達だけあって、みなさんアクティブで真面目でした。



農女新聞
90人から選ばれた20人ですもんね。そんななか塾生達に感じた足りない部分をあえて挙げるとしたら?


高橋
そうですね。基本的に弱いなと思うところが3つありました。1つ目は、消費者目線で考えること。2つ目は、商品を加工して売ろうという意識が強くて、生産者としての意識が弱くなっているということ。製造業に比べて、モノづくりの技術に対しての意識が低くなっているというところはショックでした。


農女新聞
ほう、どうしてそうなっちゃうのでしょうか?


高橋
バランスの問題だと思います。最終的にこういう売り方をしようというアウトプットの方に意識がいくと、自然にモノづくりへの意識が薄くなってしまうということだと思います。でもコレは彼女達だけのことではなくて、農業全体に言えることかもしれないですね。


農女新聞
そういった農業全体の課題が見えてきたところもあるわけなんですね。


高橋
いかにいいモノを作ることにこだわるか。競争の中で生き抜いていくためには大事なところです。彼女達にも、深いところまで精度や安全性を出すといったこだわりを、もっともっと持って欲しいなと思いました。そういった匠のようなタイプの方がいるとはあまりいるとは感じませんでしたね。


農女新聞
なるほど。そういった意識のバランスという課題も見えてきたわけなんですね。そしてココが弱いなと感じた3つ目の部分は?


高橋
3つ目は、事業家としての意識ですね。どう儲けてどう継続するか、おそらくコレまで誰も教えてこなかったことだと思うんです。でも、コレも農業全体に言えることだと思います。事業というものをもっときちんと教えれば、1つ目の課題、2つ目の課題も自然に解決していけると思いますよ。


■事業にとって必要なことは何か?

農女新聞
そういったところ、授業の中ではどのように反映しました?


高橋
そうですね…。ほとんどの方がマーケティングは初学者だったので、基本的なところからわかりやすくというところを意識しました。あとは、事業って一体何なのかっていうところは、いろんなモデルを見せながら教えていきました。とにかく、生産者としてモノ作りの競争力の大切さは強調しましたね。

農女新聞
そんななか、授業を通して塾生達に感じた成長の部分は?


高橋
農業は「事業」であることを習ったことがない塾生も多かった分、自分達にとって何が必要かってことを気付いてもらえたこと、自覚してもらえたことが大きいですね。事業に必要なことをやって、必要じゃないことはやらないっていう意識は芽生えたと思います。


農女新聞
事業に必要か必要じゃないかという判断は、何をものさしにすればいいのでしょうか?


高橋
そこはシンプルに…事業の役に立つか立たないか?競争に勝てるか勝てないか?利益が出るか出ないか?将来に向けて意味があるかないか?を考えることだと思います。


農女新聞
自分の将来像を明確に持って、それを軸にするということでしょうか?


高橋
そうですね。ただ、その中でもちゃんと利益を出せるモデルを組み立てられるかが大事で、そのフレームがなくて将来像を語ると、ただの夢になっちゃうんです。そのフレームにハマるものかどうか、そのモデリングのノウハウを持つことが大事だと思います。


農女新聞
そういった意識や感覚を最初から持っている人って、やっぱり少ないですか?


高橋
そうですね。農業に従事するとき、本当は事業をするんだって意識がかなり必要なんですけど、それを持つ場面は少ないとは感じます。みんなスキルばかり教えられて、フレームを教えられる機会がない。そこは問題だと思います。他の業界なら、そんな状態だとすぐに倒産してしまいます。でも農業の世界では、補助金などがあるため赤字でもやっていけちゃうところがある。私は、もっと農業の世界も厳しい環境にした方が、競争力が上がると思いますよ。


■FOODEX…そして卒業に向けて…

農女新聞
そんな自分への厳しさも身に着け始めた塾生達。もうすぐ卒業ですが…塾生たちが最終講義の場として出店する『FOODEXJAPAN2015』でココに注目して欲しいというところは?


高橋
今回、FOODEXに出る方々はBtoBの意識が高い方達ばかりです。1人の事業家として、他の事業家の方達とパートナーシップを組むという覚悟を強く持っています。ですので、ぜひ期待していいと思います。逆に足りないなというところに関してはビシビシ鍛えてください。もちろん、今回出店しなかった方達も、自分のスタイルがBtoBではなく、BtoCの事業だと判断しての決断ですので、それはそれで前向きな結果だと思います。


農女新聞
最後にこの育成塾から羽ばたく塾生達にエールをお願いします!


高橋
最終的には、専門家のアドバイスや補助金などを必要とせずに、1人の事業家として自立をして欲しいですね。地域のリーダーとして、その姿を周りに見せるだけで、他の農家の人達も変わって来ると思います。ぜひ彼女達には、そんなたくましさを期待したいですね!


農女新聞
ありがとうございました!


マーケティングや事業家養成の専門家として、そして、先生自身も1人の女性リーダーとして、様々な事業・企業を見て来られたからこそ、塾生達にいち事業家としての強い自覚を求めているように感じました。農業全体が変わるのを待つのではなく、彼女達女性リーダーたちの今後の成長が、農業全体に競争力をもたらし、成長させるキッカケになって欲しいですね!