医療・福祉施設のための設備・機器の総合展示会

出展者インタビュー

株式会社ミヤゲンInterview

宮元 武利 氏

ポリ袋製造メーカーの技術で医療業界に「貢献」する

社員一丸となってポリエチレン製の「長袖プラスチックガウン」を開発・製作

貴社の事業概要についてお教えください。

創業68年(1953年創業)を迎えた当社は、紙袋の貼合わせ加工業としてスタートしました。創業者である祖父の「これからはプラスチック素材の時代」との考えから、プラスチック製袋加工へと業態転換を行い、ポリ袋製造のメーカーとして発展してきました。
当社では、ポリエチレン素材を加工したいわゆるレジ袋や自治体の指定ゴミ袋、ショッピングバッグなどの包装資材から、産業資材として、粉末や粒状物を保管・運搬するために使用するフレキシブルコンテナバッグ、災害時などに活用される土のう袋など、幅広いプラスチック軟包装製品を製造、販売しています。

医療分野への参入のきっかけを教えてください。

以前から当社でも取り扱っていた不織布製の防護服が、新型コロナウイルス感染症の第1波の時に市場から無くなってしまいました。大半を占めていた中国製が輸出禁止となったことで在庫が欠品、価格は高騰する事態となり、医療現場への衛生面の不安や経済的打撃も大きく発生しました。また、マスコミ報道で医療関係者が市販のごみ袋を使用し患者対応にあたっている様子を見て、ごみ袋を作るメーカーとして「何かできないか」と考えました。当社は社員数30数名の中小企業ですが、ごみ袋と同じポリエチレン素材を使用しているメーカーとして「協力しなくてはいけない」という使命感から急遽、社員一丸となってポリエチレン製の「長袖プラスチックガウン」の開発に着手しました。
当社は国(厚生労働省)にマスクを納入した実績もあったことから、「長袖プラスチックガウン」の試作品を衛生関係部署に評価してもらいました。ダメ出しが出た部分を改善し何度かのやり取りを経て、国の調達基準をクリアするレベルまで達することができました。ゴールが見えていない中、手探りの状態で試作品の製作を進めました。量産化できる設計にするための折り合いをどう付けていくかなど社内で議論しました。

株式会社ミヤゲン 宮元氏

「HOSPEXトライアウト」で医療現場のリアルな声を理解

「HOSPEXトライアウト」に参加されて、どのような効果が得られましたか?

サンプルをエンドユーザーである病院などの医療機関にご利用いただき、「良かった」という反応がある一方、不満点等のご指摘もいただきます。様々な反響を真摯に受け止めて現時点の製品を100点満点とせず、更なる改良の余地を考え、現在も具体的に取り組んでいます。
我々は「長袖プラスチックガウン」をいろいろなシーンでご利用いただけるように、胴回りサイズに余裕を持たせて製作しました。不織布製防護服の上から着用できるサイズ感で作っているため、「防護服を付けないで着用するとダブつく」とのご指摘を受けました。そこで、後ろをひも状で結べるように技術的な改良を検討しています。手作りの試作ベースでは設計できる段階まで来ています。後は量産化に向けての設備整備などの課題が残っています。

「HOSPEXトライアウト」で総合司会である大阪大学医学部附属病院の高階雅紀病院教授や、東京都看護協会の山元惠子会長をはじめとした3名のアドバイザーから直接アドバイスをもらえた点についてご感想をお聞かせください。

ありがたかったのは、厳しいご指摘、ご意見をいただきましたが、「医療の現場そのもの」を反映している内容であることを良く理解できたことです。製造業はエンドユーザー様の声を直接聴く機会がなかなかありません。医療現場に直接販売させていただく機会もあるので、率直なご意見をおっしゃっていただき、現場の声をフィードバックしていただけたことは大変ありがたいと思っています。我々の技術、製品の更なるブラッシュアップにつなげていきたいと思っています。

印象に残ったアドバイザーからのアドバイスを教えてください。

プレゼンテーション用の動画について、医療業界に無知な素人が制作したことが一目瞭然で分かってしまい、「長袖プラスチックガウン」の着用時に髪の毛を手で触るシーンなどが流れたことを受け、山元会長に「髪の毛を出していると不潔になるのでフードがあった方が良いと思う」「髪の毛を出してはいけない」とのご意見をいただきました。(モデルの女性が)アクセサリーを着けていた点など、我々も配慮が足りなかった。そういった、製品自体だけでなく、製品の伝え方にも気を配らないといけないことが分かりました。動画を制作する上で、医療機関の方が見る前提での注意点までは配慮できていなかったと反省しています。

審査員写真 アドバイザー:(右から)東京都看護協会 山元恵子氏/佐賀大学 花田英輔氏/小西医療器株式会社 島田正司氏

独自技術で従来品のプラスチックガウンとは異なる価値を提供

「HOSPEXトライアウト」でアドバイザーから「長袖プラスチックガウン」の単価を聞かれた際に、「1枚50円を目標にしている」とお答えでしたが。

プラスチックガウンという製品カテゴリーの中の単純比較では決して安くはありません。高い部類に入ると思います。しかし、「国産だから高い」というのはユーザー様には通用しません。海外の輸入品とは異なる顧客価値があって、それに見合う価格であることを認めてもらえるよう啓蒙活動を続けなければいけないと考えています。
背中に入っているミシン目などは特に脱衣時に飛沫が飛ぶような前身頃部分に直接触らずにワンタッチで廃棄できる衛生面のメリットが、一定のユーザー様からの支持を得ており、購入に結び付いていると分析しています。プラスチックガウンという製品カテゴリーは同じであっても、従来の輸入ガウンと当社のガウンでは価値に差があることをご理解していただけるように、われわれもしっかりご説明し、価値を認めていただくことに今後も力を注がなくてはいけないと思っています。
後ろで括って着用するタイプのガウンでは、一刻を争うような状況の中で防護服の上からガウンを着用する際など一人では着用できず二人作業になってしまいます。当社のガウンは一人で上から被るだけで着用できます。“着脱が早くて簡単、一人でできる”というコンセプトは従来品とは異なる価値を提供できているのではないかと思います。

総合司会 高階雅紀氏 総合司会:大阪大学医学部附属病院 高階雅紀氏

医療機関への納入実績はありますか?

「HOSPEX Japan2020」の「HOSPEXトライアウト」に参加後、「HOSPEX Japan」のブランドもあってか色々と引き合いをいただきました。その後、関西地方で開催された展示会に出展したところ、テレビ取材などを受けたこともあり、引き合いをいただきました。某医療関係団体様から評価をいただき、現在、試験的な採用も進んでいます。また、その医療関係団体様を通じて病院様から直接連絡をいただきご注文になりました。また、医療関係資材の問屋メーカーからも複数引き合いがきている状況です。

今後も医療・介護・福祉分野に提供できる製品開発に意欲

「HOSPEXトライアウト」参加後の医療分野での活動や今後の展開などを教えてください。

現在も、新型コロナウイルス感染症の第4波が来て医療現場の方々が大変なご苦労をされていることを毎日の報道で接しています。我々衛生包装用品メーカーとして「もっとお役に立てないだろうか」という思いを持っています。「長袖プラスチックガウン」だけではなく、別に派生している製品もあります。これからもご苦労をされている医療機関関係者のお役に立てるような製品を開発し、市場に提供していきたいと考えています。
経済産業省の「事業再構築補助金」などを活用した新しい設備の導入検討も進んでいます。今年度も新しい医療・介護・福祉分野に提供できる製品を開発し提供していける体制を構築していきます。

審査風景

「HOSPEX Japan2020」には「HOSPEXトライアウト」で参加されましたが、今後のご出展へのお考えは?

検討中です。当社が所在する福井県では、新型コロナウイルス感染症の時期という観点から、県内企業が出展する展示会や商談会に補助金を出しています。今年度は新しいスタイルの展示会、商談会の出展に対して補助金が出るため、当社でもリモートでプレゼンテーションをする構想などを検討中です。補助金も大いに活用しながら、積極的に宣伝活動をして参ります。

健康経営優良法人
株式会社ミヤゲン
代表取締役社長
宮元 武利 氏
宮元 武利 氏

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