11月21日(火) 13:30-15:30

リハビリテーションと栄養学

日本慢性期医療協会
慢性期リハビリテーション協会 副会長
千里リハビリテーション病院 理事長 橋本 康子

千里リハビリテーション病院 副院長 合田 文則

千里リハビリテーション病院 理学療法士 田村 哲也

低栄養は、リハビリテーション(以下リハ)の効果を十分に発揮できないばかりでなく、高度の低栄養状態でのリハは、むしろマイナスである。一方、リハ病院において低栄養患者が多いのも事実である。リハを行う患者の低栄養を的確にスクリーニングで見つけ、病態に応じアセスメントし、介入、モニタリング、再介入し、改善後は良好な栄養状態を、自己管理できるように教育指導にすることが必要である。その実践のためには多職種で情報を共有し、チームで栄養改善に取り組むことが必要となる。 本講演では、回復期リハ病院である当院の取り組みを含め概説する。
スクリーニングでは、BMI、体重変化、特に急性期病院入院前と回復期リハ病院入院時の変化、MNA-SFRおよびFIMと摂食嚥下評価を加え栄養学的リスクを総合的に判断し対象患者を抽出する。アセスメントでは、低栄養が発症前からか、発症後に侵襲により生じたか、飢餓(摂取不足)か、悪液質(病態による栄養障害)かを明確にし、活動制限により栄養のリスクがどうなのか評価する。サルコペニア(筋肉量の低下、筋力の低下、身体機能の低下)の改善も必要で筋肉量の計測も必須となる。嚥下障害では、1)誤嚥性肺炎の既往2)咳反射が有無3)嚥下サルコペニアの有無4)病変と合併症(水頭症、脳炎髄膜炎、感染)のアセスメントし、リハに必要な最低限の栄養を確保する方策を検討する。漫然と経鼻胃管使用することにより医原性の液体栄養剤症候群によりリハができず廃用となる患者が多い。経口摂取を目指し早期に胃瘻造設し半固形化栄養剤の導入することが必須である。なお、胃瘻にしても液体栄養剤を用いると液体栄養剤症候群は減らないことに留意する。介入では、回復期リハでの必要エネルギー量は、日常生活に必要なエネルギー量、リハで消費するエネルギー量および体重の回復に必要なエネルギー量の総和になる。リハで消費するエネルギー量はリハの内容に合わせMETsから求める。多くの患者で2,000kcalが必要となる。モニタリング、再介入では、1)摂取できず体重減少2)摂取しているが体重減少3)栄養素に偏り、塩分等の過剰摂取を実際に摂取した量で評価する。よくある問題は、カロリーを上げると摂取する容量が増加し食べきれないという点である。容量あたりのカロリーを上げるといった食事の工夫が必要である。また、当院で導入した高濃度経口栄養食品「アップリード(4kcal/ml)」を用いた服薬補助栄養療法による健康増進プログラム(Heath Up-lead using Medication with Adjuvant Nutrition program)について紹介する。

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