TECHNO-FRONTIER 2017 技術シンポジウム 幕張メッセ・国際会議場
第25回 磁気応用技術シンポジウム
※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。
4月19日(水) 10:00 - 12:45 A1 有限要素法に基づく損失計算の基礎と応用事例
14:15 - 17:00 A2 電気機器用軟磁性材料の最新動向
4月20日(木) 10:00 - 12:45 A3 永久磁石の最新動向~材料とプロセス~
14:15 - 17:00 A4 応用を考えた次世代モータ要素技術
4月21日(金) 10:00 - 12:45 A5 車両制御用磁気センサ技術
14:15 - 17:00 A6 最新のワイヤレス給電の動向
 コーディネータ  (敬称略)
4月19日(水)
10:00~12:45
A1
有限要素法に基づく損失計算の基礎と応用事例
1
磁気ヒステリシスのモデル化の基礎
  • スカラーヒステリシスモデル
  • ベクトルヒステリシスモデル
  • 交流ヒステリシスモデル
松尾 哲司
京都大学 大学院 工学研究科 電気工学専攻 教授
2
モータ鉄損の低減技術と高精度評価
  • 起磁力・スロット高調波による鉄損の低減
  • キャリア高調波による鉄損の低減
  • 積層鉄心の反作用磁界を考慮した高精度電磁界解析
山崎 克巳
千葉工業大学 工学部 電気電子情報工学科 教授
3
機器設計における損失評価事例
  • 高周波励磁時の巻鉄心リアクトルの鉄損解析
  • 三相変圧器鉄心接合部の三次元渦電流解析
  • アキシャルギャップモータの磁石分割と損失解析
  • 非接触給電装置の大規模磁界解析
河瀬 順洋
岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 教授
藤原 耕二
同志社大学 理工学部 電気工学科 教授
モータなどの電気機器の損失低減のために有限要素法等による、よりよい精度計算手法が望まれています。本セッションでは、まず、ヒステリシスを考慮した計算の基礎として、スカラー、ベクトルヒステリシスだけでなく、交流ヒステリシスモデルを紹介していただきます。次に、回転機の鉄損の低減のために、起磁力・スロット高調波、キャリア高周波を考慮した鉄損解析や、積層鉄心の反作用磁界までも考慮した高精度な磁界解析について紹介していただきます。最後に、高周波励磁時のリアクトル、三相変圧器鉄心接合部の鉄損、永久磁石モータの磁石分割の損失解析だけでなく、より高精度な大規模磁界解析について具体的な事例を紹介していただきます。
 
14:15~17:00
A2
電気機器用軟磁性材料の最新動向
1
自動車モータ用電磁鋼板の最新動向
  • HEV/EVモータ用電磁鋼板の特性
  • 高けい素鋼板の特性
  • 利用技術
尾田 善彦
JFEスチール㈱ スチール研究所 電磁鋼板研究部 グループリーダー(部長)
2
アモルファス金属を活用したモータの開発
  • アモルファス金属の特徴とモータ適用方法
  • 鉄損の評価
  • モータ特性の評価
床井 博洋
㈱日立製作所 研究開発グループ モータシステム研究部 主任研究員
3
電磁鋼板の磁歪と電磁機器騒音
  • 磁性材料での磁歪の発生メカニズム
  • 電磁鋼板の磁歪測定法と磁歪特性の実例
  • 磁歪から騒音への変化と騒音の実例
溝上 雅人
新日鐵住金㈱ 技術開発本部 鉄鋼研究所 電磁鋼板研究部 主幹研究員
藤﨑 敬介
豊田工業大学 大学院 工学研究科 電磁システム研究室 教授
軟磁性材料は、小さな電流で大きな磁束密度が得られるためにモータや変圧器、リアクトルなど電気機器で使用されており、電気自動車をはじめとした電気エネルギーの多様な使用により今後益々重要な材料となっています。軟磁性材料を励磁させると鉄損や磁歪が発生し、電気機器の高効率化や低騒音化の阻害要因となります。
そこで本セッションでは、現在幅広く使用されている電磁鋼板および将来の材料として注目されているアモルファスの、その最新動向およびモータへの応用展開について、また電磁鋼板の磁歪・騒音についてその原理および低騒音の実例について報告していただきます。材料特性を活かした低損失かつ低騒音な電気機器の設計に反映されるものといえます。
 
4月20日(木)
10:00~12:45
A3
永久磁石の最新動向~材料とプロセス~
1
HEV用重希土類元素フリー熱間加工磁石の開発
  • 熱間加工磁石の特徴とプロセス
  • 重希土類元素フリー化技術について
  • 今後の展望
日置 敬子
大同特殊鋼㈱ 技術開発研究所 電磁材料研究部 磁石材料第一研究室 主任研究員
2
ネオジム焼結磁石の最新動向
  • 粒界拡散法
  • Dy-free組成
日髙 徹也
TDK㈱ 磁性製品B.G. 材料開発部 金属材料開発課 担当係長
3
高性能CaLaCo系フェライト磁石の研究開発
  • CaLaCo系フェライトの組成と磁石特性
  • 高磁気物性要因の解析
  • 焼結微細組織の解析
小林 義徳
日立金属㈱ 磁性材料カンパニー 磁性材料研究所 主任研究員
土井 祐仁
信越化学工業㈱ 磁性材料研究所 第二部開発室 室長
永久磁石は、その用途が家電や自動車などに拡大しており、その過程で用途や資源事情などからのさまざまな要求に応えて磁石材料や製造プロセスが開発されています。
本セッションでは先ず、現在も拡大している自動車用途に向けて、特徴ある製造プロセスによりネオジム磁石の課題である重希土類元素フリー化を達成した熱間加工磁石についてご紹介いただきます。さらに、代表的な永久磁石であるネオジム焼結磁石についてDyフリー組成など最新動向を、もう一つの代表的な磁石であるフェライト磁石につきまして高性能CaLaCo系フェライト磁石の研究開発についてご説明いただきます。
今年は全ての講演を磁石メーカの方にお願いしました。ユーザの方々が実際に利用できる磁石についての有用な情報が得られる機会になると考えております。
14:15~17:00
A4
応用を考えた次世代モータ要素技術
1
可変磁束モータの技術動向
  • 磁石磁化可変形モータ
  • 磁気回路可変形モータ
  • ハイブリッド界磁モータ
小坂 卓
名古屋工業大学 大学院 工学研究科 電気・機械工学専攻 教授
2
三次元空間を有効利用するモータ技術
  • 高効率化・高出力化・小型化の要求を満たすための3次元空間を有効利用するモータ技術
  • 3次元設計に加えて、アモルファス金属などを活用したアキシャル構造による高性能化
  • ハイブリッド界磁や自励式巻線界磁といった可変界磁モータの3次元化による空間の有効活用
竹本 真紹
北海道大学 大学院 情報科学研究科 准教授
3
応用を考えた次世代モータの要素技術動向~最新の解析・評価技術動向~
  • 解析技術:不可逆減磁解析、EMI解析、最適化解析、連成解析
  • 測定評価技術:磁束計測技術、減磁分布測定技術
古賀 誉大
アンシス・ジャパン㈱ 技術部シニアアプリケーションエンジニア
4
製造技術の変遷
  • 巻線技術
  • 鉄心加工技術
  • ロータ製造技術
森本 雅之
東海大学 電気電子工学科 教授
丸川 泰弘
日立金属㈱ 磁性材料カンパニー 技術部 主任技師
地球温暖化の観点より、ハイブリッド車や電気自動車に代表されるように電動化(モータ)が加速されており、モータの高効率、小型化は重要なテーマで各種要素技術(磁気回路(モータ方式)、解析・製造技術・材料・インバータ等)の進歩とともに発展してきました。
本セッションでは、まず近年各種提案されている可変磁束モータならびに3次元空間の有効利用するモータ技術について解説して頂き、次いで最新の解析・評価技術動向及び製造技術(巻線・鉄心加工・ロータ製造技術)の変遷についてご紹介して頂きます。
いずれも第一線でご活躍されている講師の方々で、本セッションは次世代モータを検討する技術者にとって製造技術からモータ形式まで体系的に理解出来る意義深い内容です。
 
4月21日(金)
10:00~12:45
A5
車両制御用磁気センサ技術
1
磁気センサの取り扱い・設計における基盤技術
  • 磁気センサのための物理
  • 磁気センサデバイスの種類
  • 磁気センサ取り扱い上の注意点
脇若 弘之
信州大学 特任教授/名誉教授
2
磁気センサを活用した電流センシング及び回転角度検出ソリューション
  • 超小型コアレス電流センサ
  • レイアウトフリーの磁気式回転角度センサ
  • 高分解能・高精度で回転検出可能な半導体磁気抵抗素子
高塚 俊徳
旭化成エレクトロニクス㈱ センシングソリューション事業部 第一事業開発部・開発統括課長
棚橋 友厚
旭化成エレクトロニクス㈱ センシングソリューション事業部 第二事業開発部・統括課長
3
無人車誘導磁気センサと無人車支援磁気応用技術
  • 誘導磁気センサの基礎技術
  • シンプル動作から高分解能まで、各種誘導磁気センサの特性と使い方
  • 分岐・交差点制御からメンテナンスまで、無人車を支援する各種センサ
新井 栄作
㈱マコメ研究所 開発担当執行役員
山寺 秀哉
㈱豊田中央研究所 システム・エレクトロニクス3部 センサーデバイス研究室 主任研究員
自動車では、電動化と自動運転が今ホットな話題となっています。これらのシステムを支える上で重要な技術が車両制御用センサで、その中でも非接触・高精度・高応答性・容易装着性の特徴を有する磁気センサが、数多く使用されています。
本セッションでは、最初にこれらの車両制御用磁気センサを使用する上で必要な「①磁気センサの取り扱い・設計における基盤技術」、次に車両内に搭載される磁気センサの例として「②磁気センサを活用した電流センシング及び回転角度検出ソリューション」、最後にインフラ側に搭載される磁気センサの例として「③無人車誘導磁気センサと無人車支援磁気応用技術」について紹介します。
※カーエレクトロニクス技術シンポジウムA5セッションとの共通プログラムです。
 
14:15~17:00
A6
最新のワイヤレス給電の動向
1
EV向け走行中ワイヤレス給電技術
  • 走行中ワイヤレス給電技術の開発動向
  • PS共振方式走行中ワイヤレス給電技術の特性紹介
  • 今後の展望
保田 富夫
㈱ワィティー 代表取締役
2
EVバス向けワイヤレス急速充電システムの公道走行実証
  • 85kHz帯44kWワイヤレス充電システム
  • 電力伝送と放射エミッションの特性
  • 2台のEVバスを用いた公道走行実証
尾林 秀一
㈱東芝 研究開発センター ワイヤレスシステムラボラトリー 研究主幹
3
6.78MHz磁界共鳴型ワイヤレス給電の高効率化と妨害波対策
  • ワイヤレス給電技術の応用
  • 高効率化技術
  • 妨害波対策技術
酒井 清秀
三菱電機エンジニアリング㈱ 鎌倉事業所 技術部・部長
居村 岳広
東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 パワーフロンティア寄付講座
先端電力エネルギー・環境技術教育研究センター 特任講師
今回は、ワイヤレス電力伝送における、ダイナミックチャージング、急速充電、MHzという3大テーマを取り上げました。将来ビジョンとしてホットなテーマであるダイナミックチャージングに関して、ワィティーの保田様から「①EV向け走行中ワイヤレス給電」についてご紹介いただきます。続いて、大電力の急速充電として、東芝の尾林様より「②EVバス向けの44kWの大電力ワイヤレス充電」についてご紹介いただきます。最後に、MHzの高効率ワイヤレス給電システムを開発されている三菱電機エンジニアリングの酒井様より「③6.78MHzのワイヤレス電力伝送技術」についてご紹介いただきます。この3トピックを押さえておけば、今のワイヤレス給電の姿と将来ビジョンなどの一通りの知識を得ることができますので、奮ってご参加ください。