TECHNO-FRONTIER 2016 技術シンポジウム 幕張メッセ・国際会議場 アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉
第24回 磁気応用技術シンポジウム

※プログラム内容(スピーカ、コーディネータ、発表テーマ、内容等)が変更になる事がありますので予めご了承ください。

4月20日(水) 10:00 - 12:45 A1 磁気応用における損失解析技術
14:15 - 17:00 A2 高感度磁気センシング技術の現状
4月21日(木) 10:00 - 12:45 A3 EVへのワイヤレス充電発売直前情報
14:15 - 17:00 A4 安全で高品質な計測制御のための磁気シールド技術
4月22日(金) 10:00 - 12:45 A5 パワーエレクトロニクス機器における軟磁性材料の選び方
14:15 - 17:00 A6 永久磁石材料の最新動向 ~原料動向と新プロセス~
 コーディネータ  (敬称略)
4月20日(水)
10:00~12:45
A1
磁気応用における損失解析技術
1
有限要素法における損失解析
  • 撚り線コイルの表皮効果、近接効果を考慮した渦電流損解析
  • 高周波励磁時のリアクトルのコイル中の渦電流損解析
  • 誘導電動機の横流を考慮した損失解析
  • 永久磁石電動機の磁石中の渦電流解析と磁石分割
河瀬 順洋
岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 教授
2
磁気回路法における損失解析
  • 磁気回路による鉄損算定の基礎
  • スイッチトリラクタンスモータの鉄損算定
  • 直流ヒステリシスおよび異常渦電流損失を考慮したリアクトルの鉄損算定
  • Landau-Lifshitz-Gilbert(LLG)方程式を取り入れた磁気回路による鉄損算定
中村 健二
東北大学 大学院 工学研究科 技術社会システム専攻 准教授
3
機器設計における損失評価事例
  • 永久磁石モータの損失評価
  • インバータ駆動時の誘導電動機の損失評価
  • 誘導電動機の損失低減事例
杉本 愼治
㈱日立製作所 研究開発グループ 制御イノベーションセンタ モータシステム研究部 研究員
 近年、モータやリアクトルなどの電磁機器の更なる高効率化が強く望まれており、そのためには動作状態の機器で生じる様々な損失を精度良く算定する必要があります。本セッションでは、まず、有限要素法における損失解析手法について解説していただくとともに、表皮効果や近接効果を考慮した撚り線コイルの渦電流損算定などの解析事例を紹介していただきます。次いで、磁気回路法における鉄損算定手法の基礎と、リアクトルやSRモータの損失解析への適用例について紹介していただきます。最後に、機器設計の立場から、PMモータの損失評価や、インバータ駆動時の誘導モータの損失解析と低減事例について紹介していただきます。本セッションは、広く磁気応用にかかわる技術者にとって、有益な知識が得られる機会になることを期待いたします。
一ノ倉 理
東北大学 大学院 工学研究科 電気エネルギーシステム専攻 教授
 
14:15~17:00
A2
高感度磁気センシング技術の現状
1
非破壊磁気センシング技術の現状
  • 非破壊検査・計測と磁気センシング
  • 磁気による非破壊検査・計測の原理
  • 高感度磁気センサによる事例
山田 外史
金沢大学 環日本海環境研究センター 特任教授 名誉教授
2
MIセンサによる高感度センシングへの応用
  • MIセンサの基礎
  • スマートフォン用電子コンパスへの応用
  • 自動車用センサへの応用(運転支援など)
蔡 長梅
愛知製鋼㈱ 電磁品本部 センサ事業室 マネージャー
3
耐環境性の高い磁気センサの応用
  • 可飽和コイル磁気センサの動作管理
  • AGV用センサ
  • ストロークセンサ
新井 栄作
㈱マコメ研究所 東京支社 開発担当執行役員
 磁気現象を利用したセンシング技術は、他の方式と比べて、非接触・高精度・高応答性・容易装着性の特徴を有しかつ低コストであるために、産業上で広く使用されています。特に、最近では従来にない非接触で高精度・低ノイズでセンシングできる高感度磁気センサ技術が発達してきたために、今後適応範囲が拡がることが期待されています。
 本セッションでは、高感度磁気センシング技術に焦点を当てて、①非破壊磁気センシング技術の現状 ②MIセンサによる高感度磁気センシングへの応用 ③耐環境性の高い磁気センサの応用 の順に、その基礎と利用技術の現状について紹介します。
山寺 秀哉
㈱豊田中央研究所 デバイス実装研究室 主任研究員
 
4月21日(木)
10:00~12:45
A3
EVへのワイヤレス充電発売直前情報
1
PHV/EV向けワイヤレス充電の実用化に向けて
  • ワイヤレス充電への期待
  • ワイヤレス充電の実証試験結果
  • ワイヤレス充電の実用化に向けた各種取り組み
上地 健介
トヨタ自動車㈱ PHVシステム開発部 充電システム開発室 グループ長
2
ハイパワーWPTの環境電磁界に関する評価・解析技術
  • WPT漏えい電磁界の研究概要
  • WPTエミュレータを用いた漏えい電磁界評価技術
  • 大規模シミュレーション活用による漏えい電磁界解析技術
宇野 博之
㈱パナソニック システムネットワークス開発研究所 技術センター 第1技術部 開発12課 課長
3
国際・国内におけるEVワイヤレス充電の制度整備と標準化最新動向
  • 日本国内での制度整備標準化の状況
  • 国際的な規制・制度・標準化(IEC、ISO、ITU、CISPR等)
  • 大型車あるいは走行中給電に向けた動向
横井 行雄
京都大学 生存圏研究所 研究員/(公社)自動車技術会 ワイヤレス給電システム技術部門委員会 幹事
 正式発表が待たれるところですが、今年は、EV向けワイヤレス充電システムが発売される年として非常に注目を集めております。そこで本セッションでは、①トヨタ自動車の上地様からPHV/EV向けのワイヤレス充電の実用化について、実証試験を含めたご紹介をいただき、次に、ワイヤレス充電で非常に重要な課題である漏洩電磁界について②パナソニックシステムネットワークス開発研究所の宇野様から大規模シミュレーションを用いた漏洩電磁界解析のお話をいただきます。最後に、制度整備の国内外の最新動向について③自動車技術会ワイヤレス給電システム部門委員会幹事の横井様より丁寧に説明していただきます。是非この機会に、発売直前まで迫ったEV向けワイヤレス充電の一通りの知識を得ていただきたいと思います。
居村 岳広
東京大学 工学系研究科 電気系工学専攻 特任講師
※カーエレクトロニクス技術シンポジウムA3セッションとの共通プログラムです。
14:15~17:00
A4
安全で高品質な計測制御のための磁気シールド技術
1
磁気シールドの原理と実現方法
  • 磁気シールドの必要性
  • 磁気シールドの基礎理論
  • 磁気シールドの多様な実現方法
笹田 一郎
九州大学 大学院 総合理工学研究院 教授
2
ウェラブルコンピュータのモーションセンシングを支える電子コンパスと磁気シールド技術
  • スマホにおける磁気センシング技術としての電子コンパスと磁気ジャイロ
  • 磁気シールドの課題
  • 磁気シールド技術
本蔵 義信
マグネデザイン㈱ 代表取締役社長
3
ワイヤレス電力伝送制御のための磁界シールド技術
  • ワイヤレス電力伝送回路・コイル電流(漏洩磁界源)の基本特性解説
  • 標準化されつつあるEV充電コイルのトレンドと漏洩磁界分布・特徴の解説
  • 磁界シールド技術(弊社取り組み)とシールド設計時のキーポイント
千代 憲隆
TDK㈱ 技術本部 エネルギーデバイス開発センター パワーデバイス開発室/
EPCOS Schweitz GmbH, Magnetic Business Group, Automotive &
         Power Conversion Solutions
 磁気シールド技術は,あらゆる分野に活用されており、益々その重要性が高まっています。
本セッションでは、「安全で高品質な計測制御」に的を絞って、
①磁気シールドの原理と実現方法、
②携帯情報端末のスマート・センシングを支える磁気シールド技術、
③ワイヤレス電力伝送の磁気およびシールド技術、
について初心者からベテラン技術者までの幅広い技術者のために分かりやすく紹介して頂きます。
 これにより、磁気シールド技術について幅広い有用な情報が得ることができます。
水野 勉
信州大学 工学部 電子情報システム工学科 教授
 
4月22日(金)
10:00~12:45
A5
パワーエレクトロニクス機器における軟磁性材料の選び方
1
電磁鋼板の実用性能と材料の選び方
  • 軟磁性材料における電磁鋼板の位置付け
  • モータ用軟磁性材料の選び方
  • 電磁鋼板の実用性能評価事例
藤村 浩志
新日鐵住金㈱ 技術開発本部 鉄鋼研究所 電磁鋼板研究部 上席主幹研究員
2
パワーエレクトロニクス機器におけるソフトフェライト材料(ソフトフェライト材料の技術動向とその応用)
  • ソフトフェライト材料の基礎
  • 技術動向と活用事例
  • 今後の展望
中畑 功
TDK㈱ 材料開発センター 技師
3
高周波対応圧粉磁心の磁気特性とその応用
  • 圧粉磁心の特徴
  • 高周波対応低ロス圧粉磁心の開発
  • 圧粉磁心の応用
浦田 顕理
NECトーキン㈱ 材料研究開発本部 マネージャー
 軟磁性材料は、モータや変圧器、リアクトルなど電気機器・回路内で使用されていますが、その励磁電源は電力用半導体の技術の進歩とともにスイッチング動作のパワーエレクトロニクス機器で行われることになります。これは従来のJISやIECで規格化された励磁条件とは異なるために、軟磁性材料の選び方にもその材料特性および使用条件に応じての選び方が重要になります。
 そこで本セッションでは、現在広く使用されている電磁鋼板やソフトフェライト、将来の材料として期待されている圧粉磁心といった軟磁性材料を取り上げ、その基礎・特徴から選び方について紹介していただきます。これにより材料特性に応じた高効率小型な素子・機器の設計に反映されるものといえます。
藤﨑 敬介
豊田工業大学 大学院 工学研究科 教授
 
14:15~17:00
A6
永久磁石材料の最新動向 ~原料動向と新プロセス~
1
レアアース資源と製錬・リサイクル技術の動向
  • 重希土の供給リスクについて
  • 希土類の本格リサイクル時代への備えについて
  • バランスの良い用途開発の必要性について
竹田 修
東北大学 大学院 工学研究科 金属フロンティア工学専攻 准教授
2
Sm-Fe-N焼結磁石
  • これまで焼結が困難とされてきた異方性Sm2Fe17N3焼結磁石を開発した
  • 焼結によって保磁力が低下する原因を解明し、開発に結び付けた
  • 耐熱性や対候性に優れた特性を有する為、各種モータへの適用が期待される
尾崎 公洋
(国研)産業技術総合研究所 磁性粉末治金研究センター 研究センター長
3
DyフリーNdFeB系異方性ボンド磁石とその応用
  • DyフリーNdFeB系異方性ボンド磁石の特性
  • 成形プロセスと特徴
  • モータ設計と応用例
橋本 擁二
愛知製鋼㈱ 電磁品本部 磁石事業室 市場開拓グループ グループ長
 モータや発電機の小型軽量化、高効率化を支える希土類磁石は、現在社会に無くてはならない材料であり、飛躍的に生産量を伸ばしています。しかし、一方で、希土類磁石を構成する資源については、希少性や地域偏在性に起因する供給リスクが数年前に顕在化し、これを回避するために、新しい製造プロセスによる新材料開発が盛んに進められています。本セッションでは、希土類資源と製錬・リサイクル技術の最新動向、および、新プロセスの代表例としてSmFeN焼結磁石とDyフリーNdFeB異方性ボンド磁石の最新技術についてご紹介いただきます。磁石とモータに関わる方々にとって、有益な情報が得られる機会となることを期待しています。
桜田 新哉
㈱東芝 研究開発センター 機能材料ラボラトリー 研究主幹