INCHEM TOKYO 2021

2021年11月17日(水)19日(金) 10:00~17:00

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化学工学会インタビュー

公益社団法人化学工学会 庶務理事 小野 努 氏Interview

事務局
最初に、小野先生のご専門領域(あるいは化学工学会における活動)について教えてください。
小野氏

私の専門はマイクロ化学プロセスやそれを活用した素材開発でありますが,現在化学工学会の庶務理事として新たな社会課題解決に積極的に取り組む学会活動を推進することにも携わっています。化学工学は古くは石油化学をベースとしてものを作る効率の向上を目指し「Efficiency」を追求してきましたが,様々な社会の変遷を経て学問としての裾野は広がり,近年では地球規模あるいは地域の課題を解決する力になろうとしています。私たちは札幌宣言で「Efficiency」から「Sufficiency」を目指す社会の実現に貢献することを謳うなど,俯瞰的視点を持って技術を社会実装する学会活動を展開しています。

事務局
化学工学会 第52回秋季大会が岡山大学 津島キャンパスにおいて、 9月22日から3日間開催されました。コロナ禍での開催で工夫された点を教えてください。
小野氏
秋季大会は岡山にて一部口頭発表をハイブリッド開催としました。コロナ禍での学会はほぼオンラインのみのものが多く,学会としてはオンラインの利便性は残しつつ現地にて人の交流ができるようにとの想いで,岡山大学でもコロナ禍で初めて学内承認を得て実施しました。しかし実際は,9月12日まで全国21都道府県で緊急事態宣言が発出されていて岡山県と宮城県のみが解除となったため,岡山での学会会場はオープンしたのですが,会場である岡山大学の要請により緊急事態宣言地域からの来学が制限されたため現地への参加者数はごく僅かとなりました。学会運営側としては,当日や準備日の参加者およびスタッフの健康管理,消毒徹底,発表者・質問者・座長席のアクリルボード設置,十分な距離を保った会場設定と参加者記録,施設内の導線の限定などできる限りの感染防止対策を行って準備していました。また,多くの方がオンラインで参加することとなり,岡山へ訪れることができなかったため,現地コンベンション協会の方と連携して岡山へ来た気分を体感頂くようなオンラインイベントを開催して地元の商品を抽選でプレゼントするなどの企画も行い,参加された方には大変好評でした。
事務局
INCHEM TOKYO 2021 は展示会として、来場者と出展者の商談機会の促進が狙いである一方で、特別講演会で得られる知識や人的交流も貴重な機会です。特別講演会に期待することをお聞かせください。
小野氏
展示会の主な目的は来場者と出展者のビジネス面での交流であります。現地へ足を運んで頂くことで得られる出展ブースの情報に加えて来場者の興味を引く特別講演会を設けることで来場を促進して現地での交流の機会を活性化したいと考えました。今回の特別講演会は「DXと低炭素技術が拓くイノベーション」という統一テーマに沿って,経営者層から生産技術・研究開発マネージメント層,生産現場技術者に至るまで来場される幅広い方に興味を持って頂けるように構成し,DXや低炭素技術に関する広範な講演に実際の取り組み事例までを網羅し,関係省庁などから当該分野の動向を知ることができる基調講演を設け,一部ではパネルディスカッションも行うなど現地で臨場感を味わって頂ける内容としています。最終的な特別講演会の内容を眺めると,手前味噌ではありますが化学産業界におけるDXや低炭素技術の現状を知ることができる非常に充実した中身になっていると感じています。
事務局
今回展示会の統一テーマ「DXと低炭素技術が拓くイノベーション」と、特別講演会の企画との関連について教えてください。
小野氏
化学産業のなかでもDXや低炭素社会の構築へ向けた動きは避けられないほどのものとなっていて,この流れにキャッチアップすることも重要になってきています。既に取り組まれている企業やこれから取り組もうとする企業まで様々な立場で出展および来場されていることと思います。本特別講演会では,開催期間中全ての日において,DXと低炭素技術に関する講演会がそれぞれ開催されていて,1日のみの参加でもその両方を特別講演会で見ることができます。特に,A会場では1日目「化学プラントにおけるDXの現状と今後」および3日目「持続可能な航空燃料(SAF)への挑戦」の最後にパネルディスカッションが繰り広げられ,講演では見られない関係者の生の声が聞ける機会として大変貴重です。2日目「カーボンニュートラル(CN)エネルギーシステムの構築」では我が国の目指す低炭素社会の取り組みの全体像が見えるような構成になっていると思います。今回の展示会の統一テーマの意味するものが分かる特別講演会となっていると思っています。全てを聞くことができないのが残念なくらいで,いずれのセッションも充実した内容となっています。展示会参加者は無料で聴講できるのですが各会場の人数制限もありますので,是非とも興味持たれた講演はお早めに事前登録頂きたいと思っています。
事務局
INCHEM TOKYOは1966年以来続く展示会です。将来へ向けての展望や期待などをお聞かせください。
小野氏
INCHEMは60年ほど続く大変歴史のある総合展示会です。最近ではテーマも細分化されて数多くの展示会が催されるようになってきました。私どもの化学工学会も先述の通りその時代に応じた社会課題に対峙して実学としての学問を発展させてきた一方で,とても裾野が広くなってきています。出展者や来場者にとってのINCHEMに対する印象も少しずつ変わってきていると感じますので,今後は本展示会がどのようにして皆さんの求心力を高めていけるか議論を始めているところです。時代に変遷に対応してこれまで長年ご愛顧頂いているINCHEMの場を活かして化学産業界の発展にも貢献できる展示会になっていくことを願っています。
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