医療・福祉施設のための設備・機器の総合展示会

出展者インタビュー

社会福祉法人同塵会Interview

同塵会 間宮様

社会福祉法人同塵会 特別養護老人ホーム芙蓉苑ではHOSPEX Japan 2018に出展するフランスベッド株式会社が製造販売するベッド利用者の離床動作を検知して通知するベッド内蔵型の介護ロボット「見守りケアシステム」を導入している。そこで芙蓉苑施設課課長の間宮伸夫氏に同製品の導入事例と共に来場者としてHOSPEX Japan 2018に期待する点などを聞いた。

貴施設についてご紹介ください。

特別養護老人ホーム芙蓉苑という施設で、終の棲家として生活されている方が170名入居しております。デイサービス、訪問介護、居宅介護支援事業といった在宅の併設サービスも行いながら地域に密着した施設運営を心掛け、皆様にサービスを提供しています。昭和42年に設立され、横浜市内で最初に認可された特別養護老人ホームです。この歴史を受け継ぎつつ、介護ロボットをはじめとした新しい機器を取り入れ、サービスの充実を図っています。

現在、貴施設を運営されている中で、課題となっていることはどんなことでしょうか。

介護人材の不足は介護業界全般の課題だと思います。当施設では、介護人材はある程度充足していますが、来年度もグループ内で新しい施設が立ち上がる予定ですので、今後を踏まえると人材の数と質の確保が課題となります。各事業者は良い人材が入職するよう様々な手を尽くしていると思いますが、今後の日本の人口構造からして人材が足りなくなってくるのは明白です。

そのような課題を解決するために、どのような手段を執られておりますか。

当施設ではシニア世代の方も活躍いただいているのですが、体力面の問題もありますので、時間を限って、身体の負荷がかからない業務を補助するという雇用形態です。しかし今後は、このような補助業務でも人材が不足してくると予想されます。そこで介護ロボットが介助の補助を担っていけるのではないかと考え、現在様々な製品を試させていただいています。
当施設は職員を多めに配置していますが、日々の介護業務は多岐に渡ります。また、入居者様のQOL向上のために、個々のニーズに応えるイベントや企画などの対応にも適宜人員が必要となります。そのようなきめ細やかなサービス提供はタイムテーブルなどの工夫で乗り越えてきているのですが、現在では介護ロボットという新しい機器が出ていますので、使わない手はありません。今後はさらに活用が期待される分野だと思います。

施設用品、備品を購買する際には、どのようなプロセスを経て決定されるのでしょうか。

当施設は、介護ロボット普及推進センター事業で神奈川県と提携しています。神奈川県で選定された介護ロボットを当施設でモニタリングをかけることが可能となっています。介護ロボットを無償で貸与いただいており、初期コストがかからず製品を試すことができる恵まれた環境です。しかし、ある程度は現場の意見が反映された介護ロボットが貸与されるのですが、あくまでも神奈川県が選定している製品を当施設でモニタリングするという事業です。例えばモニタリングで見守り支援機器が貸与されれば、もっと使い勝手が良い製品がないか、実機をデモしていただいたり、足を使って展示会などを訪問したり、施設間の横の繋がりで情報共有したりして、どの製品を当施設に導入するのかを検討しています。
また、介護ロボット以外の製品も大体は同じプロセスを経て購入しています。一定期間ごとに見直しの時期を設け、その時期に各社の担当者様に話を聞いて、横並びでモニタリングをかけます。数週間試し、メリット・デメリットを洗い出し、コストを含めた検討を行い、選定します。職員にとって使いやすく、入居者様にとってサービス向上に繋がる価値の高い製品を選定しています。

同塵会 間宮様

製品を導入する際にどのような点を重視されるのでしょうか。

製品の価格も重要ですが、介護ロボットを導入すれば、職員一人分雇わなくて良いということには現在のところ結び付かない状況です。また、職員の使い勝手が良くないと導入しても継続使用が難しいです。最初はモニタリングということで、ある程度推進力を持って現場も使用しますが、使いにくさがあると現場は使わなくなります。そのため職員の使い勝手が重要だと思います。費用対効果が測りにくい製品ですので、入居者様にアンケートを行ったり、モニタリング中に事故件数が減少した等の統計を取り観察しています。見守り支援機器が介護ロボットの中で現在ホットなのは、そういった数字に表れやすいからだと思います。転倒の件数が減り、事故が減るというのが数字で見えますので、効果が分かりやすいです。

今回、フランスベッドの商材を導入されたとのことですが、その決定に至った要因は何でしょうか。

3年程前、補助金申請をし、モニタリングをかけて使いやすかったフランスベッドの「見守りケアシステム M-1」を3台導入し、運用を始めました。その後、厚生労働省からの依頼で三菱総研が実施する「介護ロボットの導入支援及び導入効果実証研究事業」に申込んだところ採用いただき、モデルチェンジし体重測定機能も搭載された「見守りケアシステム M-2」を5台採用し、現在に至っています。
見守り支援機器は多数の製品が上市されています。当施設にも介護ロボット普及推進センター事業で他製品が2台入っているのですが、それらと比較して使ったところ、フランスベッドの製品が圧倒的に使いやすかったのです。同製品は様々な設定ができる点が優れていました。入居者様の背中が起き上がった時点、端坐位になった時点、ベッドの端に座った時点、ベッドから離れた時点など、様々なタイミングで鳴るよう設定ができます。例えば、フットコールが置いてあってベッドの下を踏んだら鳴るようにしている場合には、入居者様はすでに立った状態です。そうすると事故は防げません。しかし、背中が起き上がった時点など様々な体動で鳴れば、格段に事故のリスクを減らすことができます。この設定は、他の見守り支援機器でも可能なものもあるのですが、その都度パソコンを操作しなければなりません。当施設は職員の年齢層が広く、パソコンに不慣れな方もいる状況ですが、フランスベッドの製品はベッドをキャッチアップするリモコンでそのまま設定ができます。この点が現場では一番好評でした。また、他製品で多いのは既存のベッドに装置を取り付けるタイプです。マットレスの下に挿入したりする必要があるので、ベッドを移ったりすると入れ替えなければならないのですが、フランスベッドの場合は内蔵されているので取り回しが楽という点も現場サイドに好評でした。M-2に関しても引き続き導入したのは、この理由があってのことです。
M-2は体重測定の機能が追加され進化しています。導入以前は、体重測定に関しては、入居者様が寝たきりですと車いすのまま測れる機器に乗せたり、ストレッチャーに抱え上げて乗せて測っていましたが、170名分測定するのはかなりの労力でした。それが自動化されたので、職員の負荷が軽減され、他の業務に当てられるようになりました。また、多くの見守り支援機器はWi-Fi環境が必要となりますが、「見守りケアシステム」は、ナースコールにも接続できます。Wi-Fiの設備が整った新築施設なら問題ないのですが、当施設にはWi-Fiは従来、ナースステーションにしか設備が整っていませんでした。後からWi-Fi環境を整備したのですが、どうしてもWi-Fiが切れてしまう箇所が生まれてしまいます。他製品の場合、切れてしまうと、それを確認することでさらに手間がかかり、問題が発生したことがありました。フランスベッドの製品の場合、ナースコールに繋ぐとそういった不備が発生しませんので既存施設では使いやすいです。またWi-Fi設備導入の費用もかかりません。

今年11月に東京ビッグサイトにてフランスベッドも出展される「HOSPEX Japan 2018」が開催されます。HOSPEXに期待することはどのようなことでしょうか。

職員の負担軽減に結びつき、入居者様の事故リスクの軽減やQOL・サービスの向上に結び付くのが見守り支援機器だと感じています。当グループは来年度新設予定の施設もありますので、どういったものを導入するか検討しているところです。新設の施設は、ベッドは必ず買わなくてはならないので、それに見守り支援機器が付いてくるフランスベッドの製品が良いのかなと感じています。また、当施設のような既存施設ですと、少しずつ老朽化したベッドから入れ替えるといった時にはフランスベッドの製品が良いのですが、既存のベッドにそのまま取り付ける見守り支援機器にも興味があります。HOSPEXで様々な製品を体感し、当施設に合っているかを検討したいです。

同塵会 間宮様

医療福祉業界に向けて製品をPRされたい企業様にメッセージをお願いします。

製品が実際に現場でどのように使用されているかを展示会場で示していただければありがたいです。導入後の課題、改善事例、導入経緯などを聞くことができれば導入する側としてはリアルに感じられると思います。
現場の声に耳を傾けてください。当施設はモニタリングした結果を機器メーカーの方に返しています。皆さん意見を聞いていただける姿勢はあるのですが、改善点を反映する開発上のスピードがどうしても遅くなってしまいます。というのも完成形の製品を持ってきてしまうと、高額な開発費をかけていらっしゃいますし、それを改良するにしても時間がかかってしまいます。そのため、できれば開発段階から現場の意見を聞いていただいたり、試験モデルから現場で試用させていただいたりといったことがあると、両者とも効率的だと思います。モニタリングをかけて改善点を指摘した現場側もその点がなかなか改良されないと、やっぱりこれは使いにくいのかなと判断してしまい、もったいないです。開発・改良の時点から現場サイドが加わらせていただくと、効率的で良い製品づくりに結び付くと思いますので、連携が今後は必要不可欠と考えています。

社会福祉法人同塵会
特別養護老人ホーム芙蓉苑
芙蓉苑施設課課長
間宮 伸夫 氏
同塵会 間宮様 イメージ画像

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