出展者インタビュー

株式会社HiSCInterview

HiSC 畑様

今回の出展予定製品について教えてください。

手や足裏の皮膚からの発汗を計測する製品を出展します。人間は驚いたり動揺したりすると手の皮膚に汗をかきます。これは暑い時にかく汗とは別のもので、精神性発汗と言います。130年以上前から精神性発汗の存在は分かっていたのですが、これまではネガティブな使われ方をしていました。嘘をつくと人間は手に汗をかきますので、その汗を測定する嘘発見器等として活用されていました。このような使用方法が歴史的に続いたもので、精神性発汗を研究する人が少なかったのですが、現在は機器の組み込みや小型化が進み、パーソナルにかつ詳細に調べることができるようになりました。そこで弊社は手のひらの発汗を時系列的に調べることができる製品を開発し、医療に活かそうと考えました。
医療機器の認定は取っていないので診断には使用できませんが、使用方法の例としては、認知症患者の精神反応の推定に活用できます。認知症患者は次第に感情を中心とする反応が衰えていくのですが、どの程度衰えたかということを推定することができます。
また、高齢者の運動療法の分野でも活用できます。例えば最近、音楽療法が老健施設で勧められるようになってきたのですが、どの程度高齢者にエクササイズの効果があったかが分かりづらい点が問題でした。そこで弊社の製品を音楽療法の際、身に着けていただくと、興奮や感動したりあるいは失敗したりしたポイントが精神性発汗の反応として分かってきます。そのデータを積み重ねると、その人がどの程度エクササイズに集中していたかとか、身体を動かしたかが推定できます。この推定結果から音楽療法士が効果があるエクササイズを探す際、役立ちます。
さらに、高齢者の安全行動を調べることが可能です。この製品を身に着けて建物の中を歩いていただきます。その結果、建物の様々なところで発汗反応があるポイントが出てきます。高齢者は視力低下とともに視野が狭くなることがあり、狭所での旋回行動を好まない傾向から、そのような嫌いな箇所で反応があります。そこで反応があった箇所の照度を上げたり障害物をなくしたり等の工夫をすると安全性が高まります。リフォームやバリアフリー化の際の参考データとして活用できます。この活用法はニーズが高く、すでにいくつかの機関と研究を行っています。
使用方法は、製品本体からケーブルを介して電極を手に着けるだけ。簡単に測ることができます。本体は充電式ですので、連続8〜9時間稼働します。その間、製品を身に着けてエクササイズ等を行い記録します。認知症患者は自分の身体に物品を取り付けるとむしり取る傾向がありますので、電極も工夫しました。弊社は電極の基礎開発から行い、利用者が気づきにくい電極を作りました。導電繊維を採用することにより研究が進みましたので、HOSPEXの会場で披露する予定です。通常の電極は使い捨てですが、この電極は洗うこともでき何回も使用可能であり、衣服を着けているかのような感覚で使用できます。

製品の開発に至った背景は何でしょうか?

公立はこだて未来大学との共同研究から始まりました。人間の情動を見たかったというのが本音です。精神性発汗というかたちで交感神経が興奮したかがこの製品で分かります。そこで嘘発見器ではない使用方法があるだろうと社内で企画を立案し、医療福祉分野をターゲットに開発を始めました。

製品のメリットは何でしょうか?

高齢者の今まで分かっていなかった緊張度の測定ができます。この測定により、例えば老健施設や家庭での危険な場所を見つけることができます。また、刺激を意図的に与えると、高齢者の活性度合いが分かります。これを継続的に記録していくと、その変化で認知度がどのように変化していくかが解明されるのではないかという研究も行っています。例えば同一のドラマを観て、以前はちゃんと感動していたのに現在はしていないとなると認知度が落ちている可能性があります。認知症は本人の自覚が少ない病気なので、客観性が必要です。現在、その基礎研究を始めたところですが、良いエビデンスが得られています。

HiSC 畑様

どのような方に利用いただきたいですか?

まずは老健施設に利用していただきたいです。将来的には、保健所や地域医療の公共施設に配置していただくことを提案していきます。自宅から出られない方にはこの製品を送付し自宅で利用したデータを送信していだたくことを考えています。

今回、HOSPEX Japanには初出展かと思います。HOSPEXを選んだポイントについて教えてください。

医療福祉関係の展示会出展は初めてなので、プロトタイプから立ち上げ期の製品まで出展できる展示会はないかと探していたところHOSPEXがあり、出展を申込みました。弊社の製品が立ち上げ期だったということが一番のポイントです。また、展示会場の東京ビッグサイトはアクセスが良く、雨が降っても来場者が来てくれる点も選定理由です。

どのような展示を予定されていますか?

今回は2小間の出展を予定しています。ブースでは実際に計測ができ、かつ結果もリアルタイムに表示する製品を3つ展示し、来場された方に試していただこうと思っています。3つとも与える刺激が違う製品を展示します。1つの製品にはVRを使用予定です。VRグラスで自動車を運転するかのような刺激を与える装置を設置します。これは高齢者の運転事故防止のためのセルフアセスメントを目標としているものです。もう1つの製品は糖尿病患者向けの将来的なヘルスケアを目指したものです。糖尿病患者は次第に指先・足先の感覚が鈍くなっていきます。弊社は自動的に指先に刺激を与える装置を作っていまして、この計測により、その人の指の神経障害がどの程度進んでいるかを推定できます。来場の方に手を載せていただくだけで1分ほど計測すると指の感覚がどの程度か分かります。
サービス価格はHOSPEX会場で公表できると思います。製品を貸し出し、クラウドとこの製品を利用する利用料として提示します。HOSPEXブースで契約を締結できるように準備を進めています。当初はパイロットユーザー扱いでご提供し、来年4月から正式サービスの開始を予定しています。現在でも価格の問い合わせを数多くいただいています。

HiSC 畑様

出展の意気込みを教えてください。

古くて新しいジャンルの製品なので、ぜひ私たちの製品を会場で理解していただきたいです。現在はビッグデータ、AI、ディープラーニングがある時代ですので、これらの仕組みにより弊社の製品は有効に使える技術であるというのが私たちの思いです。新しい技術を使った古い原理を見直して頂ければ幸いです。

株式会社HiSC
常務取締役 技術統括責任者
畑 雅之 氏
HiSC 畑様 イメージ画像

PAGE TOP

PAGE TOP