仏教と実業 (第26回一隅会より)

協和醗酵株式会社 会長
社団法人在家仏教協会 会長
加藤弁三郎氏 (当時の役職)

1972年8月19日、第26回一隅会においてご講演いただきました一隅会速記録をもとに、一部編集をしてお伝えいたします。
本講演内容は、ご自身の仏教とのかかわりをはじめ、仏念や在家仏教協会に関わる内容まで、実業と仏教のかかわりについて深い示唆を与えていただく講演内容です。

【第43回】10.在家仏教協会について - (8)

 そうしましたところ、有名な方々が座っていられた。二十名ばかりいらっしゃいました。みんなきょうは第一回の懇談会だから、ぜひとも一人ずつ一言あってほしいという司会者の要請でございました。ずっといって、最後に私の番になってきたんです。そこで私は、どうも言わざるをえないものですから、卒直にこう申しあげたんです。
 みなさんのお説はみなりっぱで、けっこうだけれども、私はとてもそういう行き方にはついていかれない。だいたい人さまに仏教を教えるということは私にはできないことで、聞くことしかできやしないんだから、私は卒直に言うなれば、あまりそう大きなことを言わないで、同志相寄って仏教を聞く会、そういう会で、ここはちょうど渋谷だから、渋谷仏教会とかなんとかそういうことで、三人でも十人でも集まって、そういう会ならつくることも可能だし、なんとかお世話もできるかしらんけれども、大げさなことはできはせんといって、たいへんどうも捨てぜりふみたいなことを言って帰ったわけでございます。それでいちおうすんだと思いましたところが、一ヵ月ばかりたちまして、もう一ぺん出てきてくれと、あなたの意見、やっぱり傾聴に値するところがあるとみなも言っているから、もう一ペん出ろと、こういう話で、また出ました。そうしておるうちにやっぱりこれは会をつくって、それからだんだんと相談をしながら行くというよりほかないということになりまして、とうとう会をつくることになったんです。