仏教と実業 (第26回一隅会より)

協和醗酵株式会社 会長
社団法人在家仏教協会 会長
加藤弁三郎氏 (当時の役職)

1972年8月19日、第26回一隅会においてご講演いただきました一隅会速記録をもとに、一部編集をしてお伝えいたします。
本講演内容は、ご自身の仏教とのかかわりをはじめ、仏念や在家仏教協会に関わる内容まで、実業と仏教のかかわりについて深い示唆を与えていただく講演内容です。

【第34回】9.毎日々々が楽しい - (3)

 そこに桑田さんがいらっしゃいますが、私は桑田さんのあとを受けて、いくつかの委員会なんかに出させていただいておりますが、ある審議会でございますが、それを桑田さんがおやめになった。そのあとを私が継いだわけで、それをおやめになるときにはおいでくださって、ああ楽しうございました、そういうごあいさつをなさいまして、ああ、この桑田さん、これは仏教徒にちがいないと思いましたら、はたしてそうで、ご本人を前に置いて恐縮でございますけれども、非常にご造詣が深いということをほかから聞きました。なるほど、それであのお言葉が出たんだなと思ったんですが、そういうことでございます。ほんとうに与えられる仕事が楽しい。ふつうでございますと、この忙しいのに、またこんなに仕事かなわんなと、こうなるので、それではどうもご本人も不幸であるし、頼んだほうも、まことにどうも困ることなんです。桑田さんのように、ありがたくお受けいただいて、そして楽しんでいただいて、ああ楽しかったとおっしゃって後輩に道を譲られる、こういう境地ですね、こういう境地が、要するに私は仏教の教えておるところの境地だとかように思っておるのであります。