仏教と実業 (第26回一隅会より)

協和醗酵株式会社 会長
社団法人在家仏教協会 会長
加藤弁三郎氏 (当時の役職)

1972年8月19日、第26回一隅会においてご講演いただきました一隅会速記録をもとに、一部編集をしてお伝えいたします。
本講演内容は、ご自身の仏教とのかかわりをはじめ、仏念や在家仏教協会に関わる内容まで、実業と仏教のかかわりについて深い示唆を与えていただく講演内容です。

【第23回】5.念仏へ - (2)

 この、唱えさせられたと自分で自覚すること、これが玄関でございます。しかし、いつのときにかは第一声を唱えておる。その第一声を唱えるときには、唱えようと思った心が起きたにちがいない。そうでなければ唱えられんのですから。わからんわからんであったのに唱えた。「その念仏申さんと思いたつ心の起こるとき」これが『歎異鈔』にある有名な言葉でありますが、そのときこそが私にとって転換なんです。そのときは気がつかぬのでしたが、あとからひるがえって考えてみると、たしかにそのときこそが、私がいままでのものの考え方とがらりと変わった、このごろの言葉で言えば価値観が変わった。価値観なんて、私、あまり好きな言葉じゃありませんが、要するに人生観が変わったと申しあげたほうがいいでしょう。とにかくすっかりものの考え方が変わったと、私はいまにして思うのでございます。