仏教と実業 (第26回一隅会より)

協和醗酵株式会社 会長
社団法人在家仏教協会 会長
加藤弁三郎氏 (当時の役職)

1972年8月19日、第26回一隅会においてご講演いただきました一隅会速記録をもとに、一部編集をしてお伝えいたします。
本講演内容は、ご自身の仏教とのかかわりをはじめ、仏念や在家仏教協会に関わる内容まで、実業と仏教のかかわりについて深い示唆を与えていただく講演内容です。

【第1回】1.伝教大師と山家学生式 - (1)

 ただいまご紹介をいただきました加藤でございます。きょう、こちらへまいりますと、だいぶお知り合いの方がおいでになりまして、心強く存ずる次第でございます。いま過分のご紹介をしていただきましたので、ああいうご紹介をしていただきますと、あとの話が少々できにくくなるのでございますが、よろしくお願いを申しあげます。
 ご紹介の中で一つ違いましたのは年齢でございます。実は私、八月十日生まれでございますので、ちょうどいま七十三になったばかりのところでございます。先月でございますと七十二歳でまかり通ったんでありますが、もう八月十日過ぎましたので、宿帳には七十三と書かなくちゃならん、こういうような次第でございます。
 また、いま、二時間も二時間半もというお話がございましたが、これではとても私、間がもちませんので、私、自分のペースでお話をさせていただきまして、そのあと、どんどん、どうかひとつご意見なりご質問をいただければいくらでもやりますから、どうかそのつもりでお願いを申しあげます。
 さて、この会は「一隅会」と名づけられておるのでありますが、その由来につきましては、先般、森川さん(日本能率協会 会長)からつぶさに承りましたのであります。したがいましてみなさん方には、その名前の由来、またそれにちなんだ話は、今日まで、もう耳にたこがおできになるほど聞いていらっしゃると想像いたします。しかしながら、これはいうまでもなく、伝教大師の『山家学生式』の中の言葉をとられておるわけでありますが、こういう貴重な法語というものは、なんべん聞きましても飽きることはございません。ほんとうは、もう毎日朝夕、奉唱をする、それがいいと思うのであります。それくらいでありますから、みなさんは十分ご承知のことでございますけれども、もう一ぺんその一隅を照らすという言葉の出る前後、短いですから、みなさん方とともにそのへんをちょっと味わわせていただきまして、それからなにやかやと所感を述べてみたい、こう思うのでございます。