マネジメントに活かせる文脈「人ありきの経営」

 異色の経営者 川嶋謙氏(アスクラボ株式会社 CEO)× 知恵の箱編集人
 アスクラボCEOの川嶋謙氏がアスクラボメールマガジンとして発信されてきたコンテンツを、知恵の箱編集人の視点から、そのコンテンツの切直しを試みるコラボコンテンツです。
 人をいかすこと、数字を上げることなど「経営と人」について考えるきっかけを提供することを狙いとしています。
 川嶋氏は、「課題解決は全社員で」「仕事ありきではなく人ありき」「人を活かす」など人間の本質を考えながら、経営と製品開発、サービス提供を実行されている経営者のおひとりです。(知恵の箱編集人より)

不安は人間をおしゃべりにする(2008年6月2日配信)

私は学生時代に、ボディランゲージについて少し学びました。
ボディランゲージは、身体言語のことで、音声言語に頼らず身振りや動作、顔の表情などで相手に意思を伝える、あるいは意思を読み取るというものです。

当時、担当の教授より次のようなことを教わりました。
動作や顔の表情で他人の気持ちを読み取るためには、他人を観察する前にまず自分を観察すればよい。具体的には、朝起きて顔を洗う時に、鏡に映る自分を観察してみると、精神的・肉体的に好調の時と不調の時、人間関係が上手くいっている時と上手くいっていない時では、自分の表情が違うはずである。他の人も同じで、不安な時やトラブルを抱えている時、人間関係が上手くいっていない時は、表情や目つき、話すスピードなどに変化が表れる。
それに加えてもう一つ、人間は不安になるとおしゃべりになる・・・というようなことを教わり、その当時は「そんなものか」程度に感じていました。

しかし、社会人になって約30年に渡り、営業活動とマネジメント業務を行う中で、教授から教わったことを実感することが度々ありました。
現在、私は会社のトップですが、スタッフに問いかけられることの多くは「不安」であり、その不安を解決することは、トップとしての重要な仕事です。
「この先会社がどうなるのか?」、「自分はどのように行動すればよいのか?」等、スタッフは様々な不安を抱えています。しかし、スタッフは不安の内容をすべて口頭で話してくれるわけではありません。
さらには、話してくれるのを待っていては、問題の解決・不安の解消が手遅れになる場合もあります。そのような時、スタッフのボディランゲージから意思を読み取り、対応したことが度々ありました。
そして、「人間は不安になるとおしゃべりになる」と教わった内容は、まさに「企業は業績が悪くなると会議が多くなる」とまったく同じであると実感しています。

ここで少し視点を変えますが、では何故、人は「不安」になるのでしょうか?
その本質は、「やるべきことを先送りせず、実行しているかどうか」ということではないでしょうか。これは個人でも会社でも同じことが言えると思います。
個人も会社も同じことで、問題や課題を先送りしないで、やるべきことを行っていれば、不安は解消されるはずなのです。
営業力を売上実績や受注実績という「数値」のみで測るのではなく、やるべき行動を決めて、それを実行していけば、会社の不安も幾分か解消され、不安解消のための会議も少なくなるのではないでしょうか。

知恵の箱編集人から

「やるべきことを先送りにせず、実行しているか」
 不安を生むこの本質の指摘は、人に関わるマネジメントにおいて、さまざま事を考えさせてられる。
 例えば、仕事の進捗を確認するというミーティングは、まさしくこの指摘どおりである。同様なことはさまざまところで行われている。指摘の不安を解消していれば、ミーティングは全く異なる目的のために機能し始めるはずだ。
 会議が変わると、会社が変わるという言葉がある。この指摘の言葉も本質につながっていることなのだろう。

アスクラボ株式会社

組織が待つ能力(組織力)を引き出し、営業力、提案力の向上と社内コニュニケーションの向上に結び付けることができるシステム「PROナビ」を開発、販売しています。また、川嶋氏自らの200社以上へのトップへの営業体験から作り上げた営業力を高めるための考え方、スキルを開示して、それらを普及ならびに指導なども行っている。
同社ホームページ:http://www.asclab.com/

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