マネジメントに活かせる文脈「人ありきの経営」

 異色の経営者 川嶋謙氏(アスクラボ株式会社 CEO)× 知恵の箱編集人
 アスクラボCEOの川嶋謙氏がアスクラボメールマガジンとして発信されてきたコンテンツを、知恵の箱編集人の視点から、そのコンテンツの切直しを試みるコラボコンテンツです。
 人をいかすこと、数字を上げることなど「経営と人」について考えるきっかけを提供することを狙いとしています。
 川嶋氏は、「課題解決は全社員で」「仕事ありきではなく人ありき」「人を活かす」など人間の本質を考えながら、経営と製品開発、サービス提供を実行されている経営者のおひとりです。(知恵の箱編集人より)

プロフェッショナルへの挑戦(2008年3月3日配信)

弊社は、岡山県北部にある津山市という小さな地方都市で事業を営んできました。
限られたエリアにおいて既存ユーザを確保し、ユーザのリクエスト(要望・依頼)に対して、真面目に対応して一生懸命に仕事をこなしていれば、確実な利益を得ることができていたのですが、7〜8年ほど前からビジネス環境が変化しはじめました。

バブル経済も崩壊し、弊社キーユーザにおける既存ビジネスも縮小傾向となり、それにともなって収益も低下し、あわせてビジネスモデル自体が変更され、ユーザからのリクエストが減少してしまったのです。このままの経営スタイルを続けていては近い将来には収益が激減し、ひいては会社を継続することが不可能になると私は感じました。

そのようなビジネス環境の変化の中で、私はある決意を持って、私自身の役職名称を「社長」から「CEO」(最高経営責任者)へと変更しました。
これは、流行や見た目にこだわったのではなく、経営責任にこだわったためです。
「私はアスクラボに雇われた『プロの経営者』であり、会社の企業価値を上げ、社員の生活水準を上げることが自分のミッションである!」という自分自身への意識改革のための動機づけとして変えたのです。
実際に、プロフェッショナルな経営者に徹しなければ、ビジネス環境の変化に対応することは不可能であり、自身が掲げたミッションを実現することも不可能です。
プロの経営者としては、目的意識を強く持つことが重要と感じたためです。

例えば、人間は感情の動物ですから、人に対する「好き・嫌い」や、仕事内容に関する「好き・嫌い」があるかとは思います。しかし、プロはそんなことにはこだわっていられないのです。
目的達成のためには、嫌いな人であってもその人の協力を得た方がより早く、より確実に目的を達成できるのであれば、「嫌い」という感情は無視して協力を仰ぐことは当然です。苦手と思っていた人でも、同じ苦労をともにして目的を達成したときには、予想外の仲間意識が芽生えたことも度々でした。
また、敬遠される仕事・・・例えばお客様とのトラブル対応や、社内の今までのビジネススタイルを変えることへ抵抗する社員への対応、私と管理者・スタッフとの考え方の違いへの対応など、人があえてやりたがらない仕事に対しても、プロとして取り組まなければなりません。その結果、今までの自分になかった経験やノウハウ、対応能力を得ることができたように思います。

アマチュアとプロの大きな違いは、アマチュアは自分の行動に対して収入を得ていないので、自分の好みの人と付き合い、自分の好むように振る舞い、嫌ならすぐにやめることができますが、プロはその行動に対して収入を得ていますので、組織のメンバーや業務に対して好き嫌いは選べません。好き勝手に行動ができるわけではありませんし、途中で投げ出すことは即自身の収入がなくなるということを意味しています。
プロはプロとして、自分自身の感情を超えることが必要なのです。そして、感情を超えるためには目的意識の強さが必要であることを改めて実感しています。

知恵の箱編集人から

 プロフェッショナルとは、いつでも、どこでも、誰とでも、すぐにチームを組み、成果を出せる人である。
 会社員にもプロフェッショナルが求められるようになってきた。そのため専門スキルや専門知識を身に付けることにどうしても関心が集中しがちになる。しかし、プロフェッショナルは、専門も究めるが、それと同じぐらい異分野のことを広く身に付けている。今盛んに言われるビジネスマンにとっての教養やリベラルアーツということを身に付けているということであろう。
 他分野からも自分の専門分野を見ることができてこそ、プロフェッショナルなのだろう。
 つまりは感情もリベラルにコントロールできて当然ということになろうか。

アスクラボ株式会社

組織が待つ能力(組織力)を引き出し、営業力、提案力の向上と社内コニュニケーションの向上に結び付けることができるシステム「PROナビ」を開発、販売しています。また、川嶋氏自らの200社以上へのトップへの営業体験から作り上げた営業力を高めるための考え方、スキルを開示して、それらを普及ならびに指導なども行っている。
同社ホームページ:http://www.asclab.com/

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