マネジメントに活かせる文脈「人ありきの経営」

 異色の経営者 川嶋謙氏(アスクラボ株式会社 CEO)× 知恵の箱編集人
 アスクラボCEOの川嶋謙氏がアスクラボメールマガジンとして発信されてきたコンテンツを、知恵の箱編集人の視点から、そのコンテンツの切直しを試みるコラボコンテンツです。
 人をいかすこと、数字を上げることなど「経営と人」について考えるきっかけを提供することを狙いとしています。
 川嶋氏は、「課題解決は全社員で」「仕事ありきではなく人ありき」「人を活かす」など人間の本質を考えながら、経営と製品開発、サービス提供を実行されている経営者のおひとりです。(知恵の箱編集人より)

洪水が教えてくれたマネジメント(2007年5月7日配信)

弊社は岡山県の北部に位置する津山という地方都市にありますが、数年前岡山県北部一体が大洪水に見舞われました。

数日間雨が続いた後、確か金曜日の夜8時頃から急な豪雨となり、あっという間に川の水があふれ、夜中の12時頃には津山一体が浸水しました。

私は自宅にいましたが、会社が心配になり車で会社に向かいました。ところが通常通勤する道が浸水のため通ることができず、いろいろなわき道を探しながらやっとの思いで会社にたどり着くことができました。

着いてみると、会社の倉庫は床下まで水に浸かり、社用車が3台ほど流されていました。その一台がライトをつけたまま水中にあり、近所の人から車の中に人がいるのではないかと言われて心配しましたが、調べて見ると誰も乗っていないことが分かり、ひとまず安心しました(浸水でショートしてライトが点いてしまったようです)。

その内、弊社の社員が心配して会社に駆けつけて来てくれました。数時間後に水は引きましたが、会社の床は泥にまみれて様々なものが散乱し、大変な状況でした。
駆けつけてくれた社員と一緒に、少しずつ床の泥を除けて片付けを始めましたが、社員の表情を見てみると、夜中で大変な作業をしているにもかかわらず、非常に良い表情で元気に見えました。

ふと気付いたのですが、この作業は誰かに指示されたものではなく、自らの判断で会社が心配で夜中に出向いてきており、上司・部下の区別なく平等に作業をしているのです。また、明日までに片付けないと仕事が始められないのです。

つまり
1−自主性
2−平等
3−目的の明確
この3点があれば、みんな気持ちよく働くことができると気付かされました。

弊社もこの洪水で営業車輌等かなりの損害が発生しましたが、そのおかげで上記の3点を教えてもらったと思います。

知恵の箱編集人から

 「理念の浸透が大切だ」「理念の浸透はどうすればできるか」という話題に、人事部の方ならばすぐに関心を示すであろう。そうした関心を持つのは、「強い組織とは、理念と組織の目的を共有する人の集合体である」という考えに基づくからである。
 しかし、なにかを見落としていないだろうか。「どうすればできるか」になってしまったら、結局は方法論でしかなく、浸透ではなくなり、義務、強制的になってしまう危険性をもつ。
 東日本大震災時にも同じような話が多くあったことを思い出いだされる。誰に命じられることなく自主的な行動をとった方々は、日常を通じて見たり、感じたり、教えられたりしている中で、身に付けることで、それこそが浸透するということなのだろう。上に立つ者の普段の行動や判断が理念に基づいていれば、部下は、自然に育つ。
 方法論を考える前に、経営者や管理者が、理念に基づいた行動や判断をしているかを問うことからはじめてみたらどうだろう。

アスクラボ株式会社

組織が待つ能力(組織力)を引き出し、営業力、提案力の向上と社内コニュニケーションの向上に結び付けることができるシステム「PROナビ」を開発、販売しています。また、川嶋氏自らの200社以上へのトップへの営業体験から作り上げた営業力を高めるための考え方、スキルを開示して、それらを普及ならびに指導なども行っている。
同社ホームページ:http://www.asclab.com/

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