入社2年目、邦雄と学ぶ「会社の数字、基礎の基礎」

 “現場”“現物”“現実”の3つの“現”を重視する三現主義の考え方は、机上の空論ではない現実に即した問題解決を図るための戒めとして、JMAが長年にわたって重視してきた考え方です。
 ますます企業経営が複雑化・高度化する中、現実を捉えた問題解決を図るには「会社の数字」に関する知識が必要不可欠な武器となります。
 そこでこのシリーズでは「会社の数字」を利用するに当たり、必要となる知識を分かりやすく解説して参ります。

リースとレンタル(3)

「どうだい、おじさんの説明で分からなかったところとか有ったかい?」
「おじさんにファイナンス・リースとオペレーション・リースの違いを説明してもらったおかげで、リースのことも随分と分かってきたような気がする。でも新しい疑問も湧いてきたな。」
「例えばどんなことだい?」
「うん、オペレーション・リースとレンタルを比べると、オペレーション・リースの場合は利用する側が対象の器具や設備を指定できるから、レンタルに比べて対象資産の幅が広くなって、利用企業はニーズに合った器具や設備などが利用出来る。だけどその代わり対象の器具や設備が事前に準備されているわけではないから、利用出来るようになるまでのリードタイムは長くなる。その点レンタルは、例えばレンタカーのように、必要なときにその場で店舗に行っても借りることも出来るように、レンタル会社が事前にレンタル用の器具や設備などを準備しているからリードタイムは短いけれど、借りられる器具や備品の幅は限られるって事だよね」
「そういうことだ」
「だから利用する側としては、どんなときにレンタルを利用するのか、またオペレーション・リースを利用すれば良いかが、聞いていてとても分かりやすかった。でもファイナンス・リースの場合、途中解約は出来ないし、その上経理処理上もオフバランスに出来ないんだから、例えば資金を借りて資産を購入したって良い訳だし、分割払いで購入しても目的は果たせるように思うんだ。そうだとするとファイナンス・リースって、利用企業の側にどんなメリットがあるのかよく分からない。」
「確かにそうだな。かつては日本でもファイナンス・リースは経理処理上オフバランスにすることは可能だったから、確かに以前に比べて企業側にとってのメリットは小さくなったとも言えるだろうな。それでも、購入する場合と比べたメリットは依然としてあるんだよ」
「え、そうなの?どんなメリット?」
「そうだなあ端的に言えば、資産を所有する事によって発生する様々なデメリットを極力小さく出来ることだと言っても良いだろう。例えば、様々な設備の取得と運用に係わる規制は所有者に課される場合が多い。その場合、手続きなどの処理はリース会社が行うことになるから、利用企業の側では不慣れでしかも往々にして煩雑な処理を自ら行う必要がなくなる。また設備などは償却資産としては固定資産税の課税対象になるけれど、それらの処理や納税もリース会社が行うので、そのための業務なども必要が無くなる。もちろん、そのための費用や税金はリース料に付加されることになるだろうが、リース会社は処理上のノウハウを持っているから、利用会社が自前で行うことに比べれば直接発生するコストはもちろん、管理部門のスリム化などのメリットなども期待することができる。そうそう、途中解約が出来ないことは一見デメリットのようにも見えるが必ずしもそうとばかりはいえないんだ。解約不可なら、リース会社は解約のリスクをリース料に織り込む必要がなくなるだろう。そうなれば、元々途中解約を想定していない企業にとっては、その分安くリースを利用出来ることになるだろ」
「そうか。購入やリースそしてレンタルなどが、それぞれがバラバラにあるという訳じゃなくて、企業側のニーズに合わせて様々な選択ができるようになっているって訳だね」
「そういうことだ。それぞれの企業が持つ多様なニーズに対し、いわば切れ目無く対応できるようにそれぞれがうまく設計されていると言い換えても良いだろうな。だから利用する側も提供する側も、それぞれどのような意図で設計されているのかについて、しっかりと理解した上で提案や活用をすることが重要だってことだな」
(続く)

<豆知識>

経営分析(財務分析)
収益性分析を行う場合の主な指標(2)

<売上高キャッシュ・フロー比率>  損益計算書上の利益に代え、分子としてキャッシュ・フロー計算書上のキャッシュ・フローの値を用いて、収益性を判定する指標
・キャッシュ・フローマージン:営業キャッシュ・フロー/売上高

<売上高費用比率>  損益計算書上の費用の額を売上高で割った値。売上げに占める原価の割合を示す指標
・売上高売上原価比率:売上原価/売上高
※売上総利益(粗利益)/売上高:(売上高−売上原価)/売上高
∴売上高売上原価比率:1−売上総利益(粗利益)/売上高

・売上高販売管理費比率:販売費及び一般管理費/売上高
・売上高研究開発費比率:研究開発費/売上高

<資本利益率> 資本利益率は利益を資本(資産)で割った値。なお、利益率は利益を売上高で割った値として、回転率は売上高を資本で割った値として表されるので、資本利益率は利益率と回転率の積であると言える。このことから資本利益率は、利益率で表される収益性と、回転率で表される効率性とを、同時に表す指標といえる。資本利益率として用いられる主な指標としては、分母に利用される項目により以下のものがある。
・総資本利益率(総資産利益率):当期純利益/総資本(総資産)
※売上高当期純利益率×総資本回転率としても表される
・自己資本利益率:当期純利益/自己資本
※売上高当期純利益率 × 自己資本回転率としても表される