TECHNO-FRONTIER 2020 技術シンポジウム 幕張メッセ・国際会議場 TECHNO-FRONTIER2018 技術シンポジウム 企画委員特別小冊子ダウンロード

第33回 EMC設計・対策技術シンポジウム
委員長・副委員長インタビュー

委員長
九州工業大学 名誉教授
桑原 伸夫氏

副委員長
大阪大学 大学院 工学研究科
電気電子情報工学専攻 システム・制御工学講座
パワーシステム領域 博士(工学)
舟木 剛氏


2018年開催のテクノフロンティアシンポジウムは、リーマンショック以後、最大の参加者を記録しました。現在、2019年の「EMC設計・技術対策シンポジウム」に向けて、開催内容の検討が進められています。前回のシンポジウムの振り返りや、EMC 設計の現状について、委員長の桑原氏と副委員長の舟木氏にお話いただきました。

蓄電池研究の変化


──まずは、2018年の「EMC 設計・技術対策シンポジウム」を振り返って、お話いただけますでしょうか?

(桑原)一昨年の2017年度は自動車関連のセッションに参加される方が落ち込み心配しましたが,今年度は戻り、自動車関係に関して根強い関心があることがわかりほっとしています。今後も皆様に関心ある内容を提供するように動力して行くつもりです。
また,最終日にEMC の基礎関係のセッションを企画し多くの参加を頂いています。特に、2018年度は午後のセッションに100名近い方の参加をいただきました。これは想定外のことでしたので、ビックリいたしました。
全体で言うと、各開催日とも、極端な参加者数の偏りがなく、ご来場いただき、結果的には2017年とほぼ同じ来場者数となりました。ご来場いただいたみなさんに感謝いたします。

(舟木)ここ最近、EMCは自動車やパワエレが中心的なテーマになっています。私たちのイメージから言うと、これまではEMCは通信がメインとなる技術だったのですが、最近は通信に関するセッションはほとんどなくなって、自動車に関心が移ってきています。
その中でも車車間通信ではなく、パワートレインやECU関連になってきていて、パワーエレクトロニクスについても、インバーター関係が取り上げられることが多くなっている。昔の通信機器に比べ、今のパワエレはノイズのソースのレベルが上がってきて、それがどのような影響を与えるかに関心があります。EMCに関する開発業務の内容が変わってきているし、EMCの業界に携わる技術者の構成も変わってきていると言えるかもしれません。
シンポジウムもその業界の変化を考慮した構成にしたので、2018年も盛況だったのだと思います。
ただし、2020年に向けて、5Gの話も出てきていますので、EMCでも通信関連に注目が集まってくるのではないかと思います。自動車やパワエレ一辺倒ではなく、技術のトレンドも見守っていきたいですね。


「基礎」と「応用」のバランス


── 2019年のシンポジウムに向けて、既に委員会を開催して、検討を進めていますが、昨年の2018年との違いはあるのでしょうか?

(舟木)このシンポジウムでは、技術者のみなさんが関心あるテーマに焦点を当てて、引き続き、取り上げていきたいと考えています。これまで通り、テーマが重ならないように全体を見て、セッションの構成をしていく予定です。
昨年好評だったEMCの基礎を学ぶセッションは継続しますが、応用であるアプリケーションについては、その技術に詳しいプレゼンターにお願いして、講演していただくつもりです。
自動車に関しては、引き続き、注目を集めている分野ですので、取り上げる必要があると思います。テクノフロンティア全体でも、自動車は重要なテーマになっています。
テクノフロンティア全体を踏まえることができれば、さらにいいですね。

(桑原)昨年は、若手の方に講演をしていただきました。これまでは経験豊かで、知識が豊富なベテランの方に講演いただくことが多かったのですが、今後も次世代を担う若手の方にも発表をしていただけるように、才能の発掘にも力を入れていきたいと思います。
テーマについては、「ワイヤレス電力伝送」など新たなテーマにも取り組んでいますので、これからも新技術にチャレンジしていきたいと思っています。先ほど舟木先生がおっしゃった通信についてセッションを設けるのもいいですね。これからも参加者のみなさんにもご意見を伺いながら、より良いシンポジウムにしていければと思います。

(舟木)なるべく最新の技術を取り上げるようにしていますが、最新の技術だから必ず取り上げるということではありません。
今の時点では製品化に活用することができない技術もあります。テクノフロンティアでは実用性のある技術を取り上げることが重要ですからね。なるべく現場の人が活用できる技術を取り上げたいです。

(桑原)このシンポジウムは、基礎を学ぶために参加される若手の方が大勢いらっしゃいますので、基本を学ぶセッションも必ず設けるようにしています。2019年もそういった若手の技術者が基本を勉強したり、確認したりできる講演をご用意できるかと思います。

──「EMC 設計・技術対策シンポジウム」は長い歴史を持つシンポジウムなので、おかげさまで産業界では深く浸透しています。初めて参加される方もたくさんおられる。企業のみなさまが教育のための場として活用いただく事例が増えているのではないかと感じています。

(舟木)そうですね。私たちも参加者様のニーズを考慮した講演内容にするように配慮をしています。
(桑原)同時開催している展示会を見るのも面白いですね。今の技術のトレンドを感じることができます。展示会を周ると、今の業界の状況を感じることができます。


EMCは安全のための重要技術


──まだ正式に講演内容が決まっていませんが、2019年のシンポジウムの見どころをお願いいたします。

(桑原)2019年も自動車に関する技術が継続して注目されると思います。自動運転などますます自動車は電子化が進んでいくでしょう。そういった中でEMCも当然、フューエルセーフ、安全性を確保する重要な技術になります。そういった内容がみなさんにご参加いただきたいセッションになるかと思います。

(舟木)日本の産業構造はかなり変わってきています。自動車が中心になってきている。今、最終製品を国内で作っている製品は限られています。
EMCは製品になった時の品質保証の問題と密接に関わっている。最終製品を作ってみないと、なかなか問題点が現れてこないところなのです。最終製品を作らない限りは、設計技術や評価技術は衰えてしまいます。
最終製品を生産している今のアジア諸国に、そういった技術があるかというと、まだ充分ではありません。最終製品に対するアプローチがこれからどう変わっていくかに対して、どのように対応していかなければいけないかが重要な問題だと思います。
これまで最終製品を作っていたのは団塊の世代です。その年代の技術者がどんどん日本の会社からいなくなって、アジアで活躍し始めています。

(桑原)EMCはとても大切な技術です。
設計にあたる技術者は、EMCの知識を持っていないと、大きな損失を出す可能性があります。事前に対策をしっかりと行えば、不具合を事前に防ぐことができた事例はたくさんあります。企業としてコストが優先されるのはわかりますが、EMCの技術を見過ごすことはできません。エンジニア一人一人が知識を持つべき技術の一つだと思います。


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