TECHNO-FRONTIER 2020 技術シンポジウム 幕張メッセ・国際会議場 TECHNO-FRONTIER2018 技術シンポジウム 企画委員特別小冊子ダウンロード

第35回 電源システム技術シンポジウム
委員長・副委員長インタビュー

副委員長
オムロン㈱ 技術・知財本部
組込システム研究開発センタ
技術専門職 博士(工学)
財津 俊行氏

委員長
㈱村田製作所 技術・事業開発本部
デバイスセンター 応用技術開発部
プリンシパルリサーチャー・博士(工学) /
名古屋大学 客員教授
細谷 達也氏


 2018年開催のテクノフロンティアシンポジウムは、リーマンショック以後、最大の参加者を記録しました。現在、2019年の「電源システム技術シンポジウム」に向けて、開催内容の検討が進められています。前回のシンポジウムの振り返りや、電源の現状について、委員長の細谷氏と副委員長の財津氏にお話いただきました。

「パワエレや電源システムを盛り上げよう」


──昨年のシンポジウムはいかがでしたでしょうか?

(細谷)昨年、基礎を学べるチュートリアル・セッションを企画し、おかげさまでたくさんの方々に来場いただきました。その結果を受けて、企画委員会の中で熱心に議論をし、今年のシンポジウムの方針を立てました。
今年は、未来に向けて、どのような変化が起こるかを捉えて、どのような方向に舵を切るべきかを考えることを軸にしてプログラムを構成しました。また、現場で苦労している技術者に対して、実践設計で役に立つ知識を提供できるように尽力しました。
(財津)私も全く同じ見解です。これまではアプリ側が静的なものだったのが、今は自動車やロボットのような動的なものに変わってきています。このアプリの変化に対し、パワエレがどう変化していくかにスポットを当てたところが昨年と今年で大きく変わった点だと思います。
(細谷)財津さんとは色々議論させてもらっていますが、「パワエレや電源システムを盛り上げよう」という点では大いに意気投合していますね。
今までは装置が決まってから、どれだけの電力を使うかでパワエレや電源の仕様が決められてきました。そうなると、どうしても電源の開発は最後になる。結果的に装置開発に時間がかかります。
激しい社会変化の中で、電源仕様が最後に決まるのは合理的ではありません。電源は装置開発でのボトルネックになることが多く、電源やパワエレが先んじて装置全体を考えてシステムを構築する必要があります。
電源システムの開発も、世の中を先読みして展開していく必要があると思っています。
(財津)おっしゃる通りです。装置の仕様が決まって、最後に電源仕様を決める。それなのに「来月、持ってこい」と言われても間に合うわけがない。委員長が指摘されるように「先読み」して行動することが大事なのです。


日本の国家戦略は「電源」にあり


(細谷)電動化で自動車が電気で走るようになると、自動車を動かすためのエネルギーをどのように供給するのかというところで電源技術も大きく変わります。
(財津)EVだけでなく、広くモビリティ、FAなどの電源構成をどのようにするか、またどう電力を供給するか。ワイヤレス給電も深く関係してきます。
パワエレはこれからの日本の国家競争力を決めるぐらいの重要な技術だと思います。
特に、若いエンジニアの方たちはパワエレに挑むなら、それくらいの気持ちを持ってもらいたいですね。
(細谷)私も同感です。装置を支える上で電源は非常に重要です。エネルギーの利用の仕方も変わりつつあります。バッテリーが進化し、モバイルでエネルギーを使えるように変化しています。エネルギーの利用形態が大きく変わっています。社会変化や未来社会に対して、我々はどうするべきか。
例えば、航空機ですが、軽量化がより重要となる中でバッテリーをどのように設計するべきか。
(財津)その内容がまさにオープニングセッション(D1)の「未来を変えるパワエレ、革新電池から電動航空機まで」ですね。社会変化に対応して、どのようにバッテリーを利用するのかを先読みして考えないと時代に乗り遅れてしまいます。ぜひ、このセッションに参加してもらいたいです。
(細谷)今は電気自動車が旬な話題ですが、航空機への可能性も検討され始めています。小型・軽量化へのブレイクスルーの可能性を秘めている。まさに電源開発の面白いところです。
このシンポジウムは大学の先生や企業の開発エンジニアが集まって対話する場です。
こういう場は他にはありません。学会はアカデミックな議論が主になり、産業の話はあまり出てこない。産業はアカデミックに基づき、アカデミックは産業で活かされて力を発揮します。
このシンポジウムでは企業の方に惜しみなく現場の開発について話をしていただけます。これが学会とは違うところです。実践的な技術が聴ける場としては、このシンポジウムは国内唯一と言ってもよいでしょう。


現場で苦労している技術者が喜んでもらえるように


──今年のプログラムについて、ご説明をいただけますか?

(細谷)オープニングセッション(D1)は、これからどのような社会変化が起こるかを読み解くところから始め、どのような開発・設計に力を入れるべきかをエンジニアと一緒に描くようなセッションだと思います。
D2「パワーエレクトロニクス技術が未来を創るxEVのロードマップ」は、「電動化」がキーワードになっているセッションです。自動車がどのように進化するかをパワエレ視点から見ていきます。
今年は例年と違う企画にもチャレンジしています。D5「次世代パワエレを支える最新のキャパシター技術」ですね。今年は、キャパシター技術だけでセッションを組みました。キャパシターにもいろんな種類や用途があるということで企画しましたが、長い歴史を持つこのシンポジウムでもキャパシターだけでセッションを組むのは初めてだと思います。参加していただいた皆さんの反響や感想を確認して今後に活かしたいです。
最後のD6「適材適所で実用化が進むSiC・GaNの最新応用技術」はパワエレにおけるパワー半導体ですね。日本の第一線で活躍する研究者、開発者に最新の話をしてもらいます。また、米国のEfficient Power Conversion Corporation の方に来日していただき、ご講演を依頼しています。
(財津)ファウンダーからお話をいただけるのはとても貴重ですね。パワエレ市場にいち早くガリウムナイトライド(GaN)を展開した企業です。同時通訳での講演も新しいチャレンジになります。
(細谷)現場で苦労している方々がこのシンポジウムに参加して、「来てよかった」と思ってもらえたら嬉しいですね。私たちも現場で苦労してきているので、現場の皆さんの苦労はとてもよくわかります。
電源は机上の設計や理論だけで開発はできず、もっと実践的に汗を流して開発しなければいけません。だからこそ現場で使える実践的な技術をより多く紹介したいと思っています。


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