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「ものづくり立国日本のための"設計力の改革"」

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2009.10.27

3次元データの活用~情報の見える化による部門間連携の強化~

日本の製造業は、設計/生産技術/製造/品質管理部門など、ものづくりに関わる技術力向上に向けての切磋琢磨と、部門間の相乗効果により、これまでの日本の高度成長を支えてきた。

ものづくりに関わる部門間の活動として重要な点は、設計のフェーズ毎に、設計情報を共有し、関係者からのさまざまな意見を設計にフィードバックするプロセスと仕組みの確立であろう。この製品品質を高めるための取り組みであるデザインレビューに3次元CADデータを用いることで、情報伝達の“見える化”の徹底が図られ、より詳細かつ効率的なレビューが可能となる。

このプロセスを3次元CADデータにより実施されているお客様からは、「従来は、設計部門が試作を行い、検討を進め、ある程度設計が固まった後に生産部門に図面が展開されていた。3次元CADを導入後は、設計者が3次元CADデータを後工程に早い段階で送ることができ、後工程の関係者と組立性や作業性の評価、治工具との干渉チェックを行うことが可能となった。設計スタッフが製造スタッフに気軽に声をかけ合い、設計の意図を製造でいかに実現できるかについての確認を取りあうなど、設計部門と製造部門との間で積極的なコミュニケーションが取られるようになった。」との評価をいただいている。

このように、従来の2次元図面では、その形状認識にある程度のスキル、すなわち「図面を読む力」が必要なため、情報の正確な伝達と共有に時間を要していたが、3次元CADデータで“見える化”を進めることにより、製造現場での情報の共有が促進され、設計へのフィードバックを得易くなってきていることが分かる。更に、3次元CADデータは、製造業の根幹のコミュニケーション・ツールとして、設計から情報を受け取る後工程の部門における生産方法の詳細検討や設計部門へのフィードバック、各種工程手順書の作成、アニメーション作成、メンテナンス・マニュアルや製品カタログの作成、等に有効に活用することができる。特に、アニメーションは、文字で表現することが困難な情報を簡単に伝達する有効な手段であり、グローバル化を推進する際に問題となる言語の壁を低くすることができる。また、従来試作品を基に作成されていた販売促進資料などを3次元CAD設計データから試作品完成前に作成することができ、製品販売準備を早い段階から開始することが可能となっている。図10に、3次元CADデータを基に作成したレンダリング画像、および、組立・分解手順のアニメーション例を示す。

図10) 3次元CADデータのレンダリング例
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<組立・分離手順のアニメーション例>

3次元CADデータを製造業の基幹のコミュニケーション・ツールとして、デジタル・エンジニアリングの推進に活用するためには、「誰もが簡単に3次元CADデータをレビューできる環境」、「常時最新の3次元CADデータにアクセスできる環境」、「3次元CADデータを守る堅牢なセキュリティ環境」が必要となる。

これらの3次元データ活用環境を提供し、3次元化を全社に有効に活用していくためのITインフラを形成するのが、3次元データを作成する3次元CAD、3次元データを見るためのビューア、3次元CADデータを管理するPDM(Product Data Management)である。

設計力の改革についてこれまで述べてきた。日本の製造業の次なる飛躍を支える「設計力」の強化には、設計者個人の能力や資質にも増して、ものづくりに関わるすべての人びとの英知を結集し伝承するしくみの確立が必須であり、それを実現する方策を、3次元CAD環境を提供するソフトウェアの役割抜きに語ることは出来ないであろう。

この連載ではツールとしての3次元CADの機能および、そのデータの利便性・有効性を7回にわたり解説してきました。連載を開始するにあたり筆者が感じていた「設計の本質を知らない設計者が増えていること」「流用設計など安易なツール活用が問題を起こすこともある」といったことをご理解いただければと考えます。

日本の製造業の強さを今後も維持し続け、その競争力を益々強化して行くためには、日々現場でご活躍されている設計者の皆様がものづくりの中心となり、皆様の英知を支えるツールとして3次元CADソフトウェアをフル活用いただくことで、今まで以上のものづくりを実現されれば幸せに思います。

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